産業看護師とは?仕事内容や求人を見つける4つのコツを紹介
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「産業看護師ってなに?」「産業看護師の仕事ってどこで探すの?」
産業看護師に関心のある方のなかには、このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
産業看護師とは、働く人々の健康増進と安全の保持増進を目的として活動する看護師のことです。この活動によって、働く人のQOLならびに組織の生産性の向上に寄与します。
看護師としての経験やスキルを一般企業で活かせる職種で、近年注目を集めています。
この記事では、産業看護師の仕事内容や求人を見つけるコツを中心に解説します。産業看護師の魅力や働き方を知ることで、自分に合う職業なのか判断するヒントを得られるでしょう。産業看護師を目指している方や興味をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。
産業看護師とは
産業看護師は、企業に配置する義務はありませんが、大企業であるほど産業看護師(または産業保健師)を配置する傾向にあります。
産業看護師には、従業員の健康管理や職場環境の改善をサポートし、企業の生産性や業績を向上させる役割があります。
産業看護師になるには
産業看護師になる一般的な流れは、次のとおりです。
- 看護師の資格を取得する
- 求人サイトに登録して応募する
- 看護師の臨床経験を得る
産業看護師になるには、看護師の資格の取得が前提条件です。
看護師免許を取得するためには、大学や看護学校で必要科目を修了後、看護師の国家試験に合格しなければなりません。
看護師免許が取得できたら、看護師専門の求人サイトや医療系転職エージェントに登録して就職したい企業に応募しましょう。
ただし、産業看護師の求人では、臨床経験が求められるケースがあります。そのため、まずは医療機関や施設などで実績を積み、看護師としての臨床経験を身につけることが大切です。
関連記事:産業看護師になるには?大手企業の求人を逃さない5つのコツも紹介
産業看護師の年収
産業看護師の年収に関する明らかなデータはありませんが、一般的に500万程度と言われています。
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査をもとに計算すると、看護師の平均年収は508万1,700円です。そのため、産業看護師の年収は一般的な看護師とほぼ同じと推測できます。
産業看護師の給与についてくわしく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
関連記事:産業看護師の給料は?保健師資格がなくてもなれる理由や仕事内容を解説
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産業看護師の仕事内容と1日のスケジュール
産業看護師のおもな仕事内容は、以下のとおりです。
- 保健指導
- 健康相談
- 急病やけがの処置
- メンタルヘルスケア業務
- 健康診断の実施と結果のフィードバック
直接の看護業務以外にも、産業医とのカンファレンスの実施や衛生委員会の会議、掲示物の作成などをおこないます。
産業看護師の勤務時間は一般的に9時~17時ごろで、カレンダーに則り土日・祝日は休みであるのがほとんどです。産業看護師のおおまかな1日のスケジュールは、次のとおりです。
時間 | 業務内容 |
9:00 | メール・連絡事項の確認 スケジュール確認 |
10:00 | 健康診断の結果確認 産業医へ面談の連絡 |
11:00 | 産業医の面談準備・同席 医務室で看護業務 |
12:00 | 昼休み |
13:00 | 健康診断結果をカルテ入力 健康診断の結果を分析 |
15:00 | 健康情報や研修の資料を作成 |
16:00 | 健康診断後のフォローアップについて産業医とカンファレンス |
企業や団体によってはグループ会社に出向いたり、複数の企業に訪問したりして業務をおこなうことがあります。
産業看護師のメリットとデメリット
産業看護師のメリットとして、以下があげられます。
- ストレスが少ない
- 身体的な負担が少ない
- 看護師以外のスキルが身につく
企業で働く看護師は、病院と異なり緊急対応を求められる場面はほとんどありません。
また、夜勤があることも非常にまれで、病院の看護師より身体的・精神的な負担が少ないと感じるでしょう。
看護師以外のスキルが身につくことも産業看護師の特徴です。パソコン操作やビジネスマナーなど、病院の看護師では身につきにくい学びを得やすいです。
一方、デメリットは以下のとおりです。
- 看護師の同僚が少ない
- 仕事を相談しづらい可能性がある
- ルーティンワークにやりがいを感じない可能性がある
ほとんどの場合、1つの企業に対して産業看護師は1人、多くても2人の配置です。また、具体的な業務指示がないことも珍しくありません。同僚が少なく相談しづらい環境であるため、自発的に課題に取り組む姿勢が求められます。
また、医療処置や緊急対応がほとんどなくルーティンワークになりがちなため、なかにはやりがいを見いだせない方もいます。
関連記事:産業看護師になるには?大手企業の求人を逃さない5つのコツも紹介
産業看護師に向いている人
産業看護師に向いている方は、以下の特徴があります。
- 夜勤のない求人を探している
- 医療や福祉以外の現場での経験を積みたい
- 予防医療やメンタルケアの仕事をしたい
- デスクワークが苦にならない
あてはまる項目が多いほど、産業看護師の特性があると言えるでしょう。
夜勤のない求人を探している人
産業看護師はほとんどの場合は夜勤がないため、規則正しい生活をしながら看護師として働きたい人に向いています。
病院の場合、仮に夜勤のない外来で働いていても、転科の辞令で病棟での勤務になる可能性はゼロではありません。
とくに、夜勤によって体調を崩しやすい方は産業看護師への転職を考えてもよいでしょう。
医療や福祉以外の現場での経験を積みたい人
医療や福祉以外の現場で、これまで培ってきた経験を活かして働きたいと思う方は、産業看護師に向いています。
医療や福祉の現場は治療や介護が必要な方が多く、回復を目指すケースがほとんどです。
一方、産業看護では、病気の予防や健康増進に重点が置かれるため、予防医学や産業保健の知識を身につけられます。
企業特有の環境や働き方に応じた保健指導や健康相談をおこなうことで、より実践的なスキルを習得できます。
こうしたことから、産業看護師は医療機関とは異なる視点や経験を得られる魅力的な職種と言えるでしょう。
予防医療やメンタルケアの仕事をしたい人
予防医療やメンタルケアの分野に興味があり、病気の予防や心の健康管理に携わりたい方は、産業看護師として活躍できる可能性が高いです。
産業看護師のおもな業務のひとつに、従業員の健康診断結果にもとづく保健指導があります。生活習慣病の予防や改善指導を通じて、病気の発症や進行を防ぐことが役割です。
また、ストレスチェックの実施や結果にもとづく面談などもおこない、メンタルケアにも深く携わるのが、産業看護師の特徴です。
企業におけるメンタルヘルス対策の重要性が高まっている近年、産業看護師は中心的な役割を担っているといえるでしょう。
デスクワークが苦にならない人
産業看護師の仕事は、健康診断の結果確認や分析、データの入力など、デスクワークが中心です。
企業内のほかの部署や産業医との連携もメールによるコミュニケーションがおもであるため、ほとんどの時間をパソコンの前で過ごすようになります。
医療現場より身体的負担は少ないものの、正確な事務処理や文書作成能力が求められます。
従業員の健康をサポートしたいと考える方にとっては、やりがいのある仕事となるでしょう。
産業看護師の転職の難易度
産業看護師への転職は、転職先が少ないことから難易度は高めです。
厚生労働省の調査によると、民間企業や事業所で働いている看護師の割合は0.4%です。また、すべての企業が看護師を配置しているわけではありません。
こうしたことから、産業看護師への転職の難易度は高いといえます。産業保健に関する知識をあらかじめ身につけておくことも、転職が有利になる可能性があります。
入念な準備と前向きな姿勢で転職にのぞめば、採用率が高くなることが見込めます。
産業看護師の求人を見つける4つのコツ
産業看護師の求人を見つけるには、以下のコツをおさえましょう。
- 看護師としての臨床経験を得る
- ビジネススキルを身につける
- 産業看護師で活かせる資格を取得する
- 求人サイトに登録する
転職難易度が高い職業への転職は、ポイントをおさえることで採用確率が高まります。
看護師としての臨床経験を得る
産業看護師として活躍するには、臨床現場での実践経験が求められます。
というのも、従業員の健康管理や急な体調不良への対応など、実践的なスキルが必要とされるためです。一般的に、3年以上の経験を必要とする企業が多い傾向です。
とくに内科や精神科での経験は、従業員の身体的・精神的な健康管理に活かせるでしょう。
急性期から慢性期まで幅広く経験することで、産業看護師に必要な予防医療や健康管理に活用できる知識とスキルが身につきます。将来的に産業看護師を目指す方は、さまざまな診療科を経験することで就職に有利に働く可能性が高まります。
ビジネススキルを身につける
産業看護師は、医療や看護に関する知識だけではなく、ビジネススキルも必要です。たとえば、WordやExcelなどのパソコン操作や文書作成の能力などがあげられます。
また、健康管理にあたって分析力が必要となるため、データ解析や統計に関する知識があれば、健康診断の結果にもとづく施策を検討するのに活かすことが可能です。
ビジネススキルは、現職で働きながらオンラインや書籍から学べます。産業看護師への転職を考えている方は、あらかじめスキルを身につけておきましょう。
産業看護師で活かせる資格を取得する
産業看護師は、医療や看護に関する知識だけではなく、ビジネススキルも必要です。
たとえば、WordやExcelなどのパソコン操作や文書作成の能力などがあげられます。
また、健康管理にあたって分析力が必要となるため、データ解析や統計に関する知識があれば、健康診断の結果にもとづく施策を検討するのに活かすことが可能です。
ビジネススキルは、現職で働きながらオンラインや書籍から学べます。
産業看護師への転職を考えている方は、あらかじめスキルを身につけておきましょう。
産業看護師で活かせる資格を取得する
産業看護師で活かせる次のような資格を取得すると、転職の強みとなり得ます。
- 保健師
- 衛生管理者
- 産業カウンセラー
とくに保健師資格は、予防医療や地域医療の知識を深められ、多くの企業で優遇されやすいです。
ただし、保健師になるには国家試験に合格しなければなりません。看護師資格があり、必要科目の履修が済めば国家試験の受験資格を得られます。
衛生管理者や産業カウンセラーもそれぞれ受験資格を得るために、臨床経験や養成講座の終了などの条件があります。
転職前にあらかじめ資格を取得すると、前向きな姿勢が評価されて転職に有利に働くでしょう。
求人サイトに登録する
産業看護師の求人は、看護師専門の転職サイトや転職エージェントの利用で効率的に見つけられます。とくに、東京や大阪などの都市部では求人数が多く、より条件のよい仕事を見つけやすい傾向です。
また、大手企業の健康管理部門や健診センターなど、さまざまな職場での求人もあります。
転職エージェントを利用すれば非公開求人の情報も得られ、幅広い選択肢のなかから探すことが可能です。
現職で忙しく求人を見る時間が取れない方は、転職エージェントの活用をおすすめします。
まとめ:産業看護師を目指して、理想の働き方を実現しよう
産業看護師は、一般企業で従業員の健康管理をおこなう役割を果たしています。
病院で働く看護師と異なり、予防医療や健康増進に重点を置いた業務が中心です。
規則正しい生活が送れ、負担が少ないことで人気を集めている職業ですが、求人数が少なく転職難易度は比較的高めです。転職を有利にするために、臨床経験を積み、関連資格を取得することなどが推奨されます。
現職で忙しい方は、転職サイトや転職エージェントを利用することで効率的に求人を探せます。自分の生活スタイルに合った方法で、理想の働き方ができる企業を見つけましょう。
<参考サイト・文献>
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