看護師の手取りは平均いくら?増やす4つの方法や手取りが高い職場

「看護師の給与が少ないから困っている」「手取り額を増やすにはどうしたらいいの?」
手取り額をもう少し増やしたいと考えている看護師の方は少なくありません。年齢や性別、地域など、さまざまな要因によって手取り額は変動します。
この記事では、看護師の手取り額アップのための具体的な方法をご紹介します。参考にして手取りがアップするきっかけになれば幸いです

看護師の手取りは平均いくら?
看護師の手取りは、約27万4,000円~31万1,000円が目安です。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」における看護師の給与をもとに、手取りは額面の75~85%程度として試算すると、この金額になります。
看護師の平均給与から見る手取り
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の給与(きまって支給する現金給与額)は月36万5,900円です。
ただし、36万5,900円は税金や社会保険料などが差し引かれる前の金額です。手取りを75~85%と仮定して試算すると、以下のようになります。
| 額面給与 | 手取りの割合 | 手取りの目安 |
| 36万5,900円 | 75% | 約27万4,000円 |
| 36万5,900円 | 80% | 約29万3,000円 |
| 36万5,900円 | 85% | 約31万1,000円 |
ただし、これはあくまで試算です。実際の手取りは、社会保険料や所得税、住民税、扶養状況などによって変わるため、毎月の手取りだけでなく、賞与を含めた年収もあわせて見ることが大切です。
関連記事:【2025年版】看護師の平均年収はいくら?ボーナスや給与の内訳を解説
月収別の手取り目安を確認する
実際の手取りは、現在の額面月収によっても変わります。ここでは、額面月収の75~85%を手取りとして試算した場合の目安を紹介します。
| 額面月収 | 手取り75% | 手取り80% | 手取り85% |
| 25万円 | 約18万8,000円 | 約20万円 | 約21万3,000円 |
| 30万円 | 約22万5,000円 | 約24万円 | 約25万5,000円 |
| 35万円 | 約26万3,000円 | 約28万円 | 約29万8,000円 |
| 40万円 | 約30万円 | 約32万円 | 約34万円 |
| 45万円 | 約33万8,000円 | 約36万円 | 約38万3,000円 |
| 50万円 | 約37万5,000円 | 約40万円 | 約42万5,000円 |
上記は一定の割合を使った概算であり、実際の手取り額とは異なる場合があります。転職先の給与を比較するときは、求人票に記載された月給だけで判断せず、基本給や夜勤手当、資格手当などの内訳、賞与の有無や金額も確認しましょう。
関連記事:看護師の初任給は手取りでいくら?リアルな明細と生活シミュレーションを解説
看護師の手取りはどう決まる?額面と控除の仕組み
看護師の手取りは、額面給与から社会保険料や税金などを差し引いて決まります。求人票に記載されている「月給」や給与明細の「総支給額」は、そのまま受け取れる金額ではありません。実際に受け取る手取りを知るには、額面給与から何が差し引かれているのかを確認する必要があります。
給与から差し引かれるおもな項目
給与から差し引かれるおもな項目は、社会保険料と税金です。
社会保険料には、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などがあります。加入している健康保険や標準報酬月額などによって、負担する金額が決まります。税金では、おもに所得税と住民税が給与から差し引かれます。
給与から差し引かれるおもな項目をまとめると、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 健康保険料 | 病気やけがなどに備えるための保険料 |
| 厚生年金保険料 | 老後の生活などを支える年金制度のための保険料 |
| 雇用保険料 | 失業した場合や育児休業を取得した場合などに給付を受けるための保険料 |
| 所得税 | 給与などの所得に対してかかる国の税金 |
| 住民税 | 住んでいる都道府県・市区町村に納める税金 |
このほか、勤務先によっては、組合費や財形貯蓄、社宅費などが給与から引かれる場合もあります。そのため、同じ月給30万円の看護師でも、実際に受け取る手取りが同じとは限りません。
同じ額面でも手取りが変わる要因
同じ額面給与でも手取りが変わるのは、給与から差し引かれる社会保険料や税金などの金額が看護師によって異なるためです。
たとえば、住民税は前年の所得をもとに計算されるため、転職直後やブランクから復帰したばかりの頃などは給与と住民税の負担額が一致しないことがあります。また、扶養家族の有無などによって所得税の計算も変わります。
自分の手取りを確認・計算する方法
自分の手取りを知りたい場合は、給与明細を確認するのが確実です。
給与明細には、基本給や各種手当などの「支給」と、社会保険料や税金などの「控除」が記載されています。基本的な考え方は、以下の計算式です。
手取り額=総支給額-控除額
たとえば、総支給額が30万円で、社会保険料や税金などの控除額が6万円の場合、手取りは24万円です。
看護師の年収は、年代や勤務先、地域、雇用形態などによっても異なります。詳しくは以下の記事で解説しています。
関連記事:看護師のリアルな年収とは?年代・職場・地域・性別・雇用形態別に紹介
看護師の手取りを増やす4つの方法
手取り額を増やすために、以下の4つの方法を解説します。
- 控除額を減らす
- 管理職を目指す
- 専門的な資格を取得する
- 高待遇な職場に転職する
それぞれの方法には、メリットとデメリットがあります。自分に合った方法を選んで手取り額を増やしましょう。
控除額を減らす
控除額を減らすことで手取り額を増やせる可能性があります。控除とは「差し引く」という意味で、税金から一定の金額を差し引くことを指します。代表的な控除対象が以下の5つです。
- 基礎控除
- 扶養控除
- 配偶者控除
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
ほかにも、医療費控除や住宅ローン控除などがあり、これらの控除を受けるためには年末調整や確定申告での申請などが必要です。自分が活用できる控除を把握しておきましょう。
管理職を目指す
一般職の看護師に比べ、管理職になると手取り額が数万円ほど増える可能性があります。業務の責任が重く、これまでの経験を活かして部下の看護師の方を教育しながら業務をこなすからです。
管理職になるためには、日々の業務を責任持っておこなうことです。看護師としてのスキルを磨き、ほかの看護師の手本となるような業務の遂行が求められます。
専門的な資格を取得する
認定看護師・専門看護師の資格を取得すると、その方にしかできない業務が任されるため待遇がよくなります。たとえば、認知症の認定看護師の場合、認知症患者へのケアに一般看護師よりも専門性を持って取り組めるでしょう。具体的には、次の表のような資格手当が支給されます。
| 資格 | 平均手当額 |
| 専門看護師 | 1万9,615円 |
| 認定看護師 | 1万3,574円 |
| 特定行為研修修了者 | 1万148円 |
しかし、専門看護師の48.5%、認定看護師の46.1%は資格手当はないと回答しています。そのため、資格手当による給与アップを期待している看護師は、資格取得を目指す前に資格手当の有無を上司や人事課に尋ねてみましょう。
高待遇な職場へ転職する
転職は手取り額を増やすために有効な手段です。
たとえば、経営が不安定な施設では給与が平均よりも安く設定されている可能性があります。その場合、スキルを身につけたり、資格を取得したりしても昇給額が少なく、手取り額が増えない場合があります。
経営が安定した高待遇な施設への転職を検討することも大切です。転職を検討する場合には、複数の施設を比較し、転職サイトを利用するのもいいでしょう。
看護師の手取りが高い職場の特徴
看護師の手取りが高い職場の特徴は以下のとおりです。
- 夜勤手当が高い職場
- 規模が大きな職場
- 高度な医療を提供している職場
- 自由診療の職場
手取りを増やしたい場合は、この4つを頭に入れておくといいでしょう。
夜勤手当が高い職場
看護師の方の夜勤には、2種類の賃金が支払われることがあります。
- 深夜割増賃金(夜遅く働くための特別な割増料金)
- 夜勤手当(夜勤をしたことへの手当)
また「日本看護協会」の調査によると、病院によって以下のお金の払い方が違います。
- 深夜割増賃金と夜勤手当を一緒にした金額を支払う:51%
- 深夜割増賃金と夜勤手当を別々に支払う:31.3%
このように、病院によって夜勤手当の支払い方はさまざまであり、その金額も異なります。病院のホームページや求人情報で夜勤手当について確認しましょう。
規模が大きい職場
施設の規模が大きい職場は給与が高く設定されている可能性があります。とくに、病床数が多い国立病院では、業務内容が多岐にわたるため給与水準が高めに設定される傾向です。
しかし、規模の小さい職場が必ず給与が低いわけではありません。とくに、訪問看護ステーションは、規模は小さいものの、需要が高まってきています。さらに、小児科専門、精神科専門などの訪問看護ステーションもあり、専門性の高さから手取りアップが期待できます。
そのため、単に施設の規模だけで判断せず、業務内容や施設の専門性も考慮して判断しましょう。
訪問看護ステーションへの転職を検討している方は「ナスキャリ(NsPace Career)」を活用してみませんか。訪問看護に特化した求人サイトであり、あなたの条件に合った求人を見つけられます。
高度な医療を提供している職場
高度な医療を提供する病院では、専門性が求められるため給与が高くなる可能性があります。
たとえば、がんセンターや集中治療を専門とする病院では、より高いレベルの看護スキルが必要です。そのため、一般の病院と比べ給与が高く手取り額が増えるケースもあります。
自由診療の職場
医療保険の保険診療とは異なり、自由診療の医療機関では、診療報酬で得られない料金設定が可能です。
そのため、医療機関の収益が高くなる傾向があり、看護師の給与も高水準に設定されていることが特徴です。自由診療の職場の例として以下があります。
- 美容クリニック
- 健診センター
- 予防医療施設
たとえば、美容医療では美容注射やレーザー治療など、一回あたりの治療単価が数万円から数十万円と高額です。看護師は施術の補助や患者さまのカウンセリングなど、重要な役割を担うため、基本給に加えて歩合給や業績手当が充実している職場があります。
看護師の手取りに関するよくある質問
看護師を目指している方が知っておきたいQ&Aを紹介します。
Q1.新卒看護師の初任給の手取りはいくらくらいですか?
新卒看護師の初任給の手取り額は次のとおりです。なお、金額は「平均税込給与総額×0.8」で算出しました。
- 高卒+3年課程の新卒:約21万3,246円
- 大卒:約21万9,801円
高卒+3年課程の新卒と大卒では約6,000円の差です。さらに、初任給の詳しい情報について知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
関連記事:20代看護師の平均年収は?初任給の実態と年収を上げる方法を解説!
Q2.看護師の手取りは少ないのですか?
看護師の平均手取り額は約27万4,000円~31万1,000円が目安です。一方で、一般労働者の平均手取り額は約26万4,320円とされています。そのため、看護師の手取り額は少なくないと言えます。
関連記事:看護師の給料は安い?割に合わない理由7つと給料アップするコツを解説
Q3.手取りが人によって違うのはなぜですか?
同じ額面給与でも手取りが異なるのは、給与から差し引かれる社会保険料や税金などの金額が人によって異なるためです。
たとえば、住民税は前年の所得などをもとに計算されるため、同じ月給でも住民税の負担額が異なる場合があります。また、扶養状況などによって所得税の額も変わります。
さらに、勤務先によっては、組合費や社宅費などが給与から差し引かれることもあります。
看護師の手取りを確認して働き方を考えよう
看護師の手取りは、額面給与から社会保険料や税金などを差し引いて決まります。厚生労働省の統計をもとに試算すると、看護師の手取りは月27万4,000円~31万1,000円が目安です。
ただし、実際の手取りは給与額だけでなく、住民税や扶養状況などによっても変わります。また、勤務先によって基本給や夜勤手当、資格手当、賞与などの給与条件も異なります。
手取りを増やしたい場合は、現在の給与明細を確認したうえで、夜勤回数を増やす、手当の多い職場を選ぶなど、自分に合った方法を検討しましょう。転職する場合は、求人票の月給だけでなく、給与の内訳や賞与、勤務条件まで確認することが大切です。
<参考サイト・文献>
ナスキャリナビ編集部 「ナスキャリナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「ナスキャリ」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
