パート看護師の履歴書の書き方!6つの例文やフルタイム看護師との違い
「看護師のパート勤務で働くときの履歴書の書き方が分からない」「パートで働く理由はどう書いたらいいの?」
厚生労働省の調査によると、看護師の方の雇用形態は正社員(82.4%)が最も多く、次いでパート・アルバイト(11.8%)、短時間正社員(1.1%)と続きます。パート看護師として働こうとする際に、このように悩んだり不安を感じたりしている方は多いでしょう。
パート看護師に応募するとき、履歴書は第一印象を決める大切なものです。履歴書の書き方や内容を工夫して、自身をアピールしなければなりません。
この記事では、パートで働く看護師の方の履歴書を書く方法や注意点などを解説します。魅力的な履歴書にして転職を成功させましょう。
パートで働く看護師の履歴書の書き方
履歴書は、その後の面接に進むための判断材料として重要なものです。
書き方の基本的なマナーを守らないと、採用担当者にネガティブな印象を与える可能性があります。下記のような基本的な書き方やマナーに沿った履歴書を作成して、好印象を持ってもらうことが重要です。
- 履歴書のサイズはA4を使用する(見開きA3)
- 空欄はすべて記入する
- 手書きで記入する
- 修正テープは使用せずに書き直す
ただし、病院や施設から「履歴書のサイズ」や「パソコンで作成」などのルールがあれば、そちらに準じて作成しましょう。履歴書の基本とマナーについて詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:看護師の履歴書の書き方とマナーとは?|ケース別の10選の例文を紹介
パートの看護師とフルタイム看護師における履歴書の書き方の違い
パート看護師とフルタイム看護師では、勤務条件や業務の範囲などが異なるため、履歴書に記載すべきポイントが変わります。
フルタイム看護師との違いや、パート看護師のアピールポイントをまとめました。
項目 | パート看護師 | フルタイム看護師 |
勤務条件 |
・希望の勤務時間や曜日 |
具体的な希望や条件は強調しない |
スキル | ・得意分野 ・専門的な知識 |
・リーダーシップ ・幅広い知識 |
自己PR | ・即戦力としての貢献 ・臨機応変な対応力 ・協調性 |
・キャリアの展望 ・委員会やマネジメント業務への貢献 |
フルタイム看護師は幅広く業務に携われる一方で、パート看護師は勤務時間が短く、働く日数が少ないことで業務が制限されやすいです。
パート看護師のなかには、リーダー業務やキャリアアップを目指して研修を受ける方もいます。そのため、業務に柔軟に対応できることや即戦力として働くことができることを強みとして書いてみましょう。
パートで働きたい看護師の履歴書の書き方【例文】
看護師でパート勤務を希望する理由は、人によりさまざまです。
- 子育てと両立して働くときの例文
- 持病がありパートで働くときの例文
- ブランクから復帰してパートで働くときの例文
- 将来的にフルタイムで働きたいときの例文
- 親の介護をしながらパートで働くときの例文
- 専業主婦からパート看護師として働くときの例文
履歴書にはパートで働きたい理由とともに、職場に自分がどのように貢献できるのかをアピールすることが大切です。
ここでは、ケース別の志望動機をご紹介します。自身のパートを希望する理由と合わせて、参考にしてみてください。
子育てと両立して働くときの例文
<例文> 私は看護師として7年の経験を積んできました。子どもがまだ小さく、夜勤をすることが難しいため、パート勤務を希望します。今後は、子育てで培った経験も活かしながら、貴院で患者さまに寄り添ったケアを大切にしていきます。限られた時間の中で質の高いケアを行い、患者さまやチームに貢献できるよう努めます。 |
持病がありパートで働くときの例文
<例文> 私は腎臓病という持病を抱えているため、フルタイムの勤務は難しいです。しかし、看護師の仕事に魅力とやりがいを感じており、今後も続けていきたいと考えております。持病があるからこそ、より深く患者さまの想いに寄り添えることは私の強みです。短い時間の中ではありますが、自身の経験を通して患者さまに寄り添った質の高いケアを行い、貴院の理念である「患者さま第一の医療」を実現します。 |
ブランクから復帰してパートで働くときの例文
<例文> 私は2年間、看護師の現場から離れていました。子育てが落ち着いたので、現場に復帰すると強く決意しています。現場を離れてみて、改めて看護師の魅力に気がつきました。これからは新たな知識を学び、できるだけスキルを早く身につけることが目標です。まずはパート勤務で家庭と両立しながら働かせていただきたいと思っています。貴院のチームの一員として貢献できる機会をいただければ幸いです。 |
将来的にフルタイムで働きたいときの例文
<例文> 現在、私は小学生の子どもを育てているためパート勤務を希望していますが、2年後にはフルタイムで働きたいと考えております。これまで、患者さまへのケアはもちろんですが、チーム連携を大切にしてきました。今後もチーム医療を大切にし、患者さまに質の高いケアを実施できるように努めます。ぜひ、長期的に働かせていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 |
親の介護をしながらパートで働くときの例文
<例文> 現在、私は親の介護をしていますが、現場に戻りたいと思っています。インターンシップに参加した際、貴院の理念や病棟の雰囲気に惹かれたため応募いたしました。介護の経験を通して、介護される患者さまと介護する家族、それぞれの立場を理解することができました。この経験は、看護師の仕事にもつながると考えています。患者さまだけではなく、家族にも寄り添って話を聞いたり、退位後の生活を見据えたりしてケアを行っていきます。ぜひ、貴院が掲げる「患者さん中心の安全で質の高い医療を提供します」を実現していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 |
専業主婦からパート看護師として働くときの例文
<例文> 私は結婚を機に退職し、5年間、専業主婦として家事と育児に専念してきました。子どもの成長とともに自分の時間に余裕が出てきたことから、再び現場で働きたいと思い、貴院に応募しました。病棟での勤務経験があるため、貴院でも以前の経験が活かせると考えています。また、家事や育児で培ったコミュニケーション能力や柔軟な対応力を活かし、貴院や患者さまに貢献できるよう努めていきたいと思っています。 |
パートで働きたい看護師の履歴書の書き方における注意点
パート勤務を希望する際、履歴書の内容や書き方が不適切だと、採用担当者にマイナスな印象を与える可能性があります。
魅力的な履歴書を作成するために、書き方のポイント3つを知っておきましょう。
- ブランクからパートに復帰する際はブランク期間の取り組みを書く
- パートで働きたいときは絶対外せない条件を本人記入欄に書く
- 職歴が書ききれないときは学歴を省略する場合もある
それぞれの内容を詳しくみていきましょう。
ブランクからパートに復帰する際はブランク期間の取り組みを書く
看護師が臨床の現場から一旦離れる理由は、それぞれ異なります。
先ほど紹介した資料によると、看護職員として就業していない方の期間は5年未満で45.5%です。
離職期間 | 割合 |
1年未満 | 17.0% |
1~3年未満 | 18.2% |
3~5年未満 | 10.3% |
5~10年未満 | 17.4% |
10~15年未満 | 11.1% |
15~20年未満 | 6.9% |
20年以上 | 14.1% |
無回答 | 5.0% |
入職希望者にブランクがあると、その理由や取り組み、過ごし方を気にする採用担当者もいるため、書き方によっては、採用担当者にネガティブな印象を与えかねません。
そこで、現場から離れている間に取り組んだことをポジティブな形で記載し、今後どのように現場に活かせるかを結びつけて書けるといいでしょう。次の一例を参考にしてみてください。
- 子育て:タスク管理能力・柔軟性・忍耐力
- 長期留学:自己管理能力・適応力・幅広い視野
- 親の介護:介護スキル・コミュニケーション能力・共感力
ブランク期間の取り組みの成果を前向きに表現できると、復帰への意欲を示すことができます。
パートで働きたいときは絶対外せない条件を本人希望記入欄に書く
履歴書の本人希望記入欄は、入職する前に採用担当者に伝えておかなければならないことを記載する項目です。例として、次のものが挙げられます。
- 入職日の希望
- 勤務日数や時間
- 社会保険加入の有無
希望記入欄には「週3日、午前中のみを希望します」「月曜日、水曜日~金曜日は勤務することができます」など、具体的に記載しておくと希望や条件を理解してもらいやすいです。
また、記載するときは否定形ではなく肯定形で伝えましょう。たとえば「扶養範囲を超える勤務はできません」と書くと、消極的な印象を与えます。そこで「扶養範囲内での勤務を希望します」と伝えることにより、謙虚な姿勢を示せるでしょう。
ただし、文章が好印象でも、あまりにも希望する条件が多いと悪い印象を与える可能性があるため「絶対外せないもの」を優先的に記載してください。
職歴が書ききれないときは学歴を省略する場合もある
職歴を書く際、なかには転職経験が複数回あり、履歴書の用紙に収まらない方もいるでしょう。そのような場合には、学歴を省略して記載することがあります。
なぜなら、採用担当者は学歴よりも、看護師としての経歴やスキルを重視する傾向があるためです。
たとえば、専門性の高い資格や経験を記載すると「就職先でどのように貢献するのか」「どのような役割を担えるのか」などを採用担当者がイメージしやすいです。
しかし、それでも職歴欄に書ききれない場合は、下記の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:看護師の履歴書の職歴が書ききれないときの対処法7つ!別紙のコツも紹介
まとめ
パート勤務を希望する看護師の履歴書は、自己PRができる重要な要素のひとつです。
看護師としての経験やスキル、ブランク期間中の取り組みを具体的に記載しアピールすることを心がけましょう。
また「仕事」と「家庭やライフスタイル」を両立させながら、看護師の仕事に取り組みたいという意欲をしっかり伝えることが大切です。
履歴書を通して即戦力として働けることやシフトに柔軟に対応できることを伝えられると、採用担当者にとって魅力的な存在になります。
好印象な履歴書を作成し、希望する職場でパート看護師として活躍する第一歩を踏み出しましょう。
参考サイト・文献
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。