看護師の職務経歴書!転職が成功するマナーや書き方を解説【例文付】
「転職したい!でも職務経歴書はどう書いたらいいの?」「履歴書は書いたことあるけど、職務経歴書は書いたことがない。どうしたらいい?」などと、悩みや疑問のある方は多いかもしれません。
看護師の職務経歴書は、転職活動するうえで欠かせません。なぜなら「面接をするかどうか」の判断材料となり得るためです。つまり、看護師の転職で書類選考を突破し転職を成功させるためには、適切な職務経歴書が必要といえます。
そこで本記事では、転職が成功する看護師の職務経歴書のマナーや書き方を解説します。職務経歴書を書いたことがない、マナーがわからない方は、例文付きで解説するため、ぜひ参考にしてください。
看護師の職務経歴書とは
看護師の職務経歴書とは「看護師の経験やスキルをまとめた書類」のことです。
転職活動の書類審査の際に求められ、実務経験や獲得スキルを採用担当者に提示します。職務経歴書には、ひな形程度のテンプレートやフォーマットがあります。また、自身の経歴などに合わせてフォーマットを調整でき、記載内容も自身で選択可能です。
採用担当者は、職務経歴書を読み「求める人物であるか」「必要な経験やスキルを持っているか」などを判断します。つまり、職務経歴書の内容により、書類審査の合否が決まります。そのため、転職の成功のためには、マナーを守った職務経歴書が欠かせません
応募する訪問看護ステーションによっては、職務経歴書の提出を求められない場合もあります。応募先に確認しましょう。
看護師の職務経歴書の基本マナー
まずは、看護師の職務経歴書の基本的なマナーを解説します。以下の4つを押さえましょう。
- 手書きではなくパソコンで作成する
- A4用紙1~2枚にまとめる
- 見出し・箇条書きを使い読みやすくする
- 履歴書との矛盾・重複に注意する
それぞれを具体的にみていきましょう。
手書きではなくパソコンで作成する
看護師の職務経歴書は、手書きではなくパソコン作成したほうがよいでしょう。
ただし、手書きを禁止とするルールはありません。職務経歴書は文章量が多くなるため、パソコンで作成するケースが多いです。見出しを作ったり、行間を変えたり、パソコンで作成するほうが手書きよりも読みやすい職務経歴書を作成できます。修正も簡単にできるメリットがあります。
テンプレートやフォーマットは、自由に設計できるため、自身に合ったものにしましょう。
A4用紙1~2枚にまとめる
看護師の職務経歴書は、A4用紙1~2枚程度にまとめましょう。
その理由は、短すぎず長すぎず、読みやすい分量の職務経歴書となるからです。採用担当者は、多くの職務経歴書をチェックします。職務経歴書の枚数にルールはありませんが、長すぎれば簡潔にまとめられないと判断される恐れがあります。
ただし、転職回数が多い方や業務経験が長い方は、2枚にまとまらない場合もあるでしょう。ポイントを押さえても2枚におさまらない場合は「簡潔にまとめる」ことを忘れないでください。
見出し・箇条書きを使い読みやすくする
見出しや箇条書きなどを使い「採用担当者の読みやすさ」を意識しましょう。
抑揚のない文章は読みにくいです。アピールしたい内容を読みやすく、且つわかりやすく作成してください。内容が多ければ「何をアピールしたいのか」「どこに、何を書いているのか」「あまり読む気持ちになれない」など、内容がわかりにくくなり採用担当者の印象が悪くなる恐れがあります。
転職を成功させるためには、見出しや箇条書きを使い、メリハリのある内容でアピールしましょう。
履歴書との矛盾・重複に注意する
応募する訪問看護ステーションによっては、職務経歴書のほかに履歴書の提出を求める場合があります。
職務経歴書と履歴書では、書く内容が違うため、アピールするポイントが異なります。そのため、両者で内容が矛盾したり、重複したりすることは少なくありません。特に、内容に矛盾があれば不信感につながる恐れがあります。
提出する前には矛盾がないか必ずチェックしましょう。
職務経歴書の書き方【記載例あり】
次に、実際の職務経歴書の書き方を解説します。
- タイトル・日付・氏名
- 職務経歴
- 担当業務
- 学んだこと
- 保有資格
- 自己PR
記載例に沿って、それぞれの書き方をみていきましょう。
タイトル・日付・氏名
タイトルには「職務経歴書」と中央に、太字で記入してください。
日付と氏名は右上に記入します。日付は、職務経歴書の提出日です。応募する訪問看護ステーションに持参する場合は持参日、郵送する場合は投函日、メール送信する場合は送信日を記入します。年号は、西暦または和暦にするか、特にルールはありませんが西暦で記入するのが一般的です。氏名は日付の下にフルネームで記入しましょう。
職務経歴
職務経歴は、勤務先の名称(病床数や従業員数)、勤務期間、雇用形態などの情報を記入してください。
勤務先の名称は、正式名称で記入します。病床数や従業員数などの記入があれば、採用担当者が過去の勤務先の規模感をイメージしやすいでしょう。何度か転職した経験がある方は、年代順に記入してください。
担当業務
職務内容は、職務経歴書のなかで重要な項目のひとつです。その根拠は、職務内容を読んで「求めるスキルがあるか」「就職したらこの分野で活躍してもらいたい」など、アピールにつながるためです。
具体的には、以下の3つを記入してください。
- 配属先の名称、病床数、配属期間
- 配属先の対象患者
- 業務内容(役割やスキルなど)
業務内容は、新人教育担当者やチームリーダー、看護研究など担当した役割を具体的に記入しましょう。箇条書きで記入するとわかりやすいです。専門的なスキルや経験があれば、採用担当者に好印象を与えられます。
学んだこと
担当業務を通して学んだことを記入してください。就職した後に、どのように貢献できるのかアピールしましょう。
保有資格
保有している資格を年代順に記入しましょう。具体的には、看護師にかかわる資格を記入してください。
- 専門看護師
- 認定看護師
- 保健師
- 助産師
ほかにも、訪問看護ステーションでは、運転免許の取得が必須になる可能性があるため記入します。正式名称で記入し、取得年月は試験に合格した日ではなく、免許取得日になるため注意しましょう。また、履歴書と矛盾がないことを確認してください。
自己PR
自己PRは、就職することでどのように貢献できるのか、どのようなメリットがあるのかを記入します。職務経歴や保有資格などを踏まえたうえで記入し、なるべく空欄がないように記入しましょう。
転職が成功するためには、採用担当者に「採用したい」と思わせる自己PRが必要です。次に自己PRの例文を紹介するので、参考にしてください。
転職が成功する自己PRの例文|3つのポイント
ここでは、転職が成功する3つの自己PRの例文を紹介します。
例文1:責任感の強さ
私は責任感を持って仕事をやり遂げることを大切にしています。以前勤めていた病院では、ICUに所属しており、対象は重症の方ばかりです。1年目のときに患者さんの状態が急変し、うまく対応できなかった経験があります。そのため、自己啓発に取り組んでいます。現在でも業務内容や患者さんの対応など、日々の振り返りを忘れません。また、臨床スキルの向上や最新の医療情報の獲得を大切にし、患者さんによりよいケアを提供するために責任を持って実行しています。新しい環境でも責任感をもって看護ケアを提供することで、患者さんと家族に信頼される看護師でありたいと考えています。 |
例文2:協調性の高さ
私は協調性が最も重要なスキルであると考えています。看護師は患者さんによりよいケアを提供するためには、医師、薬剤師、リハビリスタッフなど多職種との連携が欠かせません。患者さんのニーズを理解し、患者さんや家族との良好な関係を築くためには、患者さんとだけではなく、スタッフ間でのコミュニケーションが必要です。ときには、スタッフ間で互いの立場や考え方の違いから意見が食い違い、衝突することもありました。しかし、私には協調性があるため、異なる立場での考えや視点を尊重できます。スタッフで協力をして患者さんに最も効果的なケアプランを立てられます。患者さんと家族にとって、安心感を持てる看護師であり続け、医療チームの一員として協調性を持ちながら貢献していきたいと考えています。 |
例文3:経験の豊富さ
私は、これまでの経験をもとに患者さんへ質の高い看護ケアを提供できます。異なる診療科目で勤務し、多くの患者さんにケアを実践してきました。急性期の疾患から慢性疾患まで、さまざまな病態をもつ患者さんに対応可能です。また、アセスメント能力や問題解決能力を高めてきたため、患者さんの個別的なニーズに応えたケアを提供できます。さらに、チームリーダーや新人教育での役割を担ってきたため、看護師のスキルアップにも貢献できます。私の豊富な経験は、看護師としての専門性を高められるため、新しいチームでも貢献でき、患者さんに柔軟にケアできると考えます。 |
職務経歴書と履歴書の違い
職務経歴書と履歴書の大まかな違いは、以下の2つです。
職務経歴書 | 履歴書 | |
記入内容 | スキルや経験 | 基本的なプロフィール |
フォーマット | 自由 | ほぼ定型 |
転職を希望する応募者の中には、履歴書と職務経歴書の違いがほとんどわからない方もいるかもしれません。詳しくは以下の記事を参照してください。
関連記事:看護師の履歴書の書き方とマナーとは?|ケース別の10選の例文を紹介
郵送する際のマナー
職務経歴書の提出は、持参する場合と郵送する場合があります。
その際にマナーを守らなければ、採用担当者からマイナス評価を受ける恐れがあります。履歴書と職務経歴書の場合でマナーは変わりません。詳しくは以下の記事を参照してください。
関連記事:看護師の履歴書における封筒と送付状のマナーを解説【見本あり】
看護師の職務経歴書に関する Q&A
最後に、看護師の職務経歴書に関するQ&Aを紹介します。
職務経歴書にはどのような形式がありますか?
職務経歴書には2つの形式があります。
形式 | 特徴 |
編年体式 | 古い順に経歴を記入する。 経歴がひと目でわかるため、採用担当者にとってわかりやすい。 |
キャリア式 | 職務経歴を職種や業務内容ごとにまとめて記入する。 アピールできる業務がある方、経験が豊富な方に向いている。 |
勤務経験が豊富な方はキャリア式で記入し、スキルをアピールしましょう。書き方の特徴を踏まえたうえで、自身に合ったフォーマットを選択してください。
職務経歴書を手書きで作成するのは控えるべきですか?
手書きで作成するのは控えましょう。
パソコンで作成したほうが読みやすい職務経歴書を作成できます。また、すぐ修正できるため、手間がかからず作成できるでしょう。
ただし、手書きを禁止とするルールはありません。そのため、パソコンを持っていない方やパソコン操作が苦手な方は手書きで作成しましょう。職務経歴書はコンビニや文房具店、書店などで購入できるため活用してください。
転職回数が多い場合はどうしたらいいですか?
転職回数が多い場合は、直近の1~2カ所の勤務先を詳しく記入しましょう。
すべての勤務先を記入しなければなりません。しかし、すべての勤務先を詳しく記入するとA4用紙1~2枚でおさまらない恐れがあります。直近の勤務先での在籍期間が短い場合は、長く勤めた勤務先の経歴を記入しましょう。
退職理由は書いたほうがいいですか?
退職理由は記入する必要はありません。ただし、退職理由を記入したほうがいいと判断したときは記入してください。退職理由を記入したほうがいい場合は、以下が考えられます。
- 会社都合の退職
- 退職理由がアピールにつながるとき
- 「在籍期間が短い」「転職回数が多い」「離職期間が長い」など
採用担当者が「なぜ在籍期間が短いのか?」など疑問を感じる場合は、退職理由を記入しましょう。ただし、ネガティブな印象にならないように注意してください。
看護師の職務経歴書の書き方を押さえて適切に評価してもらおう
看護師の職務経歴書は、採用担当者が「面接するかどうか」を判断するため、転職活動をするうえで欠かせません。適切な職務経歴書は、アピールにつながります。書き方やマナーを押さえた職務経歴書を作成してください。経験やスキルをアピールして、転職を成功させましょう。
また、職務経歴書を書く時間がなかなか取れない・・・という方は、短時間で職務経歴書を書く時のポイントを以下の記事にまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
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