指定訪問看護ステーションとは?指定基準や訪問看護ステーションとの違いを解説

公開日:2026/07/22 更新日:2026/07/22
指定訪問看護ステーションとは?指定基準や訪問看護ステーションとの違いを解説

「指定訪問看護ステーションの意味がよく分からない」「指定を受けていない事業所で働くのは避けたほうが良いの?」

そんな疑問を抱えていませんか。指定訪問看護ステーションとは、公的保険を利用した訪問看護を提供する事業所のことです。

この記事を読むと、指定の意味や基準、混同されやすい「みなし指定」との違いが整理できます。指定の有無が働くうえでの安心感にどう関わるのか理解でき、不安なく次の求人に応募できるようになるでしょう。

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指定訪問看護ステーションとは

指定訪問看護ステーションとは、健康保険法第89条第1項にもとづき、地方厚生(支)局長の指定を受けた事業所のことです。指定を受けることで、医療保険や介護保険による訪問看護サービスを提供し、訪問看護療養費や介護給付費を請求できるようになります。

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指定訪問看護ステーションの対象者

指定訪問看護ステーションを利用できるのは、主治医が訪問看護の必要性を認めた方です。

具体的には、要介護認定を受けている高齢者、末期がんや難病など医療的なケアが必要な方、精神科訪問看護が必要な方などが対象になります。

要介護認定を受けている方にはおもに介護保険が、それ以外の方や特定の疾患・急性増悪期の方には医療保険が適用されます。

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指定訪問看護ステーションと訪問看護ステーションとの違い

訪問看護ステーションは訪問看護を提供する事業所の総称であり、そのなかで指定を受けた事業所が「指定訪問看護ステーション」と呼ばれます。

項目指定訪問看護ステーション訪問看護ステーション
意味健康保険法などにもとづき、地方厚生(支)局長の指定を受けた事業所訪問看護を提供する事業所の総称
指定の有無必要指定の有無を問わない
訪問看護療養費の請求可能指定がないと保険請求できない
利用者さまへのサービス提供法令で定められた基準に沿って提供指定を受けている事業所であれば実質的に同じ

訪問看護療養費とは、医療保険を使って訪問看護を利用した際に、保険から給付される費用のことです。利用者さまはサービスを受ける際の費用の自己負担を軽減でき、医療費の自己負担割合が1割から3割で済むため、継続的なケアが必要な方でも安心してサービスを利用できるようになります。

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指定を受ける目的

事業所が指定を受ける目的は、おもに次の3つです。

  • 利用者さまへ適切な訪問看護を提供するため
  • サービスの質を確保するため
  • 診療報酬・介護報酬を請求するため

一方で、指定を受けていない訪問看護サービスにも役割があります。たとえば、公的保険では対応が難しい旅行先まで同行して医療的ケアをおこなうサービスや、結婚式・お墓参りなどへの付き添いを提供する事業所もあります。

利用者さまの状態や希望に合わせて、公的保険による指定訪問看護と自費サービスを使い分けることも大切です。指定申請の具体的な手続きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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指定訪問看護ステーションの指定基準

指定を受けるためには3つの基準を満たす必要があります。それぞれ見ていきましょう。

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人員基準

指定を受けるための人員基準は次のとおりです。

  • 常勤換算で2.5人以上の看護職員
  • 常勤の看護職員が1名以上
  • 管理者は原則として常勤の保健師・助産師・看護師で、医療機関における看護・訪問看護・保健指導などの業務経験がある者

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は事業所の実情に応じて必要数を配置することで、利用者さまの状態に合ったサービスを提供できるようになります。

また、人員基準は看護師の働きやすさにも関わります。実際の現場では、看護師の人数が少ないと急な欠勤や退職があった際にオンコールや訪問件数の負担が増え、休憩が取れないケースも珍しくありません。常勤看護師が何人いるのか、教育担当がいるのかも確認すると安心です。

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設備基準

指定訪問看護ステーションには、事業の運営に必要な広さを持つ専用の事務室を設けることが求められています。事務室は、利用申込みの受付や相談に対応できるスペースを確保する必要があります。

このほか、訪問看護に必要な設備や備品をそろえること、感染症予防のための設備に配慮することなども基準のひとつです。なお、介護保険法の指定もあわせて受けている場合は、事務室を両方の指定で共有することも認められています。

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運営基準

運営基準は多岐にわたりますが、代表的なものとして次の項目が定められています。

  • 主治医との連携
  • 訪問看護計画書・報告書の作成
  • 利用者さまへの説明・同意
  • 安全管理・苦情対応・秘密保持
  • 虐待の防止のための措置(虐待防止検討委員会の設置、指針の整備、職員研修の実施など)
  • 感染症や災害発生時に備えた業務継続計画の策定と研修・訓練の実施
  • オンライン資格確認への対応体制の整備

現場では、訪問だけでなく記録業務も重要です。訪問後に車内でタブレットに入力する事業所もあれば、事務所へ戻ってまとめて記録する事業所もあります。記録方法や情報共有の仕組みは業務効率に影響するため、転職時には電子カルテやICTツールの導入状況も確認すると働きやすさをイメージできるでしょう。

指定申請の具体的な流れについては、こちらの記事で解説しています。

関連記事:訪問看護の立ち上げ方!3つの開設基準や失敗しないための対策を紹介

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指定訪問看護ステーションと「みなし指定」との違い

病院や診療所がおこなう訪問看護は「みなし指定」と呼ばれ、独立した指定訪問看護ステーションとは開設主体や指定方法が異なります。病院や診療所は、保険医療機関として指定を受けているため、あらためて申請しなくても訪問看護の指定を受けたものとして扱われます。病院・診療所のまま、訪問看護を提供できる仕組みです。

項目指定訪問看護ステーションみなし指定訪問看護ステーション
開設主体訪問看護ステーション病院や診療所
指定方法指定申請をして、指定を受ける一定の要件を満たすことで指定を受けたものとみなされる
提供場所独立した訪問看護ステーション病院や診療所から訪問
人員設備基準指定訪問看護ステーションの基準を満たす病院や診療所の基準を前提として運営

たとえば、人員配置において、指定訪問看護ステーションは常勤換算2.5人以上の看護職員の配置が必須である一方、みなし指定では病院・診療所としての人員基準が前提となるため、配置の考え方が異なります。

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指定訪問看護ステーションで働く前に知っておきたいこと

指定訪問看護ステーションで働くうえで、あらかじめ知っておきたい特徴を紹介します。

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主治医の指示にもとづいて訪問看護を提供する

訪問看護は、主治医が交付する訪問看護指示書にもとづいて提供します。

訪問は看護師が1人で伺うことが多いものの、判断に迷う場面では電話で管理者や先輩に相談・報告できる体制が整っている事業所がほとんどです。指示内容の確認や主治医への報告を丁寧におこなえば、1人で抱え込むことなく在宅ケアを進められます。

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法令で定められた基準に沿って訪問看護を提供する

指定を受けている事業所は、運営基準にもとづいた記録や手順を守る必要があります。

なかでも訪問看護計画書は利用者さまごとに作成し、状態の変化に応じて見直します。実際に、記録は「書類を作るため」のものではなく、多職種や主治医へ利用者さまの状態を正確に伝えるための大切な情報共有の手段であることを実感する看護師は少なくありません。

観察した内容や利用者さま・ご家族の変化を分かりやすく記録することで、次回訪問や医師の診療にもつながります。

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多職種と連携しながら在宅療養を支える

在宅では、ケアマネジャーやリハビリスタッフだけでなく、薬剤師や訪問介護員、福祉用具専門相談員など、多くの職種と関わります。

病院勤務では医師や看護師との連携が中心ですが、訪問看護では「利用者さまが自宅で生活を続けられるか」という視点で情報共有する機会が多くあります。サービス担当者会議などで積極的に意見交換することも、訪問看護師の大切な役割です。

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指定訪問看護ステーションに関するよくある質問

指定訪問看護ステーションについて、よく聞かれる質問にお答えします。

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Q1.指定訪問看護ステーションでは臨床経験が求められますか?

指定基準そのものに、看護師個人の臨床経験年数を定めた規定はありません。

ただし、管理者については、医療機関における看護や訪問看護、保健指導などの業務に従事した経験があることが要件とされています。また、在宅では1人で判断する場面があるため、実際の求人では「3年以上の臨床経験」「小児科領域での経験者歓迎」などを条件とする事業所も少なくありません。

近年は、教育体制を整え、未経験者やブランクのある看護師を受け入れるステーションも増えています。

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Q2.指定訪問看護ステーションの管理者はほかの職務と兼務できますか?

管理者は、原則としてその指定訪問看護ステーションに専従・常勤で従事する必要があります。ただし、運営に支障がない場合は、次のいずれかにあたる職務であれば兼務が認められています。

  • 同じ指定訪問看護ステーションの看護職員としての職務
  • 事業所が介護保険法の指定もあわせて受けている場合の、管理者または看護職員としての職務
  • 同じ事業者が運営するほかの事業所や施設の管理者・従業者としての職務

利用者さまへのサービス提供の状況を適切に把握でき、職員や業務の管理に支障が生じない場合に限る点に注意が必要です。

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Q3.指定訪問看護ステーションはどこで探せますか?

都道府県ごとの指定事業所一覧や、介護サービス情報公表システムで確認できます。

しかし、求人票には「指定訪問看護ステーション」と明記されていないこともあります。不安な場合は、面接や見学時に確認すると安心です。

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指定訪問看護ステーションを理解して自分に合った職場を選ぼう

指定訪問看護ステーションとは、健康保険法や介護保険法にもとづき指定を受けた、公的保険で訪問看護を提供できる事業所のことです。指定基準やみなし指定との違いを理解しておくことで、求人票の内容を正しく読み解けるようになります。

ただし、制度だけで職場の良し悪しは判断できません。実際には教育体制、オンコール回数、ICT環境、同行訪問期間など働きやすさに直結する条件も重要です。訪問看護への転職を考えている方は、指定基準だけでは分からない働きやすさの条件もあわせて確認しながら、自分に合った職場を探してみましょう。

訪問看護専門の求人サイトナスキャリ(NsPaceCareer)なら、条件を絞り込みながら求人をじっくり比較できます。

<参考サイト>

指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について|厚生労働省

指定訪問看護の事業を行う事業所に係る健康保険法第 88 条第1項の規定に基づく指定等の取扱いについて|厚生労働省

訪問看護・介護予防 訪問看護の手引き|兵庫県

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記事投稿者プロフィール画像 ナスキャリナビ 編集部

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