看護師の転職は給料が下がる?交渉の方法や給料アップのコツを紹介

公開日:2024/06/05 更新日:2024/07/01
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「看護師は転職すると給料は下がるの?」「転職して今の職場から離れたいけど、給料が下がるのは…」

このように不安を感じている看護師の方は多いでしょう。

看護師の方の給料は、夜勤手当や住居手当などの手当の割合が大きいため、転職する病院や施設によっては給料が下がるケースがあります。給料は生活だけではなく、仕事の充実度にもかかわるため重要です。

そこで、この記事では、転職で給料を下げない交渉の方法や、給料がアップするコツを紹介します。給料が下がる可能性があり、転職に一歩踏み切れずに悩んでいる方の不安を解消するきっかけになれると幸いです。

看護師は転職すると給料が下がる可能性が高い

看護師の方は、転職すると給料が下がる可能性が高いです。その理由は、次の2つがあるからです。

  • 経験年数よりも勤続年数が考慮される
  • 残業や夜勤が少ないところに転職すると手当が減る

一般的に、看護師の給料は「看護師◯年目」ということよりも「その病院や施設で◯年働いているか」で決まります。サラリーマンと同じように年功序列の給与形態のところが多いです。さらに、転職して1年目の夏の賞与は寸志程度、もしくは5万円くらい。

ほかにも、病院や施設によっては手当が減少、または支給されなくなるため、転職すると給料が下がる恐れがあります。

そのため、転職を検討するときには、転職先の給与形態や手当の有無を確認してください。

看護師の転職で給料を下げないための交渉の方法

ここでは、看護師の転職で給料を下げないための交渉の方法を4つ紹介します。

  • 給料交渉をしても良い
  • 給料交渉をするのは面接のとき
  • 給料交渉を伝える方法
  • 給料交渉が難しいときは求人サイトに相談する

それぞれの交渉の方法を知って、給料を下げないように働きかけましょう。

給料交渉をしても良い

「ほかの職種の人は給料の交渉をするって聞いたことあるけど看護師もするの?」と疑問に感じている看護師の方もいるでしょう。

結論から言うと、給料交渉をしても問題ありません。知識やスキル、経験がある分野であると給料の交渉に応じてくれるでしょう。

さらに、認定看護師や専門看護師などの資格があると、給料の交渉に応じてくれる可能性が高まるため、しっかりと資格を持っていることをアピールしてください。

ただし、以下のようなケースでは給料の交渉は難しいでしょう。

  • 資格やスキルがない
  • 年俸表により給料が決まっている
  • 高いスキルを求めていない
  • 病院や施設の収益が落ちている

そのため、転職先の病院や施設の給料の傾向を確認してから、給料の交渉をおこなうか考えることをおすすめします。

給料交渉をするのは面接で給料の話がでたとき

給料の交渉をするタイミングは、面接で給料や待遇の話が出たときです。

ほかにも、内定の連絡をもらったときが、給料の交渉をするタイミングと言えます。

内定の承諾書の提出後や契約書にサインした後は、給料を含めた雇用の条件を受け入れたことになり、給料交渉にふさわしくないタイミングなので注意してくださいね。

給料交渉を伝える方法

内定の連絡がメールできた場合でも、電話で給料の交渉をするのがマナーです。

ただし、電話をする前に以下の情報を確認しておきましょう。

  • 転職先の病院の給料
  • 同じスキルを持つ看護師の給料
  • 志望する病院の地域の給料

こういった情報を知ったうえで給料の交渉をしなければ、かけ離れすぎた給料を提示することになり、担当者にマイナスのイメージを持たれるでしょう。

具体的には、提示された給料から+1~2万円くらい、もしくは前職の給料の10~20%アップくらいを目安にしてください。

その際に「小児プライマリケア認定看護師の資格を持っているため小児のケアに貢献できます」「循環器の病院で働いてきたので、スキルや経験を活かすことができます」など転職する病院や施設に貢献できることを忘れずに伝えましょう。

給料の幅を持たせて伝えることで、転職先の病院や施設も対応しやすくなるかもしれません。

給料交渉が難しいときは人材紹介サービスに相談する

「いきなり給料交渉なんて気が引ける」「うまく話を進められないから給料の交渉はできなさそう…」と不安を感じている看護師の方もいるでしょう。

自身では給料交渉ができない、もしくは給料交渉をしたものの難しいと感じたときは、人材紹介サービスを相談してみてはいかがでしょうか。

在宅医療支援機構」で人材紹介のサービスを契約する(無料)と、給料交渉をおこなえます。転職先との給料の交渉で悩んでいる方は、ぜひ活用してみてくださいね。

看護師の転職で給料アップするコツ

次に、看護師の転職で給料アップするコツを5つ紹介します。

  • 大規模の病院に転職する
  • 運営母体をみて転職する
  • 手当が多い病院に転職する
  • 都心部の病院に転職する
  • 新たな資格を取って転職する

それぞれのコツを知って、転職するときに給料アップしましょう。

大規模の病院に転職する

大規模の病院に転職することが、看護師の方が給料アップするコツです。

病床数による給料の違いは、下記の表を参考にしてください。

病床数平均基本給与総額平均税込み給与総額
99床以下23万8,939円31万2,151円
100~199床24万2,411円32万2,341円
200~299床24万7,792円32万6,827円
300~399床25万8,928円33万9,992円
400~499床26万3,266円34万6,317円
500床以上27万610円35万8,465円

出典元:2023年 病院看護実態調査|日本看護協会(新卒看護師の初任給:高卒+3年課程新卒の場合)

病床数が多くなると月収が高くなります。

病床数99床の病院と比べて、500床以上の病院は約3万円高いことがわかります。

そのため、転職先を探すときに病床数が500以上の病院を基準にすると転職して給料アップできるでしょう。

運営母体をみて転職する

看護師の転職で給料アップしたい方は、運営母体をみて転職を検討してください。

というのも、運営母体によって看護師の給料は異なるためです。

日本看護協会の「2023年 病院看護実態調査」によると、私立学校法人の病院(28万4,309円)が看護師の給料が最も高いです。

次いで日本赤十字社(27万5,480円)、社会保険関係団体の病院(27万4,939円)、社会福祉法人(27万3,147円)と続きます。

看護師の給料が最も高い私立学校法人と最も低い医療生協(24万8,830円)では、約4万円の違いがあります。そのため、転職先を探すときは、運営母体の情報も欠かさずにチェックしてくださいね。

手当が多い病院に転職する

看護師の転職で高い給料を得たい場合は、手当が多い病院に転職することも一手です。

看護師には夜勤手当をはじめ、扶養手当や住居手当、資格手当などさまざまな手当がつきます。

ただし、手当の有無や金額はそれぞれの病院や施設によって異なります。

手当は病院や施設のホームページや求人情報に記載されているため、確認してみてくださいね。

さらに、給料アップをしたい場合、訪問看護ステーションへ転職するのもひとつの手です。訪問看護ステーションでは、オンコール手当がつくため給料があがる可能性があります。日勤のみというところが多いため、働き方に融通が効くというメリットもあります。

訪問看護ステーションの詳しい求人を知りたい方は、下記のサイトを見てみてください。

NsPaceCareer

都心部の病院に転職する

看護師の給料は地域によって差があります。

一般的に、看護師の給料は地方の病院に比べて都市部のほうが高い傾向です。具体的に、給料が高い・低い地域は以下の表を参考にしてください。

<平均給料が高い都道府県>

順位都道府県名平均税込給与総額
1千葉県29万1,444円
2神奈川県28万9,930円
3東京都28万9,069円
4静岡県28万5,066円
5奈良県28万3,710円

出典元: 2023年 病院看護実態調査|日本看護協会(新卒看護師の初任給:高卒+3年課程新卒の場合)

<平均給料が低い都道府県>

順位都道府県名平均税込給与総額
1宮崎県23万6,732円
2鳥取県24万2,242円
3鹿児島県24万5,227円
4高知県24万5,245円
5愛媛県24万5,952円

出典元: 2023年 病院看護実態調査|日本看護協会(新卒看護師の初任給:高卒+3年課程新卒の場合)

給料が高い地域と低い地域では約5万円差があります。

これには、都市部には大規模な病院や施設が多いことや物価が高いことなどが影響していると言えるでしょう。

新たな資格を取って転職する

新たな資格を取って転職することも、給料アップには欠かせません。例えば、以下のような資格を取ると給料アップに期待できます。

  • 専門看護師
  • 認定看護師
  • 診療看護師など

ただし、これらの資格を取る場合は、勤務を続けて研修を受けたり役割を担ったりするなど病院内で選ばれるためにある程度の期間が必要です。さらに、資格を取得した後は一定期間、働くことを条件のひとつにしているところもあります。

そのため、新たな資格を取ってすぐに転職することは難しいでしょう。

ほかにも、給料は男性・女性、年齢などさまざまなことで変わってきます。看護師の年収について、さらにくわしく知りたい方は下記の記事を参考にしてくださいね。

【2024年版】看護師の平均年収はいくら?ボーナスや給与の内訳を解説

自由診療のクリニックに転職する

看護師の転職で給料をアップするコツのひとつは、自由診療のクリニックに転職することです。実際には、以下のクリニックに転職すると、給料アップできるでしょう。

  • 美容クリニック
  • AGAクリニック
  • 歯科医院

保険診療と異なり、自由診療の場合は医療費が高くなる傾向です。その分、スタッフの給料に反映されるため、看護師の給料も高くなります。

美容クリニックでは、化粧品や美容クリームなど商品販売のインセンティブが貰えるところに転職すると、さらに給料アップが期待できます。

「急募」の求人に応募する

急募の求人は「今すぐにでも看護師を採用したい」「今からでも仕事をしてもらいたい」と考えているため、通常の求人よりも給料が高くなりやすいです。

というのも、急な欠員が出たり、増員を予定していたりなど、看護師が集まらないと病院や施設を運営できなくなる恐れがあるためです。

ただし、焦って急募の求人に申し込むのは控えてください。というのも、以下のような理由が隠れている可能性があるためです。

  • 手当が安く看護師が集まらない
  • 人間関係が悪くすぐに看護師が辞める
  • 時間外労働が多すぎる

急募の求人に応募する際には慎重に検討しましょう。

看護師の転職の給料に関するQ&A

ここでは、看護師の転職の給料に関するよくある質問を3つ紹介します。

看護師の転職で年収1,000万円は実現できますか?

看護師が転職しても年収1,000万円の実現は難しいでしょう。

というのも、厚生労働省の調査によると看護師の平均年収は約508万円であるためです。

ですが、給与水準の高い病院で長期間働き、看護師長や看護部長などの役職に就くと年収1,000万円を実現できるかもしれません。看護部長の年収をより詳しく知りたい方は、下記の記事を確認してみてください。

看護部長は年収1,000万円超えも?訪問看護ステーション転職で役立つ経験を解説

看護師で高収入を得られる働き方を教えてください

看護師で高収入を得られる働き方は、給料水準が高い病院や施設に転職することといえます。

転職活動をするときには、候補をひとつに絞らずに希望に合った病院をいくつか比較することが大切です。

そのうえで、同じところに長く勤めて資格を取得したり、キャリアップして管理職を目指したりしましょう。

給料水準が低いところで長く働いても、なかなか給料アップが見込めない可能性があるため注意してくださいね。

看護師で一番稼げる診療科はどこですか?

看護師が一番稼げる診療科は、手術室や救命救急科、集中治療室です。

というのも、夜勤やオンコールの回数が多いため手当てが多く貰えるためです。

さらに、看護師としてある程度のスキルや知識を必要としているため、給料を高めに設定している職場が多いとされています。

ただし、看護師の給料は勤めている病院や施設の規模、地域、病床数などにより大きく異なります。

このため、この記事で紹介した情報を参考にして、給料アップが期待できる職場に転職しましょう。

また、以下の記事も是非参考にしてみてください。

ICU看護師の年収は約520万円!病棟より高い理由3つや向いている人を解説

まとめ

看護師で転職すると、給料が下がる恐れがあります。

というのも、経験年数よりも勤続年数が考慮されやすい看護師の給料形態や、残業や夜勤が少ないと手当が減るためです。

ただし、規模が大きい都市部の病院や手当が多い病院に転職することで看護師の給料が上がる可能性があります。

この記事で紹介した給料アップするコツを押さえて、高収入を実現してくださいね。

参考文献・サイト

看護職員就業状況等実態調査結果|厚生労働省   

2023年 病院看護実態調査|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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