看護師のいいところ・大変なところ|後悔しない働き方を選ぶ3つの方法

「看護師になってよかった」と思う日もあれば、「もう辞めたい」と涙する日もあり、看護師はやりがいとしんどさが隣り合わせの仕事です。
SNSやクチコミで「看護師は辞めた方がいい」という声を目にして、自分の選択に迷いを感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、看護師の現状と、後悔しない働き方を選ぶ方法を解説します。今の悩みが「職業そのもの」なのか「環境のミスマッチ」なのかを冷静に判断できるため、自分に合った働き方を選ぶヒントが得られるでしょう。
看護師のいいところ
医療の現場は過酷であっても、多くの人が看護師を続けているのは、報われる瞬間があるからです。
- 患者さまの役に立っている実感を得られる
- 国家資格で安定して働ける
- ライフステージに合わせて働き方を選べる
- 全国どこでも仕事が見つかる
- 専門性が高く長く続けられる
これらのメリットは、生活の安定だけでなく精神的な充実感にも直結します。それぞれを詳しく見ていきましょう。
患者さまの役に立っている実感を得られる
看護師は、ケアの喜びを感じられる仕事です。
たとえば、不安で眠れない患者さまに声をかけたり、適切な処置で苦痛を和らげたりした際、「あなたがいてくれて助かりました」「看護師さんありがとう」と、忙しさのなかで看護ができたと感じられる瞬間があります。
夜勤明けで心身ともに限界でも、その一言で救われた経験がある方も多いはずです。

国家資格で安定して働ける
看護師免許は国家資格であり、専門性の高さが評価されることに加えて、慢性的な人手不足であるため、他職種に比べて給与水準が高くなっています。厚生労働省の調査によると、看護師の平均年収は519万7,000円で、全職種の平均年収478万円を上回っています。
「どこへ行っても必要とされる」という安心感は、働き続けるうえで大きな支えになります。
ライフステージに合わせて働き方を選べる
結婚、出産、育児、介護などライフステージに合わせて、柔軟に働き方を変えられることも看護師の強みです。
実際に、未就学児がいるときは夜勤のない外来やクリニックで働き、子育てが落ち着いたら訪問看護や急性期病棟へ戻るといったキャリアを選んでいる方もいます。ブランクがあっても再就職しやすいため、キャリアを諦める必要がないのが利点です。
全国どこでも仕事が見つかる
医療機関は全国にあるため、看護師は地域を問わず働けます。
パートナーの転勤や家族の事情で引っ越しても、希望や条件にこだわらなければ、仕事を続けられることは看護師にとって安心材料です。
専門性が高く長く続けられる
看護師は専門性が高く、長く働ける職業です。
認定看護師や専門看護師として特定の分野を極めたり、特定行為研修を受けて役割を広げたりできます。また、経験にもとづいたアセスメント能力や判断力は、ベテランになっても現場で重宝されます。
看護師の大変なところ
看護師にはいいところがある一方で、現場で働くなかで「もうこれ以上はきつい」と感じた経験がない看護師は少ないでしょう。とくに、次のような点は、多くの看護師が一度は直面するしんどさです。
- 夜勤や不規則な生活で体力的にきつい
- 患者さまの命に関係するというプレッシャーが大きい
- 人間関係のストレスが発生しやすい
- 責任の重さに対して割に合わないと感じることがある
- 職場によって当たり外れがある
現場の厳しさを知ることは、決して後ろ向きのことではありません。しんどさを客観的に捉えることで、自分を守るための対策が見えてきます。
夜勤や不規則な生活で体力的にきつい
2交代や3交代といった夜勤を含むシフト制は、心身ともに消耗が激しくなるのが現実です。年齢を重ねるほど、身体への負担は大きくなりがちです。
休日にしっかり寝ても疲れが取れなかったり、友人や家族と予定が合わせにくかったりすることにストレスを感じる人も少なくありません。
患者さまの命に関係するというプレッシャーが大きい
看護師は「判断ミスが許されない」という緊張感の中で働いています。
急変対応、優先順位の判断、医師への報告などの判断に責任が伴うため、精神的なストレスが大きくなります。
とくに、経験年数が浅いと、「自分が見落としていたらどうしよう」「もっと良い対応があったのではないか」と、責任の重さを感じがちです。
人間関係のストレスが発生しやすい
医療現場は閉鎖的になりやすく、人間関係の影響を強く受けます。
看護師は同僚だけではなく、医師やコメディカルスタッフ、患者さまやそのご家族とのコミュニケーションが必要であり、ストレスを抱えがちです。
実際に、日本看護協会「2024年病院看護実態調査」によると、新卒看護師の離職理由の上位に「上司・同僚との人間関係(27.8%)」が挙げられています。ナースステーションの空気感や、指導という名目での叱責に悩み、退職を考えるケースもあるようです。
責任の重さに対して割に合わないと感じることがある
看護師は専門性の高い仕事ですが、その責任や業務量に対して、報酬や待遇が見合っていないと感じる場面もあります。
- サービス残業が常態化している
- 休日研修や自己学習が当たり前になっている
- 業務量が増えても評価や給与に反映されにくい
こうした状況が続くと、やりがいだけでは踏ん張れなくなるのが現実です。
職場によって当たり外れがある
看護師の働きやすさは、仕事内容よりも職場環境に左右されることが少なくありません。
教育体制、人員配置、管理職の考え方によって、同じ看護業務でも負担の大きさは大きく変わります。
「看護師の仕事自体は嫌いじゃないのに、今の職場がつらい」と感じている場合、問題は環境にある可能性も十分に考えられます。
関連記事:大学病院の看護師はきつい?辞めたいと感じる6つの理由と向いている人の特徴
看護師が向いている人の特徴
看護師として長く、心地よく働き続けられる人にはいくつかの共通した考え方や行動があります。
- 人とかかわることが苦ではない人
- 学び続けることを苦に感じない人
- ストレス耐性がある人
これらの特性は、経験を重ねる中で磨かれるものです。自分がどの項目に当てはまるかを知ることで、看護師としての自信につながります。
人とかかわることが苦ではない人
看護師には、対人コミュニケーションが求められます。患者さまの不安に寄り添い、多職種と連携して治療を進めるために、相手の意図を汲み取り円滑に意思疎通ができる人は重宝されます。
相手を観察し「今何を求めているか」を察する力がある人は、患者さまとの信頼関係を築くのがスムーズです。
ただし、最初から完璧に察する必要はありません。「相手の反応を見よう」「伝え方を工夫しよう」と意識できる人であれば、経験を重ねる中で自然と身についていきます。
学び続けることを苦に感じない人
自発的に知識をアップデートし続けられる人は、年数を追うごとに仕事が楽しくなってくるでしょう。とくに、1〜5年目は基礎から応用へとステップアップする時期であり、エビデンスへの理解が深まるほど、自分のケアに自信が持てるようになるためです。
具体例として、業務で疑問に思ったことを調べたり、新しい医療機器が導入された際に、手順を確認したりする習慣が挙げられます。こうした積み重ねができる人は、看護師に向いていると言えます。
ストレス耐性がある人
予測不能な事態が起きる現場において、感情をコントロールできる力は重要です。
プリセプターから厳しい指摘を受けたときや、多忙で余裕がない状況でも、パニックにならずに優先順位を立て直せる人は、安定して業務に取り組めます。また、嫌なことがあっても「仕事は仕事」と割り切り、プライベートで気持ちをリセットする柔軟さも含まれます。
多少の困難を「よくあること」と受け流せる精神的な余裕がある人は、看護師を続けられるでしょう。
看護師の仕事が向いていないと感じやすい人の特徴
看護師の仕事に向いていないと感じるのは、能力不足ではなく、今の環境と自身の性質にズレが生じているサインかもしれません。自分を責める前に、まずは自分の傾向を客観的に捉えてみましょう。
- 生活リズムの乱れがつらい人
- 感情の切り替えが苦手な人
- 完璧主義すぎる人
ただし、こうした特徴に心当たりがあっても、看護師を諦める必要はありません。自分の性質を理解することで、負担の少ない働き方を選ぶヒントが見えてきます。
生活リズムの乱れがつらい人
夜勤を含む不規則なシフト勤務は、想像以上に心身へ負担をかけます。
休日にしっかり休んでも疲れが取れない、睡眠の質が落ちて日常生活に支障が出ていると感じる場合は、無理を続けることで体調を崩すリスクが高まります。
この場合は、日勤のみの外来やクリニックなど、生活リズムが安定しやすい職場を選ぶことで、同じ看護師の仕事でも負担を軽減できるでしょう。
感情の切り替えが苦手だと感じやすい人
患者さまの病状悪化や死、あるいは業務上の出来事を、プライベートまで引きずってしまうと感じる人もいるでしょう。それは決して弱さではなく、共感力が高いからこそ起こりやすい反応です。
看護師には患者さまの気持ちに寄り添う力が求められますが、不安や悲しみを自分の感情として抱え込みすぎると、心が消耗してしまいます。
たとえば、患者さまの看取りを終えたあとも気持ちの整理がつかずに苦しんだり、先輩からの一言をきっかけに「もっと良い対応ができたのでは」と何日も考え続けてしまったりする状態です。
人の痛みに敏感であるがゆえに、自分の心が削られていく感覚がある場合は、今の働き方や環境が合っていないサインかもしれません。
無理に感情を押し殺す必要はありません。自分の特性を理解し、心の負担が少ない環境を選ぶことも、看護師として長く続けるための大切な選択です。
完璧主義すぎる人
「すべての業務を完璧に、理想通りにこなしたい」という思いが強すぎると、理想と現実のギャップに苦しみがちです。医療現場は予定外の出来事の連続であり、予定通りに進まないことが多くあります。
自分の理想通りに看護が実践できないことにストレスを感じたり、自分を責めたりしてしまうと、自己肯定感が下がってしまいます。「今日はここまでできれば合格」と、良い意味で妥協点を見つけられない人は、心身ともに疲弊しやすいため注意が必要です。
看護師が大変だと感じても後悔しない働き方を選ぶ3つの方法
看護師は心身への負担が大きい仕事ですが、自分に合った働き方を選ぶことで、無理なく続けられます。今のつらさを我慢で乗り切ろうとするのではなく、環境を整える視点を持つことが大切です。
- 自分に合う職場環境を知る
- 選択肢を持っておくことが大切である
- 転職は逃げではなく調整手段と考えておく
これらの方法は、心身を守るための防衛策でもあります。看護師という資格を活かし、後悔のない働き方を選びましょう。
自分に合う職場環境を知る
後悔しない働き方を叶えるためには、自分の特性と職場環境が合っているか知ることが欠かせません。職場によって求められるスピード感やケアの内容が異なります。たとえば、次のような職場がおすすめです。
- 技術習得や判断力を磨きたい人:教育体制が整った急性期病院
- 丁寧にケアをしたい人:訪問看護ステーションや介護施設
- 時間に追われる働き方がつらい人:予約制のクリニックや健診センター
「自分は何にストレスを感じやすいのか」「何を大切に働きたいのか」を整理することで、自分の価値観を見直すことができます。
選択肢を持っておくことが大切である
「今の職場しかない」と思い詰めると、精神的な余裕はなくなります。
転職する、しないに関係なく、求人情報をチェックしたり、他分野の看護師の話を聞いたりして、「いつでも環境を変えられる」という選択肢を持っておきましょう。
転職は逃げではなく調整手段と考えておく
転職を「挫折」や「逃げ」と捉える必要はありません。
自分の人生やライフステージに合わせて、働き方を調整するための前向きな手段です。自分らしく働ける場所を探すことは、結果として患者さまに質の高いケアを提供することにもなります。
看護師のいいところ・大変なところについてのよくある質問
看護師経験が浅い頃は、周囲と比較して「自分だけがつらいのではないか」と不安になるものです。ここでは、多くの看護師が抱く共通の疑問にお答えします。
Q1:看護師はやりがいを実感できる仕事ですか?
看護師はやりがいを実感できる仕事です。
たとえば、リハビリテーションを乗り越えて笑顔で退院される姿を見送る瞬間や、ご家族から「あなたが担当でよかった」と感謝される経験は、看護師にしか味わえないものです。
関連記事:看護師のやりがいとは?やりがいがなくなったときの対処法も解説
Q2:看護師の仕事で一番きついと感じやすいのはどんな点ですか?
多くの看護師が「責任の重さと人間関係の板挟み」を、つらい場面として挙げます。
命を守るという緊張感の中で、スタッフ間の連携がうまくいかないときのストレスは大きく、多くの看護師が悩むポイントです。
Q3:看護師が大変でも続けている人が多い理由は何ですか?
看護師が大変でも仕事を続けている理由は、「仕事の安定性」という現実的な理由と、「患者さまの笑顔や感謝の言葉」という感情的な側面の両方があります。
大変な時期を乗り越えた先にある成長や、看護師にしかできない特別な経験が、多くの人の支えとなっているのです。
看護師の働き方に悩んだら環境を変える選択肢も考えてみよう
看護師には、患者さまの役に立っている実感を得られることや、ライフステージに合わせて働き方を選べるなどのいいところがあります。一方で、体力的なきつさや命にかかわる責任の重さなど大変なところがあるのも事実です。
もし今、看護師として限界を感じているなら、視点を変えて地域・在宅で働いてみませんか。利用者さまの生活の場でケアする訪問看護は、看護師としてのいいところを再発見できる場所です。
訪問看護に特化した求人サイトNsPaceCareerでは、看護師の価値観に合った働き方を提案しています。理想の職場を見つけて、自分をすり減らす働き方から、自分を活かす働き方に変えましょう。
<参考サイト・文献>
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
