看護師転職の5つの注意点!よくある失敗パターンと後悔しないためのコツ

公開日:2025/09/19 更新日:2025/09/19
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「転職に失敗したらどうしよう」「どのようなことに注意すれば後悔しない転職ができるの?」

転職について、このような不安を抱える方も多いでしょう。転職を成功させるためには、事前の準備と注意すべきポイントの理解が重要です。

この記事では、看護師の転職で押さえておきたい注意点と、よくある失敗パターンについて解説します。これらのポイントを押さえることで理想の職場と出会い、充実したキャリアを築けるようになります。

看護師転職の5つの注意点

まずは、看護師が転職を成功させるための注意点を紹介します。

  • 希望条件の優先順位を整理する
  • 求人情報を隅々までチェックする
  • 面接で確認したいことをリストアップしておく
  • 転職のタイミングを見極める
  • 信頼できる情報源を活用する

これらを押さえることで、満足度の高い転職が実現できます。

希望条件の優先順位を整理する

転職活動を始める前に、希望条件の優先順位を整理しておきましょう。

すべての条件を満たす職場を見つけるのは難しいため「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」を考えることが重要です。

また、パートナーの働き方、お子さんがいる場合は保育園や習い事の送迎など、プライベートとの両立ができる職場を選ぶことも大切なポイントです。

求人情報を隅々までチェックする

求人情報を見る際は、基本給と各種手当の内訳を必ず確認し、実際の手取り額をイメージしましょう。

手取りは額面の給与から所得税・住民税・社会保険料などが差し引かれるため、実際には額面の7〜8割程度になるケースが多いですが、条件によって異なります。

「アットホーム」「やりがい」といった表現だけでなく、有給取得率や離職率など具体的な数字を隅々までチェックし、職場の働きやすさを客観的に判断することが大切です。

面接で確認したいことをリストアップしておく

面接では、求人情報だけではわからない情報を確認できます。「1日の業務の流れ」や「担当患者数」など、知りたい情報を事前にリストアップし、緊張する場面でも質問できるよう準備をしておきましょう。

職場の年齢層や教育体制、有給の取りやすさなど「自分が働きやすいかどうか」の判断材料となる質問を考えておくことも大切です。

転職のタイミングを見極める

看護師は、転職の時期を見極めることも大切です。スケジュールに余裕を持って転職活動を進めることで、希望に沿った職場を見つけられます。

とくに、年末年始やゴールデンウィーク、お盆期間など病院の業務が忙しくなったり、スタッフがまとまった休みを取ったりする時期を避けてください。引き継ぎに十分な時間を確保できるタイミングを選びましょう。

信頼できる情報源を活用する

看護師が転職を成功させるためには、正確で信頼できる情報を収集することが大切です。実際に働いている看護師の口コミ、転職サイトの詳細情報、知人からの紹介など複数の情報源から情報を集めましょう。

病院見学や職場体験の機会があれば積極的に参加し、現場の雰囲気を確認することをおすすめします。職員の表情や職場の清潔感、設備の状況など求人情報には載っていない情報が得られます。

看護師転職でよくある4つの失敗パターン

転職で後悔しないためには、多くの看護師が陥りやすい落とし穴を知っておくことが大切です。

  • 給与・待遇の良さだけで決めてしまう
  • 職場の雰囲気や人間関係を事前に調べない
  • 理由が曖昧なまま転職する
  • 仕事内容について詳しく確認しない

これらの事例を参考に、後悔のない転職を実現しましょう。

給与・待遇の良さだけで決めてしまう

高い給与や手厚い待遇に惹かれて転職を決めたものの、実際に働き始めてから後悔するケースは珍しくありません。

失敗例として「月給の高さが魅力的で転職したものの、夜勤回数が多過ぎて体力が続かなかった」「ボーナスが高水準だったが、人間関係が悪くて精神的に追い詰められてしまった」といったケースがあります。

給与や待遇も大切ですが、働きやすさも考慮して判断しましょう。

職場の雰囲気や人間関係を事前に調べない

新しい職場の雰囲気や人間関係を事前に確認しないまま転職すると「雰囲気が合わない」「相談できる相手がいない」といった問題に直面することがあります。

職場の雰囲気や人間関係は、看護師が退職する理由のひとつです。日本看護協会による「看護職員就業状況等実態調査」では、1年目で退職した看護師の退職理由について、看護管理者の29.8%が「上司・同僚との人間関係」が原因であったと回答しています。

可能であれば職場を見学し、実際の雰囲気を自分の目で確かめることが大切です。

理由があいまいなまま転職する

目的があいまいで「今の環境から逃げたい」という気持ちだけで転職すると、新しい職場でも同じ悩みを抱える可能性があります。

たとえば「疲れた」という理由で転職しても、新しい職場でも「夜勤がつらい」「業務量が多い」といった同じ問題に直面するケースは珍しくありません。

現在の職場で何が問題なのか、転職によって何を実現したいのかなどを整理し、自分に合った転職先を見つけることを意識しましょう。

仕事内容について詳しく確認しない

転職の失敗で多いのが、事前の確認不足によるミスマッチです。

仕事内容について詳しく確認しないまま転職すると「病棟看護師のつもりで応募したら実際は外来業務がメインだった」「一般病棟だと思って転職したら精神科病棟で想像とまったく違っていた」といったケースもあります。

面接や見学の際に、具体的な業務内容や患者層を確認しておきましょう。

関連記事:看護師の転職準備6ステップ!注意したいポイントも詳しく解説

看護師転職で知っておきたい働き方の注意点

転職を機に、勤務形態を見直す看護師もいます。

  • 日勤のみへ働き方を変える際の注意点
  • 土日休みへ働き方を変える際の注意点

ここからは、勤務スタイルを変更する際に知っておきたいポイントを解説します。

日勤のみへ働き方を変える際の注意点

夜勤から日勤のみに働き方を変える場合、大きな変化のひとつは収入の減少です。夜勤手当がなくなることで年収が減ることが考えられます。

また、クリニックによっては、午前と午後の診察の間に「中抜け」と呼ばれる長い休憩時間があり、実際の終業時間が19時や20時と遅くなる場合もあります。希望の求人を見つけたら、勤務時間を詳しく確認しておくことが大切です。

関連記事:看護師の方に人気の就職先ランキングTOP12!これまでの経験が活かせる職場とは?

土日休みへ働き方を変える際の注意点

土日休みの職場への転職では、クリニックや企業の医務室、健診センターなどの選択肢が人気です。ただし、条件の良い職場は競争が激しくなり、採用されにくい傾向にあります。

また、土日休みで一見働きやすそうに見えても、月曜日から金曜日まで5日連続の勤務が意外にきつく感じる看護師も多いものです。病院の交代制勤務に慣れていると、連続勤務の疲労感に戸惑うことがあります。

職場によっては休日でも緊急時には連絡が入ったり、呼び出されたりする場合があるため、転職前に休日対応があるのかどうかを確認しておきましょう。

看護師転職で知っておきたい職場選びの注意点

転職先として人気の高い職場には、それぞれ特有の注意点があります。

  • 訪問看護ステーションへ転職する際の注意点
  • 美容クリニックに転職する際の注意点
  • 介護施設に転職する際の注意点

入職後のミスマッチを防ぐためにも、事前に特徴を知っておきましょう。

訪問看護ステーションへ転職する際の注意点

訪問看護は需要が拡大している分野です。全国訪問看護事業協会「令和7年度訪問看護ステーション数調査結果」によると、訪問看護ステーション数は年々増加しており、2025年には1万8,754件にまで増えています。高まる在宅医療ニーズに応えるため、今後も拡大が期待されています。

訪問看護ステーションでの勤務で注意したいのは「1人での判断力と高い技術力が求められる」点です。緊急時の初期対応も訪問看護師が担うことが多くなります。また、1日に複数の利用者宅を訪問するため、車の運転技術や効率的なスケジュール管理が必要です。

関連記事:【事例あり】訪問看護への転職を失敗しないために!転職で気をつけるポイントを解説

美容クリニックに転職する際の注意点

美容クリニックは、接客業としての側面が特徴的な職場です。

美容施術は自由診療で、費用が高額になることが多いため、患者さまの期待値も高くなります。施術スキルに加えて、より高い接客技術や営業力が求められることを知っておきましょう。

介護施設に転職する際の注意点

介護施設での看護師の仕事は、利用者の日常生活をサポートする生活支援が中心です。

介護職員から医療的な指導や助言を求められることが多く、チームのまとめ役としての役割を期待されることもあります。

また、夜勤は看護師1人体制のところも多いため、緊急時の判断や対応を1人でおこなう責任の重さがあることも理解しておきましょう。

看護師が転職を後悔してしまうケース

急いで転職を決めると、後悔してしまうことがあります。次のようなケースでは、選択肢を見直すことも大切です。

  • 一時的な疲れやストレスで判断しているとき
  • 今の職場で解決できる問題のとき
  • 「辞めたい理由」が整理できていないとき

それぞれ見ていきましょう。

一時的な疲れやストレスで判断しているとき

疲労が溜まっている状態では冷静な判断ができず、悩みが大きく感じられることがあります。夜勤明けや連勤後の判断は避け、しっかりと休息してから考えるようにしましょう。

委員会活動や新人指導など、一時的に負担が増している状態であれば、その時期が過ぎれば解決する可能性があります。転職という大きな決断を下す前に、まずは現在の状況を冷静に見極めることが求められます。

今の職場で解決できる問題のとき

転職を検討する前に「現在の職場で問題が解決できる可能性」を考えることも大切です。

人間関係の悩みは、部署が変わると改善することも多いため、転職の決断をする前に異動の可能性を探ってみましょう。

育児や介護との両立が難しい場合も、シフト変更で解決できることがあります。最近は働き方改革で柔軟な勤務を認める職場も増えているため、まずは看護主任や看護師長に相談してみてください。

「辞めたい理由」が整理できていないとき

転職する理由がはっきりとしていない状態で活動を進めると、失敗につながりやすいものです。

具体的な課題が言語化できない状況では、転職先でも同じ問題にぶつかる可能性があります。「なんとなく嫌」「雰囲気が合わない」といった理由では、転職先選びの基準もぼやけてしまいます。

あとになって「前の職場が良かった」と感じることのないよう、焦らずじっくりと考えることが大切です。

看護師が転職を成功させるためのコツ

ここからは、看護師が転職を成功させるためのコツを紹介します。

  • 自己分析と情報収集を徹底する
  • 信頼できる転職サイトを活用する
  • 転職後のキャリアプランまでイメージしておく

上記を実践することで、自分に希望や条件に合った職場を見つけられる可能性が高まります。

自己分析と情報収集を徹底する

看護師が転職を成功させるには、自分を深く理解することが大切です。

自分の強み・弱みを客観的に把握し、これまでの経験で得意としてきた分野や、やりがいを感じた瞬間を振り返りましょう。看護師としての強みを意識することで、自分に合った職場を選べるようになります。

方向性が決まったら、求人サイトで求人情報を調べたり、可能であれば職場見学を申し込んだりして、幅広く情報を集めてみてください。

信頼できる求人サイトを活用する

求人サイトを活用すると、希望条件に合った求人を効率良く探せます。求人サイトによって扱う求人や強みが異なるため、自分の希望に合ったところを選びましょう。

NsPaceCareer」では、訪問看護の求人情報や実際の働き方について、幅広い情報を掲載しています。訪問看護ステーションへの転職に興味のある看護師は、ぜひご利用ください。

転職後のキャリアプランまでイメージしておく

転職は目的ではなく、理想のキャリアを実現するための手段です。

5年後、10年後の目標を設定し、その目標に向かって成長できる職場を選ぶことが重要です。短期的な条件だけでなく、中長期的な視点で職場を選ぶことで、より満足度の高い転職が実現できます。

看護師転職についてよくある質問

ここからは、看護師の転職についてのよくある質問に回答します。

Q1:転職をやめた方が良い看護師の特徴は?

一時的な感情で判断してしまいがちな看護師は、転職時にも注意が必要です。

疲れやストレスが溜まっていると正しい判断ができず、転職してから「こんなはずじゃなかった」と後悔することがあります。

Q2:看護師の転職で一番しんどい時期はいつですか?

転職活動を開始してから1〜2ヶ月目は、慣れない活動に戸惑うことが多い時期です。履歴書の作成や面接準備などを、現在の仕事と並行しておこなうのは、想像以上に体力的・精神的な負担が大きくなります。

また、転職してからの最初の1〜3ヶ月も、新しい環境に慣れるまでストレスを感じやすい時期といえるでしょう。新しい業務の流れや人間関係を覚えるのに時間がかかるため、この期間は忍耐力が必要です。

Q3:看護師の中途採用で落ちる原因は何ですか?

中途採用で落ちる原因のひとつは、転職理由が明らかではなかったり、面接時に前職の不満ばかりを話してしまったりすることです。

採用担当者は「また同じ理由で辞めるのでは」「職場の不満ばかりを話して前向きに業務に取り組めなさそう」と不安に感じます。転職理由は前向きな表現で伝え、新しい職場で何を実現したいかをアピールしましょう。

また、志望動機が給与や条件面のみだと、職場への理解が浅いと判断されます。その職場の理念や特徴を理解し、自分がどのように貢献できるかを具体的に説明することが大切です。

看護師転職では注意点を押さえて後悔しないようにしよう

看護師の転職を成功させるためには、事前の準備と情報収集が大切です。

この記事で紹介した注意点を意識することで、満足できる転職につながる可能性があります。また、多くの看護師が経験する失敗パターンを事前に知っておくことで、同じ失敗を避けられます。後悔のない転職ができるよう、焦らず、十分に準備をして臨みましょう。

<参考文献・サイト>

2024年看護職員就業状況等実態調査報告書|日本看護協会

令和7年度訪問看護ステーション数調査結果|全国訪問看護事業協会

訪問看護アクションプラン 2025の評価と課題|全国訪問看護事業協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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