看護師の起業アイデア12選!注目される理由と起業までの流れを解説

公開日:2025/09/03 更新日:2025/09/03
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「看護師としての経験を活かして、もっと自由に働きたい」「自分の力で地域に貢献できる仕事がしたい」

このように感じて起業を考える看護師もいるでしょう。これまでの看護師の経験やスキルを活かして自分の事業を立ち上げることは、遠い夢ではありません。

実際に、多くの看護師が訪問看護ステーションやデイサービス、カウンセリングなど、さまざまな形で起業しています。

この記事では、看護師におすすめの起業アイデア12選と、成功しやすくなるためのポイントを詳しく解説します。起業に興味のある看護師は、ぜひ最後までお読みいただき、自分でも挑戦できそうな分野を見つけてください。

看護師の起業アイデア12選

看護師の起業は、施設運営やフリーランスなど、さまざまな形があります。ここでは、看護師の起業におすすめの12のアイデアを解説します。

  1. 訪問看護ステーション
  2. プライベートナース
  3. デイサービス・訪問介護事業所
  4. 美容サロン
  5. カウンセリングナース
  6. 健康セミナー・講座の講師
  7. オンライン健康相談
  8. メンタルヘルス支援
  9. 医療・健康分野のWebデザイナー
  10. 看護師ライター
  11. ブログ・SNS運用
  12. コミュニティカフェ

それぞれのアイデアを確認して、取り入れやすいものから実践してみましょう。

1.訪問看護ステーション

訪問看護ステーションの運営は、在宅で医療ケアを必要とする方に、看護サービスを提供する事業です。

利用者さまやご家族との信頼関係構築において、看護師のコミュニケーションスキルが役立つ分野であり、高齢化社会の進行によって需要が高まっています。

実際、訪問看護ステーションの開業数は増加しており、厚生労働省「令和5年介護サービス施設・事業所調査」によると、営利法人が運営する事業所数は1万519カ所と、前年より約1,400カ所も増えています。

ここには個人が設立した法人も含まれており、訪問看護ステーションの需要の高まりが読み取れるでしょう。サービス品質の向上と地域のニーズに対応できれば、安定した収益が期待できます。

2.プライベートナース

プライベートナースは、個人の依頼に応じて、つき添い看護や健康管理サービスをはじめとする次のケアを提供する看護師です。

  • 病院のつき添い
  • 自宅での療養支援
  • 高齢者の見守り

看護師としての観察力や判断力を活かし、個別ニーズに対応したサービスを提供できると、収益面でも高い成果が見込めます。

3.デイサービス・訪問介護事業所

デイサービスや訪問介護事業所では、高齢者向けの活動支援や、自宅での生活支援サービスを提供します。

看護師の視点から、利用者さまの健康状態を適切に把握し、質の高いケアを実現できます。

スタッフ教育においても、これまでの看護師の指導力が活かされるでしょう。

4.美容サロン

看護師がこれまで得た臨床での知識を活かした美容・健康サービスの提供もできます。たとえば、次のようなサロンが看護師の起業に向いている可能性があります。

  • エステサロン
  • ネイルサロン
  • フットケアサロン

皮ふの構造や生理学の理解にもとづいた施術をおこなえる点がアピールポイントです。

ただし、美容サロンを運営する場合は、医療行為をともなわない施術に限定され、必要に応じて美容関連の資格を取得することが望ましいケースもあります。

5.カウンセリングナース

医療現場での経験を活かし、健康や医療についての相談サービスを提供します。

患者さまやご家族との対話経験により培われた傾聴力と共感力は、カウンセリングにおいて欠かせないスキルです。心理カウンセラーの資格取得により、より専門性の高いサービス展開も可能です。

カウンセリングナースとして相談に応じつつ、オンライン相談も組み合わせれば、活動の範囲を全国へ広げられるでしょう。

6.健康セミナー・講座の講師

予防医学や健康管理についての知識を活かし、講師として活動するのも起業のひとつです。

看護師の高い専門性や実体験にもとづいた説得力のある講義が可能で、企業の健康経営支援、地域の健康教室など、さまざまな場で活動できるでしょう。

プレゼンテーション能力の向上により、さらなる収益が得られる可能性を秘めている事業ともいえます。

7.オンライン健康相談

インターネットを活用した健康相談サービスは、在宅での仕事を希望する看護師におすすめです。

時間や場所に縛られない柔軟な働き方が可能であるため、子育て中の看護師にも適しているといえます。医療従事者としての知識と経験により、質の高いアドバイスを提供できます。

診断や治療行為は医師でなければできないため、あくまでも健康相談や生活習慣の改善の助言までしかおこなえませんが、利用者さまにとって身近な相談窓口となれるでしょう。

8.メンタルヘルス支援

看護師として患者さまの心のケアに携わった経験は、メンタルヘルス分野で強みとなります。

企業の従業員支援プログラム(EAP)への参画や、個人向けカウンセリングなど、多方面でのサービス展開が可能な事業です。心理学やメンタルヘルスの専門資格取得により、より専門性を高められます。

9.医療・健康分野のWebデザイナー

医療・健康分野のWebサイト制作であれば、看護師の知識が活かせます。

看護師ならではの視点で医療機関や健康関連企業のニーズを的確に理解でき、ユーザーにとってわかりやすく信頼性の高いサイト設計ができます。在宅でのフリーランス活動として、柔軟な働き方を実現できる点も魅力です。

10.看護師ライター

看護師ライターは、医療や健康、看護などについての専門的な記事執筆をおこないます。

これまでの実務経験により、信頼性の高いコンテンツを作成できるのが大きな強みです。医療機関のブログ記事や、健康情報サイトの記事など、需要の高い分野での幅広い活動できます。

SEO施策やライティングスキルの習得により、高単価案件の獲得も可能です。

11.ブログ・SNS運用

医療・健康分野の情報発信は需要が高く、多くのフォロワーを獲得しやすい分野です。

アフィリエイト(紹介した商品やサービスが購入されると報酬が発生する仕組み)や企業からのPR案件など、さまざまな収益化の手段があります。影響力が高まれば、講演依頼や執筆依頼など、ほかのビジネスチャンスにもつながります。

12.コミュニティカフェ

看護師として培ったコミュニケーションスキルを活かし、落ち着きと安心感を提供できる空間を作り出せます。

健康相談できるカフェや、医療従事者が集まる交流の場として、看護師ならではのサービスを提供できます。看護師の温かい人柄と専門知識により、地域住民にとっても頼れる存在となれるでしょう。

看護師の起業が注目されている理由

看護師の起業が注目されている理由は、次のとおりです。

  • 医療・介護ニーズの急増
  • 地域完結型医療への転換による看護師の役割の拡大
  • 柔軟な働き方を求める看護師の増加

上記のことが重なり、看護師が自分の専門性を活かしながら、社会に貢献する新たなビジネスを生み出す機会が広がっています。

看護師が起業する流れ

看護師の起業は、目的をはっきりさせることから始めましょう。

  1. 起業の目的を明らかにする
  2. ビジネスプランを考える
  3. 徹底的に市場調査する
  4. 資金を調達する

起業は一度にすべてを決めるのではなく、ひとつずつ計画的に進めることが大切です。

訪問看護ステーションの立ち上げを検討中で、具体的な方法や助成金について知りたい看護師は、下記の記事も参考にしてください。

関連記事:訪問看護を起業するまでの流れ!訪問看護師の年収や活用できる助成金

看護師で起業した人の実例

訪問看護ステーションおよび、住宅型有料老人ホームを起業した看護師の事例を紹介します。「自分もできるかもしれない」と感じたら、まずは地域のニーズを見つけ、自分の強みをどのように事業に活かせるかを考えてみましょう。

事例1:病院勤務で感じた葛藤から訪問看護ステーションを開設した事例

手術室勤務の際に感じた葛藤から、未経験で訪問看護ステーションを開設した事例です。

<事例>
病院勤務を経て、地域での在宅医療の必要性を感じ、独立を決意。開業にあたり、訪問看護の運営についての知識や手続き、地域の医療機関との連携方法を学ぶ。病院勤務では経験のない「営業」に手こずった。現在では、地域住民に密着した訪問看護サービスを提供し、看護師としての専門性を地域医療に活かしている。

起業にはさまざまな準備が必要ですが、知識を深め、行動に移すことで第一歩を踏み出せます。

関連記事:訪問看護の立ち上げ方!3つの開設基準や失敗しないための対策を紹介

事例2:理想の実現のために住宅型有料老人ホームを立ち上げた事例

看護師として長年の経験を積んできたなかで「自分の施設をもちたい」という強い思いから、住宅型有料老人ホームの開設に至った事例です。

<事例>
医療現場での勤務中に、患者さま一人ひとりに寄り添ったケアを提供する大切さを実感し、それを実現する場所として、自ら施設を運営する決意をした。開業に向けて、施設運営に必要な知識を積極的に学び、資金調達や地域との連携を強化。医療面での専門性を活かし、地域住民に信頼される施設を目指す。自身のビジョンを形にするために、最初は小さな一歩から始め、着実に施設を立ち上げられた。

理想とする看護の形を実現したい方にとって、独立もひとつの手段といえるでしょう。

看護師が起業で失敗しないために知っておくべきこと

起業にはさまざまなリスクがありますが、事前に知識を持ち、備えておくことでそのリスクを最小限に抑えられます。

  • 資金繰りが厳しくなりやすい
  • 事業運営に多くの時間がかかる
  • 市場の変化に敏感に対応しなければならない
  • 人材の確保が難しい場合がある

それぞれを詳しく見ていきましょう。

資金繰りが厳しくなりやすい

起業初期は収入が安定せず、想定以上に時間がかかって売上が伸びない場合があります。

とくに、収入の波に対する備えが不足しがちです。1年分の生活費と事業資金を確保し、収益源をいくつか持つと、金銭的にも精神的にも安心です。

事業運営に多くの時間がかかる

事業運営には、看護業務以外にも次の活動が必要です。

  • 営業活動
  • 経理業務
  • 顧客対応
  • マーケティング

これまでの看護師経験が病院のみである場合は、未経験の作業が多く一つひとつに時間がかかりがちです。外部委託や人材採用も視野に入れ、看護師としての活動に集中できる環境を整えることが、事業の成功につながるでしょう。

市場の変化に敏感に対応しなければならない

医療・介護業界は法改正や社会情勢の変化により、ビジネス環境が大きく変わることがあります。

最新情報を収集し、変化に応じてサービス内容や事業戦略を調整する柔軟性が必要です。業界団体への参加や、継続的な学習により、変化を先取りできるアンテナを張っておきましょう。

人材の確保が難しい場合がある

事業によっては、看護師や介護士などの専門人材が必要です。

しかし、これらの職種は慢性的な人手不足にあり、優秀な人材の確保は簡単ではありません。教育時間と費用がかかることを織り込んだうえで、採用した人材が辞めないように職場環境の整備や適切な待遇などに取り組むことも重要です。

看護師の起業についてのよくある質問

看護師の起業について、よくある質問にお答えします。自分に合った起業方法を見つける参考にしてください。

Q1:看護師ママでも自宅で起業できますか?

オンライン健康相談や看護師ライター、ブログ運営など看護師ママでも自宅で起業できるアイデアは数多くあります。

看護師としての経験と専門知識は、育児中でも活かせるでしょう。時間管理とご家族の協力があれば、収益も安定しやすくなります。

Q2:看護師としてプチ起業するには何がおすすめですか?

看護師のプチ起業には、副業から始められる看護師ライターやオンライン相談、健康セミナーの講師などがおすすめです。初期投資が少なく、本業と並行して取り組めます。

まずは小さく始めて、手応えを感じたら本格的な起業に移行するアプローチが安全です。看護師としての信用と専門性を活かせる分野を選ぶと良いでしょう。

看護師の起業は訪問看護ステーションがおすすめ!自分らしい働き方を見つけましょう

看護師は、さまざまな分野で起業できます。

なかでも訪問看護ステーションの立ち上げは、看護師としての経験を最大限に活かせる事業としておすすめです。自分のペースで働きながら、地域の医療に貢献できるため、理想の働き方を実現しやすい選択肢です。

訪問看護は高齢化社会の進展や在宅医療の需要増加により、注目を集めています。もし、訪問看護に興味があり、自分らしい働き方を実現したいと考えているならNsPaceCareerで情報収集から始めてみませんか。理想の働き方がきっと見つかるはずです。

<参考サイト・文献>

令和5年介護サービス施設・事業所調査|厚生労働省

令和4年介護サービス施設・事業所調査|厚生労働省

図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移|令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会-|厚生労働省

医療提供体制の現在の状況について|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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