【看護師の面接対策】やりがいの答え方6選!好印象な例文つきで解説

「やりがいについて、どのようなことを話せば好印象を与えられるか」「自分の経験をしっかり伝えられるか不安」
看護師の面接でやりがいについて聞かれて、どう答えるか悩んでいませんか。実は、伝え方によっては、熱意が伝わらない、志望動機と矛盾しているなどマイナス評価につながることもあります。
この記事では、看護師の面接で高評価を得られるやりがいの伝え方を、例文つきでわかりやすく解説します。採用担当者が求める「やりがい」の答え方を理解し、魅力を伝えられることで内定をもらえる可能性が高まるため、ぜひ参考にしてください。
看護師の面接でやりがいを聞かれる理由
看護師の面接で「やりがい」について聞かれるのは、採用担当者が次の3つのポイントを見極めようとしているからです。
- モチベーションを評価したい
- 看護師として成長できるかを確認したい
- 病院の求める人物像とマッチしているかチェックしたい
採用担当者がなぜこの質問をするのかを理解することで、看護師としての適性や熱意を効果的に伝えられるでしょう。
モチベーションを評価したい
看護師がどれだけ意欲的に仕事に取り組めるかを評価したいと考えています。
仕事へのモチベーションが高い看護師は、困難な状況でも前向きに業務をおこない、患者さまに質の高いケアを実施できるからです。
急変対応や多忙な業務のなかでも、患者さまのために何ができるかを考え、積極的に行動できる人は、採用率アップが期待できます。
看護師として成長できるかを確認したい
採用担当者は、看護師としてどのように成長していきたいのかをチェックしています。
やりがいを実感しながら仕事に取り組む人は、新しい知識を自ら学びスキルアップに努める傾向があるからです。
たとえば、専門看護師や認定看護師の資格取得を目指したり、新しい治療法や薬について自ら進んで学習したりする人は、常により良いケアを提供しようと努力しています。
このような向上心を持つ人は、将来的にも病院の戦力として長く活躍してくれると期待されるため、採用担当者は成長意欲を重視しているのです。
病院の求める人物像とマッチしているかチェックしたい
採用担当者は、応募者のやりがいが、病院が求める看護師像と合っているかを知りたいと思っています。
病院にはそれぞれの理念や方針があり、そこに共感できなければ、入職しても「何か違う」と感じ、早期の離職につながる可能性があるからです。実際に、日本看護協会の調査による離職率は以下のとおりです。
看護職員の区分 | 離職率 |
正規雇用の看護職員 | 11.3% |
新卒の看護職員 | 8.8% |
既卒の看護職員 | 16.1% |
このデータからも、病院は長く働いてくれる人を採用したいと考えていると考えられるため、やりがいが病院の目標や理念と一致しているかは、重要な判断材料となるのです。
看護師の面接でやりがいを答えるときのポイント6選
看護師の面接で「やりがい」を効果的に伝えるためには、いくつかのポイントがあります。
- 患者さまとの関係を中心に話す
- チーム医療での役割に触れる
- 具体的なやりがいを感じたエピソードを添える
- 自己成長を感じた瞬間を盛り込む
- 長期的な視点を含めて話す
- 志望動機につながるように話を展開する
これらのポイントを押さえることで、採用担当者に応募者の魅力や看護への情熱を強くアピールできるでしょう。
患者さまとの関係を中心に話す
やりがいを話す際は、患者さまとのエピソードを中心に伝えるのが大切です。
看護師にとって、患者さまの回復をそばで見守ったり「ありがとう」といわれることが大きな喜びになったりするからです。たとえば、次のように具体例を交えながら話してください。
- 「あなたのおかげで安心して過ごせました」と言葉をもらったとき
- 夜間のナースコールで不安な気持ちに寄り添い安眠したとき
- 終末期の患者さまが穏やかな最期を迎えられるようサポートできたとき
患者さまとの心温まる交流がどのようにやりがいにつながっているかを説明することで、看護に対する情熱がより強く伝わるでしょう。
チーム医療での役割に触れる
看護師は、医師やほかの医療スタッフとの連携が不可欠であるため、チームでどのような役割を果たし、やりがいを感じているか話してみましょう。
「リハビリ計画について理学療法士と情報共有し、患者さまの回復が早まったことに喜びを感じました」といった経験を伝えてみてください。チームとして働くことへの意欲が伝わるはずです。
具体的なやりがいを感じたエピソードを添える
抽象的な話ではなく、実際にやりがいを感じた具体的なエピソードを盛り込みましょう。なぜなら、説得力が増し、どのように活躍できるかがイメージしやすくなるからです。
「患者さまの異変に気づき、初期対応をおこなった結果、患者さまは回復しました。この経験から、知識と判断が命に直結する責任感と仕事の楽しさを感じました」といったエピソードは有効です。
どのような状況で、何を感じたのかを具体的に伝えることで、看護への熱意や現場での対応力を強くアピールできます。
自己成長を感じた瞬間を盛り込む
看護師として、どのような瞬間に自己成長を感じたかを伝えるのも重要です。
新しいスキルを習得するなかで、自分が成長していると感じる経験は、向上心のある人材だと採用担当者に評価されるからです。
採血が苦手だった場合、練習を重ねることで患者さまから「痛くなかったよ」といわれ成長を実感したというエピソードを盛り込みましょう。
自己成長への意欲を示すことで、常にスキルアップを目指し、病院に貢献しようとする姿勢が伝わります。
長期的な視点を含めて話す
将来の目標や、その病院でどのように貢献したいかを伝えることで、入職後も長く活躍する意欲を示せるため、長期的な視点で話してください。
たとえば、がん看護の専門看護師の資格を取得して、心のケアもできる看護師になりたいといった目標は効果的です。
将来、取り組みたいことを話すことで、病院に長く貢献してくれる人材であることを強調できます。
志望動機につながるように話を展開する
やりがいの話は、最終的に志望動機につながるように展開するのが理想的です。
病院でやりがいを感じたいと考えている理由や、病院の理念・特色と応募者のやりがいがどのように結びついているかを話しましょう。これにより、一貫性のある受け答えができ、採用担当者に好印象を与えられます。
関連記事:看護師のやりがいとは?やりがいがなくなったときの対処法も解説
看護師の面接でやりがいを伝える例文
面接で「やりがい」を伝える際は、応募者の経験や状況に合わせた例文を使うと、魅力的にアピールできます。
- 新卒看護師の例文
- ベテラン看護師の例文
- 転職する際の例文
- ブランクから復帰する際の例文
ここでは、いくつかの状況に応じた例文を紹介します。応募者の言葉で採用担当者に響く「やりがい」を表現することで、自信を持って面接に臨めるでしょう。
新卒看護師の例文
<例文> 患者さまの不安な気持ちに寄り添い、笑顔を引き出せたときにやりがいを感じます。学生時代の実習で、入院生活に不安があった患者さまと話す機会がありました。「あなたが来てくれて元気が出た。また頑張れそう」といっていただけたことは、私にとって忘れられない経験となりました。この経験から、患者さま一人ひとりに寄り添うことの大切さを実感しました。貴院で、患者さまが安心して治療を受けられるように、私も全力を尽くしたいです。 |
関連記事:新卒看護師が面接で聞かれること15選と回答例!受かる人の特徴を抑えよう
ベテラン看護師の例文
<例文> 長年の経験から培ったアセスメント能力と判断力で、患者さまの小さな変化も見逃さず、適切なケアを提供できたときに充実感を得られます。ご家族が治療に消極的だった認知症の患者さまとコミュニケーションを重ねることで、笑顔で療養生活を送れるようになったことです。患者さまの表情や言動から思いを汲み取りケアができたときに、喜びとやりがいを感じます。「患者さま本位の医療」の理念のもと、患者さま一人ひとりの尊厳を守るケアを追求していきたいです。 |
転職する際の例文
<例文> これまでの経験を活かして、専門性の高い看護を提供できる点が私のやりがいです。前職では循環器内科で勤務し、心臓疾患の患者さまと深くかかわってきました。しかし、貴院の救急医療における高度な専門性と、多岐にわたる症例に魅力を感じ、スキルを深めたいと考えるようになりました。とくに、貴院の心臓カテーテル治療の取り組みは、私が目指す看護師像と一致しています。新たな知識を習得しながら、貴院の医療に貢献することが、私の新たなやりがいになるはずです。 |
ブランクから復帰する際の例文
<例文> 患者さまやご家族が抱える不安を軽減し、安心を提供できたときに働く意味を実感できます。ブランクがあるため、現在の医療状況には不安もありますが、患者さまを支えたいという気持ちは変わりません。前職では、お子さまの病状悪化にひどく不安を感じていたお母さまをケアしたときに、話を聞き、状況を説明することで、安心した表情を見せてくれました。ご家族への精神的なサポートも看護師の重要な役割だと再認識しました。貴院の「地域に根ざした温かい医療」という理念に共感しており、患者さまのために尽力したいです。 |
看護師の面接で避けたいやりがいの答え方
面接でやりがいについて話す際、避けるべき答え方があります。
- 給料や福利厚生のみを挙げる
- 個人的なメリットを伝える
- ウソや誇張して答える
なぜ避けるべきなのかを理解し、魅力が伝わるような回答を準備しましょう。
給料や福利厚生のみを挙げる
給料や福利厚生だけをやりがいとして挙げるのは避けましょう。看護師という専門職に対する情熱や、患者さまへの貢献意欲が低いと判断されるリスクがあるからです。
「給料が良い」「残業が少なくて定時で帰られる」といった理由は「仕事内容には興味がないのか」と思われかねません。
これらは仕事を選ぶなかでは大切な要素ですが、面接の場では使命感をアピールする方が好印象です。
個人的なメリットを伝える
仕事への責任感やプロ意識が低いと受け取られるため「休みが多い」「自宅から近い」といった個人的なメリットを話すのも避けてください。
「ワークライフバランスを整えられる」といった個人的な理由だけを挙げるのは、適性を疑われる可能性があります。
あくまでも、患者さまや医療現場への貢献、自己成長といった視点からやりがいを伝えるようにしましょう。
ウソや誇張して答える
事実と異なることや、極端に話を盛って答えるのは絶対にやめてください。採用担当者は多くの応募者と接しているため、話の矛盾や不自然さに気づくでしょう。
たとえば、チームの功績をすべて自分の手柄のように話したり「どのような患者さまにも対応できます」と、過度に自身の能力を強調したりすることは、信頼を失うことにつながります。
看護師でやりがいがないと感じているときの対処法
もし今、看護師の仕事にやりがいを感じられていない場合でも、面接で正直に「とくにありません」と伝えるのは避けましょう。工夫次第で前向きな姿勢をアピールできます。
- 「やりがいを探している最中」と答える
- 嬉しかった経験をやりがいにつなげて答える
- 「これから挑戦したいこと」として答える
それぞれを詳しく見ていきましょう。
「やりがいを探している最中」と答える
正直に「今、やりがいを探している最中です」と伝えて、どのようなやりがいを見つけたいと考えているかを具体的に話しましょう。
「急性期病棟で働いてきましたが、今後は緩和ケア病棟で仕事の楽しさを見つけたいと考えています」と伝えるのは良いことです。前向きに仕事に取り組む姿勢をアピールできます。
嬉しかった経験をやりがいにつなげて答える
過去の看護経験のなかで、ささいなことでも嬉しかったり、達成感を感じたりした経験があれば、それをやりがいと関連づけて伝えてください。
「食欲不振の患者さまに、好きな食べ物を聞いて工夫したところ完食でき、その笑顔を見たときに看護師の喜びを感じました」と伝えるのも良いでしょう。
小さな喜びを積み重ねていく姿勢は、好印象につながります。
「これから挑戦したいこと」として答える
現在やりがいを感じていなくても、これから挑戦したいことや、スキルアップしたい分野を詳しく話しましょう。将来への意欲や向上心を示すことで、採用担当者に「この人はこれから伸びる」という期待感を与えられます。
「呼吸療法認定士の資格取得を目指し、専門的な知識とスキルを身につけて、患者さまの呼吸管理に貢献したいと考えています」といったように、具体的な目標を伝えるのは効果的です。
面接でやりがいを聞かれたら看護師にしかない魅力を伝えよう!
看護師の面接で「やりがい」について聞かれることは、看護に対する情熱や人間性をアピールする絶好の機会です。
この質問を通して、採用担当者はモチベーションや成長意欲、そして病院との相性を見極めたいと考えています。患者さまとのかかわりやチーム医療への貢献、自己成長といった看護師ならではの視点から、具体的なエピソードを交えて語ることが必要です。
応募者にしかない魅力的な経験を伝え、前向きな姿勢で臨めば、好印象になり採用を勝ち取れるでしょう。
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<参考サイト・文献>

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