【看護師の面接対策】苦労したことを聞かれる5つの理由!好印象な回答例

公開日:2025/07/21 更新日:2025/07/21
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看護師の面接で「今までで苦労したことは何ですか?」と聞かれると、正直に話すべきか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

この質問は、応募者のダメなところを見つけるためではなく、看護師の資質や人間性を理解するために、採用担当者があえて投げかけるものです。

困難にどのように向き合い、乗り越え、そこから何を学んだのかを知ることで、入職後に活躍する姿を見極めようとしています。

この記事では、面接で苦労したことを聞かれる理由と、その本当のねらいをわかりやすく説明します。好印象になる回答ポイントと回答例も紹介するため、苦労した経験を強みに変えて、採用につなげましょう。

看護師の苦労したことを面接で聞かれる5つの理由

看護師の面接で「苦労したこと」を聞かれるのは、ただ経験を知りたいからだけではありません。大変なことにどう向き合ったかを見ることで、応募者の人柄や仕事にどれくらい前向きに取り組めるかを採用担当者は知ろうとしています。

  • 困難な状況での対応力を見たいから
  • ストレスマネジメントを確認したいから
  • 成長するための学びや姿勢があるのかを知りたいから
  • 自己理解が十分であるかチェックしたいから
  • ミスマッチを防ぎたいから

それぞれの理由を理解すると、採用率アップにつながる効果的な回答ができるでしょう。

困難な状況での対応力を見たいから

看護の現場では、予想外のことや急なトラブルが起こるため、採用担当者はどのように対応したかを聞いて、応募者の行動力や判断力を確かめようとしているのです。

たとえば、急な患者さまの容態変化や、予測不能な医療機器のトラブル発生時にも冷静に対応できるかどうかが見られています。

どのような状況でも冷静に行動できる力は、看護師にとって欠かせない資質であり、病院側も重視しています。

ストレスマネジメントを確認したいから

採用担当者は、苦労したエピソードから、どう心身を管理しているかを把握しようとしています。看護の現場では、次のようにつらい状況に接することもあるため、健康を保ち長く勤務できるかが大切だからです。

  • 人手不足による担当患者さまの増加
  • 患者さまの急変対応や看取りの対応
  • 医療スタッフとの意見の相違
  • ご家族からのクレーム

ストレスを感じやすい場面が多いからこそ、心の健康を保つ方法を知っているかは欠かせません。応募者のストレスマネジメント能力は、病院にとって重要な採用ポイントになります。

成長するための学びや姿勢があるのかを知りたいから

採用担当者は、苦労した経験から何を学び、どのように成長しようとするかを理解するために、この質問をします。看護師の仕事は新しい知識や技術が求められ、自己成長への意欲が必要だからです。

経験から学び続けることは、専門職として成長するために欠かせません。

自己理解が十分であるかチェックしたいから

採用担当者は、応募者が自分の弱みや課題をどれだけわかっているかをつかもうとしています。自分のことを認識できていると、得意なことを活かし、苦手なことを補えるからです。

「完璧主義であり人に頼るのが苦手です。そのため、意識してチームメンバーに相談しています」と、過去の経験から自分のことを認識し、どう向き合っているかを伝えましょう。

自分の長所や短所を理解できていることは、新しい職場でスムーズに馴染み、活躍するためには不可欠です。

ミスマッチを防ぎたいから

入職してからギャップを感じて辞めてしまうことを防ぐため、この質問をします。日本看護協会「2024年病院看護実態調査報告書」によると、新人看護師のおもな退職理由は次のとおりです。

離職理由割合
健康上の理由(精神的疾患)52.5%
自分の看護職員としての適性の不安47.4%
自分の看護実践能力への不安41.6%
上司や同僚との人間関係29.8%
他施設への関心や転職21.8%
参考:2024年病院看護実態調査報告書|日本看護協会(5つまで複数回答、上位5位までを抜粋)

このように、病院側は「どのような困難を抱えやすいか」「それをどう乗り越えてきたか」を知ることで、自院との相性を見極めようとしています。

たとえば、人間関係で悩んだ経験がある場合、採用担当者は「チームで働く当院でもうまくやっていけるか」を確かめたいと考えています。

この質問は、応募者のつまずきやすいポイントを理解し、入職後にしっかりサポートするための大切な場面でもあるのです。

看護師が苦労したことを答えるときのポイント

看護師の面接で「苦労したこと」を話す際、ただ経験を語るだけでは不十分です。次のポイントを押さえて話してください。

  • 具体的なエピソードで話す
  • 苦労や失敗から学んだことを伝える
  • グチや責任転嫁した内容で話さない

エピソードを交え、どのように乗り越えたのか、何を得たのかを明らかにすることで、困難に立ち向かう力とポジティブな姿勢をアピールできます。学びを現場でどう活かしていきたいかを加えると、成長意欲も伝わり好印象です。

具体的なエピソードで話す

抽象的な話では、採用担当者は応募者の状況イメージしにくく、説得力に欠けてしまうため、具体的なエピソードで話すことが大切です。

「患者ケアが難しかった」とするのではなく「循環器内科の病棟で、高齢の患者さまが食事できなくなったが、うまく介入できず状態が悪化した」と、採用担当者が情景を思い浮かべられるように話してください。

具体性のある話は、応募者の経験に説得力を持たせ、思考の流れや問題解決に向けた姿勢も自然に伝わります。

苦労や失敗から学んだことを伝える

苦労や失敗から何を学び、どのように成長したのかを強調してください。採用担当者は、経験を学びの機会として捉え、次に活かそうとする姿勢を見ているからです。

たとえば「大変でした」で終わらせるのではなく「先輩看護師にアドバイスを求め、文献を読み込み、多職種と連携することで、患者さまの回復につながりました」と詳しく示しましょう。

苦労を成長の糧にできる人は、どのような環境でも力を発揮し、看護師として大きく成長するはずです。

グチや責任転嫁した内容で話さない

苦労話を単なるグチや他人のせいにする内容にしてはいけません。

なぜなら、ネガティブな印象を与え、問題解決能力が低いと評価される恐れがあるからです。採用担当者は、困難な状況で主体的に行動できるかを見ています。

たとえば「前職の人間関係が悪く、チームワークがなかったため苦労しました」ではなく、「チームの意見の食い違いに直面し、コミュニケーション不足を痛感しました」のように、あくまで自分の課題や、どう向き合ったかに焦点を当てて話しましょう。

ポジティブな姿勢で課題に取り組むことが、面接では高評価につながります。

関連記事:面接で看護師に必要なこと7つ!面接前に準備しておくことも紹介

面接で使える!「看護師が苦労したこと」の回答例

看護師の面接で「苦労したこと」を尋ねられたとき、どのように答えるべきか悩む方も多いでしょう。ここでは、具体例と好印象を与える回答例を解説します。

  • 例1:新卒看護師のときに知識不足で苦労した
  • 例2:職場の人間関係で悩んだ
  • 例3:夜勤での体調管理が大変だった
  • 例4:急変時の対応で挫折した
  • 例5:患者さまとのコミュニケーションで悩んだ

これらの例を参考に、自分の経験に合わせて内容を調整し、アピールにつなげてください。

例1:新卒看護師のときに知識不足で苦労した

新卒看護師のときに、知識不足で苦労した経験は共感を呼びやすいです。経験の浅い時期は、誰もが知識やスキルの壁にぶつかるため、どのように課題を克服し、成長できたかを伝えることが重要です。

<回答例> 新卒で配属された病棟で、疾患についての専門知識が不足しており、患者さまの説明やケアに自信が持てないことがありました。そこで、先輩に積極的に質問して患者さまのあらゆる情報を収集して疑問点をすぐに解決するように努めました。基礎知識の大切さと学び続けることの重要性を実感しています。

例2:職場の人間関係で悩んだ

看護の現場はチームで動くため、人間関係の悩みは誰にでも起こり得ます。職場の人間関係で悩んだ経験も、具体的な行動と学びを示すことでポジティブに受け取られます。チーム内でどのように課題を解決し、貢献できる人物であるかを明らかにしましょう。

<回答例> 以前、チーム内の意見の食い違いから情報共有がうまくいかず、患者ケアに影響が出そうになり苦労した経験があります。私は積極的にコミュニケーションをとり、それぞれの意見を尊重する姿勢で「患者さまにとって最善のケア」を見つけるよう努めました。この経験を通じて、多様な価値観を理解し、円滑な人間関係を築くための傾聴力と調整力が身につきました。

例3:夜勤での体調管理が大変だった

夜勤は身体的な負担が大きく、体調を崩しやすいため、夜勤の苦労話は自己管理能力をアピールするチャンスです。どのように課題を乗り越え、自己管理能力を高めたかをアピールできます。

<回答例> 夜勤中に疲れから集中力が低下し、小さなミスを起こしかけたことがあり、体調管理の大切さを痛感しました。これを機に、規則正しい生活リズムを心がけ、休憩中は積極的に仮眠をとる、栄養バランスの取れた食事にするなど、自己管理を徹底しました。その結果、夜勤をしても体調を崩しにくくなり、パフォーマンスを維持できるようになりました。

例4:急変時の対応で挫折した

急変時の対応で挫折した経験は、冷静さや学習意欲をあらわす絶好の機会です。この経験を通じて、どのように困難を克服したかを話しましょう。

<回答例> 以前、担当の患者さまが急変した際に、知識や経験不足から頭が真っ白になり、適切に行動できず、自分の未熟さを痛感しました。この経験から、急変対応のガイドラインを徹底的に学び直し、職場のシミュレーション研修にも積極的に参加しました。今では、冷静に状況を判断し、迅速に対応する力が身についたと感じています。

例5:患者さまとのコミュニケーションで悩んだ

看護師は、患者さま一人ひとりに合わせたコミュニケーションが求められる職種であるため、患者さまとの関係性に悩んだ経験は、傾聴力や共感力をアピールできます。課題を解決し、より質の高いケアを提供できるようになったかを示せるでしょう。

<回答例> 話すことが難しい高齢の患者さまとの信頼関係に苦労した時期がありました。そこで、患者さまの話をじっくり聞き、共感する姿勢を意識するようになりました。また、非言語的なサインにも注意を払い、患者さまの気持ちに寄り添うことを心がけました。この経験から、患者さまとの信頼関係構築には、傾聴と共感が不可欠だと学びました。

関連記事:看護師の転職面接でよくある質問と回答例15選

新卒看護師やブランク明けの看護師が苦労したことを答えるコツ

新卒看護師やブランク明けの看護師が苦労したエピソードを話すことは、経験が少ない、あるいは医療現場から離れていた時期があるため、悩ましいかもしれません。現在の不安や課題を認めつつ、乗り越えようとする前向きな姿勢を見せることが大切です。

  • 新卒看護師は実習や学生時代の苦労を話すと良い
  • ブランク中の職場復帰への不安をベースに考える
  • 今後にどう活かすかという前向きな姿勢で伝える

それぞれの状況に合った回答のコツを知れば、強みをしっかりと伝えられます。

新卒看護師は実習や学生時代の苦労を話すと良い

新卒看護師は、看護実習や学生時代の経験から学んだ困難について話すと効果的です。

次のように、学生時代に直面した課題をどのように解決したか伝えることで、困難を乗り越える力や向上心を示せます。

  • 実習中に患者さまとのコミュニケーションに悩んだこと
  • 記録作成の効率化に苦労したこと
  • 看護技術の習得に時間がかかったこと

実習や学生時代の経験を通じて得た学びを前向きに語ることで、採用担当者に適応力と将来性を印象づけられるでしょう。

ブランク中の職場復帰への不安をベースに考える

仕事を離れていた期間がある看護師は、復職時に医療の進歩や技術の習得に不安を感じることが多いです。たとえば、最新の医療知識についていけるか、採血や点滴などの技術を取り戻せるかが課題となります。

そのため「復帰前に自主的に学習した」「復職支援の研修に参加した」といった努力を具体的に伝えることが重要です。

このように、不安をしっかり認識しつつ、それを克服するために行動した姿勢を示すことで、採用担当者に適応力の高さと意欲をアピールできます。

今後にどう活かすかという前向きな姿勢で伝える

どのような苦労を話すときも、それを入職後にどう活かすかを話すことが大事です。病院は、失敗から学んで成長できる人材を求めています。

ポジティブな視点と具体的な展望を示すことで、応募者の魅力を引き出せます。単に「大変でした」で終わらせず「〇〇を学び、今後は〇〇に活かしていきます」と話しましょう。そうすると、問題を解決する力や未来への意欲をアピールできます。

苦労したことを話すことは成長をアピールするチャンス!

看護師の面接で「苦労したこと」を話すのは、決してマイナスではありません。

応募者の人間性や問題解決能力、成長への意欲をアピールする機会です。質問の意図を理解し、具体的なエピソードとともに、その困難をどう乗り越え、何を学んだのかをしっかりと伝えましょう。

グチや責任転嫁ではなく、前向きな姿勢で語ることで、採用担当者に良い印象を与えられます。

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<参考サイト・文献>

2024年病院看護実態調査報告書|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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