中途の看護師が面接で聞かれること12選と回答例!合格しやすい職場

公開日:2025/06/11 更新日:2025/06/11
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「中途の看護師で転職したいけど、面接でどんなことを聞かれるのだろう?」「どう答えれば採用担当者に良い印象を与えられるかな?」

このように悩んでいる方はいらっしゃいませんか。

転職の面接は、新しい職場で働くための大切なステップです。とくに、中途採用の場合、これまでの経験やスキル、新しい職場への適応力について面接で問われる傾向があります。

中途の看護師が面接でよく聞かれる質問とその回答例を紹介します。この記事を読むことで、面接への不安が和らぎ、自信を持って臨めるようになるため、採用を勝ち取れるでしょう。

中途の看護師が面接で聞かれること12選と回答例

中途の看護師の面接では、これまでの経験や新しい職場への意欲などを聞かれます。事前にどのような質問があるかを把握し、しっかりと準備しておくことが大切です。

  1. これまでにどのような経験を積んできましたか
  2. インシデントを起こしたことはありますか
  3. 過去の職場で、同僚と意見が対立した際にどのように解決しましたか?
  4. 看護研究や学会発表の経験はありますか?
  5. あなたのストレス解消法は何ですか?
  6. 希望通りの配属先とならなかった場合はどうしますか?
  7. もしあなたが当院の看護師長になったら、どのようなことに取り組みたいですか?
  8. 夜勤や残業はできますか?
  9. 仕事をするうえで気をつけていることはなんですか?
  10. 合格となった場合、いつ頃から働けますか?
  11. 病院へどのように貢献してくれますか?
  12. 病院のスタッフとどのように働いていきますか?

それぞれの質問への回答について、頭に入れておき、自分の想いや考えをはっきりと伝えられるようにしましょう。

1.これまでにどのような経験を積んできましたか

中途の看護師には、即戦力として働ける人材が求められがちです。そのため、これまでの臨床経験や、そこで得た知識・スキルを具体的に伝えてください。新しい職場でどのように活かせるかをアピールしましょう

<回答例> 心臓血管外科病棟で5年間、看護に携わってきました。心筋梗塞の患者さまのケアを経験し、術後の管理や急変時の初期対応、患者さまやご家族への丁寧な説明を心がけてきました。また、周手術期についての研修に参加し、専門知識の向上に努めてまいりました。貴院の「患者さま主体の医療」に力を入れている点に共感し、これまでの経験を活かし、患者さまにケアを提供したいと考えております。

2.インシデントを起こしたことはありますか

インシデントの有無とそこから学んだことを正直に伝えてください。採用担当者は、あなたの安全管理の意識や、反省・改善する姿勢を見ているからです。インシデントを隠すのではなく、インシデントから学びを得ていることを伝えましょう。

<回答例> 私は、3年前に配薬ミスというインシデントを起こしてしまいました。具体的には、降圧剤の1回分を患者さまに配薬し忘れてしまいました。血圧は上がらず、その他の症状はなかったのですが、患者さまにご迷惑をおかけしました。その後、原因を深く分析し、チームで再発防止策を検討し、配薬の方法を変更するという対策を講じました。この経験から、報告・連絡・相談とダブルチェックの重要性を改めて認識したため、業務で徹底するよう心がけております。

3. 過去の職場で、同僚と意見が対立した際にどのように解決しましたか?

意見の対立は、チーム医療において避けられない側面もあります。採用担当者は、それを乗り越え、より良い連携に繋げられる人材であるかを見ています。大切なのは、意見の対立そのものを否定的に捉えず、建設的な解決を目指したプロセスを伝えることです。

<回答例> 前の職場で、患者さまのケア方法について同僚と意見が対立した際、まず同僚の意見を聞き、その根拠や意図を理解するように努めました。そのうえで、自身の考えを具体的な根拠と共に伝え、双方が納得できる点を探るよう話し合いを重ねました。最終的には、それぞれの意見のメリットとデメリットを検討し、患者さまにとって最も有益となる方法をチームとして選択しました。この経験から、異なる意見を持つ者同士が、尊重し建設的に話し合うことで、より質の高い看護につながることを学びました。

4. 看護研究や学会発表の経験はありますか?

もし経験があれば、研究テーマと工夫した点を伝えることで、専門性や知的好奇心を示せます。一方、経験がない場合でも「経験はありません」と答えつつ「機会があれば挑戦したいと考えています」といった意欲を示すことが大切です。

<回答例> 以前の職場で、術後のリハビリテーションの質向上を目的とした小規模な研究に携わりました。患者さまへの介入を行い、その効果をデータで評価しました。結果を院内発表会で報告し、多職種からの意見交換を通して、研究の難しさと面白さを学びました。学会発表の経験はありませんが、この研究を通して、日々の臨床における疑問を深掘りし、客観的なデータをもとに改善していくことの重要性を強く認識しました。貴院でも、機会があれば積極的に研究活動に貢献したいと考えております。

5. あなたのストレス解消法は何ですか?

採用担当者は自己理解やセルフケア能力を見ています。看護師はストレスの多い仕事であるため、自分なりの解消法を持っていることは、長く活躍するために重要な要素です。自分に合った方法を伝えると好印象です。

<回答例> 私のストレス解消法は、主に2つあります。1つ目は、体を動かすことです。休日にランニングやヨガをすることで、気分転換になり、心身ともにリフレッシュできます。2つ目は、好きな音楽を聴いたり映画を観たりすることです。自分の時間をゆったりと過ごすことで、仕事の疲れを癒しています。以前の職場では、忙しい時には同僚と短い時間でも話すことが、気分転換になっていました。ストレスを感じることがあれば、これらの方法で自分をケアしながら、前向きに業務に取り組んでいきたいと考えております。

6.希望通りの配属先とならなかった場合はどうしますか?

採用担当者は、あなたの柔軟性や協調性を見ているため、基本的には受け入れる姿勢を示してください。学習意欲も伝えましょう。

<回答例> どのような配属先であっても、これまでの経験を活かし、看護師として精一杯努めさせていただきたいと考えております。配属された部署でしっかりと業務を覚え、貢献できるよう努力いたします。そのうえで、もし将来的に希望する部署で働く機会があれば、そのために必要な知識やスキルを積極的に学び、成果を発揮していきたいと考えております。

7.もしあなたが当院の看護師長になったら、どのようなことに取り組みたいですか?

採用担当者は、向上心や長期的な視点を持っているかを把握したいため、どのように成長していきたいか、具体的な目標を伝えましょう。どのような努力をしたいかを伝えることを忘れないでください。

<回答例> 今後、看護師長を拝命する機会をいただけましたら、これまでの経験を活かし、患者さま中心の医療をさらに進めるために、多職種連携の強化に注力したいと考えます。定期的な合同カンファレンスの実施や情報共有ツールの導入などを検討し、チームで患者さまの状態を把握し、質の高いケアを提供できる体制を構築したいです。また、スタッフ一人ひとりの成長を支援するため、研修制度の充実や、互いに教え合い学び合えるような環境づくりにも力を入れたいです。

8.夜勤や残業はできますか?

多くの医療機関では、夜勤や残業が発生するため、可能な範囲で協力する姿勢を示しましょう。協力的な姿勢を伝えることが必要です。

<回答例> 体力には自信がありますので、できる限り協力させていただきます。前職でも夜勤を経験しており、業務に支障はありません。残業についても、患者さまの状況や緊急時には、可能な限り対応させていただきます。

9.仕事をするうえで気をつけていることはなんですか?

採用担当者は、プロ意識や倫理観を知ろうとしているため、大切にしている看護の姿勢や、仕事への取り組み方を伝えましょう。仕事に対する真摯な姿勢がアピールにつながります。

<回答例> 患者さまの尊厳を尊重し、丁寧な言葉遣いを心がけるようにしています。また、チームの一員として、報告や相談をおこない、多職種のスタッフとの円滑な連携を大切にしています。今後も学ぶ姿勢を持ち、新しい知識や技術の習得にも積極的に取り組みたいです。

10.合格となった場合、いつ頃から働けますか?

採用担当者は、採用後のスケジュールを立てる必要があるため、入職できる時期をはっきりと伝えましょう。

<回答例> 内定をいただけましたら、2週間後から勤務可能です。現在、前職の業務の引き継ぎをしており、10月1日以降であれば勤務を開始できます。

11.病院へどのように貢献してくれますか?

採用担当者は、当院にとってどのようなプラスになるかを知りたいため、あなたの貢献意欲と具体的な行動を伝えることが必須です。

<回答例> これまでの教育委員会で5年活動してきた経験を活かし、貴院でも教育に力を入れていきたいと考えております。まずは、私自身が業務や職場の環境に慣れたうえで、貴院の新人教育への取り組みに貢献できると確信しております。また、スタッフの皆さまと協力し、より良い職場環境づくりもおこなっていきたいです。

12.病院のスタッフとどのように働いていきますか?

医療現場では、チームワークが重要であるため、協調性をアピールしチームワークを大切にする姿勢を伝えてください。

<回答例> 私は、常に相手の意見を尊重し、積極的にコミュニケーションを取りながら、協力して業務に取り組みたいと考えています。前職でも、スタッフと連携を取り、患者さまにとって最善の医療を提供できるよう努めてまいりました。今後も、積極的にコミュニケーションを取り、チームの一員として貢献していきたいと考えております。

関連記事:看護師の転職面接でよくある質問と回答例15選

中途の看護師が面接でうまくいかないときの対処法

面接で緊張したり、うまく話せなかったりすることもあるかもしれません。そのようなとき、対処法を知っておくと落ち着いて対応できるでしょう。

  • 結論から先に話す
  • 暗記はせずに自然な会話を心がける
  • 明るくハキハキと応える
  • 「最後に一言」「何か質問はありますか?」にしっかり回答する

それぞれを具体的に見ていきましょう。

結論から先に話す

相手に内容が伝わりやすく、スムーズなコミュニケーションにつながるため、採用担当者からの質問に対して、まずは結論を簡潔に伝えましょう。

具体的には「〇〇についてですが、私は〇〇だと考えます。なぜなら〜」のように、最初にあなたの考えを述べることで、話がわかりやすくなります。

暗記はせずに自然な会話を心がける

用意した回答を丸暗記するのではなく、自分の言葉で自然に話してください。

暗記した内容はぎこちなく聞こえ、熱意が伝わりにくいからです。

キーワードだけ覚えておき、採用担当者との会話の流れに合わせて話すようにしましょう。自然な会話は、人間性やコミュニケーション能力を伝えるうえで重要です。

明るくハキハキと応える

志望意欲や人柄が伝わりやすく、好印象を与えられるため、面接では明るくハキハキとした態度で応えましょう。

背筋を伸ばし、笑顔を心がけ、聞き取りやすい声で話してください。明るくハキハキとした態度は、自信があるようにも見えます。

「最後に一言」「何か質問はありますか?」にしっかり回答する

「最後に一言」では入職への意欲を伝え「何か質問はありますか?」には積極的に質問しましょう。

熱意や積極性を示す良い機会であるため「特にございません」「大丈夫です」などと返答するのは控えてください。

「これまでの経験を活かし貢献したいと考えております」や「教育プログラムについてお伺いしてもよろしいでしょうか?」などと、積極的に発言することが採用担当者へのアピールにつながります。最後の質問は、印象を大きく左右する可能性があるため重要です。

関連記事:看護師の面接の逆質問と最後に一言への対策!例文10選を紹介

ネガティブな内容もポジティブに言い換える

退職理由やインシデントの経験など、ネガティブな内容も前向きな言葉で伝えましょう。

「前職の人間関係が好きではありませんでした」「看護ケアに不満がありました」などと言うのではなく「よりレベルが高い環境で、自分の力を試したいと考えました」と前向きに言い換えましょう。

ポジティブな表現は、印象アップに期待できます。

中途の看護師が面接に合格しやすい職場

職場によって、重視する点や求める人物像は異なります。中途の看護師が比較的合格しやすい職場を知っておくのも、転職活動を有利に進めるうえで役立ちます。

  • 訪問看護ステーション
  • クリニック
  • 介護施設
  • 一般企業

それぞれなぜ中途の看護師が採用されやすいのか、その理由を見ていきましょう。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、これまでの臨床経験を活かしやすく、比較的採用されやすい傾向があります。

というのも、訪問看護では、利用者さまには多様な疾患や年齢の方がいて、それぞれの価値観をもとに在宅療養をしているため、豊富な臨床経験を持つ看護師は重宝されます。

利用者さまの生活背景を理解した上で必要なケアを提案し、患者さまやご家族とのコミュニケーション能力が必要であることも、中途の看護師が求められる理由のひとつです。

関連記事:訪問看護の面接でよく聞かれる質問10選!逆質問やうまく回答するための対策を紹介 

クリニック

クリニックは、専門分野の経験や、患者さまとの丁寧なコミュニケーションを重視する傾向があり、中途の看護師も挑戦しやすいです。

ひとつの診療科に特化している場合が多く、これまでの経験が活かせる可能性があります。クリニックは、中途の看護師の専門性とコミュニケーション能力を活かせる職場です。

介護施設

介護施設は、高齢者に対するケアの経験や、チームワークを大切にする姿勢が評価されやすく、中途の看護師も活躍しやすい職場です。

高齢化に伴い医療ニーズは多様化しており、看護師は入居者さまの健康管理や生活援助、多職種との連携などがさまざまなことに対応しなければなりません。そのため、介護施設では、中途の看護師のケアスキルと協調性を活かせるでしょう。

一般企業

一般企業における産業看護師や治験関連の仕事などは、看護師の資格や経験を活かせる求人であり、新しいキャリアを築くチャンスでもあります。

たとえば、健康管理部門や医薬品開発の現場で、看護師の専門知識が求められているため、一般企業では、中途の看護師の資格と知識を活かせる可能性があります。

中途の看護師の面接についてのQ&A

中途の看護師の面接でよくある疑問にお答えします。

Q1:中途採用の面接で自己紹介は何を言うべき?

採用担当者は、あなたの基本的な情報と、当院への志望動機を知りたいため、自己紹介として、これまでの職務経歴や志望動機を簡潔にまとめて伝えると効果的です。

キャリアと意欲をはっきりと伝えることで、アピールにつながります。

Q2:中途の看護師が面接の服装で気をつけるマナーはありますか?

中途の看護師は、清潔感があり、好印象を与える服装を心がけてください。

第一印象は、面接の結果を左右する可能性があります。スーツやジャケットを着用し、派手な色や柄物は避けましょう。靴もキレイに磨いておくと好印象です。

新人看護師のときとは異なり、中途の看護師は社会人を経験しているため、清潔感に加えて落ち着きがある服装で誠意を示すことが必須です。

Q3:中途の看護師は面接で落ちるフラグはありますか?

厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、看護職(看護師・准看護師)の有効求人倍率は2.20倍であり、全職種の1.19倍よりも高い状況です。

この調査結果より、看護業界は人手不足であるといえます。

とはいえ、ネガティブな発言が多い、質問に的確に答えられない、熱意が感じられない場合などは採用試験に落ちる可能性があります。

具体的には、前職の批判ばかりしたり、転職先について調べていなかったりなどはマイナス評価につながります。ポジティブな姿勢と、しっかりとした準備が不可欠です。

関連記事:看護師が面接に落ちるフラグはある?面接に落ちる理由10選と対策を紹介

まとめ:中途の看護師も面接対策をして合格を勝ち取ろう!

中途の看護師の面接では、これまでの経験やスキル、そして新しい職場への適応力が重要視されます。

この記事でご紹介した質問や回答例、面接でうまくいくためのヒントを参考に、しっかりと対策をすれば、きっと合格を勝ち取れるはずです。

あなたの転職が成功することを心から応援しています。

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<参考サイト・文献>

看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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