手術室看護師がつらい10個の理由!つらい人におすすめの職場を紹介

公開日:2025/06/05 更新日:2025/06/05
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「手術室看護師って、どこもピリピリしていそう」「病棟看護師になって患者さまのケアをじっくりしたい」

このように感じている手術室看護師の方がいるかもしれません。実際、手術室看護師として働くなかで、多くの人が「つらい」と感じる瞬間があるようです。

この記事では、手術室看護師の方がつらいと感じる具体的な理由を10個にまとめ、その対処法や手術室での経験を活かせる職場も紹介します。つらい気持ちの原因がわかり、あなたの理想の働き方を見つけるための第一歩となるでしょう。

手術室看護師がつらい10個の理由

日本医療労働組合連合会の調査によると、看護師の79.2%は辞めたいと考えながら働いているという結果が出ました。手術室看護師も例外ではなく、専門性が高く、やりがいも大きい一方で、つらいと感じる側面もあるといえます。

  1. 長時間労働になりやすいのがしんどい
  2. プレッシャーを強く感じる
  3. 医師やほかのスタッフとのコミュニケーションが難しい
  4. 立ちっぱなしの仕事で負担が大きい
  5. 緊急手術への対応がストレス
  6. 専門的な知識やスキルを身につけるのに時間がかかる
  7. 患者さまとのかかわりが少ない
  8. 病棟や集中治療室への申し送りがつらい
  9. キャリアプランを想像しづらい
  10. いじめや陰口など人間関係に疲れる

ここでは、多くの手術室看護師がつらいと感じる理由をそれぞれ見ていきましょう。

1.長時間労働になりやすいのがしんどい

手術は、患者さまの状態や手術の進行具合によって、予定していた時間よりも大幅に長引く場合があります。また、緊急手術が突発的に入ることも少なくありません。

そのため、定時での退勤が難しく、結果として勤務時間が長時間になりがちです。プライベートな時間を大切にしたい方や、体力的に負担を感じやすい方にとっては、この点が悩みとなるでしょう。

関連記事:オペ看護師とはどんな仕事?向いている人の特徴や仕事内容を解説

2.プレッシャーを強く感じる

手術室では、患者さまの健康状態が変化し、予期せぬ事態も起こりえます。

医師や麻酔科医、臨床工学技士など多職種のスタッフと連携しながら、的確に処置をおこなうことが求められます。この際、ひとつの判断ミスや手技の遅れが、患者さまの予後に影響を与えかねません。

そのため、高い集中力と責任感を持って業務にあたる必要があり、精神的なプレッシャーは大きいといえます。

3.医師やほかのスタッフとのコミュニケーションが難しい

手術は、さまざまな専門性がある医療従事者が協力して、チームで進めていきます。

  • 外科医
  • 麻酔科医
  • 看護師
  • 臨床工学技士
  • 放射線技師

それぞれの専門分野における知識や用語が異なるため、意思疎通がスムーズにいかない場合があります。とくに、緊急時や複雑な手術においては、正確な情報伝達が不可欠であり、コミュニケーションのズレは患者さまの安全にも影響を及ぼしかねません。

4.立ちっぱなしの仕事で負担が大きい

手術中、看護師は器械出しや患者さまの体位保持、記録などさまざまな業務を立ちっぱなしでおこないます。

数時間におよぶ手術も珍しくなく、同じ体勢での立ち仕事は、足腰への負担が大きくなりがちです。慢性的な腰痛や下肢のむくみに悩まされる看護師も少なくありません。

身体的な疲れに加え、集中力の維持も必要であるため、精神的な疲労も溜まりやすい環境といえるでしょう。

5.緊急手術への対応がストレス

いつ発生するか予測できない緊急手術への対応は、大きなストレスになります。

予定していた業務を中断し、すぐに準備を始めなければなりません。予期せぬ事態に、心身ともに疲弊することがあります。

6.専門的な知識やスキルを身につけるのに時間がかかる

手術室で安全に業務をおこなうために、手術室看護師には次のようなスキルが欠かせません。

  • 医療機器の操作方法
  • 手術の手順
  • 患者さまの病態についての理解

これらの専門知識やスキルを習得するには、日々の業務を通して学ぶだけでなく、自己学習も積極的にする必要があります。

脳神経外科や心臓血管外科、整形外科など覚えるべき範囲は広いため、一人前の手術室看護師として業務をこなせるようになるまでには、相当な時間と努力が求められます。

知識や技術がなかなか身につかず、焦りや不安を感じるかもしれません。

7.患者さまとのかかわりが少ない

手術室看護師は、おもに手術中の業務に集中するため、病棟看護師のように患者さまとじっくり過ごしたり、コミュニケーションをしっかり取ったりする機会は限られます。

全身麻酔の場合、手術室に入って麻酔が導入される前、もしくは術後、病棟に送る前までにコミュニケーションを取る程度で、患者さまにかかわる時間は少なくなります。

「患者さまとコミュニケーションし寄り添ったケアをしたい」と考える手術室看護師にとっては、少し物足りなさを感じるかもしれません。

8.病棟や集中治療室への申し送りがつらい

術中の経過や全身状態、注意すべき点などを病棟や集中治療室の看護師に正確まとめて伝えることは、患者さまの回復をサポートするために重要な業務です。

しかし、手術中の出来事を整理して的確に伝えようとすると、情報量が多くなすぎて時間がかかることがあります。

また、伝え漏れがないかというプレッシャーや、相手にうまく伝わらなかった場合の責任を感じるなど、精神的な負担を覚えることもあるようです。

9.キャリアプランを想像しづらい

手術室は、専門性の高い特殊な領域であるため、どのようなキャリアパスを描けるのか、イメージしにくいと感じる看護師の方もいます。

手術看護のスペシャリストを目指す手術室看護認定看護師という道がある一方で、病棟や外来などほかの領域へのキャリアチェンジが難しいのではないかと感じる方もいるかもしれません。

また、管理職を目指す際に、手術室での経験がどのように活かせるのか見えにくいことも、キャリアプランを考えづらくさせる要因のひとつです。

10.いじめや陰口など人間関係に疲れる

職場の人間関係の悩みは、医療現場においても例外ではありません。

とくに、手術室は限られたメンバーで業務をおこなうため、人間関係がこじれてしまうと、働きにくくなってしまいます。

いじめや陰口といった問題は、働く意欲を著しく低下させ、ストレスを増大させます。閉鎖的な空間であるが故に、人間関係が悪化すると、そこから抜け出すことに難しさを感じることもあるでしょう。

手術室看護師がつらいときの対処法

手術室看護師の仕事につらさを感じているなら、決して我慢する必要はありません。つらい気持ちを放置すると、心身の健康を損なう可能性があります。まずは、自分の状況を客観的に見つめ、次の対処法を試してみてください。

  • 信頼できる上司や先輩看護師に相談する
  • 休暇を取ってリフレッシュする
  • 専門家のサポートを受ける
  • 看護師長に異動を相談する
  • 転職を検討する

これらの対処法を実践できると、状況の改善に期待できます。

信頼できる上司や先輩看護師に相談する

つらい気持ちを一人で抱え込まずに、まずは信頼できる上司や先輩看護師に打ち明けてみましょう。

同じ職場で働く人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になる可能性があります。

また、あなたの状況を理解したうえで、具体的なアドバイスやサポートをしてくれるかもしれません。遠慮せずに、自分の気持ちを伝えてみてください。

休暇を取ってリフレッシュする

心身の疲れを感じたら、無理をせずにしっかりと休んでください。

まとまった休みを取って旅行したり、趣味に没頭したり、家でゆっくり過ごしたりするなど、心地よい過ごし方でリフレッシュすることが大切です。

オンとオフを切り替えられると、心身のバランスを取り戻し、新たな気持ちで仕事に向き合えるでしょう。

専門家のサポートを受ける

どうしてもつらい気持ちが拭えない、眠れない、食欲がないなど心身の不調が続く場合は、専門家のサポートを検討してください。

たとえば、次の専門家に相談すると、アドバイスをもらえ気持ちを整理できるでしょう。

  • 精神科や心療内科の医師
  • 精神保健福祉士
  • 公認心理師

専門病院のほか、各自治体でこころの相談窓口を設けている場合もあります。一人で悩まず、専門家の力を借りることも、解決への大切な一歩です。

看護師長に異動を相談する

手術室の仕事内容や雰囲気がどうしても自分に合わないと感じる場合は、看護師長に異動の希望を伝えてみましょう。

一般病棟や外来など異なる環境で働くと、新たなやりがいが見つかるかもしれません。

異動は、あなたのキャリアを見つめ直す良い機会にもなります。まずは、あなたの希望や悩みを率直に伝えてみてください。

転職を検討する

今の職場で心身ともに疲弊してしまい、働き続けることが難しいと感じたら、転職も視野に入れましょう。

手術室での経験は、ほかの医療機関や施設でも高く評価されます。より良い労働条件や、自分に合った職場環境を求めて、積極的に行動することも大切です。

手術室がつらいと感じたら、別の視点で看護に向き合う方法もあります。たとえば、訪問看護ステーションへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。訪問看護師は、利用者さま一人ひとりの生活に寄り添い、その人らしい在宅療養を支えられます。

安心できる空間で、時間をかけてケアを提供できることは、やりがいにつながります。「NsPaceCareer」では、豊富な求人を揃えており、転職活動をサポートしているため、ぜひ活用してみてください。

手術室看護師を辞めて転職を成功させるコツ

手術室看護師を辞めて転職を考える際には、いくつかのポイントを押さえておくことで、後悔のない転職を実現できます。

  • 転職先に求める希望や条件を明らかにする
  • キャリアプランをはっきりさせる
  • 手術室での経験が活かせる職場を探す

コツを押さえて、しっかりと準備を進めていきましょう。

転職先に求める希望や条件を明らかにする

なぜ今の職場がつらいと感じるのかを具体的に分析し、転職先に求める希望や条件を明らかにしましょう。たとえば、自分にとって譲れない条件を次のようにリストアップしておくことが大切です。

  • 給与
  • 勤務時間
  • 年間休日数
  • 福利厚生
  • 人間関係

これらの条件を整理することで、転職先を選ぶときの軸が決まります。

キャリアプランをはっきりさせる

転職をキャリア形成のステップと捉え、長期的なキャリアプランを考えてみましょう。

具体的には、特定の分野の専門性を高めたい、管理職を目指したいなど目標が決まると転職先を絞ることができます。

将来の目標に合わせて、何をすべきかを逆算して考えることが重要です。

手術室での経験が活かせる職場を探す

手術室で培った高度な専門知識やスキル、緊急時の対応力などはほかの医療現場で高く評価されます。

集中治療室や救命救急センター、急性期の外科病棟といった専門性の高い部署はもちろん、内視鏡センターや美容クリニックなどでも手術室での経験が活かせる可能性があります。

自分のスキルや経験を振り返り、それを強みとしてアピールできる職場を探しましょう。

手術室看護師がつらい人におすすめの職場

手術室の仕事がつらいと感じている方が、これまでの経験を活かしながら、働きやすいと感じられる職場を紹介します。

  • 集中治療室
  • 救命救急センター
  • 急性期の外科病棟
  • 美容クリニック

それぞれの職場がなぜおすすめなのか、その理由をみていきましょう。

集中治療室

集中治療室(ICU)では、生命の危機にある患者さまに、集中的な治療とケアをおこないます。手術室での経験を通して培われた次のスキルが役立ちます。

  • 急変時の的確な判断力
  • 医療機器の操作についての知識
  • 無菌的な操作技術

より専門性を深めたい方、緊迫した状況のなかで患者さまを救命していくことにやりがいを感じる方におすすめです。

救命救急センター

救命救急センターは、事故や病気などで治療が必要な患者さまを受け入れる、最前線の医療現場です。

手術室での緊急手術の経験は、限られた時間のなかで状況を把握し、臨機応変に対応する判断力と行動力に直結します。

医師やコメディカルスタッフと連携し、一刻も早く患者さまの状態を安定させ、命を救うという使命感を持って働きたい方に向いています。

急性期の外科病棟

急性期の外科病棟では、手術前後の患者さまのケアを中心に、さまざまな治療やケアをおこないます。

手術室での経験を活かし、術後の回復をサポートしたり、合併症の早期発見に努めたりできます。

患者さまの状態の変化にいち早く気づき、適切なケアを提供することで、患者さまの回復を間近で見守りたい方におすすめです。

美容クリニック

美容クリニックでは、美容外科手術やレーザー治療など美しさを求める患者さまへの医療サービスを提供します。

手術室での経験は、美容クリニックでの手術の介助や医療機器の取り扱い、患者さまへの説明といった場面で活かせます。

患者さま一人ひとりに寄り添い、患者さまの喜びを感じられることが、この分野ならではのやりがいといえるでしょう。

手術室看護師がつらいに関するよくある質問

ここでは、手術室看護師の仕事のつらさに関して、多くの方が抱える疑問にお答えします。

Q1:手術室看護師に向いている人の特徴はありますか?

手術室看護師に向いている人の特徴は、次のとおりです。

  • 専門性を高めたいと考えている人
  • チームで連携をとりながら働きたい人
  • 体力・精神面ともにタフな人
  • 先々を考えて状況判断をしながら動くことが得意な人

これら4つの特徴に当てはまる看護師は、手術室で活躍できるでしょう。さらに、詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

関連記事:手術室看護師に向いている人とは?オペナースの仕事内容や向いていない人の特徴も解説

Q2:手術室看護師は性格が悪いって本当ですか?

「手術室看護師は性格が悪い」といったイメージがあるかもしれません。

そのようなことは決してありませんが、手術室は患者さまの命にかかわる現場であり、手術を安全に進められるように端的かつ厳しく指導するため、そのように感じる可能性があります。

これは、性格が悪いのではなく、プロフェッショナルとしての責任感の表れです。実際には、患者さまのために真摯に業務をおこなう思いやりのある看護師がたくさんいます。

Q3:手術室看護師の年収は高いですか?

時間外勤務が長くなったり、特殊勤務手当といった手当がついたりするため、ほかの病棟の看護師と比較して、手術室看護師は給与がやや高い傾向にあります。

ただし、年収は勤務する医療機関の規模や種類、経験年数などによって異なります。

資格手当や夜勤手当の有無なども影響するため、詳しい年収の情報は、病院のホームページや求人情報を参考にすると良いでしょう。

まとめ:手術室看護師がつらいときは転職するのも一手!理想の働き方を実現しよう

手術室看護師の仕事はやりがいを実感できる一方で、さまざまなつらさを感じることもあるでしょう。

手術室看護師の仕事につらさを感じているなら、今回ご紹介した対処法を試してみてください。今の職場で働き続けることが難しいと感じたら、転職という選択肢も間違いではありません。

手術室で培った貴重な経験とスキルは、ほかの場所でも活かせます。新たな一歩を踏み出すことで、理想的な働き方を実現できるでしょう。

<参考サイト・文献>

「看護師の入退職」に関する実態調査|日本医療労働組合連合会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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