健診センターの看護師がきついと言われる理由8つ!やりがいとおすすめの求人

「健診センターで働くときにきついと感じる理由は?」「健診センターの看護師は病院よりも楽に働けるの?」
このように不安を感じたり、悩んだりしていませんか。
病院の看護師とは異なり、健診センターは夜勤がなかったり、ナースコール対応に追われなかったりなど人気の勤務先です。
しかし、健診センターでの仕事は大変で「きつい」と言われるケースもあります。
この記事では、健診センターの看護師がきついと言われる理由とその対処法、健診センターで働くことのやりがい紹介します。この記事を読むことで、健診センターでの仕事に対する不安や疑問を解消し、自分に合った働き方を見つけられるでしょう。
健診センターの看護師がきついと言われる8つの理由
厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、看護師の勤務先は病院とクリニックで82.9%(病院:70.9%・クリニック12.0%)を占めます。健診センターの看護師数を示すデータはないものの、健診センターの現状を知っている方は少ないでしょう。
- 正確でスピーティーな採血スキルが求められる
- 受診者への接遇マナーが厳しい
- ルーティンワークが多く業務が単調である
- 治療や処置に関するスキルが上がりにくい
- 巡回健診のたびに職場環境に慣れなければならない
- 個人情報の管理が厳しい
- 早朝の出勤を求められやすい
- 健診後のフォローアップ業務がきつい
健診センターの看護師の仕事は、病院やクリニックとは異なる点が多いため、慣れないうちはきついと感じることがあるかもしれません。ここでは、きついと言われる理由を具体的に見ていきましょう。
正確でスピーティーな採血スキルが求められる
健診センターでは、多くの受診者の採血を効率的におこなわなければなりません。
健診センターの規模によっては、受診者が100人を超えるケースもあります。採血に時間がかかったり、スムーズにできなかったりすると、健診の流れが滞り受診者からのクレームにつながる恐れがあります。
正確でスピーディーな採血スキルが求められるため、採血が苦手な看護師や経験が浅い看護師にとっては、プレッシャーを感じやすいでしょう。
受診者への接遇マナーが厳しい
健診センターは、病院とは異なり健康な方が訪れます。
患者さまではなく「お客さま」として接しなければならず、接客業の色合いが強くなるため、受診者への接遇マナーがより一層求められがちです。
たとえば、言葉遣いや身だしなみ、態度などに気を配る必要があり、大変さを感じるかもしれません。
とくに、初めて健診を受ける方や緊張している方には、安心感を与えられるような対応が大切です。接客に苦手意識はある看護師の方にとっては、きついと感じてしまうものです。
ルーティンワークが多く業務が単調である
健診センターのおもな業務は、次のとおりです。
- 問診
- 採血
- 検査補助
ルーティンワークが中心であり、施設によっては事務作業が多いところもあります。
毎日同じことの繰り返しに飽きたり、単純作業に苦痛を感じたりする看護師の方もいるようです。また、受診者とコミュニケーションを取る機会も少ない傾向です。
患者さまと話すことが好きな看護師の方にとっては、物足りなさを感じるでしょう。
治療や処置に関するスキルが上がりにくい
健診センターでは、医師の診察補助や採血、検査の介助などが看護師のおもな仕事です。
点滴の投与や注射、急変の対応などのスキルを学ぶ機会が少なく、傷の処置をすることもほとんどありません。そのため、看護師としてスキルアップしにくいと感じる方もいます。
巡回健診のたびに職場環境に慣れなければならない
巡回健診の場合、毎回異なる場所で業務をおこなうため、その都度、職場環境に慣れる必要があります。
たとえば、依頼先の病院や企業、学校などに行って、巡回バスや出張先の施設で健診をおこないます。ときには、出張健診で宿泊をともなう場合もあるようです。
人間関係や設備など新しい環境に順応するのに苦労する看護師の方もいます。
個人情報の管理が厳しい
健診センターでは、多くの受診者の個人情報を扱うため、個人情報の管理には厳重な注意が必要です。
問診票のほかに、検査のデータや検体など情報漏洩のリスクを常に意識し、緊張感を持って業務に取り組むことに、きつさを感じる看護師の方もいるでしょう。
早朝の出勤を求められやすい
健診センターは、早朝の出勤を求められがちです。
とくに、巡回健診の場合、施設まで移動して健診を実施しなければならないためです。
6:00に職場に集合して、健診の準備をしたうえで巡回場所まで移動するケースや、健診を実施する場所によっては、1日がかりでおこなうこともあります。
これらの仕事内容や早起きが苦手な看護師の方にとっては、つらいかもしれません。
健診後のフォローアップ業務がきつい
健診後、受診者の健康状態によっては、医療機関の受診を勧めたり、生活指導をしたりなどフォローアップ業務が必要になる場合もあります。
この業務は、受診者の病気の早期発見や病状の悪化を防ぐうえ欠かせません。
ただし、電話連絡に時間がかかったり、手紙での案内に手間がかかったりするため、これらの仕事にきついと感じる看護師の方もいます。
健診センターの看護師できついと感じているとき対処法
健診センターの仕事がきついと感じたときは、一人で悩まずに対処することが大切です。ここでは、具体的な対処法を5つ紹介します。
- 自己分析をする
- 上司や同僚に相談する
- ナースセンターで採血やほかの技術の練習をする
- 接遇についての研修を受ける
- 転職を考える
それぞれを詳しく見ていきましょう。
自己分析をする
まずは、自分が何にきついと感じているのか、原因を具体的に考えてみましょう。原因が明らかになれば、対策も立てやすくなるからです。
自己分析をする際は、ノートやスマホなどに自分の気持ちや考えを書き出すのがおすすめです。頭の中で考えるだけでなく、文字にすることで、客観的に自分を見つめ直せるでしょう。
上司や同僚に相談する
悩みを抱え込まずに、上司や同僚に相談してみましょう。
同じ職場で働く仲間として、理解や協力を得られるかもしれません。また、ほかの看護師の方に経験談を聞くことも参考になります。
相談する際は、体験したことや困っていることを具体的に伝えることが大切です。あいまいな伝え方では、相手も理解しづらく、適切なアドバイスをもらえない可能性があります。
ナースセンターで採血やほかの技術の練習をする
採血スキルに不安がある場合は、都道府県ごとにあるナースセンターや日本看護協会の施設などで練習するのも良いでしょう。
たとえば、東京都サースプラザでは「採血・静脈注射体験コーナー」「筋肉内注射体験コーナー」などシミュレーターで採血を体験でき、DVD視聴をして理解を深められます。
これらの施設を活用してスキルアップすることで、採血やほかの業務に自信を持って取り組めるようになります。
ナースセンターでは、専門の講師から指導を受けられたり、同じ境遇の看護師と一緒に練習したりできるためモチベーションを高められるでしょう。
接遇についての研修を受ける
接遇マナーに自信がない場合は、研修を受けてみましょう。
講師から指導を受けると、より質の高い接遇スキルを身につけられます。研修では、言葉遣いや身だしなみ、態度など接遇の基本を学べます。
また、ロールプレイング形式で、実践的なスキルを身につけられます。研修を受ける際は、積極的に質問したり、意見交換をしたりすることで、より多くのことを吸収できるでしょう。
転職を考える
どうしても健診センターの仕事が合わないと感じたら、転職を考えるのもひとつの選択肢です。
自分の希望やスキルに合った職場を探してみましょう。転職を考える際は、まず、自分のキャリアプランを明らかにすることが大切です。具体的には、次のようなポイントで考えてみてください。
- どのような看護師になりたいのか
- どのような分野で働きたいのか
- どのような仕事に携わりたいのか
求人サイトやエージェントを活用するのもおすすめです。アドバイザーからサポートを受けることで、効率的に転職活動を進められます。
健診センターの看護師に向いている人
ここでは、健診センターの看護師に向いている人の特徴を紹介します。
- 採血が得意な人
- 単純作業が好きな人
- さまざまな職場で働きたい人
- 保健指導の業務をおこないたい人
それぞれを見ていきましょう。
採血が得意な人
健診センターでは、採血業務が多いため、採血が得意な看護師の方は、スムーズに業務を進められます。
受診者のなかには、採血が苦手な方や過去につらい経験をしたことがある方もいます。そのような方に対して、優しく声かけて採血をうまくすることで、受診者からの信頼の獲得にもつながります。
そのため、採血が得意な看護師にとって、健診センターでの勤務は魅力的でしょう。
単純作業が好きな人
健診センターの業務は、ルーティンワークが中心です。そのため、単純作業が好きな看護師の方は、ストレスなく業務に取り組めます。
問診の準備や検査の対応など、ミスなく黙々と担当できる看護師には嬉しい職場といえます。
さまざまな職場で働きたい人
病院で働く場合は同じ場所で、決まった時間に通勤しなければなりません。一方で、巡回健診の場合は、違う場所で仕事ができる点が特徴です。
働く場所が変わればフレッシュな気持ちで仕事ができるため、いろいろな職場で働きたいという看護師の方におすすめです。
保健指導の業務をおこないたい人
健診結果にもとづいた保健指導は、受診者の健康増進に貢献できるやりがいのある業務です。
保健指導のスキルを身につけることで、より専門的な看護師として活躍できます。受診者が健康的な生活を送るためのサポートをすることで、感謝の言葉をいただくこともあるでしょう。
また、健診センターで仕事することで、予防医療についての知識やスキルも身につけられるため、将来、保健指導をおこないたい看護師の方にも向いています。
健診センターの看護師に向いていない人
健診センターの看護師に向いている人がいる一方で、向いていない人もいます。
- 採血が苦手な人
- 一人ひとりとじっくり向き合いたい人
- 積極的にスキルアップしたい人
それぞれの特徴を見ていきましょう。
採血が苦手な人
採血が苦手な看護師の方は、健診センターでの業務に大きなストレスを感じてしまうでしょう。
採血スキルは、経験を積んだり練習を繰り返したりすることで上達します。
ただし、どうしても苦手な場合は、問診や検査補助などの業務で活躍するか、ほかの職場で採血スキルを磨いてから、再度健診センターで働くことを検討してみてください。
一人ひとりとじっくり向き合いたい人
健診センターでは、多くの受診者に効率的に対応する必要があります。
そのため、一人ひとりとじっくり向き合いたい看護師の方には、物足りなさを感じるかもしれません。
患者さまとじっくり向き合いたい場合は、病院やクリニックなどほかの職場を検討するのも良いでしょう。
ただし、健診センターでも、受診者に寄り添うことは可能です。限られた時間の中で、笑顔で接したり、わかりやすい言葉で説明したりするなど、コミュニケーションを工夫することで、受診者との信頼関係を築けます。
積極的にスキルアップしたい人
健診センターでは、治療や処置をおこなう機会が少ないため、積極的にスキルアップしたい看護師の方には不向きです。
健診センターでも保健指導に関する研修に参加したり、健康に関する情報を収集したりすることで、専門知識を深められ、スキルアップできる機会はあります。
ただし、積極的にスキルアップしたい場合、健診センターでは自主的な努力が求められやすいため、急性期の一般病棟や集中治療室といった配属先での勤務がおすすめです。
健診センターの看護師のやりがいやメリット
健診センターの看護師には、きつい面だけでなく, 多くのやりがいやメリットもあります。
- 病気の予防と早期発見に貢献できる
- 接遇マナーを身につけられる
- ワークライフバランスを保ちやすい
それぞれを詳しく見ていきましょう。
病気の予防と早期発見に貢献できる
健診を通じて、受診者の病気の早期発見や生活習慣病の予防に貢献できます。
人々の健康や予防のための行動をサポートできるという実感は、健診センターの看護師ならでは魅力です。
受診者に健康的な生活を送るためのアドバイスをすることで、感謝の言葉をいただくこともあり、やりがいを感じられるでしょう。
接遇マナーを身につけられる
健診センターでは丁寧な接遇マナーが求められるため、業務中に社会人としての接遇マナーを身につけられます。
接遇マナーは、看護師としてだけでなく、社会人としても重要なスキルです。これらの経験を通して、コミュニケーション能力を磨き、どのような場面でも適切に対応できる接遇マナーを身につけられるでしょう。
ワークライフバランスを保ちやすい
健診センターは、基本的に土日祝日が休みで、日勤のみの勤務です。残業も少ない傾向であるため、ワークライフバランスを保ちやすいというメリットがあります。
ワークライフバランスを保つことで、プライベートの時間を充実することができます。趣味や家族との楽しい時間を大切にしたい方にとって、健診センターは魅力的な職場と言えるでしょう。
健診センターの看護師がきついときのおすすめの求人
健診センターの仕事がきついと感じたときは、ほかの職場への転職も検討してみましょう。ここでは、おすすめの求人を紹介します。
- 訪問看護ステーション
- 一般企業
- 病院の外来
それぞれの求人について詳しく見ていきましょう。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは、利用者さまのご自宅を訪問し、ケアをおこないます。長期にわたって、一人ひとりの患者さまとじっくり向き合うこともできます。
在宅の場で、医療処置や服薬管理、生活指導など幅広い知識やスキルを身につけられます。
訪問看護ステーションは、患者さまとの距離が近く、感謝の言葉を直接いただける機会もあります。訪問看護師として働くことを考えている方は「NsPaceCareer」を活用してみてください。
訪問看護に特化した求人サイトであり、90%の看護師に評価されています。無料で利用できるため、まずは登録してみませんか。
一般企業
一般企業で働く看護師は、企業の医務室や健康管理センターなどで勤務します。次の業務をおこない従業員の健康を管理することがおもな役割です。
- 健康相談
- 保健指導
- 定期健康診断
看護師の仕事は、病院やクリニックとは異なり、治療よりも予防に重点を置いている点が特徴です。従業員が健康で安心して働ける環境づくりに貢献できます。
関連記事:産業看護師になるには?大手企業の求人を逃さない5つのコツも紹介
病院の外来
病院の外来では、さまざまな病気の患者さまに対応するため、幅広い知識やスキルを身につけ、スキルアップを目指したい看護師の方におすすめです。
採血や注射、点滴などの処置はもちろんのこと、患者さまの訴えを聞き取り、適切に対応する必要があります。数多くの症例を経験することで、知識やスキルを磨き、看護師として成長できるでしょう。
関連記事:外来看護師に向いている人の特徴5選!役割ときついとされる理由を解説
健診センターの看護師はきついだけじゃない!やりがいを実感する職場を見つけよう
健診センターの看護師の仕事は、確かにきつい面もあります。
しかし、病気の予防や早期発見に貢献できるという大きなやりがいがあります。また、接遇マナーやコミュニケーション能力など、社会人として必要なスキルを身につけられます。
この記事を参考に、健診センターの仕事の魅力や大変さを理解したうえで、自分に合った働き方を見つけてください。もし、健診センターの仕事がきついと感じたら、訪問看護ステーションやほかの職場への転職も検討してみましょう。
<参考サイト・文献>

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。