訪問看護師は土日休み?土日休みのメリットや休みがないと言われる3つの理由
訪問看護について、病棟勤務と比較してどのように異なるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。訪問看護師の方は平日の日勤がメインの働き方となるため、土日休みは多いのが特徴です。
この記事では、訪問看護師の方の休日や休みがないと言われる理由をくわしく解説します。訪問看護師を目指している方の悩みを解決できるきっかけになれば幸いです。
なお、訪問看護師の具体的な仕事については以下の記事にまとめていますので、そちらも是非参考にしてください。
関連記事:【完全ガイド】訪問看護師とは?仕事内容と1日の流れを徹底解説
訪問看護師は土日休み?
訪問看護師の方のお休みは「土日」が中心というところが多いです。
病院の外来と同じように、基本的に訪問看護ステーションは「月曜日~金曜日」もしくは「月曜日~土曜日」が営業日です。
- 訪問看護は祝日も休み?
- 体調不良や子どもの病気での急な休みは?
ここでは、訪問看護師の休日について上記2つのポイントをくわしく紹介します。
訪問看護師は祝日も休み?
訪問看護師の方の休日に祝日も含まれるケースもあります。
しかし、多くの訪問看護ステーションでは利用者さまのケアのために、祝日にも対応が必要です。
とくに、利用者さまの重症度が高かったり重点的なケアが必要であったりする場合は、祝日にも勤務するのが一般的です。
さらに、オンコール対応の訪問看護ステーションでは、土日や祝日にかかわらず呼び出しがあるケースもあります。厚生労働省「訪問看護(改定の方向性)」によると、オンコールを実施している訪問看護ステーションは全体の85.7%であることが明らかになりました。
オンコール対応することで年収アップが期待できる一方で、祝日が完全に休みになる職場は限られているといえます。
祝日勤務が発生する場合でも、代休を取れる制度を導入している訪問看護ステーションもあり、ワークライフバランスを考えやすい環境が整っていることもあります。
体調不良や子どもの病気での急な休みは?
訪問看護師として働くうえで、自身の体調不良や子どもの病気などの事情により、急な休みが必要になることもあります。
その場合、多くの訪問看護ステーションでは、スタッフ同士でフォローし合う体制が整えられています。
しかし、訪問看護ステーションによっては、看護師が人手不足であり十分に支援できない場合もあるため、職場選びの際にはこうした体制について確認することが重要です。
急な休みにも柔軟に対応できる職場であれば、安心して働けるでしょう。
訪問看護師で土日休みのメリット
ここでは、訪問看護師の方が土日に休むメリットを解説します。
- 家族や友人との予定を合わせやすい
- 生活リズムが整う
- 連休を取りやすい
実際に、訪問看護ステーションに転職する際の参考にしてください。
家族や友人との予定を合わせやすい
会社員や学校の多くは土日休みであり同じタイミングで休めることで、家族や友人と予定を合わせやすくプライベートが充実します。
とくに、子育て中の訪問看護師の方にとっては、子どもの学校行事や家族との時間を確保できることが大きな利点です。
また、友人との旅行や外出などはカレンダー通りの休みである週末に計画しやすくなるため、土日休みの訪問看護ステーションは仕事とプライベートのバランスを取りやすい職場環境です。
生活リズムが整う
訪問看護師の方で土日休みのメリットとして、生活リズムが安定しやすい点が挙げられます。
週ごとの予定が規則的になり、日に集中して仕事をすることができるため、心身ともに余裕が生まれやすくなるからです。
夜勤やシフト勤務が多い病院の勤務とは異なり、訪問看護ステーションの環境は一定のペースで働けるため健康維持にも効果的です。
週末にしっかり休養を取ることで、平日に向けたエネルギーを充電しやすくなり、高いパフォーマンスを維持できるでしょう。
連休を取りやすい
訪問看護師の方で土日休みのメリットの一つに、連休を取りやすい点があります。
土日が固定休の場合は、祝日や有給休暇を合わせることで、長期の休暇を取りやすくなります。これにより、旅行や趣味の時間を確保したり、リフレッシュするためのまとまった休息が取れたりすることは大きな利点です。
ただし、全国訪問看護事業協会の調査によると「有給休暇の取得率が50%未満」と回答した訪問看護ステーションは全体の34.7%です。
不規則なシフトとは異なり、訪問看護ステーションは計画的に休みを設定しやすいものの、勤務先によっては有給休暇が取得することが難しいところもあるといえます。
そのため、求人情報やホームページから土日休みの有無や有給休暇の取得率を確認しておきましょう。
訪問看護師で土日休みのデメリット
次に、訪問看護師の方で土日休みのデメリットを解説します。
- お出掛け先が混んでいる
- 公共施設が利用しにくい
- 休日料金で出費が増えやすい
それぞれのデメリットを知って、土日休みの訪問看護ステーションで働くときに後悔しないように心づもりをしておきましょう。
お出掛け先が混んでいる
訪問看護師の方で土日休みのデメリットとして、休日のお出掛け先が混雑しやすい点があります。
土日は多くの人が休むため、観光地やショッピングモール、レストランなどが混雑しがちです。
そのため、せっかくの休日にリフレッシュしようとしても、思うように過ごせない場合があります。また、駐車場が満車だったり、お店は行列であったりするため、時間のロスが発生してスムーズに過ごせないケースもあります。
混雑を避けたい方にとっては、平日に休める環境は自由に動きやすいといえるかもしれません。
公共施設が利用しにくい
公共施設の利用が難しくなる点も訪問看護師の方のデメリットのひとつです。
ほとんどの役所や銀行、病院の外来などは平日しか営業しておらず、土日休みの訪問看護師の方は手続きや診察を受けるタイミングが限られます。
とくに、平日の業務時間中にこれらの施設を訪れることが難しい場合は、連休や有給を使わないと手続きが難しくなることもあります。
これに対して、病院や介護施設などのシフト制の勤務であると、平日に休みがあり施設をスムーズに利用できるため手間がかかりにくいでしょう。
休日料金で出費が増えやすい
週末や祝日は娯楽施設や旅行のプラン、レストランなどでの料金が平日よりも高く設定されることもあり、プライベートでの費用が増える恐れがあります。
また、イベントやコンサートなども週末に集中しやすいため、平日よりも支払い額が増えるかもしれません。
家族や友人との時間を大切にしたいと思っても毎回の出費が積み重なると、経済的な負担を感じることもあります。
さらに、夜勤をしないことで月給や賞与が下がる恐れがあるため、計画的に予算を管理していくこと必要です。
「訪問看護師は休みがない」と言われる理由
「訪問看護師は休みがない」という話を聞いたことはありませんか。訪問看護師の方の仕事上、急な業務で休暇を取りにくい場合があります。休めないと言われるその理由を解説します。
- 訪問看護は人手不足である
- 受け持ち制の場合、すぐには代われない
- スケジュール調整が難しい
訪問看護師の休みの現状を知っておきましょう。
訪問看護は人手不足である
「訪問看護は休みがない」と言われる理由のひとつは、人手不足が深刻なためです。
日本看護協会の調査によると、2020年度における看護師全体の求人倍率が2.05倍である一方で、訪問看護ステーションに限ると3.26倍となっています。訪問看護ステーションの数は年々増えていますが、働く訪問看護師の数が追い付いていない状況です。
地域によってはスタッフ不足が深刻化しており、その結果として、土日や祝日も勤務しなければならないところがあります。
この状況では、利用者さまのケアを提供し続けるために、スタッフに過重な労働が強いられることにつながりかねません。
さらに、訪問看護師の方は急な対応が求められることもあり、予期しない呼び出しや急変対応が発生することもあります。
休みを取りにくくなることもあるため、転職を検討している看護師の方は求人情報からスタッフの体制や休暇制度について確認することが重要です。
受け持ち制の場合、すぐには代われない
訪問看護ステーションは、利用者さまの担当をする際に受け持ち制とチーム制があります。
詳しくは以下の記事を参照ください。
関連記事:訪問看護は担当制?受け持ち制とチーム制の違いやメリット・デメリットについて解説
受け持ち制の場合は、基本的に一人で訪問するため、ほかの訪問看護師の実際のケア方法や仕事内容などはわからないことがあります。
この体制は、利用者さまの状態を深く理解し、個別のニーズに応えるためには効果的です。一方で、急な休みやシフトの変更が難しくなる原因にもなります。
とくに、急な病気や家庭の事情で休む場合は、すぐに代替の看護師を手配することが難しいです。さらに、パートの方と比べて、正社員の訪問看護師の方は休みにくさを感じることあります。
したがって、訪問看護ステーションに転職を考える際には、受け持ち制かチーム制なのか、運用方法や代わりの看護師を調整する体制を確認し、働きやすい環境かどうかを見極めることが重要です。
スケジュール調整が難しい
訪問看護ステーションでは、利用者さま一人ひとりに個別にケアを提供するため、利用者さまぞれぞれの訪問スケジュールを組む必要があります。
これにより、急な変更や休暇の取り扱いが困難になることがあります。
たとえば、A~Dさんの訪問を予定していたにもかかわらず、Eさんの急変対応も対応しなければならないといった場合、A~Dさんのすべてのスケジュールを調整することは容易なことではありません。
とくに、利用者さまの状態が変わることで訪問時間や頻度の調整が必要になる場合もあり、普段からほかのスタッフとの連携が不可欠です。
また、急な体調不良や家庭の事情での休みが発生すると、スケジュールの調整がさらに複雑になります。
このような背景から、訪問看護の職場では休みを取りにくいといわれることがあります。
訪問看護で休みやすくするためにできること
ここでは、訪問看護師の方が休みやすくするためにできることをくわしく解説します。
- 余裕のあるスケジュールを組む訪問看護ステーションで働く
- 事前に申し送り内容をまとめておく
- 休暇制度が整っている訪問看護ステーションを選ぶ
それぞれの方法を知っておくことで、訪問看護ステーションへの転職をスムーズに実現させましょう。
余裕のあるスケジュールを組む訪問看護ステーションで働く
訪問看護で休みを取りやすくするためには、余裕のあるスケジュールを組む訪問看護ステーションで働くことが有効です。
スケジュールが過密だと、急な対応や変更が難しく休暇を取りにくくなるからです。
具体的には、利用者さまの訪問時間に余裕を持たせたり、担当看護師の休暇や急病に備えて予備のスタッフを確保したりすることが不可欠です。
また、訪問看護師の方の負担を均等にするために調整することもポイントです。
突発的な休みが発生してもほかの訪問看護師がカバーしやすくなり、業務がスムーズに進行できるからです。
こうしたシフト管理の体制が整っているかを確認することが、長期的に働きやすい環境を確保するためのカギです。
事前に申し送り内容をまとめておく
訪問看護で休みやすくするためには、事前に申し送り内容をしっかりまとめておくことが欠かせません。
訪問看護においては利用者さまごとにケアは異なり、それぞれの状況を正確に把握しておくことが必要だからです。
たとえば、利用者さまの症状や治療の経過、注意点などを詳細に記録し、別の訪問看護師の方がすぐに理解できるようにしておきます。
これにより、急なシフト変更が発生した場合でも、スムーズに業務を引き継げる体制を整えられ、利用者さまに必要なケアを提供できます。
転職先を選ぶときには、申し送りのシステムやサポート体制が整っているかどうかを確認することが、快適な環境で働くことを実現するための一助となります。
休暇制度が整っている訪問看護ステーションを選ぶ
休暇制度が充実している訪問看護ステーションを選ぶことが重要です。
職場によっては、休暇の取りやすさや制度の整備状況が異なるからです。休暇制度が整っている職場では、スタッフが安心して休みを取ることができ、仕事のパフォーマンスも向上します。
具体的には、以下のポイントでチェックすると良いでしょう。
- 有給休暇の取得率が高いこと
- 休暇の年間計画が立てやすい環境が整っていること
- 急病や予期しない状況での対応策が整っていること
上記のポイントは訪問看護師の方が、経験年数を重ねていくなかでも不安なく働き続けられる環境になります。
転職を検討する際には、募集要項を見るときや面接のときに休暇取得の実績や職場のサポート体制、過去の事例などをチェックしたうえで応募してください。
しっかりとした休暇制度が整ったステーションを選ぶことで、プライベートの充実と職場での働きやすさを両立できるでしょう。
まとめ
訪問看護師の方は基本的に土日休みが多い傾向です。
ただし、訪問看護ステーションによっては祝日や急な呼び出しが発生する場合もあり、完全な土日休みが確保できないこともあります。
土日休みのメリットとして、家族や友人との時間を確保しやすく、生活リズムも整いやすい一方で、公共施設が平日しか開いていないため不便さを感じることもあります。
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参考サイト・文献
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。