看護師の配属先はどうやって決まるの?おすすめ10選と例文を解説

公開日:2024/08/26 更新日:2024/08/26
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看護師の方が働き続けていくなかで、配属先は重要なポイントです。

希望の配属先で働くことは、前向きに働くことができ、やりがいにつながります。

一方で、配属先によっては、思い描いていたキャリアアップができなかったり、働くことへのモチベーションが上がらなかったりする恐れがあります。

この記事では、看護師の配属先の決め方やおすすめの配属先について解説します。記事の後半では志望動機の例文も紹介しており、看護師の方の疑問を解決するきっかけとなる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

看護師の配属先の種類

看護師の方の配属先となる診療科には、どのような種類があるのでしょうか。

厚生労働省の「診療科区分」によると、診療科は細かく分類すると60種類以上あるとされています。配属される部署や診療科によって、ケアの対象となる患者さまや求められるケアは異なります。

「考えていたキャリアプランではない」「思っていた働き方ではない」などのミスマッチにならないよう、配属先の例と特徴をみていきましょう。

診療科 概要
外科 ・脳神経外科、心臓血管外科、消化器外科、整形外科などある ・急性期の患者さまが多く、手術前後のケア、治療に関連した処置をおこなう
内科 ・循環器内科、呼吸器内科、消化器内科などがある ・慢性期の患者さまや高齢で複数の疾患をもつ方がいるのが特徴であり、コミュニケーションや疾患の知識が求められる
救急科 ・救急科の看護師は、事故や急病により医療を必要とする方にケアを提供する ・ケアの対象となるのは全年齢、すべての疾患の患者さま ・幅広い知識と高度な技術が求められる
小児科 ・小児科は、子どもの身体・心の病気の診療をおこない、健やかな成長・発達をサポートする ・子ども特有の疾患に対するケア、子どもについての悩みを抱える家族のケアをおこなう
精神科 ・精神科は、主に精神疾患をあつかう診療科 ・コミュニケーション技法をはじめ、薬物療法や精神療法の支援、服薬管理、日常生活援助をおこなう
手術室 ・手術中の医師の介助や患者さまをサポートするための部署 ・主な業務内容は医師を直接介助する「器械出し看護師」と、間接的にサポートする「外回り看護師」に分けられる ・手術に関する専門知識と、判断力が必要とされる

看護師の配属先はどうやって決まる?

看護師の方の配属先が決まる流れの例は以下のとおりです。なお、配属先の決め方は、職場によって異なります。

  • 配属の希望は事前に(あるいは面接の際)出す
  • 希望をもとに看護部長と人事部が話し合う
  • 病院長が最終決定し配属先が決まる

希望の配属先は、履歴書をはじめとした応募書類に記載するのが一般的です。

希望により人事部や看護部が応募者の適性を考慮して配属先を検討し、最終決定は病院長がおこないます。

また、求職者が複数おり配属希望がかたよっている場合や、病院側の人員配置の事情により希望がとおらないこともあるので注意しましょう。

看護師の配属先の決め方4つのポイント

「自分がどのような診療科に向いているのか」はどのように決めれば良いのでしょうか。配属先の決め方のポイントを4つご紹介します。

  • 自己分析をする
  • 先輩看護師の意見を聞く
  • インターンシップや病院見学に参加する
  • 適性診断を受けてみる

それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。

自己分析をする

自己分析とは、思考や性格といった「自分の資質」を明確にすることです。

これらを明らかにすることで「どのような看護師になりたいか」「どんな仕事をしたいか」をみつけやすくなります。

診療科を決めるために「キャリア」「性格」の視点から自分の考えをまとめてみましょう。客観的に振り返るようノートに書き出すのがおすすめです。

視点 概要
キャリア ・自分がなりたい看護師像や、どんな仕事がしたいかを書き出す   (例) ・災害時に人の役に立ちたい ・プライベートを優先した働き方をしたい ・知識や技術が豊富で仲間から信頼される看護師になりたい
性格 ・自分がやりがいを感じたこと、得意・不得意だったことなどを書き出す   (例) ・子どもが好き ・じっくり人の話を聞くのが好き ・効率よくものごとをすすめたい

自己分析でわかった傾向と、合致する診療科や病棟を検討しましょう。

先輩看護師の意見を聞く

配属先を決めるために、先輩看護師の方に意見を聞くのも良いでしょう。

現場経験がある先輩看護師の方に意見を聞けば、部署ごとの特徴や働きやすさなどリアルな情報を知ることができます。

自分のことを知っている先輩看護師の方なら、客観的にみた適性を考慮しながらアドバイスがもらえるかもしれません。

インターンシップや病院見学に参加する

「インターンシップ」や「病院見学」に参加して、職場環境や仕事内容を知るのも一つの方法です。

インターンシップとは、病院で看護体験ができるプログラムです。流れや内容は病院によって異なります。以下は、インターンシップの流れの例と内容です。

流れ 概要
オリエンテーション 当日の流れや、病院の概要、看護部の説明などを受ける
病院見学 ・各部署をはじめとした病院の見学をおこなう ・病院によっては、院内全体をみて回ることもある
看護体験 担当の看護師の方の指示に従い、ひとつの部署で患者さまの状況、ケアの様子、点滴の準備の様子などを体験する
懇親会・質問会 現場の看護師の方と体験を振り返り、感想や情報を共有する

インターンシップや病院見学は、職場の雰囲気や働いている看護師の方から情報を得られる良い機会です。疑問や不安を解消するきっかけにつながるため、積極的に活用しましょう。

適性診断を受けてみる

適切な配属先を決めるために「適性診断」を受けることもおすすめです。適性診断は簡単な質問に答えるだけで、客観的に適切な配属先を診断してくれるツールです。

自己分析のヒントや、自分の傾向を深掘りするきっかけにもなります。適性診断による診断結果を考慮して「自分にどんな部署が向いているのか」を検討してみましょう。

下記の記事で、看護師の方の適性診断について詳しく解説しているので、転職活動する際の参考にしてください。

関連記事:看護師の適性検査とは?適性検査の内容や対策を徹底解説しました! 

看護師の配属先の希望がないときの対処法

配属先に希望がないときは、前述した「自己分析」「適性診断」をもとに自分の興味や関心を再確認することが大切です。

性格や傾向といった看護師に一見関係ないことでも、配属先を決めるためのヒントになります。また、自分がどんなタイプかでおおまかな診療科の希望を決めるのも良いでしょう。

自分のタイプ おすすめの科と理由
専門性を高めたい ・「小児科」「産婦人科」「手術室」 ・対象となる患者さまや疾患が限定されており、ほかにはない専門的なケアが学べる
さまざまな経験を 積みたい ・「ICU」「救急科」 ・内科・外科といった診療科による分類がなくさまざまな疾患が学べる
患者さまとじっくり関わりたい ・「精神科」「内科」「療養病棟」 ・外科に比べると長期的な入院が多く、経過が遅いこともあるので同じ患者さまとじっくり関われる

上記のように考えるためには、診療科ごとの特徴を理解しておくことが重要です。自己分析とあわせて病院や診療科のリサーチもおこないましょう。

看護師の配属先おすすめ10選と例文

看護師の方の配属先ごとのおすすめの例文をご紹介します。

  • 救命救急センター(ER)
  • 内科
  • 外科
  • 循環器科
  • 呼吸器外科
  • 集中治療室(ICU)
  • 小児科
  • 産婦人科
  • 精神科・心療内科
  • 美容外科

それぞれ、みていきましょう。

救命救急センター(ER)

私が貴院を志望した理由は、新人の研修のとき高度な医療とケアのレベルに感銘を受けたためです。とくに救命救急センターで働く看護師の方は、豊富な知識と技術をもっており、的確な医療とケアを提供されていました。また、貴院ではDMAT活動やACLSインストラクター制度にも力を入れていると伺っております。将来的にはDMAT隊員として活動し、認定看護師資格の取得にも挑戦したいと考えています。

内科

私が貴院を志望したのは、患者さまとじっくり向き合いながら生活をサポートしたいと考えたためです。貴院はさまざまな患者さまが利用されており、なかには複数の疾患があり長期的に病院を利用される方もいると伺っております。そういった方の生活全般にわたるサポートをとおして、信頼関係を築き、質の高いケアを実践していきたいと考えております。

外科

外科を志望したのは、自身の手術の経験をとおして看護師の方に救われた経験があるためです。外科では、手術前後のケアや急性期の対応が求められ、精神的ケアも看護師の重要な仕事だと考えております。貴院での仕事をとおして外科でのケアを学び、精神的ケアも含めて術前から術後まで患者さまをサポートしたいと考えております。

循環器科

循環器科に興味をもったのは、祖父が心筋梗塞になったことがきっかけです。循環器科では、心疾患や血管の問題に特化したケアの提供や、患者さまの状態を常に把握しながら迅速な対応が求められます。貴院では教育に関する支援制度にも力を入れていると伺っております。循環器に関連した資格をはじめ、看護師としてスキルを高めて長期的に戦力として貢献したいと考えています。

呼吸器科

私が呼吸器科に興味をもったのは、父が喘息発作で入院したことがきっかけです。父の様子をみて呼吸困難をはじめとした呼吸器疾患がある方への専門的なケアの重要性を感じました。貴院では、呼吸器に関連する疾患をもつ患者さまを主に受けいれていると伺っております。呼吸器系の疾患に対する理解を深め、患者さまの生活の質を向上するための支援をしていきたいと考えております。

集中治療室(ICU)

私が集中治療室を希望するのは、新人の頃に患者さまの急変を経験したためです。そこから事前に呼吸や循環をはじめとした全身状態を把握して、適切な対応ができればと学び直す必要を強く感じるようになりました。貴院では、集中治療室(ICU)での勤務をとおして、全身状態の観察や、急変時に迅速な対応ができるスキルを身につけたいと考えております。将来的には看護部の中心となれるよう尽力して参ります。

小児科

病気の子どもたちとその家族を支援したいといと思い小児科を志望しました。子どもは、病気や不安に対して敏感であり、その対応には特別な配慮が必要です。小児看護学実習では、子どもたちが安心できるように、心のケアや発達段階に応じたサポートをおこなう重要性を実感しました。貴院では、看護師として病気に苦しむ子どもたちとそのご家族に寄り添い、最善のケアを提供したいと考えております。

産婦人科

私が産婦人科を志望したきっかけは、新人の頃の研修で出産をひかえた妊婦さんや新生児をサポートする機会があったことです。そのとき、妊婦さんの不安を軽減し安心感を提供する重要性を実感しました。貴院では、妊婦さんの健康管理から分娩、産後のケアまでの全過程に関わり、安心感を提供できる看護師になるように尽力します。

精神科・心療内科

私が精神科を希望したのは「精神疾患のある患者さまともっと深く関わりたい」と感じたためです。実習では、ほかの診療科とは異なるコミュニケーションのあり方や、疾患に対するアプローチ方法を学びました。また、精神疾患に悩む方が適切な支援を受けることで、生活の質が大きく改善される姿をみて、精神科での専門的なケアの重要性を強く感じました。貴院では、患者さまとの信頼関係を築きながら、メンタルヘルスの改善に貢献できる看護師となるよう成長したいです。

美容外科

私が美容外科を志望したきっかけは、友人が美容外科手術を受けた際に、その変化に満足している姿を身近にみたことです。彼女が自信を取り戻し、前向きな気持ちで生活を楽しんでいる様子をみて、美容外科がもたらすポジティブな影響を実感しました。外見の改善を希望する患者さまのニーズに応え、手術前後のケアを丁寧におこなうことで、患者さまが自信をもてるようサポートしたいと思います。

まとめ

診療科によって、学べる症例や取り組みなどは異なります。イメージしている配属先がある場合は、思いどおりのキャリアプランになるよう準備することが大切です。

自己分析をしたり、先輩看護師の話を聞いたりして自分の希望を明らかにして、配属先を検討してください。

また、希望がない看護師の方でも自己分析や適性診断により「自分がどのような看護師になりたいか」「どんな部署が向いているのか」など考えられます。

この記事を参考にして、自分の特性に合った配属先を見つけましょう。

参考サイト・文献

厚生労働省|診療科区分

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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