看護師が企業への転職を成功させるには?産業看護師以外の転職先や企業で働くメリットを解説

公開日:2024/06/24 更新日:2024/07/01
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転職を検討している方の中には、企業への転職を検討している方もいるかもしれません。

一般的に、病院やクリニックなどの医療機関で働くイメージが強い看護師ですが、中には企業への転職を希望される方もいます。

企業で働く看護師として、産業看護師という言葉を耳にしたことがある方もいるでしょう。しかし仕事内容が分からない方や、また産業看護師以外に看護師が企業で働く方法を知らない方もいるのではないでしょうか。

今回は、看護師が企業への転職を成功させる方法や、産業看護師を含めた企業で働く際の選択肢、企業への就職で得られるメリットや注意点も解説していきます。

企業への転職を視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。

看護師は企業へ転職できる?看護師が企業で働く選択肢

医療機関や介護施設などの現場で働くイメージを持たれる看護師ですが、企業で働く選択肢もあります。

看護師の資格を活かしながら企業で働く代表例には「産業看護師」という働き方があります。

他に、医療資格を活用せずに企業で働く方法なども存在しており、看護師は医療機関でしか働けないわけではありません。

今回は主に産業看護師について解説し、他の働き方についてもご紹介していきます。

企業で働く看護師である「産業看護師」とは?

産業看護師は、保健師の求人が多い仕事ではありますが、看護師資格のみで応募可能な求人も少なからず見つけられます。

ここでは産業看護師がどのようなものか、解説していきます。

企業で働く社員の健康管理をする

産業看護師は、会社内にある医務室や健康管理室などへ勤務し、社員の健康管理をすることが主な仕事です。

健康管理の内容としては、健康相談やメンタルケア、怪我の処置などの対応など、企業によって対応範囲はさまざまです。

基本的には、社員が健康を維持しながら長期的に働けるようにサポートするため、高度な医療ケアに携わることは、ほとんどありません。

感染予防や疾病予防などの予防医学に携わる

企業で働く看護師は、病院で働く看護師とは異なり、健康な方を相手にすることが多いです。そのため予防医療の観点を持ちながら働く必要があります。

具体的には、健康診断やストレスチェックといった疾病予防、疾病の早期発見につながる業務はもちろん、会社によっては労働災害を防止するための怪我の防止策を考え、感染予防のための指導を実施します。

夜勤がなく土日休みが基本の勤務となる

職場によっては土日や祝日の出勤があるかもしれませんが、企業の社員として働くため、基本的には夜勤はなく土日休みが多いでしょう。

夜勤をする現場が多く、土日休みが現実的ではなかった看護師の方々からすると魅力的に感じるかもしれません。

看護師が企業へ転職したい理由

     企業へ転職したいと考えている看護師の転職理由には、主に下記の2つが考えられます。

・不規則な勤務に疲弊している

・体力的に病院や介護施設での勤務が大変

企業で働くことで、上記の悩みが解消できるのではないかと考える方も多くいます。

しかし、土日祝日に出勤が必要な企業や、少ない看護師体制のために、他に頼れる先輩がおらずプレッシャーを感じるなど、違う面で悩みを抱える可能性もあります。そのため、悩みを必ず解決できるとはいえないのはもちろん、環境を変える目的で安易に企業への転職を考えるのは、あまりおすすめできません。

産業看護師以外で企業へ転職するには?看護師として働ける転職先と働くメリット

     産業看護師以外にも、看護師の資格を活かしながら企業へ転職して働く方法は、下記の通りです。

  • コールセンター
  • 治験コーディネーター(CRC)
  • キャリアアドバイザー
  • フィールドナース

それぞれどのような仕事か、解説していきます。

コールセンター

感染症流行の中でさらに注目が高まったのが、コールセンターでの勤務です。

看護師の医療の知識をもとに、顧客に対応します。

主に健康相談やメンタルケアなどのコールセンターが勤務先としてあげられ、看護師として患者さまの悩みや不安などを伺い、必要に応じて受診などの促しを行います。

他にも医療機器メーカーや医薬品メーカー、医療保険の会社で、問い合わせや健康相談などの対応があります。企業で働く選択肢の中で、求人数や募集人数が多い傾向にあることもメリットといえるでしょう。

ただし、電話での対応になるため、理不尽な物言いをされる場合や、企業によっては相談できる人がおらず、看護師としての判断力が試される場面もあります。業務内容はマニュアル化され、CSVという看護師長のようなリーダー役がいることが基本ではありますが、条件として、「臨床経験5年以上」など長めの臨床経験を求める企業も多く見受けられます。

治験コーディネーター(CRC)

被験者と医療機関や製薬会社の間に立ち、治験が円滑に進められるように調整する役割が、治験コーディネーター(CRC)の仕事です。

被験者への説明はもちろん、治験実施計画書(プロトコル)を理解しながら治験を進め、データ入力なども実施していきます。

看護師としてのアセスメント力を問われる場面や、電子カルテの内容や医師の記録を理解する必要があるため、看護師の資格を十分に活かせる働き方です。

また被験者への説明を行う場面でも、臨床で患者さまへ寄り添ってきた経験を活かせるでしょう。そして医療に貢献できるため、やりがいに繋がる方も多いのではないでしょうか。

ただし、前述した治験実施計画書(プロトコル)は治験ごとに異なり、専門用語が多く理解が進まないこともあります。またデータ入力の際も英語を使用することが多いため、英語に抵抗感が強い方は難しいかもしれません。    

医療系人材紹介会社のキャリアアドバイザー

医療系人材紹介会社のキャリアアドバイザーは、医療系求人に特化して、求職者をサポートする仕事です。

転職先の医療機関との連携を行なったり、看護師の要望を聞きながら転職先を提示したりしていきます。

医療機関や看護の現場について知っている分、求職者の悩みを理解して寄り添って対応できるため、これまでの経験を活かして活躍できる点が働くメリットです。

ただし、キャリアドバイザーの働くペースは、求職者である看護師へ合わせるため、土日や遅い時間での対応が必要な場合もあります。

フィールドナース

フィールドナースは主に医療機器メーカーや製薬会社で勤務し、看護師の視点で自社製品のPRやアフターフォローを行います。

医療機関を対象に、説明会や展示会を実施する必要があるため、医療機関での経験や看護師としての知見を活かして働くことができます。医療機関のニーズを把握し、自社製品の貢献方法を探索できるため、やりがいに繋がりやすいのではないでしょうか。

ただし各地の医療現場やクリニック、企業などに足を運ぶ必要があるため、体力的な負担や疲労を感じる方もいるかもしれません。

看護師としての資格を活かさず企業へ転職するのは可能?

看護師としての資格を活かさずに、企業へ転職して新しいキャリアを歩みたい方もいるでしょう。もちろん、看護師としてではなく企業へ転職することは可能です。

しかし、転職時には看護師として働いてきた経歴は見られないため、新卒・業界未経験として扱われるのはもちろん「せっかく看護師の資格があるのに」「もったいない」といった意見を言われるケースも少なくありません。

転職を成功させるためにも、なぜ自分が看護師以外で働くキャリアを選んだのか、他者を納得させられる理由を伝える必要があるでしょう。

看護師が企業へ転職する際の注意点

最後に企業へ転職したいと考えている方に向けて、看護師が企業へ転職する際の注意点を解説します。

企業への転職を考えている看護師の方は、ぜひ参考にしてください。

ビジネスマナーに気をつける

企業へ転職する際に気をつけたいのが、ビジネスマナーです。

一般企業で働く方と比較すると、看護師の言葉遣いや身だしなみなどが整っていないと言われることもあるように、ビジネスマナーが身についていない看護師の方も少なくありません。

企業への転職活動をする時点で、言葉遣いや身だしなみ、名刺のやりとりなど基本的な礼節を身につけておく必要があるでしょう。

医療機関への復帰が難しくなる場合がある

企業で働く期間は臨床経験としてカウントされず、いわゆる「ブランク」が生じることになります。

医療機関でまた働きたいと考えた時に「ブランクのある看護師の方はNG」とする転職先もあるため、応募可能な転職先が狭まる可能性もあるでしょう。

特に、急性期などの病棟ではフットワークの軽さや体力などが重視されるため、復帰が難しいケースが多いと考えられます。

医療機関でまた働きたいと感じている方は、企業への転職を再検討した方が良いかもしれません。

看護業務以外の業務も増える

前述で紹介したように、企業での仕事では看護業務以外に、書類作成やデータ入力等の業務が、医療機関で勤務していた時よりも増える傾向にあります。

特に、パソコンを活用した業務が増えるケースが多いため、パソコンに苦手意識のある方は、入職前にパソコンを購入して慣れておく必要もあるでしょう。

求人倍率が高い

企業で働きたいと考えている看護師の数が求人数とマッチせず、求人倍率が高い傾向にあります。

特に、産業看護師の募集人数は一企業当たり1〜3人程度とかなり少なく、競争率が非常に高くなっています。そのため書類選考や面接なども厳しく見られる傾向にあると考えられるでしょう。

企業へ転職したいと考えた時点で、業界調査はもちろん、入念な書類作成や面接準備を行う必要があります。また、少し遠方の企業でも応募してみるなど、妥協点を増やして求人を探すことも、転職を成功させるには必要な視点かもしれません。

看護師の企業への転職はメリットとデメリットがある!今後のキャリアを考えてよく検討しよう

本記事では看護師の企業への転職について、産業看護師を含めた転職先と転職のメリット、企業への転職における注意点を解説しました。

看護師が企業へ転職することは可能です。しかし企業への転職は、看護師としてのキャリアをストップさせることや、デメリットも考えられるため、今後のキャリアをよく考えた上で転職活動をしましょう。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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