訪問看護師の持ち物とは?バッグの中身にあると便利なものや収納術まで解説
訪問看護では看護師が利用者さまのご自宅に伺ってケアをします。基本的に利用者さまに用意していただいた物品を使いますが、病院のように医療用品やケアグッズが揃っていないことがほとんどです。そのため、ケアに必要な物品は訪問看護師が持参します。
この記事では、訪問看護師のバッグの中身や、あると便利な物や収納術について写真付きで解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
訪問看護師の必須の持ち物
訪問看護師には測定用品、衛生用品、ケア用品、文房具、それぞれに必須の持ち物があるので、ジャンルごとに説明していきます。訪問看護ステーションによって支給品に違いがあるので、一例として参考にしてください。
測定用品
- 聴診器
- 血圧計:手首カフ式血圧計は日本高血圧学会にて推奨されていないため、コンパクトに収納のできるアネロイド血圧計がおすすめです。
- パルスオキシメーター
- メジャー:腹水や浮腫、栄養状態の経過観察のため、腹囲やふくらはぎ、上腕のサイズの変化などを確認します。
- 体温計
- ペンライト
衛生用品
- 石鹸:液体石鹸を小さなボトルに移し替えると持ち運びがしやすいです。ペーパーソープもおすすめです。
- 手指消毒剤:容器にリールを付けると、ケアの合間に消毒がしやすくなります。
- サージカルマスク、N95マスク
- グローブ
- エプロン
- 感染予防グッズ
- アルコール綿
- ハンカチ・ペーパータオル
ケア用品
- ワセリン:浣腸や摘便時の潤滑剤としても活用できます。
- サージカルテープ
- 絆創膏
- 医療用ハサミ
- 爪ケア用品(爪切り、やすり等)
- 駆血帯
- 針捨て容器:小型の針捨てボックスを訪問看護ステーションで購入しない場合は、炭酸水のペットボトルなどを代用品として持ち運び、点滴や採血を実施した際に使用します。
- 入浴用防水エプロン
文房具
- 記録用紙またはタブレット
- クリアファイル
- クリップホルダー
- ノート
- 付箋:利用者さまやご家族への伝言や、生活する上での備忘録として使用します。
- 名刺
- 名札
- ボールペン:多色タイプにすると、利用者さまやご家族宛てのメモを色分けて書くことが出来ます。
- 油性ペン:例えば薬袋に日付を書く際などに使用し、利用者さまが薬を自己管理できるよう支援します。
訪問看護師のバッグの中身にあったら便利な持ち物
ここからは、訪問看護師が持っていると便利な持ち物をご紹介します。
大き目のゴミ袋
陰部洗浄や足浴などのケアの際に、ご自宅や寝具を汚さないように敷いて利用できます。また、グローブの形に切ってテープで補強をすれば、背抜きの介助グローブにもなります。後述する、雨の日のグッズとしても使えて、汎用性が高いため、訪問時はぜひバッグに入れておくことをおすすめします。
モバイルバッテリー
スマートフォンの充電が切れた際に使用します。災害時には乾電池式が重宝します。
チャック付きポリ袋
手のひらサイズのチャック付きポリ袋は様々なシーンで活躍します。内服する薬が複数ある利用者さまは、チャック付きポリ袋に薬を1回分ずつまとめて、薬カレンダーや箱などに入れることで、内服しやすくなります。そのほかにも小物の整理にも役に立ちます。
地図
災害時やスマートフォンの充電が切れた際に、利用者さまの自宅の位置を確認できるように、持っておく方もいます。
試供品
介護食やスキンケア用品、口腔ケア用品などの企業のサンプルを取り寄せて、必要な利用者さまに提案することで、日々のケアや介護用品の選定のサポートをします。
使い捨てスリッパ
利用者さまのご自宅の床が不衛生な時に、自身の足が汚れないように履くことがあります。
ポケットマニュアル
訪問看護に関するハンドブックを持っておくと、アセスメントやケアの際に役立ちます。
移動中のおすすめグッズ
訪問看護では移動が発生します。移動手段、季節、天候に応じたおすすめグッズを紹介します。
自転車移動でのおすすめグッズ
- 自転車カゴカバー:移動中の訪問バッグの盗難防止や、突然の雨で訪問バッグが濡れないように、あると助かるグッズです。
- ハンドルカバー:夏は日焼け対策になり、冬は防寒として役立ちます。
- スマホホルダー
- サドルカバー
夏のおすすめグッズ
熱中症対策や日焼け対策をしっかりしましょう。汗で利用者さまを不快にしないためにも清潔さを保てるようにしましょう。
熱中症対策
- アイスリングや保冷剤:保冷剤は、タオルで包んで首に巻くことで熱中症対策になります。また、保冷バッグに入れておくと半日ほど冷たさが保てます。
- 塩タブレット
日焼け対策
- サンバイザーやサングラス:サンバイザーは透明でUVカットのものにすると、雨の日も兼用できます。
- UVカットパーカー
- アームカバー
- 帽子
- 日焼け止め
衛生日用品
- 汗拭きシート
冬のおすすめグッズ
特に自転車や原付バイクでの移動は寒いので、しっかり防寒対策をしましょう。
- カイロ
- 帽子
- ネックウォーマー:ボタンタイプだと、着脱する時に髪型が乱れづらいため、利用者さまに清潔な印象を与えられるのでおすすめです。
- 手袋:冷え性の方は、利用者さまの身体に触れる際になかなか手が温まらないため、移動中の着用をおすすめします。スキー用や撥水のものにすると、雨の日にも手が濡れにくいです。
- 暖かいインナー
雨の日のおすすめグッズ
雨の日も自転車やバイクで移動する方は、利用者さまのご自宅を汚さないように、しっかりと対策をしましょう。
- レインシューズ
- レインウェア
- レインバイザー:雨の日に自転車で移動をすると、レインウェアを着ていても髪や顔が濡れるため、レインバイザーを併用することをおすすめします。
- フェイスタオル
- 替えの靴下
- 大き目のビニール袋:訪問バッグの雨除けカバーとして使えるだけでなく、濡れた雨具を入れることもできて、一石二鳥です。
訪問看護師のバッグを選ぶポイント
訪問看護師のバッグは、ステーションで指定されていることもありますが、自分でバッグを用意するケースも多いです。訪問看護師のバッグには、メインとなるバッグと、ケア中も常に身につけるサブのバッグを用意している方もいます。それぞれを選ぶポイントを紹介します。
訪問看護師のメインバッグ
これまでに紹介した持ち物を入れて、訪問時に持参するメインバッグです。常時持ち歩くので、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。選ぶ上でのポイントは以下の通りです。
- 華美ではないデザインや色:汚れが目立ちにくい黒や紺がおすすめです。
- 口が大きく開くもの
- リュックにできるもの:トートバッグとしてもリュックとしても使える、2wayタイプが使い勝手が良いです。
- 防水機能があるもの
- 軽いもの
- 縦型か横型:縦型は自転車のカゴに入れやすく、横型は中身が見渡しやすいメリットがあります。使いやすい方を選択しましょう。
訪問看護師のサブバッグ
利用者さまのご自宅でケアをする際に身に着けておくバッグです。こちらも目立たない色のものがおすすめです。
ペンやハサミは、訪問看護師のユニフォームの胸ポケットに入れておくと、移乗介助やリハビリなどのケアの際に危険なため、サブバッグかメインバッグに入れておきましょう。訪問看護師の貴重品や名刺なども入れておくと、必要な時にすぐに取り出せます。
サコッシュやウエストバッグなどを選ぶ場合が多いです。
訪問看護師のバッグの収納のコツ
訪問看護では、さまざまな種類の持ち物が必要となるため、取り出しやすいように収納を工夫して、整理整頓をするように心がけておきましょう。
また、利用者さまのご自宅に持ち物を置き忘れないように、十分に注意しましょう。
以下のような種類の収納方法があります。
吊り下げ型のトラベルポーチを活用する
ケア用品や測定用品などをトラベルポーチに収納しておくと便利です。利用者さまのベッドサイドに、ポーチを広げることや、吊り下げることができるため、効率的にケアができます。
バッグインバッグを使う
訪問バッグの中を整理するために、バッグインバッグを使用している方もいます。
バッグインバッグは仕切りや収納ポケットがあり、入れる物の位置を正しく決めておくことで、必要な場面ですぐに物を取り出せます。
収納ケースの色分けをする
測定用品や衛生用品など、持ち物のジャンルごとに色分けをした収納ケースに入れておくと、バッグを開けた際にパッと見て取り出しやすいため、おすすめです。
まとめ
ここまで、訪問看護師の必須の持ち物や、あると便利な持ち物、移動中のおすすめグッズやバッグについて紹介しました。
これから訪問看護を始める方のなかには、持ち物の多さに驚かれた方もいるかもしれません。病院ではケアに使う物品を必要なタイミングで用意できますが、訪問看護では訪問看護ステーションを出発すると忘れ物を取りに帰ることが難しい場合もあります。
出発前に持ち物をしっかりチェックして、利用者さまへスムーズにケアを提供できるように準備しましょう。
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