看護師の履歴書で得意科目はどう書くべき?例文付きで解説

公開日:2024/05/23 更新日:2024/06/17
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看護師の就職活動に欠かせない履歴書。そのなかでも、「得意科目」の欄は、あなたの専門性と強みをアピールする大切な部分です。しかし「自分の得意分野ってなんだろう?」「どのように書けばいいの?」と悩んでしまう方も多いことでしょう。

この記事では、看護師の履歴書で得意科目を効果的に書くコツや、得意科目が思いつかない場合の対処法、記入の際の注意点を解説します。具体的な例文も複数紹介しているので、就職活動を成功させたい人はぜひ参考にしてみてください。

看護師の履歴書における得意科目とは

看護師の履歴書に記載する「得意科目」は、あなたの優れている面をアピールできる項目です。また、採用担当者が、あなたの経験やスキル、仕事に対する姿勢などを把握するためのひとつの材料とされます。

そのため、あなたの人柄や得意なことが、相手に伝わるように工夫をしましょう。学生時代に力を入れて学んだ科目や、自分が情熱を持って取り組んだ分野を自分の言葉で伝え、あなたの強みをしっかりとアピールすることが重要です。

看護師の履歴書における得意科目のポイント

履歴書の「得意科目」の項目では、ただ単に成績の良い科目や、得意な科目を述べるだけでは不十分です。次のようなポイントを押さえるようにしましょう。

  • 業務に活かせるものを書く
  • 自己PRになるものを書く
  • 看護の専門科目以外でも良い

それぞれ詳しく解説します。

業務に活かせるものを書く

履歴書に記載する「得意分野」は、看護師の業務に活かせるものにしましょう。とはいえ、看護実務に関わる内容だけに限定する必要はありません。

たとえば、スポーツが得意であれば、体力や忍耐力があると相手に印象付けられます。看護師の仕事は体力が必要な場面も多いため、根気強く業務に取り組む力があるとアピールできます。また、プレゼンが得意な方は、患者指導や資料作りが得意であるという評価に繋げられます。得意科目で行ったこと・頑張ったことを細かく分解し、看護業務と繋げて考えてみるとよいでしょう。

自己PRになるものを書く

就職活動において「自己PR」とは、志望先に自分を売り込むための重要な要素となります。入職後に「職場に貢献できることは何か」「職場にどのようなメリットがあるのか」が相手に伝わるよう、自分自身の強みを積極的にアピールしましょう。自分の得意分野を看護師の仕事に活かし、意欲的に働きたいという意志を示すことが重要です。

看護の専門科目以外でも良い

得意科目は、必ずしも看護に直接的に関わるものでなくても構いません。

たとえば外国語が得意で、外国人とのコミュニケーションが円滑に行える特技がある場合、外国人患者の対応ができることが強みとしてアピールできます。さらに、他人とのコミュニケーションが得意なことから、患者さまとのやりとりもスムーズにできると印象付けることもできるでしょう。採用担当者がイメージしやすいように、留学の経験や外国人とのやり取りで印象深かったことなどを、具体的に記載すると良いでしょう。

看護師の履歴書における得意科目を用いた自己PR例文

自己PRの文章は、次のような流れで簡潔に書くと伝わりやすくなります。

  1. 自身の得意分野・得意科目を紹介する
  2. 強みにより得られた結果やそのエピソードを紹介する
  3. 強みや経験を仕事にどのように活かしていけるか

実際の経験を通して強みを自分の言葉でアピールしましょう。

ここからは、履歴書における得意科目を用いた自己PRの例文を紹介します。

学生時代の得意科目を用いた例文

例文①

「私の強みは、人体の構造と機能に関する深い知識です。学生時代、解剖生理学は私の最も得意とする科目でした。人体の仕組みに強い関心を持ち、講義だけでなく、自主的に関連書籍を読み込むことで、より深く理解ができたと感じています。

この知識を活かし、実習では患者さまの症状や病態を的確に把握し、適切な看護計画を立案することができました。貴院でも、この強みを発揮し、一人ひとりの患者さまに合わせた質の高い看護を提供したいと考えています。」

例文②

「私の得意科目は英語です。学生時代に1ヶ月間オーストラリアに留学した経験があります。ホームステイをして現地の英語や文化に触れ、さまざまな経験を積むことで、文化の違う方々と触れ合うことの魅力を感じました。また、海外の病院での看護師の働きを間近で見ることで、多くの刺激を受けました。

この経験を活かして、外国人の患者さまが多い貴院でも、患者さま一人ひとりの文化を尊重しながら、コミュニケーションをとっていきたいと考えております。」

 職場での実績を用いた例文

例文①

「私の強みは、状況に応じて柔軟に対応できることです。前職の介護施設では、認知症患者さまの担当を務めていました。認知症患者さまは日によって体調や気分が大きく変化するため、画一的なケアでは対応が難しい場面があります。そこで私は、その日の患者さま様子をしっかりと観察し、変化に合わせてケア方法を臨機応変に調整していきました。

この経験を通じて、状況を的確に判断し、柔軟に対応する力を身につけました。貴院でも、患者さまの状態変化に素早く気づき、適切なケアを提供できるよう、この強みを発揮していきたいと考えています。」

例文②

「前職では回復期リハビリ病棟に勤務しておりました。患者さま一人ひとりの状況や体調に合わせた目標を設定し、その目標に向かってチームで一丸となって進めていくことにやりがいを感じていました。また、きめ細かな支援を行えるよう、毎日の観察や患者さまとのコミュニケーションを大切にしています。

元気に退院された患者さまの中には、外来通院の際に顔を見せに来てくださる方もいらっしゃいました。貴院でも、患者さまの身の回りの環境を最適に整え、一人ひとりに寄り添った質の高い看護を実践していきたいと考えています。」

部活やサークル活動での体験を用いた例文

例文①

「私の強みは、相手の立場に立って考え、行動できることです。学生時代はボランティアサークルに所属し、様々な活動に携わってきました。とくに、介護施設への訪問活動では、入居者さまのお話に耳を傾け、その方に合ったペースでコミュニケーションを取ることを心がけました。

この経験を通じて、相手のニーズを汲み取り、寄り添う姿勢の大切さを学びました。貴院でも、患者さま一人ひとりに合わせた看護を提供できるよう、この強みを活かしていきたいです。」

例文②

「学生時代はオーケストラ部に所属していました。オーケストラ部では、学生指揮者として、全体の合奏の指揮や、各パートの演奏を客観的に聴き、どうすればより良くなるのかをメンバーに伝えていました。メンバー1人ひとりの強みや特徴を理解し、それぞれの意見をまとめて、全員で一つのものを作り上げられるよう、努力してきました。

貴院でも、スタッフ間で連携を取り合いながらスムーズに仕事を進められるよう、協調性を活かしていきたいと考えております。」

得意科目を思いつかない場合の対処法

履歴書を作成するうえで「得意科目が思いつかない」と悩む方もいるかもしれません。

その場合には、次の方法で対処してみましょう。

  • 成績の良い科目に注目する
  • アピールしたい強みや考え方から逆算する
  • 家族や知人に自分の強みを聞く

それぞれ解説します。

成績の良い科目に注目する

看護学生時代の成績表を見返してみましょう。成績が優秀だった科目は、あなたが興味を持ち、熱心に学習に取り組んだ得意分野である可能性が高いのです。

たとえば、「解剖生理学」で高得点を収めていた場合、人体の構造と機能に関する深い知識を持っていることをアピールできます。「看護過程」の成績が優れていれば、看護の基本的な思考プロセスを確実に身につけていると強調できるでしょう。

どの科目も平均的な成績で得意科目が決められない場合には、とくに頑張って学習した科目や、卒業研究で取り組んだことと科目を絡めてみると強みを見つけられるかもしれません。

アピールしたい強みや考え方から逆算する

アピールしたい強みや考え方から逆算する方法もあります。まず、自分自身がどのような強みやスキルを持っているのか、全て書き出してみましょう。その中で、志望先にアピールしたい強みを選ぶのです。

たとえば、志望先がグローバルな視野を持った看護師を求めているのであれば、外国語を得意科目に選ぶことで、効果的に強みを伝えられるでしょう。また、協調性を大切にする職場であるならば、グループワークやボランティアなどの経験を得意科目として取り上げてもよいかもしれません。

家族や知人に自分の強みを聞く

自分の強みは、意外と自分で気づきにくいものです。そんなときは、あなたの身近にいる家族や友人、先輩に意見を聞いてみるのもひとつの方法です。自分では気付かなかった強みを教えてもらえることもあるでしょう。客観的な視点からのアドバイスは、得意科目を選ぶうえでの参考になるはずです。

得意科目を書く際の注意点

ここからは、履歴書の得意科目を書く際の注意点について解説します。

自分の強みを簡潔に表現する

文章は、わかりやすく短くまとめて書きましょう。自分の強みを採用担当者に的確に伝えることが重要です。アピールしたいことが多いからと長々と説明すると、かえって要点がぼやけてしまうことがあります。強みを端的に表現することで、相手に強いインパクトを与えられます。

嘘や誇張はしない

得意科目を書く際には、つい自分の強みを大げさに表現したくなることがあるかもしれません。しかし、嘘や誇張は厳禁です。得意科目は、あくまで自分が自信を持って実践できる分野を正直に伝えることが大切です。

嘘や誇張は、面接での矛盾点を生むだけでなく、採用後の職場でのトラブルにつながる可能性もあるでしょう。履歴書や面接は、相手に自分の人となりを伝え、信頼を獲得するためのものでもあります。正直に記入しましょう。

得意なことはなるべく1つに絞る

得意科目から自分の長所を述べる際には、なるべく1つに絞るようにしましょう。

あれもこれもと得意なことを主張したくなることもあるかもしれません。しかし、文章のなかで多くのことを主張しても、逆に焦点がぼやけてしまい、採用担当者に伝えたいことが伝わりにくくなってしまう可能性があるのです。得意分野は1つに絞り、しっかりとアピールしましょう。

まとめ

この記事では、看護師の履歴書における得意科目の書き方について解説しました。得意科目の欄は、あなたの強みを採用担当者にアピールする重要な項目です。

得意科目は成績のよかった科目や、アピールしたい強みや経験から逆算して選び、あなたの言葉でわかりやすく伝えましょう。この記事を参考に、ぜひご自分の得意分野を見出し、あなただけの自己PR文を完成させてください。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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