看護師が日勤のみで働く給料は約25万円!手取りやきつい理由5つを解説

公開日:2024/05/08 更新日:2024/11/15
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「日勤のみの看護師の給料はどれくらい?」「日勤で働くとキツイって本当?」

育児休暇から復帰するときや、子育て中で夜勤をすることに限界を感じているときなど、日勤のみ働くことを検討するタイミングは多々あります。

しかし、夜勤をしないとなると給与面が気になり、一歩を踏み出せない看護師の方もいるでしょう。

この記事では、日勤のみ勤務する看護師の給料や、高収入を得られる方法などを紹介します。

すべて読み終えると、日勤のみ働ける職場や得られる給料を把握できます。子育て中や夜勤がつらくなってきた方など、日勤のみの職場をご検討中の方はぜひご覧ください。

看護師が日勤のみで働く給料の実態

日勤のみの求人を見てみると、最低年収210万円を提示しているものもあり、その低さに不安を感じる方もいるでしょう。ここでは、平均の給料や年収について解説します。

看護師が日勤のみで働く平均給料は24万7,000円

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると日勤のみの看護師の平均給料(税込)は、31万9,300円です。日勤のみで働く場合、夜勤手当がつきません。

一方で、夜勤手当を含む看護師全体の平均給料は35万2,100円であるため、その差額は約3.3万円です。年代別による夜勤手当を含まない平均給料は以下の表をご覧ください。

年代平均給料(円)
20代前半26万3,000
後半29万1,600
30代前半30万2,200
後半30万4,700
40代前半32万3,200
後半34万3,500
50代前半35万5,000
後半36万5,600

参照元:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

看護師の手取り給料は、基本給から税金や保険などを差し引いて、20〜22万円程度です。

看護師が日勤のみで働く平均年収は約400万円

日勤のみの看護師の平均給与・年収は約440万円です。

厚生労働省の調査から看護師全体の平均年収は以下のように算出されます。

給料35.2万円 × 12か月 + ボーナス85.6万円 = 約508万円

これは諸手当込みの金額であるため、日勤のみで働く場合は夜勤手当を除かなければなりません。

日本看護協会の2023年病院看護実態調査では、夜勤手当と夜勤回数は以下のように報告されています。

勤務形態手当月あたりの平均回数
二交代1万1,368円4.9回
三交代準夜勤:4,234円7.5回
深夜勤:5,199円

参照元: 2023年病院看護実態調査|日本看護協会

二交代制の場合 夜勤手当1万1,368円 × 夜勤4.9回 = 約5万5,700円

        毎月の夜勤手当5万5,700円 × 12か月 = 約66万8,000円

看護師全体の平均年収508万円 – 1年間の夜勤手当66万8,000円 = 約440万円

そのため、夜勤なしで日勤のみで働くと年収がおよそ70万円下がることを考慮しておきましょう。

看護師が日勤のみで働けるおすすめの職場・仕事        

ここでは、日勤のみで働けるおすすめの職場をご紹介します。ご自身の興味や得意分野があるかご覧ください。

訪問看護ステーション

訪問看護師は、利用者さまの居宅で、医師の指示に沿って処置や利用者さまの健康状態の確認などの看護をします。

国の在宅療養の推進や高齢者の増加で訪問看護ステーションの利用者数は増えており、看護師の需要も高まっています。日本看護協会によると、病院に次いで2番目に看護師が多く働いている職場です。

厚生労働省の「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、訪問看護師の毎月の平均給料は46万3,927円でした。これは、看護師全体の平均給料の約35万円を上回っています。

クリニック

日本看護協会の調査によると、クリニックで働く看護師の平均基本給料は約25万円で、看護業界では低めです。

ただし、入院施設のないクリニック数は約9万9,000施設であり病院の12倍もあるため、お住まいのエリアで条件にあった職場を見つけられるかもしれません。

クリニックでの主な業務は、外来診療における医師の診療補助や患者さまへの対応などがあります。緊急入院などの救急対応が発生しないため、落ち着いた環境で働けるといえるでしょう。

クリニックで働くと、平日や祝日、お盆、年末年始には休みがありプライベートの時間を確保しやすいです。

ただし、遅くまで診療をおこなっているクリニックもあるため、転職の際は注意が必要です。

病院の透析室や手術室

透析室や手術室では、日勤のみ働きながら専門性の高い技術を習得できます。

透析室では、患者さまが3〜5時間の人工透析を安全・安楽に受けられるよう、以下の業務を実施します。

  • 透析中のバイタルサインのチェック
  • 症状の観察
  • 透析機の確認
  • 生活指導

一度透析を開始すると、生涯に渡り透析が必要となるため、患者さまとの深い関係性を築けるのが魅力です。

手術室の看護師は、手術を受ける患者さまに術前からかかわり、手術中は機械出しや褥瘡予防などの業務を担当します。手術が終わらなければ残業になる可能性があります。

透析室や手術室で働くと、危険手当や特殊業務手当などの手当がつく施設があるため、日勤のみでも給料が高い傾向です。

関連記事:オペ看護師とはどんな仕事?向いている人の特徴や仕事内容を解説

病院の外来

病院の外来は、日勤のみの勤務で働けます。

病院の外来では医師の診療補助が主な仕事です。

病棟とは異なり、外来では患者さまに長い時間かかわれないため、患者さまの状況をすぐに見抜く観察力や気配りのスキルが必要といえるでしょう。

介護施設(デイサービス)

先述した資料によると、厚生労働省によると介護施設(デイサービス)における看護師の平均の月額給料は、37万5,327円でした。夜勤をおこなう看護師も含めた全体の平均給料よりも高い水準です。

デイサービスとは、介護施設で展開されている通所型のサービスのことです。介護施設の看護師は入浴や食事、機能訓練などを介護士と共におこないます。ほかにも以下のような業務を担当します。

  • バイタルサインのチェック
  • 内服管理
  • インスリン注射
  • 点眼 

日中、利用者さまが来所する間の対応となるため日勤のみで働けます。

保育園や幼稚園

保育園や幼稚園でも看護師が日勤のみで働けます。内閣府の調査では、保育園や認定こども園で働く常勤看護師のひと月あたりの平均給料(ボーナス込み)は、私立で約27万円、公立で約34万円でした。

保育園や幼稚園の看護師の主な仕事は以下のとおりです。

  • 園児や職員の健康状態の管理
  • 急病やケガの対応
  • 園内の衛生管理
  • 保護者への衛生指導
  • 保育士や幼稚園教諭のサポート業務

日常的に園児と触れ合えるため子ども好きな看護師の方におすすめです。基本的に日曜日や祝日、お盆、年末年始には休めるためプライベートな時間を確保しやすいといえるでしょう。

健診センター

健診センターは、基本的には健康な人を対象としています。

健診センターの看護師の主な業務は、次のとおりです。

  • バイタルサインのチェック
  • 採血
  • 身長や体重の測定

病院の看護師と比べて、急変の対応や救急患者さまの受け入れなどの業務がないため、精神的にも身体的にも負担が少ないといえるでしょう。

企業の医務室

一般企業内の医務室で、看護師は以下のような業務をおこないます。

  • 社員の健康維持
  • ケガの応急処置
  • メンタルヘルス対策

近年では企業が持つ工場内にも医務室が設置される傾向にあります。

大手企業の医務室で勤務できると、給料や待遇面がよい傾向にありますが、一方で競争率が高いため転職するのは難しいかもしれません。

さらに保健師の資格を有している人材を求めている場合もあるため、求人の情報に注意してください。

治験コーディネーター

治験コーディネーターとして働く看護師は、新薬開発の最終段階である被験者への投薬の場面(治験)が活躍の場です。主な役割は以下のとおりです。

  • 被験者への説明
  • バイタルサインのチェック
  • 採血
  • 医師や製薬会社との調整

治験コーディネーターとして働く看護師は、病院や治験コーディネーターの派遣会社に所属します。

病院で働く場合と比べ、治験コーディネーターは事務作業が多いため身体的な負担は少ないといえるでしょう。

フィールドナース

医療機器メーカーで働く看護師をフィールドナースと呼びます。

営業社員と医療機関を訪れて医療機器の説明や販売、アフターフォローをおこないます。

患者さまと直接関わることはありませんが、看護の知識や経験を活かして医師や看護師にアプローチする新たな経験ができるかもしれません。

看護師が日勤のみで働くとラク?4つのメリット

日勤のみで働いた場合、看護師全体の平均給料よりも低い傾向にありますがメリットがあります。ここでは、4つのメリットを紹介するため、チェックしてみてください。

からだの負担が少ない

夜勤しないためからだへの負担が少ないのがメリットです。

二交代制の場合、夜勤の勤務時間は16時間以上となるケースも多く、疲れが溜まりやすい状況です。

そして、交代勤務がからだに与える影響は大きく、歳を重ねるごとに増えます。たとえば、病気になりやすくなったり、精神的にも不調を感じるようになったりします。

  • 胃腸障害
  • 生活習慣病
  • 不整脈
  • 月経不順
  • 悪性腫瘍
  • 睡眠障害
  • 倦怠感
  • 抑うつ など

日勤のみで働けば、上記のようなリスクは回避できるでしょう。

家庭と仕事が両立しやすい

とくに子育て中の看護師の方は、日勤のみで働くと家庭と仕事の両立ができることがメリットです。

子どもの生活と自身の生活リズムが同じであれば、子育てがしやすく、子どもに安心感を与えられます。

夜勤があると配偶者や祖父母に子どもを預けるようになるため、看護師の方自身が仕事を続けることに罪悪感を抱いてしまう場合もあるでしょう。

子育てをしながらキャリアアップも諦めずに長く働ける状況にするためには、日勤のみの働き方が合っている方もいるかもしれません。

プライベートが充実しやすい

日勤のみの職場ではカレンダー通りの休みや、17〜18時ごろに勤務が終了することもあるためプライベートの時間を確保できます。

そして、一般の病棟のように毎月の勤務表が提示されてからでないと、自身の予定を入れづらい状況にはなりません。先々の予定を立てやすいのもメリットといえるでしょう。

夜勤より看護師数が多くて安心しやすい

病棟で勤務する場合、一般的には夜勤帯よりも日勤帯の方が看護師の数が多いです。

そのため、相談したいときや力を借りたいとき、ほかにも急変のときなど周りの看護師に頼りやすいため安心できるでしょう。

看護師が日勤のみで働くのはきつい?5つのデメリット

日勤のみの職場はからだへの負担が少なく、家庭と仕事を両立しやすいです。ただし、「きつい」ともいわれます。ここでは、看護師が日勤のみで働くデメリットを解説します。

日勤のみで働くと給料が下がりやすい

日勤のみの看護師の給料は、夜勤をする看護師よりも下がります。

というのも、看護師の給料に含まれる夜勤手当の5万円前後がもらえなくなるためです。年間にすると50〜60万円程度の差が生まれます。

実際の求人には、日勤のみで働く場合の最低年収が210万円である案件もありました。そのため、転職する際には、給料が勤務時間や業務内容と見合っているかを見極めてください。

スキルアップしにくい

病棟の夜勤では少人数で患者さまの急変や緊急入院の受け入れなどに対応するため、スキルアップしやすいといわれます。

しかし、日勤時にも患者さまの急変や緊急入院の受け入れの対応はあります。

また、訪問看護ステーションでは、患者さまの急変対応はあり、基本的に看護師1人で利用者さま一人あたり数日~数週間おきに訪問するため、アセスメント力や予測する力が必要になり、スキルアップも可能です。

ご自身にとってスキルを磨ける職場に転職することも解決策の1つです。

求人が少ない

日勤のみの求人は少なく、夜勤ができる看護師の需要は高いといえます。

訪問看護ステーションや介護施設(デイサービス)、企業の医務室など日勤のみの職場で条件が良いところは、採用人数が少なく狭き門です。

良い求人が出たらすぐに応募できるようにしておくとよいでしょう。

キャリアアップが難しい

日勤のみで働く場合、キャリアアップするのが難しくなります。

病棟の看護師長でも夜勤は求められるため、日勤のみで働くとキャリアアップは難しいといえるでしょう。

日勤のみでキャリアアップを狙うのであれば、以下のように計画を立ててみましょう。

  • 将来像を具体的に考える
  • 必要なスキルや経験した方がよい業務を洗い出す
  • 将来像に近づくために適した職場へ異動または転職する

日勤のみで働いてもキャリアアップできる場合もあるので、あなたに合った方法を選ぶことが大切です。

休日が少なく感じやすい

日勤のみで働くとカレンダーどおりに土日休みである場合が多く、平日は5日連続勤務です。

夜勤があれば不規則にはなりますが、平日の休みや夜勤前後の空き時間があります。そのため、慣れるまで、平日の5日勤は休日が少なくきついと感じる恐れがあります。

平日の連続勤務できついと感じる場合は、シフト勤務の職場に転職や、パートの雇用形態を検討するなどの対策が必要です。

看護師で日勤のみの求人の特徴

夜勤なしで働きたい看護師は多く、日勤のみの求人の競争率は高い場合が多いでしょう。

日勤のみで条件のよい求人はすぐに募集を締め切られるため、常に新しい求人をチェックしておくことが大切です。実際に日勤のみの求人を検索すると、300万〜470万円位が多い傾向でした。

日勤のみで働ける職場はいろいろありますが、雇用形態は正職員よりもパートの方が多いのも特徴です。

看護師が日勤のみで高収入を得る方法

夜勤手当の有無は、看護師の方の給料に大きくかかわります。ここでは、日勤のみで給料をアップさせる3つの方法を紹介します。

新たな資格を取得して手当を受ける

看護師には取得できる資格がいろいろあるため、新たに資格を取得して手当をもらいましょう。資格には下記のようなものがあります。

日本看護協会日本NP教育 大学院協議会各種学会
専門看護師・がん ・感染症など14分野診療看護師・消化器内視鏡技師 ・インターベンションエキスパートナース ・透析技術認定士
認定看護師・感染管理 ・緩和ケアなど19分野

資格を取るためには、大学院での受講や研修や学会への参加など、時間がかかります。さらに、金銭的な負担もかかり、勉強と仕事の両立も図らなければなりません。

収入アップのために強い意志を持って取り組むことが大切です。一度、資格を取得すれば転職の際にも評価されるでしょう。

管理職に就く

管理職になるのも高収入となる方法の1つです。すぐに昇任できるわけではありませんが、役職が上がるほど責任も増し給料も上がります。

日本看護協会の調査による管理職の平均給料は以下のとおりです。

  • 非管理職 :約35万円
  • 中間管理職:約43万円
  • 管理職  :約48万円

管理職になると、仕事内容はマネジメント業務になるため患者ケアを実際におこなう立場からは離れます。

給料が高い職場に転職する

日勤のみでも高収入を得るには、給料が高い職場に転職するのが早い方法です。

クリニックの中でも美容クリニックの方が給料は高い傾向です。

ただし、クリニックにより差があります。企業の医務室や看護系教育機関など、もともとの給料の水準が高い職場もあります。

参照元:日本看護協会:2021年看護職員実態調査 給与額と時給額の状況 より作成。単位:万円)

日ごろから求人情報をチェックして、よい求人があればすぐに応募しましょう。

まとめ

看護師が日勤のみで働くと夜勤手当がつかないため、給料が下がる可能性があります。

しかし、夜勤がないことから心身への負担が少なく、家庭との両立も図りやすいです。

日勤のみで働ける職場は病院以外にも、訪問看護ステーションや企業の医務室など様々です。日勤のみの職場は求人数が少なく競争率は高い傾向ですが、求人情報をチェックしていれば、希望する職場へ転職できるでしょう。

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参考文献・サイト

令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

2021年看護職員実態調査 1.回答病院の属性(10)現在の勤務形態および勤務場所|日本看護協会

令和5年度介護事業経営実態調査結果 第6表 訪問看護 1施設・事業所当たり収額、収支等の科目|厚生労働省

令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告 Ⅰ医療施設調査 1施設数|厚生労働省 

令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 第37表 職種別職員一人当たり給与月額の状況、私立・公立認定こども園 総括表|内閣府 

2021年看護職員実態調査2.職場の労働条件(9)給与額と時給額の状況|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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