クリニックに転職したい看護師必見!メリットデメリットや年収情報まとめ

公開日:2024/05/16 更新日:2024/06/17
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看護師として病院勤務を続けていると、さまざまな理由から転職を考える方も多いのではないでしょうか。選択肢の中の一つとして、クリニックを検討しているという方もいます。夜勤がなく、残業も少なめで、ワークライフバランスを充実させやすいことがクリニック勤務の大きな魅力です。一方で、看護技術の向上が難しかったり、人間関係のストレスを感じたりするデメリットもあります。

この記事では、看護師の方がクリニックに転職したいと思う理由や、メリット・デメリットを詳しく解説します。また、クリニック看護師の平均年収や仕事内容、おすすめの診療科もご紹介します。クリニック転職を考えている看護師の方は、ぜひ参考にしてみてください。

看護師がクリニックに転職したいと思う理由

一般的に、看護師が病院からクリニックに転職したいと思う理由には、次のようなものがあります。

  • 夜勤がない
  • 残業が少なめ
  • 勤務日程が規則的
  • 委員会や勉強会がない

それぞれ詳しくみていきましょう。

夜勤がない

クリニックは、「入院病床が19床以下の医療機関」と定義されます。中には、夜勤が発生する入院施設のクリニックがありますが、厚生労働省が発表している医療施設動態調査では、入院施設がなく、外来診療のみを行っている無床のクリニック(一般診療所)が大半であることが示されています。

外来診療のみのクリニックには、夜勤がありません。そのため、不規則な仕事で体調を崩しやすい方や、妊娠・出産・子育てなどで夜勤ができない方にとって、クリニックは働きやすい魅力的な職場であるといえるでしょう。

参照元:医療施設動態調査(令和5年3月末概数)

残業が少なめ

クリニックに来院する患者さまは、病状が安定し薬をもらいにくる方や風邪など、症状の軽い方が大半を占めます。そのため、患者さまの急変や緊急入院対応のある病院と比較すると、残業は大幅に少なくなるのです。

残業が少なければ勤務後の時間に予定を入れることも可能となり、プライベートも充実しやすいといえるでしょう。

勤務日程が規則的

クリニックには休診日が固定されており、勤務日程は基本的に毎週決まったスケジュールとなります。毎週同じ曜日に休みが取れるため、先の勤務予定が見通しやすく、予定が立てやすいことも特徴です。

病棟勤務の場合は、日曜日や祝日も出勤しなければならず、家族と一緒に過ごす時間を十分に取れないこともあるでしょう。クリニックに転職すれば、プライベートの時間をしっかりと確保できます。

委員会や勉強会がない

とくに規模の大きな病院では、委員会活動や勉強会が開催されることが多い傾向にあります。勤務時間外に資料を作ったり、課題を提出したりと診療の補助や患者さまのケア以外の仕事をこなさなければならない場面も少なくありません。

一方、クリニックでは委員会や勉強会がないところが多いため、そういった作業の負担は少なくなります。

看護師がクリニックに転職するメリット

看護師が病院からクリニックに転職するメリットについて、具体的に解説します。

ワークライフバランスを充実させやすい

クリニックでの仕事は、病棟での仕事と比較するとワークライフバランスを充実させやすいことも特徴です。

病院の夜勤を含む変則的な勤務形態とは異なり、クリニックの勤務時間は診療のある日中の時間帯です。オンコール当番もないため、休日に呼び出されることも基本的にはありません。そのため、夜や休日に、プライベートの予定を入れやすくなります。

また、年末年始やお盆、ゴールデンウィークなど、大型連休は診療も休みになることが多いため、家族や友人との予定を合わせやすくなるでしょう。

患者さまとの距離が近い

クリニックでは、慢性疾患を扱うケースが多く、継続して定期的に通院している患者さまもたくさんいます。そのため、看護師は患者さまと長期的に関わりを持ちやすいというメリットがあります。長く関わるからこそ、医師と相談しながら、患者さま一人ひとりに合わせた声かけやアドバイスをすることが可能となるのです。患者さまとの信頼関係を築くことは、看護師としてのやりがいにもつながります。

主体的に動きやすい

クリニックは病院よりも規模が小さく、スタッフの数も少ないため、看護師が主体的にはたらきやすい環境です。

クリニックによっては、看護師の意見を積極的に取り入れてもらえたり、他のスタッフと連携しやすかったりと、自分の考えやアイディアを実現しやすいといえるでしょう。少人数で仕事を回すからこそ、組織のスタッフとしての責任感ややりがいを感じられ、自分自身の成長にもつながります。

看護師がクリニックに転職するデメリット

クリニックへの転職は、メリットばかりではありません。実際に、規模の大きい病院から転職をして、働きづらいと感じたり続かなかったりする人がいることも事実です。

ここからは、看護師が病院からクリニックに転職するデメリットについても紹介します。

看護技術は向上しにくい

クリニックに転職することで、幅広い看護技術や医療的なスキルを磨くことは難しくなる可能性があります。

クリニックには、急性期の患者さまや重症の患者さまが来ることがほとんどありません。看護師の仕事も、注射や点滴、心電図検査など日常的に決まった業務が中心となり、病院のような幅広い医療処置や看護ケアは少なくなります。

つまり、転職先によっては、看護ケアや医療的スキルを磨くチャンスが減ってしまう傾向にあるのです。幅広い医療技術に触れたり、個別的な看護ケアを実践したりと、専門性を高めていきたいと考える方には、クリニックへの転職は向いていないかもしれません。

人間関係のストレス

クリニックは、病院と比較すると規模が小さいため、スタッフ間の人間関係が密になりやすいという特徴があります。また、医師が1人体制のクリニックは、医師の考えや人柄が人間関係にも大きな影響を与えます。医師や他のスタッフと常に連携をとりながら働くことになるので、相性が合わないと感じる人とも人間関係を築かなければなりません。万が一人間関係が壊れて雰囲気が悪くなってしまうと、大きなストレスを感じたり、業務に支障が出たりする可能性も考えられるでしょう。

このように、クリニックでは職場環境や人間関係が働きやすさに大きく影響してしまいます。転職をする際には慎重に選ぶ必要があります。

人手が足りない場合もある

スタッフの数が少ないため業務量が多く、人手が足りないと感じることもあるかもしれません。とくに少人数のスタッフで運営しているクリニックの場合、看護師が受付業務や電話対応、事務作業も行わなければならない場合もあります。診療の状況や混雑の度合いによっては、業務量の多さが負担に感じる場面もあるでしょう。

また、少人数の看護師で勤務を回すため、急な休みを取りづらいというデメリットもあります。子どもの体調不良で突発的な休みを取る必要がある方は、比較的スタッフの多い病院の方が働きやすいと感じるかもしれません。

クリニック看護師の平均年収相場

クリニックの看護師の平均年収相場についてみていきましょう。

厚生労働省が令和5年に実施した「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」によると、一般診療所(クリニック)で働く看護師の平均年収は約430万円でした。一方、一般病院で働く看護師の平均年収は約510万円となっており、病院勤務の方が年収が大幅に高いことがわかります。

この理由としては、夜勤手当の有無が関係していると考えられます。クリニックへの転職により夜勤がなくなると働きやすくなるものの、収入が減少することは理解しておきましょう。

参照元:厚生労働省「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告(P.298、P.304)

クリニック看護師の主な仕事内容

クリニック看護師の主な仕事内容は、医師の診療がスムーズに進むようサポートすることです。基本的に診療は医師一人で行われ、看護師は、医師の指示のもと医療処置や問診、バイタルサインの測定を行います。

クリニックの診療科や規模により異なりますが、具体的な仕事内容は次のようなものがあります。

  • 診察前の問診
  • バイタルサインの測定
  • 電話対応、事務作業
  • 注射や点滴、採血
  • 患者さまへの生活指導
  • 検査の補助
  • 診療器具の洗浄や消毒、管理
  • 院内の清掃・洗濯 など

少人数で業務を担当するため、病院では看護師が行わないような業務を任されることもあることは理解しておきましょう。なお、事務スタッフの少ないクリニックであれば、カルテの整理や受付業務も看護師が行うケースもあります。

看護師が転職するのにおすすめのクリニック

続いて、クリニックへの転職を考えている方におすすめの診療科を紹介します。

それぞれの診療科で仕事内容や患者さまの特色が大きく異なります。自身の経験やスキル、相性の合うクリニックを選びましょう。

内科クリニック

内科クリニックは、幅広い年齢層の患者さまを対象とし、風邪や生活習慣病など、日常健康管理に関わる機会が多いことが特徴です。

たとえば、糖尿病や高血圧の患者さまに対しては、食事指導や服薬管理、インスリンの管理など、さまざまな生活指導を看護師が行います。患者さまの日常生活に寄り添った看護を実践できることは、内科クリニックの魅力のひとつといえるでしょう。慢性疾患管理や在宅医療にも関わることができるため、地域医療に貢献したい看護師におすすめです。

また、クリニックのなかでも内科は最も数が多い診療科であり、求人数が多いこともメリットです。

美容クリニック

美容クリニックは、美容に興味関心がある方や、高収入を得たい方にとくにおすすめの職場です。

基本的に自由診療であるため、働き方や頑張りによっては利益が給与に反映される傾向にあります。働きに応じてインセンティブを設けているところも多いので、営業が得意な方であればより高収入を得られる可能性が高いこともポイントです。

美容クリニックでは、来院する方に「お客さま」として接し、来院者のニーズに合わせてさまざまな提案やサービスを紹介します。他の診療科に比べて高い接遇スキルが求められる仕事であるといえるでしょう。

健診センター

健診センターは、主に企業や地域の健康診断を行う施設です。看護師は、問診や各種検査の補助、必要に応じて結果の説明などを行います。採血や血圧測定、心電図検査など、実施される検査が限られているため難しい処置が少ないこと、平日の日勤のみの勤務が多く働きやすいことが特徴です。

まとめ

クリニックへの転職は、ワークライフバランスが充実したり、主体的に働けたりとさまざまな魅力があります。一方で、看護技術やスキルの向上が難しく、年収が下がってしまうというリスクも存在します。

クリニックへの転職を考える方は、メリットとデメリットをしっかり理解し、自身のキャリアプランに合わせて決断しましょう。自分に合ったクリニックを選ぶことで、理想の働き方が実現する可能性が高まるでしょう。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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