看護師の離職率は高い?実際の離職理由と辞めたくなった時の対処法も紹介

看護師の仕事は、人の命を支える・救う仕事として注目される一方で、その責任の重さや仕事の大変さから離職する方もいます。
看護師の仕事はやりがいだけでなく、大変な部分にも目が向きやすいですが、実際の離職率を知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は看護師の離職率は本当に高いのか、実際の数値をお伝えしながら、看護師の離職理由と、もし看護師をやめたくなった際の対処法についても紹介していきます。
離職率や離職の実情について気になっていた方や、仕事が辛くて辞めたいと感じていた方も、ぜひ読んでみてください。
看護師の離職率は高い?実際の離職率とは
看護師は夜勤や残業があり、プレッシャーを強く感じやすい仕事のため、離職率は高いのではないかと考えている方もいるでしょう。
実際の離職率は、2022年病院看護・助産実態調査からみると下記のようになっています。
年度 | 新卒採用者 | 既卒採用者 | 正規雇用採用者 |
2022年度 | 10.2% | 16.6% | 11.8% |
2021年度 | 10.3% | 16.8% | 11.6% |
2020年度 | 8.2% | 14.9% | 10.6% |
2019年度 | 8.6% | 16.4% | 11.5% |
2018年度 | 7.8% | 17.7% | 10.7% |
※2018年度〜2021年度のデータ:2022年10月1日~11月10日の間に全国の病院8,165施設を調査した中の有効回答2,964件によるデータ(有効回収率36.3%)
※2022年度のデータのみ「2023年病院看護・助産実態調査」から使用
上記に対し、看護師以外の職種の離職率は職種によって大きく差はあるものの、平均して15%前後で推移しています。
このデータから、看護師の離職率は、他の職種よりも特別高いとは言えません。
参照:公益社団法人日本看護協会「2022年病院看護・助産実態調査」
参照:公益社団法人日本看護協会「2023年病院看護・助産実態調査」
看護師の離職理由って?看護師が離職する5つの理由
離職率は高くないと解説した看護師という仕事ですが、一定数離職している方はおり、その中でもさまざまな離職理由があります。
看護師が離職する理由として主に考えられるのは下記の5つです。
- 他の医療現場で働いてみたくなったから
- 勤務形態や働き方を変えたくなったから
- 人間関係に疲れたから
- 結婚・出産などライフイベントを迎えたから
- 看護師に向いていないと感じたから
それぞれ解説していきます。
他の医療現場で働いてみたくなったから
看護師として、自分自身がいる環境以外の医療現場で働いてみたいと考える方もいるでしょう。
例えば、今は三次救急のような重症患者と関わる環境で働いているものの、視野をひろげて、地域へ復帰する患者さまや、重症化する前の予防医療に関わりたいと考えることも自然な流れといえます。
またキャリアプランを考えた結果、キャリアアップ制度が整っている他の医療現場への転職を考える場合もあります。
そして看護師経験が浅い場合は、特に自分自身のやりたい看護が定まっておらず、違う医療現場もみてみたいと考えて早期離職するケースもあります。
勤務形態や働き方を変えたくなったから
看護師の仕事は、心身ともに大きな疲労を抱える勤務である場合が多いです。過酷な勤務形態に疲弊して、勤務形態を変えたいと感じる方もいるでしょう。
勤務形態を変えたい場合は、夜勤がないクリニックや訪問看護ステーションへ転職を考える場合もあります。
勤務形態や働き方は契約上決められているため、途中から「夜勤を免除してほしい」「夜勤の回数を減らしてほしい」といった要望は通りにくいかもしれません。今の職場では理想の働き方ができないと判断し、転職する方もいるでしょう。
人間関係に疲れたから
看護師の職場には昔から根付いた上下関係や、厳しい先輩がいて、複雑な人間関係の職場もあります。
特に新人のうちは、指導を受ける場面が必然的に多くなりやすいため、人間関係に疲れたと感じる方もいるでしょう。
新人看護師であっても、人間関係が良い職場を探そうと考えて、早い段階で離職を決断するケースもあります。
結婚・出産などライフイベントを迎えたから
看護師は女性の割合が多い職種のため、働いている中で結婚や妊娠、育児、介護など、ライフイベントを迎える方もいます。
忙しい日勤業務や夜勤業務を日々こなしていても、妊娠・出産などを経て負担を感じる方や、育児に時間を割く必要のある方もいるでしょう。
育児や休暇に関する福利厚生などが少なく働きにくさを感じた場合には、転職を考える方もいます。
看護師に向いていないと感じたから
前述のように看護師の職場は厳しく指導や指摘をされる場面もあり、特に新人のうちはその対象となりやすいです。
慣れない業務や知らない知識も多いため指導を受けるのは必然的なことですが、その言い方が厳しく指導の回数が多すぎると、「自分は看護師に向いていない」と考えてしまうでしょう。
看護師に向いていないという思いが強くなりすぎて、看護師経験が1~2年目で他の職種への転職を決める方もいます。
看護師が仕事を辞めたいと感じた時の対処法
前述で主な離職理由を解説しました。ここからは、仕事を辞めたいと感じた時の対処法について解説していきます。
キャリアプランや看護観を振り返る
看護師として働く中で、どのようなキャリアを歩んでいきたいのか、どのような看護観を持って働き続けたいのかを振り返ってみると良いでしょう。
また、想定していた看護が実現しているのかを振り返ることで、今の環境でもう一度頑張ってみようと転職を踏みとどまり、「この現場であと〇年働いてから、キャリアアップを見据えて資格取得の体制が整っているA病院に転職しよう」とキャリアプランの立て直しに繋がることもあります。
キャリアプランや看護観を描けない方も、辞めたいと感じた時に、過去の看護の経験からやりがいを感じた場面や、辛いと感じた場面を振り返ることで、今後の進みたい道が少しずつ見えてくるかもしれません。
師長や同僚に相談する
看護師を辞めたいと感じた時には、辞めたいと感じた原因や理由があります。
例えば「残業が多すぎる」「頑張って働いているのにやりがいを感じられない」などが挙げられます。
辞めたいと感じた理由を、率直に師長に伝えてみても良いでしょう。師長への相談が難しい場合は、同僚に相談してみるのも良いかもしれません。
もし同僚が自分と同じ思いを抱えているのであれば、病棟全体で働き方について考えて、複数名で師長に意見を伝えることで、管理職が検討する可能性もあります。
結果として何かに反映されなかったとしても、辞めたい理由や悩みを伝えられたことで、感情の整理が多少できる場合もあるでしょう。
少し長めの休みをとってリフレッシュする
辞めたいと感じているということは、それだけのストレスや疲労を感じているというケースもあります。
有休があれば申請して少し長めの休みをとり、リフレッシュする時間を作るのも良いでしょう。
入職して日が浅く、有休が付与されていなくても、普段は行かない場所や、少しだけ遠出をしてみるなど、いつもと違うことをしてみるのも良いでしょう。
いつもと違う過ごし方をしてみるとリフレッシュ効果が期待でき、ストレスや疲労を発散しやすくなります。リフレッシュすることで、また前向きに働けるようになるかもしれません。
異動希望を出す
今の環境に不安を抱いてもすぐに転職するのではなく、まずは異動希望を出してみるのも選択肢の1つです。
異動によって環境が変わり、辞めたいと感じていた原因が解決する場合もあります。
やりがいが感じられないと思っていた方は、師長が変わることで適切な評価を受けてやりがいを感じられるようになったり、人間関係に疲弊していた方は、新しい人間関係でリセットできたりするでしょう。
病院や施設を変える前に、まずは異動によって解決できないか考えてみると良いでしょう。
求人を確認してみる
仕事を辞めたいと感じたら、興味のある職種の求人を見ることも、情報収集の一つとして有益です。
例えば給与や福利厚生に不満を感じていた場合でも、転職してもあまり水準は変わらず解決しないという可能性もあります。
他の職場の平均値を知ることで、このまま働き続けるべきか、転職するべきかを判断できるでしょう。
また、長期的な視点で転職を考えた際の市場調査として、予め求人を確認しておくのも良いでしょう。
看護師の離職理由から考える!働きやすい職場の特徴5選
看護師の離職理由について前述しましたが、それらを踏まえて働きやすい職場とはどのような職場なのか、5つの特徴を解説していきます。
残業が少ない
看護師が離職する原因として、業務の過酷さや残業の多さが挙げられます。
過酷な業務から心身ともに疲れてしまい、なかなかリフレッシュできないという人もいるでしょう。
適度にリフレッシュできないことから大きなストレスを抱え続けて、残業の少ない現場を探して離職する、という現状があります。
残業が少ない職場は、リフレッシュする時間を確保できるため、ワークライフバランスが整いやすく、働きやすい職場といえるでしょう。
人間関係が良好
前述したように、職場の人間関係は離職理由にかかわります。
人間関係が良いと感じる職場は、周りに深く干渉しない人が多い距離を保った環境、家族のように仲が良いなんでも話せる環境など、人によってさまざまかもしれません。
自身にとって働きやすい人間関係についてよく考え、職場でのコミュニケーションを通して関係性を構築していきましょう。
福利厚生が充実している
福利厚生が充実している職場は、さまざまなライフステージの看護師が働き続けやすい点から離職率が低くなるでしょう。
例えば、スキルアップやキャリアアップを考える看護師のために、丁寧な研修制度や資格取得体制が整っている、また子育て世代が働き続けられるように育児休暇や時短勤務などの福利厚生があるというような職場です。
さまざまな勤務形態で働ける
前述のように、働く中でライフイベントを経験して、妊娠中や育児中で夜勤が難しい方や、体の不調で勤務を時短勤務や日勤のみにしたい方もいるでしょう。
多様な勤務形態を採用している病院では、看護師の要望にも柔軟に対応しやすく、さまざまな勤務形態で働くことも可能です。
このような職場は、ライフイベントを迎えても働き続けやすいだけでなく、柔軟に対応してもらえる職場に貢献し続けたいと考える方もいるかもしれません。
明確な昇給制度など評価指標がはっきりしている
責任を負いながらハードな勤務をこなす看護師の仕事は、定期的に他者による評価をしてもらえないとやりがいを感じにくい場合もあります。
わかりやすい評価制度や定期評価の制度を設けて、昇給や昇進といった形で還元するシステムを構築しておくと、看護師もやりがいを実感して今の職場で働き続けたいと感じるかもしれません。
看護師が早期離職せず長期的に働ける職場を見つけるコツ
ここまで看護師の離職理由や、辞めたい時の対処法についても紹介しました。
最後に、看護師が早期離職せずに長期的に働ける職場を見つけるコツを紹介します。
働く上で大事にしたい条件の優先順位を決めておく
職場探しをする上で、「必ず定時に帰りたい」「キャリアアップの機会が欲しい」「〇〇万円ほどの給料は最低でも欲しい」「夜勤は〇回以下で2交替がよい」など、働く上で大事にしたい条件が出てくるでしょう。
大事にしたいものは人によって異なり、全ての条件を満たす職場と出会うのも難しいです。
そのため、働く上で大事にしたいポイントの優先順位を決めておき、さらにその中で妥協できるものも決めておくと良いでしょう。
例えば「人間関係の良さや雰囲気の良さについては、以前離職を決めた部分でもあり譲れない。給料はA病院のような〇〇万円以上がよかったものの、B病院の方が人間関係や雰囲気も良さそうだから、給料の部分は妥協してB病院にしよう」というような選び方ができます。
自分自身にとって一番仕事で大事にしたいポイントを明確にしておけば、入職後に離職したいほど悩む場面も少なくなるのではないでしょうか。
面接時に疑問点や不安点をしっかり解消する
面接では遠慮してしまい、あまり質問ができず、気になっていた内容を聞けなかった方もいるかもしれません。
ただ、面接はお互いの疑問点や不安点を解消する場でもあるため、労働条件や研修制度などの疑問点を確認して、ギャップを減らしていきましょう。
もし面接の場で聞けなかった場合は、面接後に連絡をして疑問点や不安点を解消できると良いでしょう。
悩みや困り事を相談できる人を作る
転職先は、最終的には自分自身が決定するものですが、悩んだ際に相談できる人がいると、職場探しも捗るでしょう。
また、どんな場面でも困った場面で力になってくれる人がいると精神的な支えとなり、離職防止になるでしょう。
長期的に看護師としてのキャリアを歩みたい方は、同じ志を持ち励ましあえる仲間を見つけると良いかもしれません。
看護師の離職率は高くない!辞めたいと感じた時はその理由に向き合ってみて
ここまで、看護師の実際の離職率や、離職の理由、辞めたいと感じた時の対処法や長く働ける職場を見つけるコツについて紹介しました。
看護師の離職率は高いと考えられることもあるものの、実際は特別高い訳ではありません。ただし大変な仕事であるのは事実のため、辞めたいと感じる方もいるでしょう。その時は、辞めたいと感じた理由に向き合ってみてください。

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