看護師の転職面接でよくある質問と回答例15選

公開日:2024/02/07 更新日:2024/06/16
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転職を検討している看護師の方で、面接でどのような質問をされるのか気になっている方が多いでしょう。

転職活動において、面接は採用の合否にかかわるため重要です。

ただし、応募書類を送るとすぐに面接が決まることも少なくないため、十分に準備する時間が取れないこともあるでしょう。

さらに、日本看護協会の調査によると、看護師の方で転職経験がある方は全体の50.5%で、転職経験があっても1~2回のみの転職経験である場合が50.3%となっています。そのため、多くの看護師は転職経験が豊富ではないといえます。

そこでこの記事では、看護師の転職面接でよくある質問とその回答例を解説します。働きながら転職活動しており時間がない方や面接に慣れていない方は、本記事を参考に面接の対策を効率的におこないましょう。

看護師の転職面接を成功させるポイント

看護師の転職面接を成功させるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。具体的には以下の3つです。

  • 応募先の病院や施設などをよく調べておく
  • 服装や身だしなみを整える
  • 質問に対する回答をイメージしておく

それぞれのポイントを押さえたうえで、自分自身をうまくアピールし転職を成功させましょう。

応募先の病院や施設などをよく調べておく

まずは、応募先の病院や施設、訪問看護ステーションなどをよく調べましょう。

というのも、応募先を調べておかなければ面接で質問される際に、うまく答えられないためです。以下の情報を持っておくと良いでしょう。

  • 経営理念
  • 看護部の方針
  • 看護提供体制
  • 看護師の特徴や力を入れているところ

病院や施設のこと、とくに看護部の情報について詳しく調べておきましょう。

もし、応募先が訪問看護ステーションの場合は【企業】であることも多いです。その場合は、応募先である会社の理念や方針を調べておくと良いでしょう。

採用担当者に「なぜ数ある病院や施設の中から選んだのか」「どのように貢献できるのか」が伝わると採用されやすいです。

服装や身だしなみを整える

服装や身だしなみを整えるのは、転職の面接を受ける際には最低限のマナーといえます。社会人として面接のマナーを守った服装や身だしなみにしましょう。実際には、以下のポイントに気をつけてください。

  • 黒やグレー、ネイビーのスーツ
  • シワや汚れを取った白のワイシャツ
  • 低いヒールやパンプス
  • 落ち着いた色の髪の毛
  • シンプルな髪型

このようなポイントに気をつけて身だしなみを整えることで、採用担当者に清潔感を与えられます。「相手からどう見られるか」を意識することが大切です。

面接の際の服装については以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:看護師転職の面接の服装はスーツ?適切な服装を解説【年代別】

質問に対する回答をイメージしておく

誰しも転職の面接の際は、緊張してスムーズに答えられないものです。そのため、質問に対する回答をイメージして準備しておくことが大切です。

イメージしておくと、予期しない質問にもスムーズに答えられるでしょう。回答が具体的であれば、応募先を選んだ意欲や熱量など志望度の高さをアピールできます。

看護師の転職面接でよくある質問と回答例

ここでは、看護師の転職面接でよくある15個の質問と解答例を紹介します。

  1. 自己紹介をお願いします
  2. 自己PRをお願いします
  3. これまでの実績を聞かせてください
  4. 志望動機はなんですか
  5. 前職の退職理由はなんですか
  6. あなたの看護観を教えてください
  7. 看護師を目指したきっかけはなんですか
  8. 患者さんとの印象的なエピソードはありますか
  9. 長所と短所はなんですか
  10. 当院の印象を聞かせてください
  11. インシデントの経験はありますか
  12. 希望する配属先はありますか
  13. 仕事で失敗した経験はありますか
  14. 夜勤は可能ですか
  15. 今後のキャリアプランをどう考えていますか

それぞれの質問の解答例を把握し、採用担当者に自身の魅力を伝えましょう。

1.自己紹介をお願いします

本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。私は〇〇と申します。◯◯大学を卒業後、看護師としての経験は〇年間であり、これまでに〇〇病院の呼吸器内科で働いてきました。私が働く上で最も大切にしていることは、患者さま中心にケアを提供することです。患者さまとそのご家族が、安心して治療を受けられる環境づくりが私の使命だと考えています。この職場で貢献できることを心から楽しみにしています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

面接で最初に聞かれることが多い質問の一つです。あなたの印象を決める質問となるため、長くなりすぎないように簡潔にまとめましょう。ここでは、ネガティブなことを言わないようにしてください。

2.自己PRをお願いします

私の強みは、柔軟性と責任感を持ち患者さんとそのご家族により良いケアを提供できるように、情熱を持って取り組んでいることです。私は、常に自己啓発を続けながら、学び続ける姿勢を持っています。最新の知識や技術を取り入れることで、患者さまにより質の高いケアを提供できるのではないかと考えています。このような姿勢で、新しい職場でも貢献できると思っています。私の経験と情熱を活かし、チームの一員として成長できることを楽しみにしています。

応募者の性格や強みを聞く質問です。「あなたはどのような性格ですか?」や「あなたの強みは何ですか?」と直接的に聞かれる場合もあります。自身の性格だけを回答するのではなく「どのように仕事で活かし、貢献できるのか」についても触れましょう。

3.これまでの実績を聞かせてください

私は〇〇病院の〇〇科で働いてきました。患者さまのケアに真摯に向き合い、常に最善を尽くしてきました。その結果、患者満足度の向上や感謝の言葉をいただくことができました。また、チームとの協力やリーダーシップにおいても実績を残しています。チームメンバーとの円滑なコミュニケーションやタスクをスムーズに遂行することにより、診療科全体の効率向上に貢献しました。さらに、私は積極的に研修やセミナーに参加し、最新の医療知識や技術を取り入れてきました。看護の専門知識を深めると同時に、患者さまへのより良いケアやほかのメンバーに貢献できるよう努めてきました。私は、患者さまやほかのチームメンバーとの良好な関係を築いてきました。新しい職場でも同様に貢献できると考えています。

これまでの実績では、質問例として挙げている「患者満足度の向上」「感謝の言葉」など具体的な指標があれば取り入れアピールしましょう。採用担当者に、職場でどのように貢献できるのかが伝わりやすいでしょう。

4.志望動機はなんですか

私の志望動機は、貴院の、患者さま中心のケアに対する姿勢に魅力を感じたことです。患者さまの個々のニーズに合わせたケアを提供し、地域社会に貢献しているという点が、私の考えていることと一致しています。また、私は参加した貴院での見学会で、チームワークが重視されていると感じました。私はチームで働くことを重要視しており、他のスタッフと協力し合いながら患者さまにより良いケアを提供したいと考えています。私が貴院で働くことで、患者さまやチームメンバーとの信頼関係を築き、より良い医療サービスを提供できるように貢献したいと考えています。

志望動機では、病院や施設の特徴を踏まえたうえで述べてください。ただし、学びたい、経験したいといった理由をアピールしすぎないほうが良いでしょう。というのも、病院や施設は学びや経験を得るスタッフではなく、即戦力や貢献できるスタッフを求めているためです。そのため、貢献できる、すぐに役立てるといった点を中心に伝えましょう。

5.前職の退職理由はなんですか

前職の退職理由は、主に今後のキャリアと専門性の向上を目指したものでした。長年にわたり勤務してきた前職では、貴重な経験を積むことができましたが、徐々に新たなチャレンジや成長の機会を求めるようになりました。私は常に学び続け、新しい環境や職場での経験を通じてスキルを向上させたいと考えていました。また、前職では特定の医療領域において深い専門知識を身につける機会に限界を感じており、より広範囲での経験や学びを求めるようになりました。これからのキャリアにおいて、さらに挑戦と成長を追求したいと考えております。

人間関係の悪さや待遇の悪さなどネガティブな理由で退職したり、転職したりすることもあるでしょう。厚生労働省の調査によると、退職理由の4位と5位に人間関係が良くないことや超過勤務の多さが挙げられています。ですが、ネガティブな理由のまま回答すると「同じ理由でまた辞めるかもしれない…」との印象を与える恐れがあります。ウソは厳禁ですが、ポジティブに感じられる理由を添えると、採用担当者に良い印象を与えられるでしょう。

6.あなたの看護観を教えてください

私の看護観は、患者さまを中心としたケアです。患者さまを尊重し、状況やニーズに最大限に配慮したケアの提供を心がけています。患者さまとのコミュニケーションを通じて、心身の健康をサポートし、快適な入院生活を送れることを目指しています。医師をはじめ、他の看護師や医療スタッフとの円滑な連携や協力が不可欠です。チーム全体が一丸となって取り組むことで、患者さまを支えていきたいと考えています。

看護観とは、あなたが看護をおこなううえで大切にしていることです。採用担当者が、患者さまへのケアを想像できるように、より具体的に答えましょう。

7.看護師を目指したきっかけはなんですか

私が看護師を目指したきっかけは、家族の影響が大きかったと考えています。母親が看護師であったことから、医療や看護の世界に興味を持つようになりました。夜勤で夜いないことが多く、休日にも呼び出しがあり駆けつけていく姿は頼もしくもあり、寂しくもありました。母親が病院で働く姿を見る機会があり、患者さまと接する姿に強く感銘を受けました。看護師として、患者さまとその家族に寄り添うことで感謝され、元気になって退院していく姿を見たときには看護師になってよかったなと思いました。これからも、患者さまの健康や生活の質を向上させられるように関わっていきます。

ここでは、新卒の面接のときと同様の回答で問題ありません。具体的なエピソードを交えつつ、簡潔に伝えてください。看護師を目指してよかったと感じるエピソードを加えると、魅力が伝わりやすいエピソードになるでしょう。

8.患者さんとの印象的なエピソードはありますか

ある高齢の患者さまが入院していました。ご家族がおらず、治療のつらさというより、長期間の入院生活に不安と寂しさを感じていました。私は時々病室を訪れ、ただ話を聞くことから始めました。その患者さまは自分の人生や経験について語りました。少しずつ、その患者さまと私は信頼関係を築けるようになり、少しずつ元気を取り戻していきました。私たちの交流は、心に明るさと希望を与えたのだと思いました。このエピソードを通じて、患者さまとの人生や苦悩を理解し、寄り添うことで私自身も成長することができたと感じています。

看護師の経験の中で、とくに心に残っているエピソードを話しましょう。このとき、エピソードから何を学び、今後どのように活かしていくのかを伝えられると、採用担当者にあなたの意欲が伝わりやすいです。

9.長所と短所はなんですか

私の長所は、コミュニケーション能力の高さです。患者さまやそのご家族との信頼関係を築け、心情やニーズに寄り添えるため最適なケアを提供できます。また、チームワークを重視できるため、他の医療スタッフと協力してケアをおこなうことができます。一方で、私の短所は時間管理です。そのため、多忙な状況下でのタスクの優先順位を明確にして、効率的に時間配分ができるように、取り組んでいます。

短所を「そのまま伝えても良いの?」といった疑問を持っている看護師の方もいるでしょう。短所は誰しもあるため、そのまま伝えても問題ありません。ただし、努力して改善できる短所を選ぶと良いでしょう。短所をどのように改善しているのか具体的な対策を一緒に伝えられると好印象を持たれます。また「短所はとくにありません」と伝えると、自己分析ができないと判断される恐れがあります。

10.当院の印象を聞かせてください

患者さまとその家族に対する情報提供とコミュニケーションを重視しているように感じます。私は病院見学会に参加させていただいたのですが、その際に看護師の方は対応が丁寧であり、患者さまが治療や手順について理解し、安心して治療を受けられるようにサポートしているように感じました。 院内全体も穏やかで安らぎを与える清潔な空間で、患者さまやそのご家族がストレスを感じることなく、安心して過ごせるよう配慮されている印象を持っています。

病院見学会や施設説明会などに参加している場合は、そのときの印象を話すと意欲が高いと判断されるでしょう。看護師と患者さまとの実際の場面を挙げると具体性が増します。

11.インシデントの経験はありますか

私もいくつかのインシデントに関わった経験があります。その中には、患者さまへの誤った薬剤投与や、状況の誤解から生じたケアの見落としなどがあります。ある患者さまに誤った医薬品を与えてしまったというインシデントがありました。その時は、まず患者さまの状況を詳細に把握し、医療チームで連携を取りながら迅速に対応しました。その後、インシデントの原因を徹底的に分析し、同様の事態が再発しないようにするための改善策を考え、実行に移しました。このような経験から、患者さまの安全を最優先に考え、細心の注意を払うことの重要性を再確認しました。

看護師の方は、沢山の業務を同時に対応し、多忙な毎日を送っているでしょう。その中でやむを得ず発生したインシデントは、様々な理由や環境が原因とされています。面接では、インシデントの有無を尋ねられているわけではなく「インシデントにどのように対処したのか」「インシデントから何を学んだのか」を伝えなければなりません。的確に答えられると、失敗しても分析して次に同じミスをしないと判断されるでしょう。

12.希望する配属先はありますか

私は集中治療室への配属を希望いたします。集中治療室では、高度な医療スキルやチームワークが求められる環境で、患者さまの命を救うために貢献できると考えているためです。ただし、私は集中治療部ではなくでも、どの部署でも患者さまのケアに専念し、より良いケアを提供することを重視しています。そのため、配属先に関わらず、患者さまやほかのスタッフに貢献できるように学び続けていきたいと考えます。

配属先の希望はいくつか明確に答えたほうが良いでしょう。「どこも希望がない」と答えると、関心がないのかと判断される恐れがあるためです。ただし、必ずしも希望通りの配属先になるとは限りません。そのため、希望の配属先でなくても、意欲を持って働くことをアピールすると好印象を持たれます。

13.仕事で失敗した経験はありますか

私が仕事で失敗した経験は、忙しい日中に患者さまの状況を正しく評価せず、適切な処置を講じるのが遅れてしまったことです。その結果、患者さまの状態が悪化しました。すぐに対処すると患者さまの状態はすぐに回復しましたが、この失敗は、私の不注意や判断力の欠如によるものでした。その後、この事案を反省し、同じような状況が再発しないように、情報の正確性を確認するように改善しました。この経験から、患者さまの安全を第一に考えることの大切さを改めて認識できました。

看護師は多くの業務をおこないながら、患者さまに対応しています。そのため、確認不足や間違った評価により、患者さまへ悪影響をきたす恐れがあります。失敗したことを、どのように活かすのか、同じ失敗をしないようにどのように取り組むのかを詳細に答えましょう。

14.夜勤は可能ですか

現在、保育園に通う子どもがいるため、申し訳ありませんが夜勤の業務は難しいです。ただし、日勤は通常の時間帯から対応できます。また、子どもが小学生になると夜勤にも入れます。

勤務の希望条件があるか、尋ねる質問です。応募先の求人票に沿った条件で、かつ具体的に伝えましょう。希望条件を曖昧に伝えると、夜勤業務ができると判断され、就職後にトラブルになる恐れがあります。ただし、自分の希望条件ばかり伝えると印象が悪くなるため、優先順位をあらかじめつけておきましょう。希望を聞かれた際にしっかりと答えることが大切です。

15.今後のキャリアプランをどう考えていますか

訪問看護の知識や技術を磨き、より個別性の高い看護ケアを提供できるよう努力したいと考えています。そのために、関連する研修や認定プログラムを積極的に活用し、スキルを習得したいと思っています。利用者さまやご家族へ、信頼関係を築けるように、丁寧なコミュニケーション技術も学び直したいと考えています。また、ゆくゆくは特定行為研修を受講し、訪問看護の現場へ還元できるようにチャレンジしたいです。

キャリアプランを聞くことで、職場との大きなミスマッチがないか確認する意図があります。ジェネラリストやスペシャリストもしくは、資格取得を目指しているなど、具体的に伝えましょう。現在、取り組んでいることにも触れて熱意をアピールしてください。

まとめ

看護師の転職の面接において、応募先の情報を十分に確認し、社会人としてマナーを守った服装や身だしなみにすることが大切です。

この記事で紹介したよくある質問15個とそれぞれに具体的な回答を、一度確認しスムーズに答えられるようにすることが、転職を成功させるために重要になるでしょう。

参考サイト・文献

2021 年 看護職員実態調査|日本看護協会

看護職員就業状況等実態調査結果|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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