【例文付き】看護師になりたい理由は?面接で活用する際の7つのポイント

看護師の志望動機では「なぜ看護師になりたいのか」「看護師を目指すきっかけはどういったものがあるのか」理由を明確にしておく必要があります。看護師になりたい理由を明確にしておけば、履歴書を書くときや面接にも役立ちます。
とはいえ、なぜ看護師になりたいのかよく分からない方や、志望動機の書き方が分からず迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、看護師になりたいおもな理由や、履歴書の志望動機を考えるときのポイント・書き方を解説します。具体的な例文もご紹介するので、参考にしてください。
看護師になりたい理由は何?
看護師になりたい理由は、その人が生まれ育ってきた環境やこれまでの経験、価値観などによって千差万別です。看護師になりたい理由として、おもに以下のようなものが挙げられます。
- 身内の通院や入院で看護師にお世話になった
- 病気やケガで困っている人を助けたい
- やりがいのある仕事だと思った
- 自分が患者として看護師に励まされた
- 身近な人が看護師として働いていた
- キャリアアップできる
自分や身内が病気になったとき、看護師に優しくされたり憧れたりすることで、看護師になりたいと思うケースは少なくないでしょう。また、国家資格でもある看護師になることで、キャリアアップを目指すケースも考えられます。
看護師になりたい理由を面接で考える際の7つのポイント
看護師を目指す場合、履歴書に書く志望動機を考える必要があります。志望動機をしっかり考えておけば、面接で質問されたときにも活用できるでしょう。
志望動機を考える際のポイントは、おもに以下の7つです。
- 自分の過去の経験を振り返る
- 自分は何がしたいかを考える
- 例文はそのまま使わない
- 面接時の回答と一貫性を持つ
- 複数の理由より、ひとつの理由を掘り下げる
- 自分の強み・スキル・実績を整理する
- 応募先を徹底的に研究する
それぞれ解説します。
自分の過去の経験を振り返る
まずは、自分の過去の経験を振り返って、なぜ看護師になりたいと思ったのか、きっかけがあったかどうか考えてみましょう。
例えば、幼い頃に病気をして自分自身が入院し、看護師にお世話になったのがきっかけだったのかもしれません。家族や親戚など、身内が病気になり、困った人を助けている看護師に憧れを感じたケースもあるでしょう。
自分は何がしたいかを考える
自分は看護師になり、何がしたいのかを考えてみます。看護師として働き、何を達成したいのかも考えると良いでしょう。履歴書に「自分は何がしたいか、成し遂げたいのか」が書いてあると、採用担当者に好印象を持ってもらいやすくなります。
看護師になり、達成したいことのために自分はどういった努力をするのか、具体的に考えておけば、仕事に対する意欲が伝わりやすくなるでしょう。
例文はそのまま使わない
インターネットなどに公開されている志望動機の例文は、そのまま使わないことが重要です。例文をそのまま使ってしまうと、自分らしさがアピールしづらく、他の応募者と同じような印象を与えてしまいかねません。
例文は、あくまで参考として、自分自身が経験してきたことや、価値観を反映した志望動機を考えましょう。自分はどのような看護師になりたいのか、目標や目的から逆算すると考えがまとまりやすくなります。
面接時の回答と一貫性を持つ
志望動機を考える際、面接時の回答と一貫性を持たせることも大切です。志望動機は、履歴書に書くだけではありません。履歴書に書いた内容を丸暗記するのでは、面接で深掘りされたときに答えに詰まってしまう可能性が考えられます。
スムーズに答えられるよう、なぜ看護師になりたいと思ったのか、看護師になったらどうしたいのか、自分の言葉で文章にまとめてみましょう。
複数の理由より、ひとつの理由を掘り下げる
人によっては、看護師になりたい理由がいくつもあるかもしれません。複数の理由があるのは悪いことではありませんが、なぜ看護師になりたいのかが伝わりにくくなる可能性があります。
志望動機では、看護師になりたいという熱意を伝えるために、ひとつの理由を掘り下げて考えたほうが良いでしょう。
自分の強み・スキル・実績を整理する
志望動機を書く際は、自分の強みや看護師としてのスキル、これまでの実績などを具体的に整理することが大切です。たとえば、次のように具体的なエピソードを振り返ってみましょう。
- 患者さまへのケア経験:どのような状況で、どのように患者さまと向き合ったか
- 病棟での対応:緊急時や多忙な状況で、どのように判断し行動したか
- 医療知識の深さ:専門分野や得意な処置はあるか
応募先の理念や仕事内容と照らし合わせながら、とくにアピールしたい点に絞り込むことが重要です。応募先でどのように貢献できるのか伝えられると、履歴書や面接での説得力が高まります。
応募先を徹底的に研究する
魅力的な志望動機を書くためには、応募先の病院やクリニック、施設の考え方や特徴をよく知ることが不可欠です。「ここで働きたい!」という熱意だけでは不十分であるため、応募先と、自分の思いやスキルがどのように合致しているのかを示す必要があります。
求人情報だけでなく、病院が開催している地域住民向けの健康教室やイベント、看護部の理念や方針など、一歩踏み込んでリサーチしてみましょう。
採用担当者に「この人は本当に当院で働きたいんだな」という印象を与えることで、面接や履歴書で良い評価につながるはずです。
履歴書に看護師になりたい理由を書くときの注意点
日本看護協会「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」によると、看護師の求人倍率は2.22倍です。ただし、看護師には専門性が求められるため、就職する難易度は低いとはいえないでしょう。
履歴書の志望動機を書く際、以下6つの点を押さえて、採用担当者にしっかりとアピールすることが大切です。
- 結論を明確にする
- 200〜300字程度にまとめる
- 経験やエピソードを具体的に盛り込む
- ポジティブな言葉を選ぶ
- 応募先の名称は正確に記載する
- 専門用語や略語の使いすぎに注意する
それぞれ見ていきましょう。
結論を明確にする
志望動機を履歴書に書くときは、まず「結論」から述べるようにしましょう。文章は、結論(Point)、理由(Reason)、例え(Example)、結論(Point)の順で記載するPREP法を用いると、一番伝えたいことが相手に理解されやすくなります。
例えば「私が看護師になりたいと思った理由は〇〇だからです。」と冒頭に持ってくると、そのあとに理由や具体例を挙げやすくなります。また、文章に限らず、面接でも結論を第一に伝えると、相手に理解されやすくなるでしょう。
200字〜300字程度にまとめる
履歴書の志望動機は、200〜300字程度が一般的です。
まずは、看護師になりたい理由や目標などを紙に書き出してみましょう。伝えたいことがたくさんあり、文字数がオーバーしてしまうと、逆に何を伝えたいのか分かりにくくなってしまう可能性があります。最終的に伝えたい結論の部分は押さえつつ、できる限りシンプルな文章にすることが大切です。
経験やエピソードを具体的に盛り込む
志望動機を書く際、これまでの経験や具体的なエピソードを盛り込むようにしましょう。漠然とした内容では、自分がなぜ看護師になりたいと思ったのか、採用担当者に伝わりにくくなります。
例えば「自分が入院している時、看護師さんが気遣ってくれたおかげで、気分が前向きになれた」といったエピソードを添えると、熱意が伝わりやすくなるでしょう。
ポジティブな言葉を選ぶ
志望動機は、応募者の熱意と意欲を伝えるメッセージであるため、前向きで明るい言葉を使って書くことが効果的です。看護師として患者さまやチームに貢献したい気持ちをポジティブに伝えると、採用担当者に好印象を与えられます。
一方で、ネガティブな表現や否定的な言葉は避け、仕事への意欲や成長意欲、応募先の病院や施設の理念に共感する気持ちを強調してください。これは、履歴書だけではなく、面接でも同様に意識すると、応募者の熱意がより一層伝わりやすくなります。
応募先の名称は正確に記載する
志望動機や履歴書には、応募先の病院やクリニック、施設の名称を正確に記載する必要があります。応募先の名称を間違えてしまうと、採用担当者に「注意力がない」「当院でなくても良いのでは?」といった印象を与えかねません。
求人情報や公式ホームページで必ず正式名称を確認し、誤字脱字がないように気をつけましょう。
専門用語や略語の使いすぎに注意する
志望動機を書く際は、専門用語や略語の使いすぎに注意しましょう。というのも、採用担当者に、看護職の経験があるとは限らず、あまりに難しい言葉や略語を多用すると伝わりにくくなるからです。
一例として、ドレナージやターミナルケアといった専門用語や、QOLやADLといった略語などは、説明なしでは伝わりにくい可能性があります。
履歴書は、知識をアピールする場ではないため、相手に理解してもらい、共感を得られるように努めましょう。
志望動機の基本構成
看護師が志望動機を書くときは、基本構成をしっかり押さえる必要があります。とくに、次の3つのポイントを意識すると、説得力のある内容になります。
- 結論:なぜその病院や施設を志望するのかを具体的かつ明確に伝える
- 具体例:志望理由の根拠となる自分の経験やエピソードを示す
- 貢献意欲:入職後にどのように仕事で貢献したいか将来の展望を述べる
これらをバランスよく盛り込むと、履歴書や面接での印象が良くなり、採用担当者にあなたの熱意や看護師としての適性を伝えられるでしょう。志望動機の作成にあたっては、この基本構成を土台にすると効果的です。
「看護師になりたい理由は?」の例文(経験・状況別)
なぜ看護師になりたいのか、志望動機の例文を8つご紹介します。例文はそのまま使うのは避け、自分なりの志望動機の参考にしてみましょう。
【例文1】多くの人の健康を守りたい
私が看護師を目指す理由は、多くの人の健康を守りたいと思ったからです。私が中学生の頃、道路でうずくまっている高齢者の方の対応をしている看護師さんに遭遇しました。周りの人たちに声をかけたり、救急隊員の方とやりとりしている姿を見て、看護師は、人の健康や命にかかわる重要な仕事だと感じました。自分の行動が人の健康や生死にかかわる責任の重い仕事である一方、大きなやりがいもあります。自分の行ったケアによって、看護師として多くの患者さまの健康や命を守りたい、と考えます。 |
関連記事:新卒看護師の志望動機はどうすれば良い?例文付きで解説
【例文2】社会貢献がしたい
私が看護師になりたいと思ったのは、誰かの支えが必要な人の役に立ちたいからです。私は幼い頃から体が弱く、総合病院の小児科によく通っていました。病院には、酸素チューブや人工呼吸器をつけて車椅子に乗っている子どもが多く、誰かの支えを必要とする人がいることを知りました。次第に、自分が支える人になりたいという思いが強くなり、看護師の道を選びました。看護師は、身体だけでなく心のサポートも行えます。支えを必要とする人たちに安心感を持ってもらえる看護師として、成長したいと考えています。 |
【例文3】チームで働きたい
私が看護師になりたいと考えたのは、チーム力を必要とする点に魅力を感じたからです。看護師は、おもに患者さまのケアに携わりますが、医師や薬剤師といった他職種との連携も必要とされます。以前、祖母が骨折して入院した際、担当の看護師さんが理学療法士さんやケアマネージャーさん、訪問看護師さんなどと連携し、退院のために自宅環境を整えてくれました。看護師は、直接患者さまと接する機会が多い職種で、チームの中心的な役割を担っていると感じました。私は、チーム医療の一員として他職種と力を合わせることで、より専門性が高く、質の高い医療を提供したいと思っています。 |
【例文4】専門性を発揮したい
私は、国家資格でもある看護師という仕事につき、専門性を発揮したいと考えています。人の健康や命に関わる看護師は、どんな時代でも必要とされる職業です。私の父は心筋梗塞で倒れたものの、一命をとりとめました。集中治療室ではたらく看護師さんは、知識や経験が豊富で、私たち家族は安心感が持てました。私も、専門看護師や認定看護師などのスキルアップも視野に入れつつ、知識やスキルを身につけ、多くの患者さまの健康を守りたいと考えています。 |
【例文5】看護師だった母親を尊敬している
私が看護師になりたいと思ったのは、看護師だった母親を尊敬しているからです。母は、患者さまに安心感を持ってもらえることを常に意識していました。退院した患者さまが、母に会うために病棟に来てくれることもしばしばあったようです。母は、定年まで看護師として働きながら私を育ててくれました。私も母のように、患者さまの気持ちに寄り添える看護師でありたいです。また、結婚や出産、子育てなどでライフステージが変化しても働き続けたいと思っています。 |
【例文6】社会人経験(接客業など)を活かしたい
私は前職の接客業で、お客さま一人ひとりのニーズに耳を傾け、最適なサービスを提案することにやりがいを感じていました。その経験から、単に商品を売るだけでなく、人の心に寄り添い、安心を提供することに喜びを覚えました。看護師の仕事は、患者さまの身体的ケアだけでなく、精神的なサポートも重要です。前職で培ったコミュニケーション能力と傾聴力を活かし、患者さまやそのご家族との信頼関係を築き、不安な気持ちに寄り添える看護師を目指したいと考えています。 |
【例文7】人の心に寄り添う仕事がしたい
私が看護師になりたい理由は、人の心に寄り添う仕事がしたいという強い思いがあるからです。人生において、病気や怪我は大きな不安を伴います。そのような状況で、患者さまが安心して治療に専念できるよう、身体的なケアはもちろん、心の支えとなる存在になりたいです。看護師は、患者さまの身近な存在として、不安や悩みに耳を傾け、共感し、安心感を提供できます。私は、患者さま一人ひとりの気持ちを尊重し、人間的な温かさをもって接する看護師として、成長していきたいです |
【例文8】自身の入院・闘病経験から
私は自身の入院経験から、看護師の仕事に深く興味を持つようになりました。治療のつらさや先の見えない不安を感じていたとき、担当の看護師さんが私の心に寄り添い、優しく励ましてくれたことが、何よりの心の支えでした。その経験から、私も同じように、病気やケガで苦しむ患者さまに寄り添い、希望や勇気を与えられる存在になりたいと強く思うようになりました。 |
自分だけの「看護師になりたい理由」を見つける3ステップ
「なぜ看護師になりたいのか?」という問いに答えるためには、自己分析が重要です。次の3つのステップに沿って考えることで、あなたの経験や価値観にもとづいた、説得力のある志望動機を見つけられるでしょう。
ステップ1:過去の経験を書き出す(なぜ?を繰り返す)
まずは、これまでの人生を振り返り、看護師を目指すきっかけや、あなたの核となる価値観がどこにあるのかを探します。
- なぜ看護に興味を持ったのか?
- 誰かのために行動して嬉しかった経験はあるのか?
- 困難を乗り越えた経験は何か?
これらの問いに答えることで、あなたの個性が際立ち、深みのある志望動機が生まれます。具体的なエピソードを掘り下げていくと、強みや熱意が自然と見つかります。
ステップ2:将来なりたい看護師像を具体的に描く
次に、過去の経験から見えてきた価値観を、将来のビジョンにつなげます。どのような看護師になりたいのか、具体的にイメージしてみましょう。
- どのような分野で働きたいのか?
- どのような看護を届けたい?
- 誰にケアをおこないたい?
これらの問いに具体的に答えることで、目標がはっきりとして、採用担当者に「将来をしっかり見据えている」という印象を与えられます。なりたい姿を言語化してみましょう。
ステップ3:なぜ「この病院」なのかを考える
最後に、志望する場所が、なぜ夢を叶えるのに最適なのかを考えます。
その病院の理念や看護方針、特定の診療科に力を入れている点、教育体制、働いている人々の雰囲気など「ここでないとダメな理由」を探してみてください。
これらのステップを踏むことで、経験と思いがつながり、採用担当者の心に響く、あなただけの説得力ある志望動機が完成します。
【要注意】採用担当者にマイナス印象を与える表現
看護師の面接では、熱意や適性を見極めるために、志望動機が深く掘り下げられます。しかし、良かれと思って話した内容が、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまうこともあります。ここでは、避けるべきNGな表現と、その言い換え例をご紹介します。
NG例1:「給料が良い・安定しているから」
仕事への関心よりも、金銭的な理由が動機だと受け取られてしまいます。看護師は、人の命や健康にかかわる責任の重い仕事です。経済的な安定は重要ですが、それを第一に語るべきではありません。
言い換え例:
「経済的に自立し、専門職として長く社会に貢献したいと考えています」
「ライフステージが変わっても働き続けられる専門性を身につけたいです」
NG例2:「人の役に立ちたい」だけ
「人の役に立ちたい」という気持ちは素晴らしいですが、それだけでは誰でも言える漠然とした志望動機になってしまいます。なぜ看護師として役に立ちたいのか、具体的な熱意とセットで伝えることが重要です。
言い換え例:
「幼い頃の入院経験で、優しく寄り添ってくれた看護師さんの姿に感銘を受けました。今度は私が、患者さまの心の支えになれるよう人の役に立ちたいです」
NG例3:「楽そうだから」「自分でもできそうだから」
看護師の仕事に対する理解不足と見なされます。看護師の仕事は、人の命を預かる責任ある専門職であり、強い使命感と絶え間ない努力が求められます。安易な考えで志望していると判断されてしまうため、絶対に避けましょう。
NG例4:例文の丸暗記・嘘のエピソード
インターネットで検索した例文をそのまま暗記したり、嘘のエピソードを話したりするのは絶対にやめましょう。採用担当者は、あなたの言葉で語られているか、熱意があるかを注意深く見ています。 少しでも不自然な点があれば「なぜそう思ったのですか?」といった深掘り質問ですぐに見抜かれてしまいます。
履歴書や面接で看護師になりたい理由を伝えて好印象を持ってもらおう!
看護師の志望動機は、あなたの情熱と能力を伝える重要なポイントの1つです。
まず、強みやスキル、実績を具体的に整理し、応募先でどう貢献できるかを明らかにしましょう。ホームページや求人情報から、応募先の理念や特徴を研究し、あなたの看護観と合致する点を具体的に示してください。
これらのポイントを押さえれば、きっと想いは採用担当者に届くでしょう。
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<参考サイト・文献>

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