【例文付き】なぜ看護師になりたいのか?主な理由と志望動機のポイント・書き方

公開日:2023/12/31 更新日:2025/08/05
記事サムネイル画像

看護師の志望動機では「なぜ看護師になりたいのか」「看護師を目指すきっかけはどういったものがあるのか」理由を明確にしておく必要があります。看護師になりたい理由を明確にしておけば、履歴書を書くときや面接にも役立ちます。

とはいえ、なぜ看護師になりたいのかよく分からない方や、志望動機の書き方が分からず迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、看護師になりたい主な理由や、履歴書の志望動機を考える時のポイント・書き方を解説します。具体的な例文もご紹介するので、参考にしてください。

看護師になりたい理由は何?

看護師になりたい理由は、その人が生まれ育ってきた環境やこれまでの経験、価値観などによって千差万別です。看護師になりたい理由として、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 身内の通院や入院で看護師にお世話になった
  • 病気やケガで困っている人を助けたい
  • やりがいのある仕事だと思った
  • 自分が患者として看護師に励まされた
  • 身近な人が看護師として働いていた
  • キャリアアップできる

自分や身内が病気になった時、看護師に優しくされたり憧れたりすることで、看護師になりたいと思うケースは少なくないでしょう。また、国家資格でもある看護師になることで、キャリアアップを目指すケースも考えられます。

履歴書の志望動機を考える時の7つのポイント

看護師を目指す場合、履歴書に書く志望動機を考える必要があります。志望動機をしっかり考えておけば、面接で質問された時にも活用できるでしょう。

志望動機を考える際のポイントは、主に以下の7つです。

  • 自分の過去の経験を振り返る
  • 自分は何がしたいかを考える
  • 例文はそのまま使わない
  • 面接時の回答と一貫性を持つ
  • 複数の理由より、ひとつの理由を掘り下げる
  • 自分の強み・スキル・実績を整理する
  • 応募先を徹底的に研究する

それぞれ解説します。

自分の過去の経験を振り返る

まずは、自分の過去の経験を振り返って、なぜ看護師になりたいと思ったのか、きっかけがあったかどうか考えてみましょう。

例えば、幼い頃に病気をして自分自身が入院し、看護師にお世話になったのがきっかけだったのかもしれません。家族や親戚など、身内が病気になり、困った人を助けている看護師に憧れを感じたケースもあるでしょう。

自分は何がしたいかを考える

自分は看護師になり、何がしたいのかを考えてみます。看護師として働き、何を達成したいのかも考えると良いでしょう。履歴書に「自分は何がしたいか、成し遂げたいのか」が書いてあると、採用担当者に好印象を持ってもらいやすくなります。

看護師になり、達成したいことのために自分はどういった努力をするのか、具体的に考えておけば、仕事に対する意欲が伝わりやすくなるでしょう。

例文はそのまま使わない

インターネットなどに公開されている志望動機の例文は、そのまま使わないことが重要です。例文をそのまま使ってしまうと、自分らしさがアピールしづらく、他の応募者と同じような印象を与えてしまいかねません。

例文は、あくまで参考として、自分自身が経験してきたことや、価値観を反映した志望動機を考えましょう。自分はどのような看護師になりたいのか、目標や目的から逆算すると考えがまとまりやすくなります。

面接時の回答と一貫性を持つ

志望動機を考える際、面接時の回答と一貫性を持たせることも大切です。志望動機は、履歴書に書くだけではありません。履歴書に書いた内容を丸暗記するのでは、面接で深掘りされた時に答えに詰まってしまう可能性が考えられます。

スムーズに答えられるよう、なぜ看護師になりたいと思ったのか、看護師になったらどうしたいのか、自分の言葉で文章にまとめてみましょう。

複数の理由より、ひとつの理由を掘り下げる

人によっては、看護師になりたい理由がいくつもあるかもしれません。複数の理由があるのは悪いことではありませんが、なぜ看護師になりたいのかが伝わりにくくなる可能性があります。

志望動機では、看護師になりたいという熱意を伝えるために、ひとつの理由を掘り下げて考えたほうが良いでしょう。

自分の強み・スキル・実績を整理する

志望動機を書く際は、自分の強みや看護師としてのスキル、これまでの実績などを具体的に整理することが大切です。たとえば、次のように具体的なエピソードを振り返ってみましょう。

  • 患者さまへのケア経験:どのような状況で、どのように患者さまと向き合ったか
  • 病棟での対応:緊急時や多忙な状況で、どのように判断し行動したか
  • 医療知識の深さ:専門分野や得意な処置はあるか

応募先の理念や仕事内容と照らし合わせながら、とくにアピールしたい点に絞り込むことが重要です。応募先でどのように貢献できるのか伝えられると、履歴書や面接での説得力が高まります。

応募先を徹底的に研究する

魅力的な志望動機を書くためには、応募先の病院やクリニック、施設の考え方や特徴をよく知ることが不可欠です。「ここで働きたい!」という熱意だけでは不十分であるため、応募先と、自分の思いやスキルがどのように合致しているのかを示す必要があります。

求人情報だけでなく、病院が開催している地域住民向けの健康教室やイベント、看護部の理念や方針など、一歩踏み込んでリサーチしてみましょう。

採用担当者に「この人は本当に当院で働きたいんだな」という印象を与えることで、面接や履歴書で良い評価につながるはずです。

履歴書の志望動機の書き方

履歴書の志望動機を書く際、以下6つの点を押さえておくと良いでしょう。

  • 結論を明確にする
  • 200〜300字程度にまとめる
  • 経験やエピソードを具体的に盛り込む
  • ポジティブな言葉を選ぶ
  • 応募先の名称は正確に記載する
  • 専門用語や略語の使いすぎに注意する

それぞれ見ていきましょう。

結論を明確にする

志望動機を履歴書に書く時、まずは「結論」から述べるようにしましょう。文章は、結論(Point)、理由(Reason)、例え(Exsample)、結論(Point)の順で記載するPREP法を用いると、一番伝えたいことが相手に理解されやすくなります。

例えば「私が看護師になりたいと思った理由は〇〇だからです。」と冒頭に持ってくると、そのあとに理由や具体例を挙げやすくなります。また、文章に限らず、面接でも結論を第一に伝えると、相手に理解されやすくなるでしょう。

200字〜300字程度にまとめる

履歴書の志望動機は、200〜300字程度が一般的です。

まずは、看護師になりたい理由や目標などを紙に書き出してみましょう。伝えたいことがたくさんあり、文字数がオーバーしてしまうと、逆に何を伝えたいのか分かりにくくなってしまう可能性があります。最終的に伝えたい結論の部分は押さえつつ、できる限りシンプルな文章にすることが大切です。

経験やエピソードを具体的に盛り込む

志望動機を書く際、これまでの経験や具体的なエピソードを盛り込むようにしましょう。漠然とした内容では、自分がなぜ看護師になりたいと思ったのか、採用担当者に伝わりにくくなります。

例えば「自分が入院している時、看護師さんが気遣ってくれたおかげで、気分が前向きになれた」といったエピソードを添えると、熱意が伝わりやすくなるでしょう。

ポジティブな言葉を選ぶ

志望動機は、応募者の熱意と意欲を伝えるメッセージであるため、前向きで明るい言葉を使って書くことが効果的です。看護師として患者さまやチームに貢献したい気持ちをポジティブに伝えると、採用担当者に好印象を与えられます。

一方で、ネガティブな表現や否定的な言葉は避け、仕事への意欲や成長意欲、応募先の病院や施設の理念に共感する気持ちを強調してください。これは、履歴書だけではなく、面接でも同様に意識すると、応募者の熱意がより一層伝わりやすくなります。

応募先の名称は正確に記載する

志望動機や履歴書には、応募先の病院やクリニック、施設の名称を正確に記載する必要があります。応募先の名称を間違えてしまうと、採用担当者に「注意力がない」「当院でなくても良いのでは?」といった印象を与えかねません。

求人情報や公式ホームページで必ず正式名称を確認し、誤字脱字がないように気をつけましょう。

専門用語や略語の使いすぎに注意する

志望動機を書く際は、専門用語や略語の使いすぎに注意しましょう。というのも、採用担当者に、看護職の経験があるとは限らず、あまりに難しい言葉や略語を多用すると伝わりにくくなるからです。

一例として、ドレナージやターミナルケアといった専門用語や、QOLやADLといった略語などは、説明なしでは伝わりにくい可能性があります。

履歴書は、知識をアピールする場ではないため、相手に理解してもらい、共感を得られるように努めましょう。

志望動機の基本構成

看護師が志望動機を書くときは、基本構成をしっかり押さえる必要があります。とくに、次の3つのポイントを意識すると、説得力のある内容になります。

  1. 結論:なぜその病院や施設を志望するのかを具体的かつ明確に伝える
  2. 具体例:志望理由の根拠となる自分の経験やエピソードを示す
  3. 貢献意欲:入職後にどのように仕事で貢献したいか将来の展望を述べる

これらをバランスよく盛り込むと、履歴書や面接での印象が良くなり、採用担当者にあなたの熱意や看護師としての適性を伝えられるでしょう。志望動機の作成にあたっては、この基本構成を土台にすると効果的です。

看護師の志望動機の例文(経験・状況別)

なぜ看護師になりたいのか、志望動機の例文を7つご紹介します。例文はそのまま使うのは避け、自分なりの志望動機の参考にしてみましょう。

【例文1】多くの人の健康を守りたい

私が看護師を目指す理由は、多くの人の健康を守りたいと思ったからです。私が中学生の頃、道路でうずくまっている高齢者の方の対応をしている看護師さんに遭遇しました。周りの人たちに声をかけたり、救急隊員の方とやりとりしている姿を見て、看護師は、人の健康や命にかかわる重要な仕事だと感じました。自分の行動が人の健康や生死にかかわる責任の重い仕事である一方、大きなやりがいもあります。自分の行ったケアによって、看護師として多くの患者様の健康や命を守りたい、と考えます。

関連記事:新卒看護師の志望動機はどうすれば良い?例文付きで解説

【例文2】社会貢献がしたい

私が看護師になりたいと思ったのは、誰かの支えが必要な人の役に立ちたいからです。私は幼い頃から体が弱く、総合病院の小児科によく通っていました。病院には、酸素チューブや人工呼吸器をつけて車椅子に乗っている子どもが多く、誰かの支えを必要とする人がいることを知りました。次第に、自分が支える人になりたいという思いが強くなり、看護師の道を選びました。看護師は、身体だけでなく心のサポートも行えます。支えを必要とする人たちに安心感を持ってもらえる看護師として、成長したいと考えています。

【例文3】チームで働きたい

私が看護師になりたいと考えたのは、チーム力を必要とする点に魅力を感じたからです。看護師は、主に患者様のケアに携わりますが、医師や薬剤師といった他職種との連携も必要とされます。以前、祖母が骨折して入院した際、担当の看護師さんが理学療法士さんやケアマネージャーさん、訪問看護師さんなどと連携し、退院のために自宅環境を整えてくれました。看護師は、直接患者様と接する機会が多い職種で、チームの中心的な役割を担っていると感じました。私は、チーム医療の一員として他職種と力を合わせることで、より専門性が高く、質の高い医療を提供したいと思っています。

【例文4】専門性を発揮したい

私は、国家資格でもある看護師という仕事につき、専門性を発揮したいと考えています。人の健康や命に関わる看護師は、どんな時代でも必要とされる職業です。私の父は心筋梗塞で倒れたものの、一命をとりとめました。集中治療室ではたらく看護師さんは、知識や経験が豊富で、私たち家族は安心感が持てました。私も、専門看護師や認定看護師などのスキルアップも視野に入れつつ、知識やスキルを身につけ、多くの患者様の健康を守りたいと考えています。

【例文5】看護師だった母親を尊敬している

私が看護師になりたいと思ったのは、看護師だった母親を尊敬しているからです。母は、患者様に安心感を持ってもらえることを常に意識していました。退院した患者様が、母に会うために病棟に来てくれることもしばしばあったようです。母は、定年まで看護師として働きながら私を育ててくれました。私も母のように、患者様の気持ちに寄り添える看護師でありたいです。また、結婚や出産、子育てなどでライフステージが変化しても働き続けたいと思っています。

【例文6】管理職・リーダーを目指したい

私は将来的に管理職やリーダーを目指し、病院や施設の運営に貢献したいと考えています。看護師としての経験を積みながら、チームの調整やスタッフの育成にも携わり、質の高いケアを提供する環境づくりに努めたいです。スタッフ間の連携や職場の理念を理解し、組織に貢献することで、病院の発展を支えたいと思っています。

【例文7】ワークライフバランスを重視したい

私は看護師として働きながら、ワークライフバランスを大切にしていきたいです。充実したプライベートがあることで、仕事にも集中し質の高いケアが提供できると考えているからです。患者さまや地域医療に貢献できる環境でスキルを磨き、長く安心して勤務できるように努めます。

看護師の志望動機の例文(職場別)

職場によって求められる看護スキルや役割は異なります。それぞれの特徴に合った志望動機の例文を紹介します。

【例文1】総合病院

総合病院で働く看護師として、幅広い医療知識と多様な患者さまへの対応スキルを身につけたいと考え志望しました。病棟や外来、手術室など多岐にわたる部署での勤務を通じて、専門性を高められる環境に魅力を感じています。また、緊急対応やチーム医療にも積極的に参加し、患者さまの健康回復に貢献したいと考えています。

【例文2】クリニック・診療所

私が貴院を希望する理由は、地域の患者さまに密着したケアを提供したいからです。患者さま一人ひとりとじっくり向き合い、きめ細やかなケアを実践できる点に魅力を感じています。自分の看護スキルと経験を活かして、患者さまの健康管理や生活支援に貢献していきます。

関連記事:クリニック看護師の志望動機の書き方とは?例文付きで解説

【例文3】訪問看護ステーション

利用者さまの自宅での生活を支え、地域医療に貢献したいと考えています。利用者さま一人ひとりの環境やニーズに合わせたケアが求められるため、これまでの臨床での経験や柔軟な対応力を活かしていきます。貴ステーションの理念に共感したため、利用者さまが安心して暮らせる地域づくりをサポートできるように努めます。

訪問看護の求人をお探しですか。利用者さまの自宅での生活を支える訪問看護の仕事は、経験を活かせる最適な場所です。NsPaceCareerでは、訪問看護に特化した求人を多数掲載しています。あなたの「なりたい看護師像」を実現する第一歩を、ぜひ踏み出しましょう。

【例文4】介護施設

利用者さまの健康管理と生活支援で役に立ちたいと考えています。長期的なケアや日常生活のサポートが中心となるため、利用者さまやご家族としっかりコミュニケーションを取りながら、安心できる環境づくりを目指していきます。

看護師の志望動機ではあなたの熱意と能力を伝えて好印象を持ってもらおう!

看護師の志望動機は、あなたの情熱と能力を伝える重要なポイントの1つです。

まず、強みやスキル、実績を具体的に整理し、応募先でどう貢献できるかを明らかにしましょう。ホームページや求人情報から、応募先の理念や特徴を研究し、あなたの看護観と合致する点を具体的に示してください。

これらのポイントを押さえれば、きっと想いは採用担当者に届くでしょう。

SNSシェア

  • LINEアイコン
  • facebookアイコン
  • Xアイコン
記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連する記事

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像左 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左

NsPaceCareerとは

訪問看護・在宅看護に特化した
求人情報検索・応募のほか、
現役の訪問看護師や在宅経験者への無料相談や、
事業所への事前見学申し込みが可能です。

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像右 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左