訪問看護に転職するか悩む看護師へ!魅力ややりがいなど転職のメリット・デメリットを解説

公開日:2023/12/31 更新日:2024/01/17
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地域・ご自宅へと医療の現場が移っていく傾向にある日本の医療ですが、その中で看護師の働き先として訪問看護へ注目が集まっています。

需要の増加に合わせて訪問看護に転職するか悩む看護師も増えているのではないでしょうか。

今回は訪問看護の魅力ややりがいに加えて、転職におけるメリットやデメリットも解説します。

参照:厚生労働省「在宅医療・介護推進プロジェクトチーム|在宅医療・介護の推進について」

訪問看護ステーションへの転職が注目される理由

訪問看護ステーションへの転職が注目されているのは、下記のような社会の動きが理由だと考えられます。

  • 高齢化によって引き起こされる2025年問題
  • 国民の60%以上が希望しているとされる高い在宅療養の需要
  • 地域包括ケアシステムの構築

まず1つ目は迫り来る2025年問題です。これは1947~1949年生まれの団塊の世代とされる世代が後期高齢者となることで起こりうる、社会保障費の増加や働き手不足などのさまざまな問題を指します。

後期高齢者は75歳以上の世代を指し、これらの世代が増えるということは医療の需要の高まりも意味します。

また在宅療養の需要や、厚生労働省が進めている地域包括ケアシステムの構築のような、高齢化の中での医療の在宅移行も、訪問看護ステーションへの転職が注目される理由だと考えられるでしょう。

さらに、病院で働く看護師も訪問看護ステーションでの勤務に注目しています。

日本看護協会の「訪問看護アクションプラン2025」では、訪問看護師の数を2025年までに約15万人に増やすことを目標に掲げています。(2020年時点では6.8万人)

看護師の働き方が以前と比べて多様化しており、医療のあり方も病院ではなく地域への移行が進んでいき在宅の医療需要が高まる中で、今後さらに訪問看護ステーションへの転職を希望する看護師の数は、増加していくと考えられるでしょう。

参照:公益社団法人日本看護協会,公益財団法人日本訪問看護財団,一般社団法人全国訪問看護事業協会「訪問看護アクションプラン2025|2025年を目指した訪問看護」

参照:厚生労働省「在宅医療・介護推進プロジェクトチーム|在宅医療・介護の推進について」

訪問看護ステーションへ転職するメリットとデメリットとは

ここからは訪問看護ステーションへの転職を検討している看護師の方へ向けて、訪問看護ステーションへ転職するメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

転職を悩んでいる看護師の方は、メリットとデメリットのどちらも合わせて転職の参考にしてください。

訪問看護ステーションへ転職するメリット

訪問看護ステーションで働くのは、病院やクリニックなどの医療機関とは異なる場面が多いため戸惑う方も多いかもしれません。

しかし働くことで得られるメリットもあります。

主に下記の5つがメリットとして挙げられるでしょう。

  • 長期的な関わりができる
  • ルールに囚われない自由な看護ができる
  • 整った生活リズムで生活できる
  • チーム医療における看護師の役割を実感できる
  • 看護師としての自信がつく

それぞれ解説していきます。

長期的な関わりができる

病院の場合は、短期間の入院のケースや一度退院したら再入院はせず、患者さまは近隣のクリニックや通院して地域で過ごしていく、というケースが多いです。

訪問看護の場合は、直接利用者さまの居住環境へお邪魔して訪問看護を提供するため、長期的な関わりができます。

再入院という形で一度関わりが断たれることもありますが、それでも退院など自宅へ戻られた際は再度訪問看護の介入をさせていただくといった、病院と連携をとりながら長期的な関わりを続けることも可能です。

また、利用者さまによっては看取りまで行うこともあり、利用者さまと長期的に関わりながら利用者さまの生涯に寄り添えるのは、やりがいと感じやすいでしょう。

ルールに囚われない自由な看護ができる

病院だと物品の管理の関係や看護部の方針、疾患治療の場合の対応マニュアルなどさまざまな病院のルールに従わなければならず、看護師によっては制限されている、縛られているような感覚を得る場合もあるでしょう。

訪問看護では豊富な医療機器や物品はなかなか揃っていないものの、ルールに囚われない自由な発想で看護実践することが可能です。

指示書を出している主治医の指示に従うのは大前提ですが、自由な発想で利用者さまにとっての最善策を考えていけるのは、看護師にとってやりがいにつながるメリットといえるでしょう。

整った生活リズムで生活できる

病院で夜勤をこなしていると生活リズムが乱れやすく、心身ともに不調になってしまう看護師もいます。

訪問看護ステーションによって勤務形態は異なり、オンコール体制のある事業所もありますが、日勤のみだったり土日休みだったりするところもあります。そのため整った生活リズムを送りやすいのも訪問看護ステーションで働くメリットです。

また子育てやプライベートの事情がある方でも、午後だけ、訪問何件だけなど自分のライフスタイルに合わせて働ける訪問看護ステーションもあります。パートタイムでの勤務を検討している方にもおすすめの働き先ではないでしょうか。

チーム医療における看護師の役割を実感できる

病院で働いているときも他職種連携は必要な場面はありますが、訪問看護ではさらに他職種連携が重要視されます。

在宅で生活する利用者さまが再入院せず安定して生活を送るにはどうすれば良いか、生活における困り事を解消するにはどうすれば良いかなど、密に他職種と連携をとる必要があります。

その中ではケアマネージャーや相談員、役所などの行政や就労支援事業所など、病院で働いていた時には連絡をとったことのない他職種とも連絡を取る必要があるでしょう。

最初は慣れないかもしれませんが、働く中で病院よりもチーム医療における看護師の役割を実感しやすく、チーム医療の一員としてのやりがいも感じやすいでしょう。

看護師としての自信がつく

病院で働いていた時に、先輩看護師から怒られたり指導を受けたりすることもあり、看護師としての自信を持てなかった、という方もいるかもしれません。

しかし訪問看護は自由な発想で看護実践をしたり、他職種と積極的に関わっていったりする必要があるため、「看護師として」利用者さまから必要とされたり他職種から求められたりする場面も多い現場です。

他職種や、利用者さまとご家族など、周囲から1人の看護師として求められる場面が多く、利用者さまからの感謝の言葉や労いの言葉などのフィードバックも受けやすいため、看護師としての自信がついたという方もいます。

「責任のある大変な仕事」と感じられるかもしれませんが、看護師として求められる役割に答えるのはやりがいにも成長にも繋がります。

訪問看護ステーションへ転職するデメリット

訪問看護の現場ではここまで解説したようなメリットもあるものの、一方で働くことで感じてしまうデメリットもあります。

主に下記の3つです。

  • 責任の重さを感じる
  • 季節によって働きにくい
  • 教育体制が整っていないところがある

それぞれ理由を解説していきます。

責任の重さを感じる

訪問看護の現場では2人など複数の看護師で訪問する場合もありますが、1人で利用者さまの家を訪問するのが一般的です。

そのため緊急時の対応を求められる場合もあり、臨床経験の浅い看護師の方の場合、責任の重さを辛く感じる方もいるでしょう。

またメリットで前述したように、他の関係機関や利用者さまのご家族から頼られる場面もあり、責任の重さを感じるかもしれません。

困ったらすぐに相談できるように、所長や先輩の連絡先を登録しておいたり、緊急時のフローを確認しておいたりすると良いでしょう。

最初から1人でなんでもできる人はいません。困った場面に出会った時は、他のスタッフに相談することが大切だと覚えておきましょう。

季節によって働きにくい

訪問先への移動方法はステーションによって異なりますが、自転車や車、公共交通機関など外を出歩くことが多い場合は、季節によって気温や悪天候を直に感じて働きにくい場合もあります。

ステーションでは防水の長靴やレインコートを使ったり、ひどい悪天候の場合は訪問日程をずらしたりするなど工夫している事業所もあります。

また訪問看護師によっても独自の工夫をしている方がいるため、先輩から「こういう時期はどうしているか」など助言をもらうと良いでしょう。

教育体制が整っていないところもある

訪問看護ステーションの事業所数は日々増加し続けており、2020年に12,393件だった事業所数も1年後の2021年には13,554件と1,000件以上増加しています。

しかしまだ新設したばかりで、教育体制が十分ではない訪問看護ステーションも多いのが現状です。

教育体制や訪問に不安を感じたら、自分から先輩や所長に不安な点を共有しておくと良いでしょう。例えば、苦手な看護技術や、起こりうるリスクへの対応方法などを事前に共有し、可能であれば技術や対応方法を教えてもらうと良いでしょう。

参照:厚生労働省「令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況」

訪問看護ステーションへの転職が不安な方へ!働く魅力を紹介

ここまでメリットとデメリットを解説しましたが、まだまだ訪問看護ステーションへの転職が不安という方もいるでしょう。訪問看護ではここまで紹介したメリットだけでなく、他にも下記のような魅力があります。

  • 管理者や運営などのキャリアプランも目指せる
  • 専門性を高められる

それぞれ詳しく紹介していきます。

管理者や運営などのキャリアプランも目指せる

訪問看護ステーションは病院のように待っていれば患者さまが来るわけではなく、利用者さまに選ばれてご利用いただく必要があるため、経営の面での視点を持つことが重要です。

さらにその視点は管理者だけではなく、通常の社員にも求められる視点です。日頃から社員として働く中でも経営の視点を学べるため、訪問看護ステーションへ転職することは、管理者や経営側を目指すキャリアパスをえがくきっかけにもなるのではないでしょうか。

専門性を高められる

訪問看護の現場は高齢者だけではなく、小児や精神科など、科目特化型の事業所もあります。そのため、これまでの病院での専門的な知識を、在宅でも生かすことが可能です。

例えば小児の訪問看護では、ご自宅で医療的ケアが必要な児童に対して、医療的ケアやリハビリ、教育面でのサポートなどを行います。また精神科特化の訪問看護の現場は、ご自宅で精神疾患を抱えている利用者さまに対して、薬の管理や外出などの支援、不安に対する傾聴などの支援を行っています。

自分のやりたい看護に対して、同じく興味を持った仲間と共に専門性を高められるのも魅力です。

訪問看護への転職は多くのメリットがある!やりがいを感じやすい訪問看護師への転職を検討してみて

訪問看護への転職における魅力ややりがいに加えて、転職におけるメリットやデメリットを解説しました。

訪問看護への転職は多くのメリットや魅力があります。働く中でデメリットと感じる点もあるかもしれませんが、同じ訪問看護ステーションの仲間や先輩と協力しながら乗り越えていくと良いでしょう。

今後さらに地域での看護師の需要が高まっていくことが予想されるため、ぜひ訪問看護への転職を検討してみてはいかがでしょうか。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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