看護師も副業できる?おすすめの副業8選と副業をする際の注意点を解説

公開日:2023/12/26 更新日:2025/07/07
記事サムネイル画像

国は2018年の1月に「モデル就業規則」を改定し「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という記載を削除し、新たに副業や兼業に関する規定を策定しています。

国全体として副業を推進している中で、看護師の中にも副業に興味を持っている方はいるのではないでしょうか。

今回、看護師は副業ができるのか、またおすすめの副業や副業をする際の注意点を解説していきます。

参照:厚生労働省「副業・兼業」

参照:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン|令和4年7月改定」

看護師も副業はできる?禁止の場合副業してもバレない?

看護師の副業の可否は、基本的には職場の就業規則に準ずるものと考えるべきでしょう。

職場の規定で副業禁止とされている場合はもちろんNGですが、国公立病院での勤務など公務員の場合にも副業はできません。

国家公務員法第103条「私企業からの分離」により、下記のように定められています。

“職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。”

引用:e-Gov法令検索「国家公務員法第百三条」

副業をしても、バレないから大丈夫と考えている人もいるかもしれません。しかし、もしバレた場合、懲戒事理といって減給や解雇となるなど、厳正な対応をされてしまいます。そのため副業NGな職場で勤務しているならば、副業はやめておきましょう。

ただし公務員であっても、不動産賃貸や投資信託などは可能であるというような例外はあるため、不安な場合は職場に確認するようにしましょう。

参照:内閣官房内閣人事局「平成31年3月(2019年)国家公務員の兼業について(概要)」

看護師の副業がバレるケースやその対処法については以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:看護師の方の副業がバレた時の対応や、副業をバレないようにする方法とは?

看護師が副業をするメリット

厚生労働省が2022年7月8日に改定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、副業をする側と企業側の双方のメリットが記載されています。

特に看護師に関しての記載はありませんが、看護師が副業をする中で得られるメリットもあります。下記がメリットとして考えられるでしょう。

  • さまざまなスキルを取得できる
  • 気分転換になる
  • 収入を増やせる

それぞれ解説していきます。

参照:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)」

さまざまなスキルを取得できる

看護師として、今の職場で働き続けるだけでもさまざまな経験やスキルが得られるでしょう。しかし副業をすることで、さらにさまざまなスキルを得られるケースもあります。

例えば本業は病院での勤務で、副業として介護施設で働いている方であれば、病院で得られる医療に関する知識や看護技術のスキルだけではなく、介護施設で介護のスキルを取得したり磨いたりすることも可能です。

気分転換になる

看護師の副業は必ずしも医療系の職種である必要はないため、職種によっては副業がリフレッシュとなることもあるでしょう。

普段は患者さまの対応をしており人と関わる仕事をしているという看護師の方でも、副業は在宅ワークでのんびりと自分のペースで働くという場合もあります。

副業をする際は人と話すことなく家でゆっくり仕事ができるため、気分転換になるという方もいるでしょう。

一方、副業で訪問看護師として働くなど、本業と変わらず人と関わる仕事をしているという方もいます。

しかし訪問看護は病院勤務のようにずっと院内で働くわけではなく、利用者さまの居宅へ訪問するため、外に出ることが気分転換になるという方もいます。

本業とは違う環境の職場で副業をすることで、うまくリフレッシュでき、本業での仕事の効率も上がるかもしれません。

収入を増やせる

看護師が副業をする一番の理由は、収入アップが目的ではないでしょうか。

今のままでは満足のいく収入が得られていなかったり、隙間時間を活かしたいなど、理由はさまざまです。

いずれにせよ、収入を増やすために副業を始めるという人が多いと考えられるでしょう。

副業をしてさまざまな経験をしてスキルが身につきますが、最大のメリットは収入源が増えることといえるでしょう。

看護師におすすめの副業8選

職場が副業OKで副業をしようと検討している看護師に向けて、看護師におすすめの副業を5選紹介していきます。

1.介護施設や病院などの夜勤専従看護師

日勤帯ではなく夜勤の副業をしたいという看護師の方には、夜勤専従看護師としての勤務がおすすめです。

3交代の場合、夜勤明けの日に夜勤専従看護師として働き、翌日しっかり休むというように、本業の職場の夜勤明けの日程を利用する方もいます。

日中の時間は確保しておきたい、という方におすすめの夜勤の副業ですが、月間の夜勤の日数が増えることになるため、体調管理には気をつける必要があります。

副業の夜勤の回数が増えて体調不良になり、本業の仕事に迷惑をかけるということがないようにしましょう。

2.ツアーナースや健診センターなど単発の看護師業務

ツアーナースや健診センターなど、数日間や単発の看護師業務をする方もいます。

ツアーナースは、一泊二日や二泊三日のようなサマースクールや修学旅行に、看護師として同行する形の仕事で、日々の救急対応や小児看護などの経験を活かせる現場でもあります。

健診センターは、採血のスキルや心電図などの得意な医療行為があれば、そのスキルを活かすことも案件によっては可能です。

ただツアーナースや健診センターなどの仕事はいつも募集しているわけではありません。

そのためあくまでも、臨時収入的な手段ともいえるでしょう。

3.訪問看護やデイサービス、介護施設などの日中の看護師業務

病棟など医療機関での勤務だけでなく、休みの日に訪問看護やデイサービスなど日中の勤務を副業として行う方もいます。日中の休みがその分減るため、こちらも夜勤の副業と同様に体調管理には十分気をつける必要があるでしょう。

しかし、訪問看護やデイサービス、介護施設などでの看護師業務は、本業でのスキルを活かせる場でもあります。さらに新たなスキルを身に付けたりキャリアチェンジのきっかけになったりする場でもあるため、選択肢としておすすめです。

4.データ入力やブログ執筆、Webライターなど在宅でのPC業務

外に出る仕事は体力的に本業に影響を及ぼさないか心配、という方はデータ入力やブログ執筆、Webライターとして記事執筆など、在宅でのパソコンを使った仕事もおすすめです。

ただし、パソコンスキルがない人は一から学び直さなければなりませんし、資格などの取得のために自己投資をする必要がある方もいるでしょう。

またすぐに高いお金がもらえる仕事ではないケースが多く、成果主義のものがほとんどなため収入が不安定となるリスクもあります。

5.ポイ活やアンケートモニターなどの隙間時間を活用する副業

忙しさからなかなか決まった副業はできないという方でも、アプリなどを利用してポイントをためるポイ活や、アンケートモニターなどをやって、少しずつ隙間時間でお金を稼いでいるという方もいます。

ポイ活やアンケートモニターも大きな金額を稼げるものではありませんが、本業には影響を及ぼしたくないという方や、地道に継続するのが得意という方にはおすすめの副業です。

6.看護学生向けの家庭教師や指導

看護学生向けの家庭教師や指導は、知識を活かして副収入を得る方法です。看護学校での経験や臨床での知識を、これから看護師を目指す学生に伝えられます。

たとえば、解剖生理学や疾患について個別指導をしたり、実習前の対策を教えたりできます。

働く場所によっては、オンラインで対応できるところもあり、自宅でも副業を始められることが魅力の1つです。

自宅でできる副業については下記の記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:看護師が自宅でできる仕事・副業とは?注意点はある? – NsPace Career(ナースペース キャリア) – 訪問看護業界に特化した求人サイト

7.健康相談・オンラインカウンセリング対応

健康相談やオンラインカウンセリングは、看護師の専門性を活かせる副業です。

健康について悩みを抱える方や、心のケアを求める方に対して、オンラインでアドバイスやサポートを提供できます。

たとえば、生活習慣病の予防についての相談に乗ったり、子どもの病気で悩む親の話を聞いたりできます。傾聴力やコミュニケーション能力が求められますが、感謝されることで達成感を得られるでしょう。

8.医療系SNSやYouTubeなどの情報発信

医療系のSNSやYouTubeでの情報発信は、自身の知識や経験を広く共有できる副業です。

具体的には、看護師の仕事のリアルを伝えるYouTubeチャンネルの開設、医療系のイラストをInstagramでの発信ができます。看護師としての専門知識や日々の気づきを、文章や動画で発信することで、多くの人に役立つ情報を提供できるでしょう。

さらに、フォロワーやチャンネル登録者が増えることで、広告収入や企業案件につながる可能性があります。

看護師が副業をする際の注意点

最後に、看護師が副業をする際の注意点を解説します。注意点は下記の3つです。

  • シフトが重複しないように気をつける
  • 体調管理に気をつかう
  • 確定申告をする必要がある

それぞれ詳しくみていきましょう。

シフトが重複しないように気をつける

本業先も副業先も、休暇希望日や勤務希望日を出す必要があるケースがほとんどでしょう。

万が一、シフトが重なってしまいどちらかの勤務先に勤務変更をお願いするというような状況にならないためにも、シフトが重複しないように気をつける必要があります。

自分でスケジュール管理を徹底するようにしましょう。

体調管理に気をつかう

副業をするということは、副業をしていない看護師と比べて休みが少なくなるということです。

多忙な看護師という仕事の体調管理はただでさえ大変なものですが、いっそう体調管理に気をつかう必要があります。

自分は元気だから大丈夫、などと思い込まずに、自分自身が感染症の媒介となるリスクなども考え、体調管理に気をつかうようにしましょう。

確定申告をする必要がある

副業で20万円以上の収入を得た場合、必ず確定申告をしなければなりません。

「確定申告をすると副業がバレてしまう」と確定申告をしたくないと考えている看護師は、脱税となってしまうリスクがあります。

そのため必ず確定申告をする必要があることを知っておきましょう。

また副業の収入が20万円以下であっても、収入を得た分の住民税は納税しなければなりません。

納税について不安がある人は、該当の自治体の税務署に問い合わせてみてください。

本業の就業規則を確認し、副業禁止規定がないか確認する

副業を始める前に、必ず本業の就業規則を確認し、副業禁止規定がないか確認してください。

就業規則に「副業は一切禁止」と書かれているのに副業をした場合、減給や停職の対象となることもあります。

就業規則の内容をしっかり把握し、不明な点があれば、上司や人事担当者などに確認しましょう。

守秘義務を遵守し、患者情報や勤務先の情報を漏らさない

副業をする際は、守秘義務を守って、患者さまや勤務先の情報を漏らさないようにしてください。

たとえ親しい友人や家族であっても、業務で知った情報は話してはいけません。たとえば、SNSで患者さまの治療の情報がわかる投稿をしたり、勤務先の看護師のプライベートな情報を公開したりすることは控えましょう。

これらは、看護師としての信頼を失うだけでなく、法的な責任を問われる可能性もあります。

副業先の業務内容が看護師資格の範囲内であることを確認する

副業先の業務内容が看護師資格の範囲内であることを、事前に確認してください。これは、看護師の業務は法律で決められており、資格がないとできない場合があるからです。

エステサロンで医療行為にあたる施術や、無資格で薬の処方にかかわることはできません。

もし不安な点があれば、保健所や看護師協会などに相談しましょう。

SNSやメディアでの発信時は、職業上の信用リスクに配慮する

SNSやメディアで情報発信をする際は、職業上の信用リスクに配慮してください。その理由は、個人の発言が、看護師の信用を損なうリスクがあるためです。

たとえば、特定の医療行為に対して個人的な見解を断定的に述べたり、根拠のない健康情報を発信したりすると、誤解を招き、社会的な信用を失うかもしれません。

発信する前に「これは看護師としてふさわしい内容か」と一度立ち止まって考える習慣をつけましょう。

副業による収入と時間のバランスを事前に計画する

副業を始める前に、副業による収入と時間のバランスを事前に計画するようにしてください。というのも、無理な計画を立てると、本業やプライベートに支障が出てしまうからです。 たとえば、月に5万円の収入を得たい場合、そのためには週にどのくらい副業に時間を割く必要があるのか、具体的に計算してみましょう。計画を立てることで、効率的に副業を進められます。

看護師の副業は就業規則による!副業OKな場合でも本業に支障が出ないように

今回、看護師は副業ができるのかどうか、副業をするメリットやおすすめの副業、さらに副業をする際の注意点を解説しました。

看護師の副業の可否は就業規則や公務員かどうかによって決まります。心配な方は、まず副業を始める前に職場に確認してみると良いでしょう。

もし副業OKな職場であったとしても、体調を崩したり疲労によって集中力が欠けたりなど、本業に支障が出ないような副業選びをしましょう。

SNSシェア

  • LINEアイコン
  • facebookアイコン
  • Xアイコン
記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連する記事

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像左 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左

NsPaceCareerとは

訪問看護・在宅看護に特化した
求人情報検索・応募のほか、
現役の訪問看護師や在宅経験者への無料相談や、
事業所への事前見学申し込みが可能です。

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像右 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左