“断らずに向き合う訪問看護”を支える若手チームの強み ~あまね訪問看護ステーション 丹後さんにインタビュー~

東京都狛江市にある「あまね訪問看護ステーション」は、精神科訪問看護を中心に、学童期の子どもから高齢者まで幅広い利用者さんを支えている訪問看護ステーションです。今回は、管理者の丹後さんにインタビュー。病院勤務時代に感じた在宅への関心、精神科訪問看護で学んだ“距離感”の大切さ、不登校支援で感じた子どもたちの変化、そして看護師が長く働き続けるための柔軟な働き方についてお話を伺いました。精神科訪問看護に興味がある方はもちろん、「利用者さんの人生に長く関わる看護をしてみたい」と考える看護師さんにも、ぜひ読んでいただきたい内容です。
【※本記事はナスキャリが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はナスキャリが担当しました。】
【精神科訪問看護】年収500万円可/オンコール免除相談可/残業ほぼなし・フレックス制で働きやすい環境
事業所名
雇用形態
給与
就業場所
病院勤務で感じた「家で何が起きているのか」
あまね訪問看護ステーションは、2020年1月に開設された地域密着度の高い事業所です。「原則、依頼を断らない」という姿勢を大切にしながら、地域で必要とされる訪問看護を続けています。
今回お話を伺った丹後さんは、事業所の立ち上げから半年ほど経ったタイミングで入職。現在は現場で利用者さんと関わりながら、管理者として若い世代を中心としたチームづくりにも携わっています。
―まずは、これまでのご経歴について教えてください
「最初は循環器の病院に勤めていました。病院って、やっぱり状態が悪くなった方が来る場所なので、自然と“治療”が中心になりますよね。
もちろん病院で学べることも多かったんですけど、働いているうちに、『この人たちは家でどんな生活をしているんだろう』と気になるようになったんです」
病院勤務を通して、“退院後の生活”へ関心を持つようになったと話す丹後さん。中でも、強く印象に残っている利用者さんがいたそうです。
「循環器の病気って、どうしても入退院を繰り返す方が多いんですよね。その方も何度も入院されていて、自然と親しくなっていきました。
でも、ある時から急に入院してこなくなったんです。
最初は『元気に過ごせているのかな』と思っていたんですけど、しばらくしてまた病院に来られて。その時には認知症の症状がかなり進んでいました。
『受診したくても、自分で判断できなくなっていたんだ』と分かった時に、すごく衝撃を受けたんです」
病院では、どうしても“目の前の状態”を見ることが中心になります。一方で、その方が自宅でどのような生活を送っているのか“背景”までは見えにくい場面もあります。
この経験が在宅に興味を持つきっかけになりました。
病院勤務を経て、施設での経験も積みながら、“やっぱり在宅を見たい”という思いが強くなっていったと、丹後さんは話します。
現在では、看護師キャリア10余年のうち、訪問看護に従事している期間の方が7年と長くなったそうです。
―訪問看護に興味を持ったのは、かなり早い段階だったのですね
「そうですね。たぶん病院で1年目の頃には、もう在宅医療に関わってみたいと思っていました。
ただ、当時は“在宅は難しい領域”というイメージが強くて。新人の状態で飛び込む勇気はなかったんです。だから、まずは施設なども経験して、それから訪問看護に進みました」
精神科訪問看護で学んだ“距離感と線引き”の大切さ
―あまね訪問看護ステーションに入職されたきっかけを教えてください
「もともと運営にも興味があったんです。
前に働いていた訪問看護ステーションの近くに、あまね訪問看護ステーションがあって。ちょうど管理者募集をしていたんです。
それと、狛江市の中では精神科訪問看護に力を入れている事業所だったので、そういった点でも興味を持ちましたね」
精神科訪問看護に関心を持った理由のひとつに、以前の職場での経験があったといいます。
「実は、以前の職場で、精神科の患者さんに対して、スタッフ間で意見が分かれる場面を経験したことがあったんです。 精神疾患を抱える利用者さんへの対応について、考え方に違いが出ることもありました。
精神科訪問看護の経験がないと、利用者さんとの関わり方に悩む場面が本当に多いんですよね」
精神科訪問看護は、一般科の訪問看護とはまた違った難しさがあります。
丹後さんは、その難しさについて、率直にこう話します。
―実際に働いてみて、ギャップはありましたか
「精神科訪問看護って、頑張れば頑張るほど、うまくいくとは限らないんですよね。
内科や外科などの他の診療科だと、看護師が頑張れば、その分だけ利用者さんに貢献できるし、自分に何かしら返ってくる感覚があると思うんです」
精神科訪問看護は、看護師側に『なんとかしてあげたい』『救ってあげたい』という気持ちが強すぎると、逆に利用者さんとの距離が離れてしまうこともあります。
「こちらは良かれと思って関わっていても、利用者さんにとっては負担になったり、齟齬が生じやすくなってしまうこともあるんです。だからこそ、“距離感と線引き”がすごく大事だと学びました」
精神科訪問看護では、利用者さんとの距離感や関わり方に悩む看護師さんも少なくありません。
丹後さん自身も、最初は戸惑うことが多かったと振り返ります。
―精神科訪問看護ならではの難しさを感じる場面も多いですか
「ありますね。精神科って、“何がその人にとっての恩恵なのか、逆に苦痛なのか”が分かりづらいことも多いんです。
こちらが普通に話したつもりでも、利用者さんを傷つけてしまうこともありますし、逆に、何気ない一言が関係づくりのきっかけになることもあります。だから、すごく繊細な領域だと思います」
一方で、精神科訪問看護に携わったからこそ得られた学びもあったそうです。
「心理学的な視点も含めて、人との関わり方を深く考えるようになりました。
精神疾患を抱える利用者さんに限らず、“相手がどう感じるか”を意識しながら関われるようになったのは、大きな学びだったと思います」

不登校支援で見えた子どもたちの変化
あまね訪問看護ステーションでは、学童期の利用者さんへの訪問も行っています。
その中でも、丹後さんが特に多く関わっているのが、不登校の子どもたちです。
―印象に残っている利用者さんとのエピソードを教えてください
「不登校の子どもたちですね。
最近は、昔みたいに“いじめが原因で学校に行けなくなる”という単純なケースだけじゃなくて、その子自身が“生きづらさ”を抱えていることが多いんです。
周囲との違和感があったり、成功体験が少なかったり。学校生活の中で少しずつ自信を失ってしまうこともあります。
でも、子どもたちって、本当によく周りを見て、考えているんですよ。自分が周囲と違うことも分かっているし、『このままでいいのかな』と悩んでいる子も多いんです」
だからこそ、“何かを押しつける”というより、小さなきっかけを一緒につくっていくことを大切にしているそうです。
―具体的には、どんな関わりをされているのでしょうか
「例えば、難しい漢字を読めない場面があった時に、読めるようにならなければいけないのではなく、『漢字が読めると便利かもね』って軽い調子で声をかけることがあります。
すると、次の訪問では自分で調べていたり、少し勉強していたりするんです。
子ども自身が、『やってみようかな』って思える瞬間があるんですよね。
あとは、対人関係の部分もすごく大切だと思っています。
例えば、大人に対して少し強い言い方をしてしまった子に、それはダメという指導ではなく、『ちょっとその言い方は相手が悲しくなるかもしれないね』と伝える。そうすると、『こういう言い方はよくないんだ』と、少しずつ学んでいく子もいます」
中でも、丹後さんの中で強く印象に残っている利用者さんがいるそうです。
その子は長い間、自室から出られず、ご家族とのコミュニケーションもノートを介した筆談のみ。それも「はい」「いいえ」のような短いやり取りが中心だったといいます。
でも訪問看護を開始して、筆談で寄り添ううちに、本人の「プログラミングを勉強してみたい」という意向が見えてきました。
―そこから、どんな変化があったのでしょうか
「最初は、会話のほとんどが、イエス・ノーのクローズドクエスチョンだけだったんです。
でも、プログラミングを一緒に始めるようになってから、少しずつ会話が増えていって。
『これはどうしたらいい?』とか、『こういう意味?』とか、短文でもやり取りが生まれるようになったんです。
ある時、『髪を切りたい』と本人から言ってくれて。ご両親も、『こんなふうに自分から気持ちを話してくれたのが久しぶりだった』とすごく喜ばれていました」
そのエピソードを話す丹後さんの表情からは、子どもたちの小さな変化を大切に見守っていることが伝わってきました。
―利用者さんの“人生を長く看る”という感覚があるんですね
「そうですね。精神科訪問看護って、子ども時代から青年期まで関われる場合があるほど長期的です。
だから、“今だけを見る”というより、その人の人生全体を考えながらゆっくり関わることが多いんです。
不登校の子どもたちも、“今、学校に行けているか”だけじゃなくて、この先をどう生きていくかを一緒に考えていきたいと思っています」
看護師が長く働ける柔軟な働き方
利用者さんと長く関わるためには、スタッフ自身が無理なく働けることも大切です。
あまね訪問看護ステーションでは、柔軟な働き方づくりにも力を入れています。
―現在の働き方について教えてください。
「うちは、できるだけスタッフの疲労をためないようにしたいと思っていて。直行直帰もありますし、フレックス勤務も導入しています。
例えば、10時から訪問なら、その時間に合わせて出勤していただいて大丈夫です。
一般的なフレックスって、勤務時間を後で調整することも多いと思うんですけど、うちはそこまで厳密にはしていません。
それぞれの生活に合わせて働ける方がいいと思っているので。その代わり、みんな必要に応じた動きや、中身の濃い働き方をしてくれています」
訪問看護は、一人で利用者さんのもとへ向かう仕事です。
だからこそ、“一人で抱え込まない仕組み”も大切にしているそうです。
―情報共有はどのようにされていますか?
「コミュニケーション自体は、メッセージや電話などで、互いにまめに取り合っていますね。あと、定期カンファレンスもしています。
週1回勤務のスタッフもいるので、全員が頻繁に集まるのは難しいんですけど、その分、オンラインでしっかり繋がれる関係を心がけています」
在籍しているスタッフは30代が多いそうです。若い世代が中心なこともあり、難しいケースでも新しい視点を手法で前向きに取り組む風潮があるそうです。
―若いスタッフが多いことも特徴なんですね
「そうですね。訪問看護って、インシデントリスクが高く、どうしても保守的になりやすい部分があると思うんです。
でも、若い世代が中心なので、『まずは受けてみよう』と考える力が強く働きます。
そして、利用者さんの状況だけで判断して断るのではなく、“どうすれば関われるか”をみんなで考えるようにしています」
“断らない”という姿勢の裏には、利用者さんだけでなく、療法士やソーシャルワーカー、併設の居宅支援事業所のケアマネージャーなど多職種のスタッフ同士が支え合うチームの存在もありました。

インタビュアーより
取材を通して印象的だったのは、丹後さんが「利用者さんを変えよう」と強く押し出すのではなく、「その人が少しずつ自分で動き出せるきっかけ」をとても大切にされていたことでした。
特に不登校支援のお話では、「学校に行かせる」ことだけを目的にするのではなく、その子自身の将来や人生を長い視点で見つめていることが伝わってきました。
また、精神科訪問看護の難しさについても率直にお話しいただきましたが、その中で「スタッフ自身が疲弊しないことも大切」という考えから、柔軟な働き方を整えている点も印象的でした。
利用者さん一人ひとりと丁寧に向き合いながら、スタッフも長く働き続けられる優しい環境を目指している。そんな温かい空気を感じる取材となりました。
事業所概要
◆事業所名あまね訪問看護ステーション
所在地:東京都狛江市中和泉2-11-1-102
◆事業所名:あまね訪問看護ステーション 府中サテライト
所在地:東京都府中市府中町1丁目44-1 明星レトロアパートメント2 8号室
事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/20685
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【精神科訪問看護】年収500万円可/オンコール免除相談可/残業ほぼなし・フレックス制で働きやすい環境
事業所名
雇用形態
給与
就業場所
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