看護師が取得できるエコー関連の資格3選|超音波検査士の取り方や難易度を解説

「エコーの資格って看護師でも取れるの?」「取得してどんな場面で活かせるの?」
スキルアップを考える看護師の中に、エコー(超音波検査)に関する資格取得を検討している方も多いのではないでしょうか。エコー関連の資格を取得することで、アセスメント能力の向上やキャリアアップへの活用など、看護師としての専門性を高めることができます。
この記事では、看護師が取得できるエコー関連の資格3選やメリット、超音波検査士の難易度などを解説します。自分に合った資格とキャリアの方向性が見えてくるはずです。
看護師でもエコー検査を学べる?資格は必要?
エコー検査への関わり方や資格の必要性は、看護師にとって気になるポイントです。まずは「看護師がエコーをどこまで学べるのか」「資格は必須なのか」という疑問を解消しましょう。
看護師もエコー検査を実施できる
看護師もエコー検査を実施できます。
病院やクリニックでは、心エコーや腹部エコーなどの検査を医師や臨床検査技師がおこなうことが一般的です。しかし、近年は患者さまの状態を評価する目的で看護師がエコーを活用する機会も増えているのが事実です。
日本ポイントオブケア超音波学会は、看護師について「患者に最も近い医療職であり、法的に技師と同列で超音波検査を実施できる」としています。
とくに、訪問看護や在宅医療の現場では看護師によるエコー活用が進んでおり、在宅医療における超音波診断装置の利用はさらに広がると考えられています。
看護師は資格がなくてもエコー関連の業務に携われる場合がある
看護師がエコーを活用するために、必ずしも資格が必要なわけではありません。
実際に、在宅医療連合学会の調査によると、対象者の84%がIVC(下大静脈)観察をおこなっており、100%が膀胱エコーを実施していたと報告されています。
ただし、エコー画像を適切に評価し、アセスメントに活かすには専門知識が欠かせません。専門性を高めたい場合は、超音波検査士といった資格取得を目指すと良いでしょう。
看護師がエコー関連の資格を取得するメリット
エコー関連の資格は、アセスメント能力の向上やキャリアアップにつながる可能性があります。「資格を取る意味があるのか」と迷っている方は、まず取得するメリットを確認してみましょう。
専門知識やアセスメント能力を高められる
エコー関連の資格を取得すると、超音波検査に関する知識が深まり、患者さまの状態をより正確にアセスメントできるようになります。
たとえば、尿閉が疑われる患者さまの膀胱内の尿量をエコーで確認することで、カテーテル挿入の必要性を検討したり、排尿ケアの方針を決めたりする際に役立ちます。実際に、訪問看護の現場では、膀胱エコーは「わかりやすい」「活用頻度が多く慣れる」「残尿評価に有用」といった声もあり、現場での普及が進んでいることも特徴です。
また、集中治療室や救命救急センターといった場でも、医師が実施したエコー検査の結果から情報を読み取れるようになるため、処置やケアに活かせます。実践で活かせるスキルとして身につくことがメリットです。
転職やキャリアアップに活かせる
エコー関連の知識やスキルがある看護師は、専門性の高い人材として評価されやすくなります。また、職場でもエコーを活用できる看護師として役割が広がり、キャリアアップのきっかけになる場合があります。
現在は残尿測定やIVC評価が中心ですが、今後は嚥下機能の観察やがん患者さまの腹水・胸水の確認など、看護師がエコーを活用する範囲はさらに広がっていくと考えられます。
早い段階でエコーの知識とスキルを身につけておくことが、キャリアに役立つでしょう。
関連記事:看護師がスキルアップできる資格一覧25選!プラスの資格を取るメリット
年収アップや好待遇につながる
エコー関連の資格を取得すると、資格手当の支給や専門性が評価されることで待遇向上につながる可能性があります。
ただし、資格取得だけで自動的に年収が上がるわけではありません。職場や雇用条件によって異なるため、資格手当の有無や待遇を確認することが重要です。
訪問看護や在宅診療など活躍の場が広がる
エコー関連の資格を持つことで、これまで経験のなかった職場への転職や異動の可能性が広がります。近年では、訪問看護や在宅医療の現場でも超音波機器の活用が進んでおり、夜勤業務がなく、体力的な負担が比較的少ない職場でも専門スキルを活かして働けるでしょう。
ライフイベントに合わせて働き方を変えたいと考えている看護師にとっても、選択肢が広がることがメリットです。
患者さまへの説明や指導に役立つ
エコー検査の知識を身につけることで、患者さまへの説明が具体的になり、不安の軽減につながります。
「検査ではどのようなことを確認しているのか」「結果が何を意味するのか」をわかりやすく伝えられるようになるため、患者さまからの信頼も得やすくなるでしょう。
看護師におすすめのエコー関連の資格
看護師が取得できるエコー関連の資格はおもに3つあります。
| 資格名 | 認定団体 | 専門分野 | 向いている人 |
| 超音波検査士 | 日本超音波医学会 | 腹部・心臓・血管など領域別 | 幅広い領域でエコーを学びたい人 |
| 心エコー図専門士 | 日本心エコー図学会 | 心臓に特化 | 循環器・救急分野を深めたい人 |
| 血管診療技師 | 血管診療技師認定機構 | 血管疾患全般 | 血管外科・循環器内科で働く人 |
それぞれ受験資格や専門分野が異なるため、自分のキャリアの方向性に合わせて選びましょう。
日本超音波医学会認定「超音波検査士」
| 受験資格 | ・看護師免許を有すること ・3年以上継続して、本会の正会員もしくは準会員、または日本超音波検査学会の正会員であること ・本会認定超音波専門医・指導検査士の推薦が得られること |
| 試験形式 | ・書類審査:超音波検査実績(20症例) ・マークシート方式による筆記試験:「臨床領域」および「医用超音波の基礎」(各35問出題、各解答時間70分) |
| 費用 | 日本超音波医学会の会員2万1,000円/一般社団法人日本超音波検査学会の会員2万3,000円(別途、認定料それぞれ5,000円) |
| 合格率 | 非公表 |
複数領域に対応しており、エコーに関する知識と技術を体系的に証明できます。体表臓器・循環器・消化器・泌尿器・産婦人科・健診・血管の領域にわかれており、1回の試験で1領域のみ受験できます。受験には3年以上の学会所属や症例提出が必要なため、取得までに時間がかかる資格ですが、知名度が高く、看護師におすすめの資格と言えるでしょう。
日本心エコー図学会認定「心エコー図専門士」
| 受験資格 | ・心エコー図検査実務経験(8年以上)を有すること ・専門的心エコー図検査経験を50例以上有すること ・日本心エコー図学会の会員歴が5年以上であること ・日本超音波医学会認定超音波検査士(循環器または血管領域)であること ・日本心エコー図学会学術集会において、一般演題の筆頭演者としての発表経験が1回以上あること |
| 試験形式 | ・一次審査:書類審査 ・二次審査:筆記試験 ・三次審査:面接試験・実技試験 |
| 費用 | 2万円(別途、認定料1万円) |
| 合格率 | 非公表 |
心エコー図専門士は、心臓の超音波検査に特化した資格です。循環器内科や救急外来など、心臓に関わる現場で働く看護師に向いています。
血管診療技師認定機構「血管診療技師」
| 受験資格 | ・看護師として3年以上の実務経験があること ・血管診療技師認定機構構成学会の学会員である医師のもとで十分な血管疾患診療の経験があること ・認定講習会を受講したこと |
| 試験形式 | マークシート式 |
| 費用 | 1万2,000円(別途、講習会受講料1万2,000円、認定料1万2,000円) |
| 合格率 | 非公表 |
血管診療技師は、血管疾患の診療に関わる専門資格です。血管超音波検査をはじめ、血管に関する幅広い知識と技術が求められます。血管外科や循環器内科など血管疾患の領域に特化したキャリアを目指す看護師におすすめです。
看護師が超音波検査士になるには
超音波検査士は看護師が取得できるエコー関連の代表的な資格です。なお、受験には学会所属や症例提出などの条件があります。資格取得までの一般的な流れは以下のとおりです。
- 日本超音波医学会に入会する
- 勤務先でエコー検査の実務経験を積む
- 学会・研修会に参加して知識を深める
- 症例報告書を作成・提出する
- 受験する
- 合格後、認定証を取得する
受験申請までに3年以上、日本超音波医学会の会員であることが求められます。また、症例提出や筆記試験の対策も求められるため、取得を目指す場合は早めに準備を始めると良いでしょう。
看護師がエコー関連の資格を取得するときの注意点
エコー関連の資格の取得にはメリットが多い一方で、知っておくべき注意点もあります。取得を検討する前に確認しておきましょう。
受験資格を満たす必要がある
エコー関連の資格はどれも、受験のために一定の条件を満たす必要があります。
たとえば、超音波検査士では受験申請時に3年以上の学会所属が必要で、一定数の症例提出も求められます。現在の職場でエコー検査に関わる機会がない場合、受験資格を得ること自体が難しくなるでしょう。また、夜勤や残業への対応、患者さまのケアなど通常業務をこなしながら症例をまとめ、受験資格を満たすのは容易ではありません。
思い立ってすぐに受験できる資格ではないため、エコー検査に携われる部署への異動や学習機会がある職場かどうかも確認したうえで、早めに準備を始めると安心です。
資格取得だけで年収が上がるとは限らない
資格手当が支給されるかどうかは、職場の給与規定によって異なります。
資格の価値を活かすには、資格手当が付く職場や専門スキルを評価してくれる環境に身を置くことが重要です。転職を検討する際は、ホームページや求人情報で待遇面を確認したうえで判断しましょう。
看護師でエコー関連の資格がなくても専門スキルを学ぶ方法
エコー関連の資格取得を目指す前に、まず知識を深めたいという方もいるはずです。専門スキルを学べる方法を紹介します。
院内研修
自施設の機器と症例で学べるため、研修後すぐに現場で活かしやすいのが特徴です。
操作をイメージしやすく、症例も自施設の患者さまに沿った内容になるため、日々の業務との結びつきが強く、実践的なスキルとして身につきやすいメリットがあります。資格取得の準備としても有効なため、まずは職場の研修担当者や看護師長に相談してみましょう。
学会やセミナー
日本超音波医学会や日本心エコー図学会などが主催するセミナーや研修会に参加することで、最新の知識や技術を学べます。院内研修とは異なり、他施設の医療者と交流できるため、さまざまな症例や現場の知見に触れられる点が特徴です。
全国で開催されるため、自施設では経験できない領域の学習機会にもなります。資格取得に向けた知識習得にも役立ちます。
オンライン講座
時間や場所を選ばず自分のペースで学習を進められます。近年は、オンラインで受講できる超音波検査の講座も増えており、勤務の合間にスキルアップしたい方におすすめです。
基礎知識の習得や試験対策として活用しやすい一方、実技が伴わないため画像の読み取りや操作感を身につけるには限界があります。オンライン学習で知識を固めつつ、院内研修や学会のハンズオンセミナーと組み合わせることで、効果的にスキルを高められるでしょう。
関連記事:看護師のキャリアアップのためにやるべきこととは?おすすめの資格や転職先、キャリアプランの例を紹介
看護師のエコー関連の資格に関するよくある質問
エコー関連の資格取得を検討する中で、疑問に感じる点も多いはずです。よく寄せられる3つの質問にお答えします。
Q1:看護師はエコー検査ができますか?
看護師もエコー検査を実施できます。ただし、病院やクリニックでは医師や臨床検査技師が担当することが一般的です。
訪問看護や在宅医療では看護師がエコーを活用するケースも増えています。
Q2:看護師がエコーに関する資格を取ると給料は上がりますか?
資格手当の有無は職場によって異なります。年収アップを目指す場合は、資格を評価する職場かどうかも確認しましょう。
Q3:超音波検査士の資格取得の難易度は高いですか?
超音波検査士の難易度は高いと言えます。
合格率は非公表ですが、一定数の症例実績の提出が求められることに加え、試験範囲が腹部・心臓・血管など専門領域にわたるため、幅広い知識が必要です。実務での症例経験と継続的な学習が合否を左右するため、数年単位での計画的な準備を進めましょう。
看護師はエコー関連の資格を取得して専門性を高めよう
エコー関連の資格は、訪問看護や在宅医療、循環器領域などで専門性を高めたい看護師におすすめです。
超音波検査士はエコーに関する知識と技術を証明できる代表的な資格であり、今後のキャリア形成にも活かせる資格と言えるでしょう。
スキルアップや転職を考えているなら、エコー関連の資格が活かせる職場への転職も選択肢の1つです。とくに訪問看護や在宅医療では、利用者さまの状態把握や多職種連携にエコーの知識が活かされます。
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<参考サイト・文献>
第17回日本ポイントオブケア超音波学会学術集会|日本ポイントオブケア超音波学会
我が国の訪問診療での看護師の超音波診断装置の利用状況とその教育に関する文献検討,大阪医科薬科大学看護研究雑誌,第16巻(2026年3月)
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
