看護記録の食事摂取量の書き方とは?そのまま使える記録例5選とNG例を解説

公開日:2026/06/24 更新日:2026/06/24
看護記録の食事摂取量の書き方とは?そのまま使える記録例5選とNG例を解説

「食事摂取量の記録で、『半分くらい食べた』『あまり食べられなかった』と曖昧に記載してしまう」「食欲低下や拒食の理由をどこまで記録すればよいかわからない」と悩んでいませんか。

食事摂取量の記録は、患者さまの栄養状態や回復状況を把握し、適切な治療やケアにつなげるための重要な情報です。記録内容が不十分だと、低栄養や脱水のリスクを見逃したり、多職種との情報共有が不十分になったりする可能性があります。

この記事では、看護記録における食事摂取量の基本的な書き方や記録時のポイント、そのまま参考にできるケース別の記録例、避けるべきNG例を解説します。食事摂取量を客観的かつ正確に記録する方法を身につけ、患者さまの状態を適切に伝えられる看護記録を作成できるようになりましょう。

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看護記録に食事摂取量を書く理由

看護記録に食事摂取量を書く理由は、患者さまの栄養状態を正確に把握し、適切な治療やケアにつなげるためです。

日本看護協会の「看護業務基準2016年改訂版」では、看護記録の目的は「看護実践を証明する」「継続性と一貫性を担保する」「評価および質の向上を図る」と定められており、食事摂取量の記録は、この3つの目的を果たすために重要です。

記録の内容が不十分である場合、低栄養や脱水を引き起こす可能性をアセスメントできず、患者さまに適切なケアができなくなります。正確な記録を残すことは、質の高い看護計画を立てるために不可欠です。

看護記録の書き方を改めて知りたい方は、関連記事で詳しく説明していますのでご覧ください。

関連記事:看護問題の書き方|基本の型や例、よくある間違いまでわかりやすく解説

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看護記録の食事摂取量の基本的な書き方

食事摂取量を記録する際は、誰が読んでも同じ量がイメージできる客観性が求められます。次の基本を押さえましょう。

  • 割合を書く
  • 具体量を書く
  • 食事形態を書く
  • 水分摂取量を書く

これらの項目を数値で具体的に記すことで、スタッフ間での認識のズレを防げます。正確なデータは、適切な栄養管理や治療方針を決定する重要な根拠となります。

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割合を書く

食事摂取量は、全体に対する割合で客観的に記載します。

「主食5/10、副食8/10」のように主食と副食を区別して、10段階評価で記録するのが基本です。割合を数値化することで、食事量の変化を評価できるようになります。

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具体量を書く

食事の提供量に対する具体的なグラム(g)やカロリー(kcal)を記載する場合もあります。

とくに、糖尿病食や腎臓病食などの治療食を摂取している患者さまの場合、厳密な摂取エネルギーや塩分の計算が必要になるためです。「全粥200g中100g摂取」のように元の提供量がわかるように記載すると、管理栄養士や主治医の対応がスムーズになります。

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食事形態を書く

摂取量とセットで、提供した食事の形態(常食・粥食・きざみ食・ペースト食など)を記載します。

食事形態は、患者さまの嚥下機能や咀嚼機能に合っているかを評価する重要な情報です。たとえば「ペースト食、主食3/10。嚥下に時間がかかり、むせがあった」と記録すれば、食事形態の再評価やとろみの追加が必要かどうかを判断する材料になります。

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水分摂取量を書く

食事中のお茶や水の摂取量は、mlの単位で正確に記録します。

高齢者や心不全、腎機能障害のある患者さまにとって、水分量の管理は患者さまの状態管理のうえで大切なデータです。「1日の水分量1000mlまで」「朝200ml、昼300ml、夜200mlまで」など制限が決まっていることもあり、摂取量と排泄量のバランスを見るための重要な指標となります。

「お茶150ml中100ml摂取」のように、提供量と実際に飲んだ量を明らかにすることで、脱水予防や心負荷のモニタリングをする情報源となります。

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質の高い看護記録にするポイント

正確な摂取量を記録するだけでなく、次のケアにつながるアセスメントの視点を加えることで、質の高い看護記録になります。

  • 主観情報(S)と客観情報(O)を区別して書く
  • 看護計画につながるように意識して書く
  • 多職種が看護記録を読む前提で書く

これらのポイントを押さえることで、チームのケアの質が高まり、患者さまへの適切な介入につながります。

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主観情報(S)と客観情報(O)を区別して書く

SOAP形式を意識し、患者さまの訴え(Sデータ)と看護師が観察した事実(Oデータ)をわけましょう。

たとえば、Sデータは「お腹がいっぱい」「少し気分が悪くて食欲がありません」など、Oデータは「主食5/10、副食4/10摂取。腹部膨満感あり。排便3日なし」と記載します。

事実と主観が混ざると、アセスメントがあいまいになり、誤った判断を招く恐れがあるため注意が必要です。

ただし、看護記録の書き方は病院や施設によって異なります。SOAP形式はあくまで一例ですので、自施設に沿った形式で看護記録に記載しましょう。

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看護計画につながるように意識して書く

日々の食事記録が、立案している看護計画の目標達成に向かっているかを意識して書く必要があります。具体的には、「低栄養状態の改善」が目標であれば、食事摂取量だけでなく体重の推移や血液データ(TP:総蛋白、Alb:アルブミンなど)も記録しましょう。

看護計画と連動した看護記録を残すことで、根拠と一貫性のあるケアを提供できます。

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多職種が看護記録を読む前提で書く

看護師だけでなく、医師や管理栄養士、リハビリスタッフなど多職種が理解できる“共通言語”で書く意識が大切です。

専門用語の略語は避け、職種名や処置名はフルネームで記載することが基本です。たとえば「食事中にむせがあり、言語聴覚士による嚥下評価が必要と考える」のように記載しましょう。

食事摂取量はほかの職種にとっても治療方針を決定する重要な共有情報です。チーム医療の連携を視野に入れた記載を心がけることで、スムーズな連携につながります。

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看護記録の食事摂取量の書き方例5選

現場でよく遭遇する5つのケース別に、そのまま使える記録例を紹介します。

  • 正常に摂取できている患者さまの記録例
  • 食欲低下がある患者さまの記録例
  • 嚥下障害がある患者さまの記録例
  • 拒食やムラがある患者さまの記録例
  • 点滴や経管栄養を併用している患者さまの記録例

これらの例文を参考に、患者さまの状態を反映させた記録を残しましょう。具体的な数値とあわせて、客観的な事実を添えることで、質の高い情報共有が可能になります。

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正常に摂取できている患者さまの記録例

記録例
S:「美味しかった」
O:常食、主食10/10、副食10/10、お茶200ml。全量を自力で摂取。

問題なく食事ができている場合は、自立度と摂取した割合を簡潔に記載します。異常がないことを記録することで、ケアプランや食事形態が適切であると評価できます。

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食欲低下がある患者さまの記録例

記録例
S:「吐き気がして食べられない」
O:主食2/10、副食1/10。食事開始5分で箸が止まる。悪心の訴えあり。

食欲が落ちている場合は、残した理由や食事中の様子を具体的に記載することが大切です。残したという事実だけでなく原因を記録することで、栄養補助食品の追加や点滴投与の検討など、アセスメントや今後の対策に役立ちます。

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嚥下障害がある患者さまの記録例

記録例
S:「うまく飲み込めない」
O:きざみ食・とろみつきのお茶。主食5/10、副食2/10。水分摂取時に湿性咳嗽あり。SpO2 96%。頭側挙上60度で一部介助。

飲み込みに問題がある場合は、食事形態やむせ込みの有無、食事をする際の姿勢などの観察項目を詳細に記載します。窒息や誤嚥性肺炎のリスクを評価し、安全に食事を提供するための環境調整や介助方法の工夫が必要になるためです。嚥下の状態を具体的に記録することで、医師や言語聴覚士などと情報を共有でき、チームでの安全なケアの統一が図れます。

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拒食やムラがある患者さまの記録例

記録例
S:「ごはんはいらない」
O:主食0/10、副食1/10。配膳時に拒否あり、スタッフが声かけし、好物の卵焼きのみ一口摂取。

食事にムラがある場合は、患者さまの気分や好み、声かけに対する反応を記載します。認知症や精神疾患などで食事量が安定しない場合、どのようなケアが有効かを探るヒントになるためです。拒食の状況と介入内容を記録することで、次回の食事援助に向けた対応策をチームで共有できます。

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点滴や経管栄養を併用している患者さまの記録例

記録例
S:発語なし
O:介助にてペースト食2/10、水分50ml摂取。経口摂取後に、指示通り胃管から経腸成分栄養剤200mlを注入。嘔気なし。

経口摂取以外の栄養補給がある場合は、それぞれのルートと実施量をわけて記載します。1日の総摂取カロリーや水分量を正しく算出し、経口摂取のみへ移行するタイミングを図るためです。詳細な栄養評価ができるようになるため、患者さまの状態に合ったケアが可能になります。

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看護記録の食事摂取量を書く際のNG例

ここでは、つい書いてしまいがちな「やってはいけないNGな書き方」を3つ挙げ、どこをどのように直すべきかを解説します。

  • あいまいな表現のNG例
  • 情報が不足しているNG例
  • SデータとOデータが混在しているNG例

不適切で読みにくい記録は、スタッフ間での誤解を招き、ケアに支障をきたしたり、医療事故につながったりする恐れがあります。誰が読んでも同じ状況が浮かぶように書くことが、患者さまの状態に合ったケアを提供するために大切です。

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あいまいな表現のNG例

「少し食べた」「たくさん食べた」といったあいまいな表現は避けましょう。看護記録を読むスタッフによって受け取るイメージが異なり、正確な情報共有ができなくなるためです。

  • NG:「お粥を少し残した」
  • OK:「全粥、主食8/10摂取」

誰が見ても同じ量がイメージできるよう、数値や割合で客観的に記載することが記録の基本です。所属する病院や施設に沿って客観的に記録することがポイントです。

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情報が不足しているNG例

食事の摂取量だけを書き、食事形態や援助の有無が抜けている記録は不十分です。どのように食べたかという情報は、患者さまの回復状況の評価に直結します。

  • NG:「主食10/10摂取」
  • OK:「常食、主食10/10、副食10/10。全介助にて約30分で摂取。疲労感なし」

患者さまの状況や背景情報を補足することで、正確にアセスメントできるようになります。

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SデータとOデータが混在しているNG例

患者さまの言葉(Sデータ)と看護師の観察(Oデータ)を混ぜて書くことで、誤った判断を招く恐れがあるため避けましょう。

  • NG:「美味しくないと言って主食を3割しか食べなかった」
  • OK:「S:『美味しくない』、O:主食3/10摂取」

SデータとOデータをわけることで、客観的なアセスメントにつながります。

関連記事:看護アセスメントの書き方!4つの手順と例文でわかりやすく解説

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看護記録の食事摂取量の書き方についてよくある質問

ここでは、現場の看護師から寄せられる看護記録の食事摂取量の書き方についての質問に回答します。

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Q1:全部食べていない場合はどう書きますか?

記録例
S:「気持ち悪くて食事を見たくない」
O:主食0/10、副食0/10。悪心が続くため主治医へ報告。

全く摂取できなかった場合は、「0/10」「摂取なし」などと記載します。

摂取量ゼロという状態は、脱水や低血糖などのリスクが高まっている重要なサインであるため、どのように対応したのか記録することも大切です。

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Q2:間食は記録するべきですか?

記録例
O:主食3/10。家族からの差し入れのプリン1個とバナナ1個を食前に摂取。

提供された食事以外の間食(持ち込みのおやつや果物など)も、可能な限り把握して記録しましょう。間食が原因で食事が食べられなくなったり、カロリー制限を超過したりするケースがあるためです。

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Q3:水分だけ摂取した場合はどう書いたら良いですか?

記録例
O:主食・副食ともに0/10。持参したお茶を50mlのみ自力で摂取。むせ込みなし。

固形物は食べられず水分のみ摂取した場合は、その旨と摂取量(ml)を記載します。水分のみでも摂取できているかどうかで、点滴の必要性や脱水リスクの評価が変わります。

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Q4:施設ごとに記録フォーマットが異なる場合はどうすれば良いですか?

基本的な書き方のルールは守りつつ、所属する施設のフォーマットや運用ルールに従って記載しましょう。施設によって「10段階評価」「パーセンテージ」「グラム表記」など、基準となる単位が決められているためです。

電子カルテのプルダウンで選択する仕様であればそれに従い、特記事項に「むせ込みあり」「悪心あり」などの個別的な観察情報を補足します。施設のルールを守りつつ、必要な観察項目を抜け漏れなく記録することが大切です。

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看護記録で食事摂取量を書くときは「評価+根拠」が重要

食事摂取量の記録は、単なる「食べた量の報告」ではありません。

その背景にある「なぜ食べられたのか」「なぜ食べられなかったのか」というアセスメントが、患者さまの適切なケアには不可欠です。患者さまの命を支える食事の記録を正確に残すことで、質の高いケアを提供しましょう。

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<参考サイト>

看護記録に関する指針|日本看護協会

看護記録に関する教材の例|厚生労働省

誤嚥のリスクが高い患者の食事介助に関わる看護師による観察の視点と教育的課題:テキストマイニングによる看護記録の分析から|国立病院看護研究学会誌,19(1),11-21,2023

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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