【看護師向け】医療保険の訪問看護は何回まで?利用回数の上限と特例を解説

公開日:2026/05/20 更新日:2026/05/20
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訪問看護の利用者さまから「もっと頻繁に来て欲しい」といわれ、どう答えればいいか迷った経験はありませんか。

医療保険の訪問看護は原則週3日までですが、週4日以上、1日複数回の訪問が認められるケースもあります。これらの制度の理解が不十分なままケアを実施すると、保険請求の返戻や算定ミスなど事業所の運営にも影響しかねません。

この記事では、医療保険の訪問看護の回数と上限、特例などをわかりやすく解説します。制度のルールを正しく把握することで、利用者さまに最適なケアプランを提案でき、自信を持って説明できるようになるはずです。

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医療保険と介護保険の訪問看護の回数の違い

訪問看護には、「医療保険」と「介護保険」の2種類がありますが、回数の数え方や優先順位に違いがあります。それぞれを詳しくご紹介します。

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介護保険の場合

介護保険の訪問看護には、医療保険のような週3日までといった回数制限はありません。

たとえば、週5回リハビリテーションを組み込むこともケアプラン上可能ですが、デイサービスやヘルパーなど、ほかの介護サービスとの兼ね合いで調整されます。

ただし、介護保険で給付される金額は要介護度に応じた支給額となっているため、限度額を超えると利用者さまの負担となる点に注意が必要です。

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医療保険が優先されるケース

通常は介護保険が優先されますが、次のような特定の条件に当てはまる場合は医療保険が適用されます。

  • 厚生労働大臣が定める疾患の利用者さま
  • 特別訪問看護指示書が出ている利用者さま

具体的には、介護保険でリハビリテーションをしていた利用者さまが、病状の悪化により「特別訪問看護指示書」が出た場合、医療保険の枠組みで訪問することになります。仮に、要介護の認定を受けている場合でも、介護保険よりも医療保険が優先になるため注意しましょう。

関連記事:訪問看護に医療保険が適用される条件は?介護保険との違いも解説

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医療保険の訪問看護の利用の流れ

医療保険での訪問看護導入にあたり、看護師は利用者さまがスムーズにケアを受けられるように、主治医や関係機関と連携しながら次の手順で手続きを進めます。

  1. 主治医に相談
  2. 訪問看護指示書の依頼と交付
  3. 訪問看護ステーションと契約

看護師は主治医やケアマネジャーと連携し、疾患や状態に応じたケアが受けられるようにする役割を担います。

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1.主治医に相談

訪問看護を開始するには、まず主治医への相談が不可欠です。主治医は利用者さまの病状や医療的なニーズを評価し、訪問看護の必要性を判断します。

看護師は利用者さまの在宅での状況や困りごとをまとめて主治医に伝え、訪問看護の必要性を一緒に検討します。

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2.訪問看護指示書の依頼と交付

主治医が訪問看護の必要性を認めた場合、「訪問看護指示書」が発行されます。この指示書には次の内容が記載され、ケアの根拠となるため十分に確認する必要があります。

  • 訪問回数
  • 具体的な処置内容
  • 「別表第7・第8」の該当の有無
  • 特別訪問看護指示書の該当の有無

指示書の内容によって訪問看護師が介入できる回数やケアの内容などが変わるため、記載内容に漏れや誤りがないか細かくチェックすることが大切です。

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3.訪問看護ステーションと契約

指示書にもとづき、訪問看護ステーションと利用者さま間で契約を結びます。

ここでは、単に書類を交わすだけでなく、1週間の訪問回数や具体的な曜日を決め、実際のサービス提供体制を整えます。看護師は、契約の際に「医療保険の枠組みで何ができるか」を改めて利用者さまやご家族に説明し、信頼関係を築くことが必要です。

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医療保険の訪問看護の回数は原則週3日まで

先述した通り、訪問看護は制度上で利用回数や時間などが定められています。医療保険による訪問看護は、「原則と週3日まで」と決められています。

経過観察やリハビリテーションを目的とした訪問看護などは、週3日という枠組みの中でスケジュールを組むのが一般的です。たとえば、月曜日・水曜日・金曜日のように、間隔を空けて訪問日を設定することになります。

ただし、特定の疾患や状態にある利用者さまに対して、週3日以上の訪問回数が認められています。

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医療保険で訪問看護の回数が週4日以上になるケース

特定の条件を満たす場合に限り、週3日の制限を超える訪問が可能になります。ここでは、具体的なケースをご紹介します。

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厚生労働大臣が定める別表7・別表8の疾病の場合

厚生労働大臣が定める特定の疾患(特掲診療科・別表第7)や、特別な管理が必要な状態(別表第8)に該当する方は、1日1回以上、週4日以上の訪問が認められます。

<厚生労働大臣が定める者(特掲診療科・別表第7)>
末期の悪性腫瘍
多発性硬化症
重症筋無力症
スモン
筋萎縮性側索硬化症
脊髄小脳変性症
ハンチントン病
進行性筋ジストロフィー症
パーキンソン病関連疾患
多系統萎縮症
プリオン病
亜急性硬化性全脳炎
ライソゾーム病
副腎白質ジストロフィー
脊髄性筋萎縮症
球脊髄性筋萎縮症
慢性炎症性脱髄性多発神経炎
後天性免疫不全症候群
頸髄損傷
人工呼吸器を使用している状態
参考:訪問看護(参考資料)|厚生労働省
<厚生労働大臣が定める者(特掲診療料・別表第8)>
1 在宅悪性腫瘍等患者指導管理若しくは在宅気管切開患者
指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者
2 以下のいずれかを受けている状態にある者
在宅自己腹膜灌流指導管理
在宅血液透析指導管理
在宅酸素療法指導管理
在宅中心静脈栄養法指導管理
在宅成分栄養経管栄養法指導管理
在宅自己導尿指導管理
在宅人工呼吸指導管理
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
在宅自己疼痛管理指導管理
在宅肺高血圧症患者指導管理
3 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
4 真皮を超える褥瘡の状態にある者
5 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
参考:訪問看護(参考資料)|厚生労働省

これらのケースに該当する場合は、医療依存度が高く、頻繁な観察や処置が欠かせないため、制度として「原則として週3日まで」という制限が緩和されています。

具体例として、末期がんや進行性筋ジストロフィー症などの利用者さまが挙げられます。これらの利用者さまには、毎日訪問して全身状態を確認したり、褥瘡の処置を複数回行ったりすることが可能です。

対象となる疾患や状態を正確に把握しておくことで、利用者さまやご家族に適切に説明できるようになります。

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特別訪問看護指示書が出た場合

項目通常の訪問看護指示書特別訪問看護指示書
訪問看護の目的病状の観察、リハビリテーション、生活支援頻回な処置、急性期の治療、看取り
訪問回数週3日まで週4日以上可
有効期間最長6ヶ月最長14日間
参考:訪問看護(参考資料)|厚生労働省

主治医が「特別訪問看護指示書」を発行した場合も、発行日から14日間に限り、週4日以上の訪問が可能になります。これは、疾患や状態による恒常的な特例とは異なり、病状の急激な悪化や退院直後など、一時的に集中したケアが必要なタイミングに対応できるようにするものです。

特別訪問看護指示書は原則として月1回の交付ですが、気管カニューレを使用している方や真皮を超える褥瘡がある方に限り、月2回まで交付が認められています。

実際に、気管カニューレからの喀痰吸引、褥瘡の洗浄や軟膏塗布といった処置が必要な際に発行されます。状態変化を予測し、早めに対処したり、治療を行うことで安定した療養生活につながるよう支援します。

関連記事:訪問看護の特別指示書が交付される条件とは?期間や回数のルールも解説

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医療保険の訪問看護で1日2回以上訪問できるケース

医療保険では、前述した「別表第7・第8」の該当者や「特別訪問看護指示書」が出ている場合に、1日2回以上の訪問が可能です。

重症度の高い利用者さまは1日を通して手厚いケアが必要であり、1日1回の訪問だけでは安全な療養生活を送ることができないと判断されるためです。

たとえば、午前中に清拭や褥瘡の処置をおこない、午後には疼痛管理を実施するといったスケジュールを組むことができます。また、ターミナル期で頻繁な喀痰吸引や苦痛緩和が必要な場合にも、複数回の訪問で対応します。

1日複数回の訪問を適切に組み合わせることで、ご本人や家族の不安を解消し、支える力となるでしょう。

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医療保険の訪問看護についてよくある質問

ここでは、医療保険の訪問看護について、よくある質問に回答します。

Q1:医療保険の訪問看護の回数は誰が決めているのですか?

医療保険の訪問看護の回数は、主治医が発行する訪問看護指示書の内容によって決まります。

ただし、利用者さまの症状や様子、ご家族のサポート体制などをアセスメントし訪問看護ステーション側が主治医に「状態が不安定なので訪問回数の相談がしたい」と提案する場合もあります。

なお、医療保険には「原則週3日まで」というルールがあるため、その枠組みの中で最適なケアプランを組み立てることが求められます。

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Q2:医療保険の訪問看護で1日2回訪問できますか?

医療保険の基本ルールでは、1日1回ですが、特定の条件を満たせば1日2回の訪問が可能です。

具体的には、別表第7や別表第8に該当する場合、または特別訪問看護指示書が交付されている方が対象です。これらは集中的なケアが必要な状態とみなされるため、例外的に回数制限が緩和されます。

現場では、午前中に褥瘡処置、午後に点滴管理を行うなど、利用者さまの状態に合わせた柔軟なスケジュール管理が重要になります。

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Q3:指定難病の場合、医療保険の訪問看護の回数は何回になりますか?

「すべての指定難病が毎日訪問できるわけではない」という点に注意が必要です。通常よりも訪問回数が増やせるのは、指定難病の中でも「別表第7」に含まれている疾患のみです。

たとえば、サルコイドーシスやクッシング病、潰瘍性大腸炎などは別表第7に含まれていません。

対象の利用者さまが、厚生労働大臣の定める疾患リストに入っているかを確認することがプラン作成には不可欠です。

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Q4:医療保険で訪問看護を週4日以上実施する場合、料金はどうなりますか?

医療保険での訪問看護を週4日以上実施する場合も、利用者さまの自己負担額は定率負担(収入などにより1~3割)になります。一般的には次のように設定されています。

  • 週3日まで:5,550円/回
  • 週4回目以降:6,550円/回

※訪問看護基本療養費(Ⅰ)

※令和 7年5月改定 医療保険 訪問看護利用料金表(福岡県看護協会)より

実際の自己負担額は、所得による負担割合や加算の有無により異なります。

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Q5:医療保険の訪問看護でリハビリテーションを活用する場合、回数の上限はありますか?

リハビリテーションも訪問看護の一環となるため、原則は週3日までです。そのため、看護師の訪問と組み合わせて回数を調整するなど、事業所内での連携が必要になります。

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医療保険での訪問看護の回数は原則週3日まで!

医療保険の訪問看護は「原則週3日」というルールがありますが、別表第7・第8や特別訪問看護指示書といった特例を知ることで、利用者さまやご家族に適切に説明できるようになります。

これらのルールを正しく運用することは、利用者さまの安全を守るだけでなく、事業所の適切な運営にも直結します。現場で迷ったときは、この記事の別表リストや期間のルールをぜひ見直してみてください。

制度の知識を活かして利用者さまに寄り添えるのが、訪問看護の魅力の1つです。「もっと専門性を高めたい」「制度をしっかり学べる環境で働きたい」と感じているなら、NsPaceCareerで訪問看護の求人を探してみてください。

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<参考サイト・文献>

訪問看護のしくみ|厚生労働省

訪問看護(参考資料)|厚生労働省

指定難病 |厚生労働省

令和7年5月改定医療保険訪問看護利用料金表|福岡県看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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