訪問看護のハラスメント対策とは?セクハラ・暴力対応の実際と安心して働くポイント

公開日:2026/05/13 更新日:2026/05/13
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「訪問看護に興味はあるけれど、利用者さまと2人きりになるのが不安」「もしハラスメントを受けたらどうしよう」と心配している看護師の方はいらっしゃいませんか。

現在は、国や事業所でハラスメント対策が強化されており、看護師が1人で抱え込まない体制づくりが整いつつあります。訪問看護は、利用者さまの生活の場に入るため難しさがありますが、組織として看護師を守る仕組みも構築されています。

この記事では、起こりうるハラスメントの種類や事業所の対策、自分の身を守る方法を解説します。正しい知識を持つことで、訪問看護師として安心して働けるようになるはずです。

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ハラスメントとは?

ハラスメントとは、相手の意に反する言動によって、不快感・不利益を与えたり、尊厳を傷つけたりすることです。たとえ相手に悪気がなかったとしても、受け手が「嫌だ」「怖い」と感じれば、それはハラスメントとして対処すべき問題となります。

なかでも、職場で問題になりやすいハラスメントの1つが「パワーハラスメント(以下、パワハラ)」です。厚生労働省によると、パワハラは、次の3つの要素をすべて満たす場合に該当するとされています。

  • 優越的な関係を背景とした言動
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
  • 労働者の就業環境が害されるもの

ほかにも、訪問看護の現場では、利用者さまやご家族から受ける「セクシュアルハラスメント(以下、セクハラ)」や「暴力・暴言」なども起こる可能性があります。

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訪問看護で起こりうるハラスメントとは?知っておきたい種類

訪問看護の現場では、多くの利用者さまと良好な信頼関係を築いてケアをおこなっています。しかし、残念ながらごく一部のケースにおいて、次のようなハラスメントが発生しているのも事実です。

  • セクハラ
  • 暴言・カスタマーハラスメント
  • 暴力・危険行為
  • 職場内のハラスメント

頻繁に起こることではありませんが、リスクはゼロではないため、事前に種類や特徴を知っておくことが、万が一の際の冷静な対処と自分を守ることにつながります。

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セクハラ

身体への不必要な接触や性的発言が、訪問看護におけるセクハラの事例です。

「胸や手足を触る」「卑猥な言葉をかける」といった行為が代表例です。背景には「看護師だから優しくしてくれる」という誤解や、認知症などの病状の影響により本人の意図とは異なる行動が見られる場合もあります。

ただし、どのような背景があってもセクハラが許容されるものではなく、適切な対応が必要です。看護師が1人で抱え込まず、速やかに管理者へ相談しましょう。

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暴言・カスタマーハラスメント

理不尽な怒鳴り声や侮辱、長時間の拘束が暴言やカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)にあたります。

「お前じゃダメだ、帰れ」「〇〇くらい対応できないのか」など、自分の思い通りにならない苛立ちを看護師にぶつける行為が典型例です。

2026年10月1日からは、改正労働施策総合推進法の施行により、カスタマーハラスメント対策の強化が予定されており、事業主には対応体制の整備が求められます。訪問看護の事業所にも対応が求められるため、個人で抱え込まず、我慢せずに管理者へ報告しましょう。

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暴力・危険行為

叩く・蹴る・物を投げるなど、看護師の身体に危険がおよぶ行為が該当します。

これらは認知症や精神疾患の症状として現れることもありますが、いかなる理由であっても看護師の安全確保が最優先です。発生時には無理に対応を続けず、その場を離れて安全を確保したうえで、速やかに管理者に報告しましょう。

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職場内のハラスメント

先輩からの過度な指導や無視など、いわゆる「いじめ」も職場内のハラスメントに含まれます。

実際に、訪問看護のステーションは少人数の職場が多く、一度人間関係がこじれると関係性が固定されやすく、解決が難しくなるケースもあります。

そのため、入職前の段階で「相談しやすい雰囲気があるか」「チームで支え合う体制があるか」を見極めることが重要です。多くの事業所ではチームワークを重視した環境づくりに力を入れているため、職場選びの段階で見極めることが有効な対策です。

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訪問看護におけるハラスメント対策の基本指針

今の訪問看護では「ハラスメントから看護師を組織として守る」のがスタンダードです。事業所には、訪問看護師を守るための体制の整備が求められています。ここでは、組織の基本的な考え方や現場で運用されているルールを解説します。

  • 訪問前のリスクアセスメント
  • 重要事項説明書でハラスメント禁止を明示
  • セクハラや暴力リスクがあれば複数名の訪問へ切替
  • カスハラ・暴言など改善が見られない場合は契約見直し

「何かあったら個人の責任」という時代ではなく、事業所全体で仕組みをつくり、看護師が安心して働ける環境を整えることが求められています。

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訪問前のリスクアセスメント

ハラスメントは、訪問前の情報収集でリスクを回避できる可能性があります。

新規の利用者さまを受け入れる前に、ケアマネジャーや主治医、利用者さまが活用していたサービス事業所から次のような情報を確認します。

  • ほかの事業所のスタッフへ暴力をふるったことがあるか
  • 病院でセクハラをしたことがないか
  • ご家族が感情的になりやすいトラブルがないか

リスクが高いと判断された場合は、安全確保の観点から関係機関と連携し、受け入れの可否を慎重に判断します。必要に応じて、初回から複数名で訪問するなどの対策を講じます。

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重要事項説明書でハラスメント禁止を明示

「ハラスメントがあればサービスを中止する」ことを、契約前に書面で明らかにしておくこともハラスメント予防には不可欠です。

重要事項説明書や契約書にハラスメント禁止事項・サービス中止条件を明記し、利用者さま・ご家族の同意を得ることで、発生時に対応が取りやすくなります。

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セクハラや暴力リスクがあれば複数名の訪問へ切替

セクハラや暴力などの兆候が見られた時点で、管理者の判断により次回の訪問から2名体制へ切り替えます。

たとえば、「ケアのたびに手を握ろうとする」「大声で怒鳴ることが増えた」といった報告があった段階で切替を検討します。

「1人がケアをしている間、もう1人が記録しながら見守る」体制をとることで、ハラスメントの抑止力を高められます。切替の判断は基本的に管理者がおこなうため、気になる情報があればすぐに共有しましょう。

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カスハラ・暴言など改善が見られない場合は契約見直し

スタッフの安全が確保できないと判断した場合は、関係機関と連携し、代替サービスの調整等を行った上で契約見直しを検討します。

たとえば、「暴言の注意を促したにもかかわらず繰り返された」「2名の訪問に切り替えてもセクハラ行為が続いた」といったケースです。

スタッフの安全を最優先に、契約解除も含めた対応を管理者と連携して進めます。

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訪問看護師ができる具体的なハラスメント対策

組織の仕組みに加えて、訪問看護師が現場でとれる行動があります。「報告する・記録する・伝える・逃げる」の4つが自分を守る基本です。

  • 1人で抱え込まない報告ルール
  • 記録を残す重要性
  • 境界線を明確に伝えるコミュニケーション
  • 万が一、危険を感じたときの対応

基本的な対応から始められますが、継続的な学びも重要です。「おかしいと感じたら報告する」という意識を持つだけで安全は守られます。

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1人で抱え込まない報告ルール

違和感を抱いたら、些細なことでもすぐに管理者へ報告することが、自分と同僚を守る重要なルールです。

「これくらい我慢しなきゃ」「私の対応が悪かったのかな」と自分を責める必要はありません。「ちょっと嫌な感じがした」という段階で共有することが、大きなトラブルを防ぐ鍵になります。

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記録を残す重要性

ハラスメントが発生したら、まず記録することが、その後の対応を左右する鍵となります。

発生した場所や日時、具体的な利用者さまの言動や行動を詳しく記録に残しましょう。客観的な記録は、事業所が対応策を検討する根拠になるほか、都道府県労働局の雇用環境・均等部や警察へ相談する際の証拠にもなります。

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境界線を明確に伝えるコミュニケーション

不適切な言動や行動に対しては、笑ってごまかさず「それは困ります」「その言葉は不快です」とはっきり伝えることが有効な予防策です。毅然とした態度が「この看護師には通じない」と認識させる抑止力になります。

厚生労働省「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」でも、初期対応が重要であり、不適切な初期対応を取ることで、さらなるハラスメントを誘発する恐れがあるとされています。

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万が一、危険を感じたときの対応

「逃げたら失礼」と考える必要はありません。身の危険を感じたら、すぐに退出して自分の命と安全を守ることが最優先です。

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訪問看護でハラスメントを防ぐ職場の選び方

安心して働ける訪問看護ステーションには、共通した特徴があります。面接・見学の際に次のポイントを確認することで、入職後のミスマッチを防げます。

  • ハラスメント対応マニュアルがあるか
  • 定期カンファレンスがあるか
  • 管理者に相談しやすい雰囲気か
  • 1人訪問する際のサポート体制は整えられているか

これらが整っていない職場は、ハラスメントが起きても1人で抱え込むリスクが高くなるため注意が必要です。

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ハラスメント対応マニュアルがあるか

ハラスメント対策のマニュアルの有無は、組織としての問題意識と準備状況を示す基準になります。

面接で「ハラスメント対策はどのようにされていますか?」と質問してみましょう。明確に答えられる事業所は、対策を実際に運用している可能性が高いといえます。

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定期カンファレンスがあるか

定期的な情報共有の場があることが、ハラスメントの早期対策につながります。

「利用者さまは最近、様子がおかしい」「対応が難しくなってきたと感じる」といった小さな気づきをチームで共有できる環境があれば、ハラスメントをエスカレートさせる前に手を打てます。

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管理者に相談しやすい雰囲気か

「何かあったらすぐ管理者に報告できる」という安心感が、長く働き続けるためには欠かせません。

訪問看護ステーションを見学する際に、スタッフ同士や管理者との距離感を観察してみてください。スタッフが笑顔で話せているか、管理者が親身に聞く姿勢があるかがチェックポイントです。

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1人訪問する際のサポート体制は整えられているか

訪問中に、すぐ連絡がつく体制が整えられているかを確認しましょう。

社用のスマートフォンのほかに、GPS機能付き端末の貸与や緊急通報システムの導入など、サポートが充実している事業所も増えており、こうした設備の有無も安心感に直結します。

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訪問看護のハラスメント対策についてのよくある質問

訪問看護のハラスメント対策についてのよくある不安や疑問にお答えします。職場を選ぶ際の参考にしてみてください。

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Q1:訪問看護はセクハラの事例が多いですか?

現場では、多くの利用者さまは訪問看護師に対して感謝と敬意を持って接してくれますが、一部でセクハラの事例があるのも事実です。

万が一の場合でも、複数名訪問や契約見直しなど、組織として看護師を守る仕組みがあります。

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Q2:怖い利用者宅には行かなければいけませんか?

いいえ、無理に行く必要はありません。

暴力・暴言のリスクがある場合、管理者が判断して担当変更したり、2名体制を取ったりするのが一般的な対応です。訪問看護師に危険な訪問を強制するような事業所は、選ぶべきではありません。

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Q3:訪問看護は新人でも働くことができますか?

はい、大丈夫です。

新人のうちは先輩看護師との同行訪問期間が設けられており、その間に利用者さまとの接し方やリスク管理を学べます。独り立ち後も電話でいつでも相談できる体制があるため、1人で不安を抱え込む必要はありません。

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適切なハラスメント対策と環境を選べば、安心して働ける

訪問看護のハラスメントはゼロではありませんが、事業所では訪問看護師を守る体制が整えられています。

国や事業所が一体となって対策を進めており、「チームで支える・組織で守る」といった看護師を大切にする文化が根づいた職場を選びましょう。

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<参考サイト・文献>

ハラスメントの定義|あかるい職場応援団

令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!|厚生労働省

介護現場におけるハラスメント対策マニュアル|厚生労働省

都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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