准看護師の平均年収相場は?パート・派遣社員の時給も解説

「准看護師の給料について詳しく知りたい!」「准看護師のパートや派遣社員は給料が低いって本当?」
受験に必要な養成期間が比較的短く、働きながら目指している方もいる准看護師。
准看護師は、都道府県から認められた資格であり、医師や看護師の指示に従って患者さんのケアや、診療の補助を担います。
実際に、准看護師で働こうと思っているけど、給与事情が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、准看護師の方の平均年収の相場を解説します。パートや派遣社員の時給についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

准看護師(常勤)の年収相場
准看護師の年収相場は417万1,700円(常勤、従業員数が10人以上の場合)です。
年収の内訳は以下の通りです。
月収 | 29万4,300円 |
賞与(年間) | 64万100円 |
年収の内訳は、月収の12ヶ月分に年間の賞与を加えたものです。夜勤手当や時間外勤務手当、住宅手当などといった各種手当を含んでいます。ここから税金や社会保険料などを引かれた金額が手取りとして入ります。
准看護師の給料は、看護師の年収相場(519万7,000円)と比較すると、約102万円低くなっています。
こういった結果であるため「准看護師は給料が低い」「准看護師の給料は安いから働き続けられない」といわれる理由といえます。准看護師として働こうと意欲を持っていても、低い給与水準であるため、諦める方も少なくないでしょう。
准看護師(常勤)の年代別年収相場
続いて、全世代の平均年収の相場と月収、年間の賞与をみていきましょう。
20代の場合
年代 | 年収 | 月収 | 賞与(年間) |
20~24歳 | 312万1,500円 | 22万9,500円 | 36万7,500円 |
25~29歳 | 349万5,400円 | 25万4,000円 | 44万7,400円 |
20代平均 | 330万8,450円 | 24万1,750円 | 40万7,450円 |
20代准看護師の方の年収相場は、約310万8,350円です。
准看護師の給料は、年功序列の給与体系であり年々給料が上昇する傾向であるため、20~24歳の世代で給料が低くなっています。実際に、20代の方の手取りは16万円程度となることもあるため、准看護師の給料が低いといわれることもあるでしょう。
新卒で就職する方も多く、夏季の賞与が寸志程度もしくは、支給されない場合があるため年収が上がらないといえます。
ただし、給与は所属する病院や施設により大きく異なります。「給料が安いから長くは続けられないかもしれない」「手取りの給料が16万円では生活できない」と不安を感じている方は、転職するのも一手です。
20代の方は求人数も豊富であり、転職しやすいといえます。お金に不安のない働き方を実現しましょう。
30代の場合
年代 | 年収 | 月収 | 賞与(年間) |
30~34歳 | 366万1,600円 | 26万5,300円 | 47万8,000円 |
35~39歳 | 375万6,600円 | 27万2,500円 | 48万6,600円 |
30代平均 | 370万9,100円 | 26万8,900円 | 48万2,300円 |
准看護師の給料は、年々給料が上昇する傾向ですが、30~34歳のところで一旦下がります。
というのも、30~34歳の准看護師の方は、結婚や出産などが影響していると考えられるためです。
実際に、准看護師の男女比は令和2年度において男性7.3%、女性92.7%です。准看護師で働く方は女性が多く、ライフイベントにより仕事を退職したり、産休・育休に入り中断したりせざるを得ないため、30~34歳の世代で給料が下がるといえるでしょう。
40代の場合
年代 | 年収 | 月収 | 賞与(年間) |
40~44歳 | 405万2,500円 | 28万8,500円 | 59万500円 |
45~49歳 | 435万800円 | 30万5,900円 | 68万円 |
40代平均 | 420万1,650円 | 29万7,200円 | 36万9,750円 |
勤続年数が上がっていることが、年収に反映されています。40代になると、管理職として働く方もいて、基本給の上昇にともない賞与や年収が上がりやすくなるでしょう。
一方で、ほかの業種で働きながら資格を取得し、40代で准看護師になる方も少なくありません。
養成期間が比較的短く、さらに全日制だけではなく定時制で授業がおこなわれているところもあるためです。
准看護師の平均年齢は51.5歳であり、年齢が近い方が多いため働きやすいと感じる方は多いのではないでしょうか。
50代の場合
年代 | 年収 | 月収 | 賞与(年間) |
50~54歳 | 412万6,100円 | 29万7,500円 | 65万6,100円 |
55~59歳 | 465万1,500円 | 32万2,400円 | 78万2,700円 |
50代平均 | 438万8,800円 | 30万9,950円 | 71万9,400円 |
准看護師の年収は、50代でピークとなり55~59歳では約465万となります。子どもが成長するためライフイベントが一旦落ち着き、仕事に注力している方も多いです。
50代になると、体力的な心配がある一方で、経験の豊富さから職場では管理職のほかに、若手スタッフの教育を任されている方もいるでしょう。
60代の場合
年代 | 年収 | 月収 | 賞与(年間) |
60~64歳 | 418万4,900円 | 29万4,000円 | 65万6,900円 |
65~69歳 | 405万9,200円 | 28万7,500円 | 60万9,200円 |
60代平均 | 412万2,050円 | 29万750円 | 63万3,050円 |
60代の場合は、50代と比べ年収が下がる傾向にあります。
60歳で定年退職し、再雇用の有期雇用形態に変わるためです。ほかの職業では、再雇用になると20%年収が下がるケースがあります。ただし、准看護師の場合は約3%の減少にとどまっています。
そのため「60代になっても働きたい」と考えている方にとっては、働き続けられる環境を手に入れられるでしょう。
70代の場合
70歳~ | 368万9,800円 | 26万200円 | 56万7,400円 |
70代の場合は、パートや短時間での勤務で働き続ける方が増えます。
看護師・准看護師の有効求人倍率は2.2倍であり、ほかの職業は1.19倍です。つまり、看護業界は、人手不足であるといえます。
70代でも活躍できる病院や施設は多く、なかには80代でも働き続けている准看護師の方もいます。
准看護師(常勤)の地域別年収相場
ここでは、准看護師(常勤)の地域別の年収相場を解説します。
都道府県 | 平均月収 | 平均賞与 | 平均年収 |
北海道 | 28万4,000円 | 66万6,000円 | 407万4,000円 |
青森県 | 25万800円 | 58万5,100円 | 359万4,700円 |
岩手県 | 27万2,700円 | 76万9,900円 | 349万3,900円 |
宮城県 | 30万1,400円 | 78万600円 | 439万7,400円 |
秋田県 | 27万3,600円 | 57万9,200円 | 386万2,400円 |
山形県 | 28万3,300円 | 70万8,400円 | 418万3,600円 |
福島県 | 27万6,400円 | 61万2,800円 | 392万9,600円 |
茨城県 | 31万2,700円 | 53万3,700円 | 428万6,100円 |
栃木県 | 30万2,600円 | 72万9,700円 | 436万900円 |
群馬県 | 29万6,000円 | 76万6,100円 | 431万1,800円 |
埼玉県 | 31万4,500円 | 62万5,600円 | 439万9,600円 |
千葉県 | 29万5,100円 | 61万5,500円 | 415万6,700円 |
東京都 | 39万2,800円 | 60万4,400円 | 531万8,000円 |
神奈川県 | 37万2,100円 | 54万8,500円 | 501万3,700円 |
新潟県 | 29万6,700円 | 51万6,700円 | 407万7,100円 |
富山県 | 28万3,400円 | 69万6,900円 | 409万7,700円 |
石川県 | 32万2,900円 | 67万4,300円 | 454万9,100円 |
福井県 | 29万1,600円 | 79万8,400円 | 429万7,600円 |
山梨県 | 30万5,000円 | 59万6,600円 | 425万6,600円 |
長野県 | 32万3,800円 | 72万8,200円 | 461万3,800円 |
岐阜県 | 31万2,500円 | 65万3,100円 | 440万3,100円 |
静岡県 | 29万5,500円 | 53万7,800円 | 408万3,800円 |
愛知県 | 31万1,300円 | 75万9,000円 | 449万4,600円 |
三重県 | 29万3,300円 | 63万2,100円 | 415万1,700円 |
滋賀県 | 30万9,800円 | 71万9,900円 | 443万7,500円 |
京都府 | 36万1,300円 | 82万4,900円 | 518万900円 |
大阪府 | 30万9,500円 | 63万3,300円 | 377万7,330円 |
兵庫県 | 31万500円 | 64万7,500円 | 437万3,500円 |
奈良県 | 30万500円 | 50万4,200円 | 411万200円 |
和歌山県 | 32万2,100円 | 77万800円 | 462万2,800円 |
鳥取県 | 33万4,400円 | 47万2,400円 | 448万5,200円 |
島根県 | 29万9,500円 | 95万4,500円 | 454万8,500円 |
岡山県 | 28万400円 | 67万7,500円 | 404万2,300円 |
広島県 | 29万4.300円 | 71万3,800円 | 424万5,400円 |
山口県 | 26万9,300円 | 63万5,100円 | 386万6,700円 |
徳島県 | 28万3,400円 | 81万3,800円 | 421万4,600円 |
香川県 | 30万6,800円 | 66万9,600円 | 435万1,200円 |
愛媛県 | 27万3,200円 | 57万9,700円 | 385万8,100円 |
高知県 | 28万8,100円 | 67万4,500円 | 413万1,700円 |
福岡県 | 24万6,600円 | 44万9,400円 | 340万8,600円 |
佐賀県 | 25万4,800円 | 54万5,900円 | 360万3,500円 |
長崎県 | 25万7,800円 | 55万2,800円 | 364万6,400円 |
熊本県 | 25万5,500円 | 69万5,100円 | 375万5,100円 |
大分県 | 25万8,700円 | 61万1,500円 | 371万5,900円 |
宮崎県 | 25万500円 | 56万7,600円 | 357万3,600円 |
鹿児島県 | 26万2,200円 | 50万7,600円 | 365万4,00円 |
沖縄県 | 29万8,400円 | 57万5,800円 | 415万8,800円 |
准看護師の平均年収が高い都道府県は、1位東京都(約531万円)、2位京都府(約518万円)、3位神奈川県(約501万円)です。
一方で、准看護師の平均年収が低い都道府県は、1位福岡県(約340万)、2位岩手県(約349万円)、3位宮崎県(約357万円)です。「給料は都市部で高く、地方で低い」と言われがちで、東京都や大阪府の准看護師の年収が高いとイメージする方も多いでしょう。
最も高い東京都と、最も低い福岡県では、約200万円の違いがあることがわかります。
准看護師の給料は勤務する地域により異なり、この順位は毎年変わる可能性があるため注意してください。
准看護師(常勤)の職場別年収相場
次に、准看護師(常勤)の職場別の年収相場をみていきましょう。
勤務地 | 平均年収 |
病院 | 約420万~480万円 |
訪問看護ステーション | 約310万~350万円 |
診療所・クリニック | 約330万~380万円 |
施設(特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど) | 約370万~430万円 |
美容クリニック | 約400万~470万円 |
一般企業 | 約300万~450万円 |
治験関連の企業 | 約410万~500万円 |
保育関連の施設 | 約300万~340万円 |
准看護師は、病院や施設に限らず、訪問看護ステーションやクリニックをはじめ、美容クリニックや一般企業で働けます。
働く場所によって、年収が大きく変わることが分かります。年収は働き続けていくうえで大切なことです。そのため、准看護師での転職を検討している方は、ホームページや求人サイトを確認し、年収や待遇などを一度調べておきましょう。
准看護師(派遣社員)の時給相場
准看護師(派遣社員)の平均時給は2,048円というデータがあります。
そもそも准看護師の働き方には、常勤や非常勤(パート・アルバイト)、派遣の3種類があります。派遣社員とは、勤務先ではなく派遣会社と雇用契約を結び、給与の支給や社会保険、休暇などの管理をすべて派遣会社が行う働き方です。
登録型派遣や紹介予定派遣、常用派遣などの働き方があり、それぞれ雇用形態が異なります。あなた自身に合った働き方を選びましょう。
准看護師(パート)の時給相場
准看護師(パート)の時給相場は1,433円といったデータがあります。
常勤の働き方と比べ、パートやアルバイトは、勤務時間や日数が少なく、夜勤だけや日勤だけなど働き方が調整しやすいのがメリットです。ただし、社会保険は勤務時間によって入れない恐れもあるため注意が必要です。
そのため「子育てや介護と両立したい」「夜勤なしで准看護師の資格を活かしたい」「平日のみの勤務が良い」といったさまざまな希望を実現しやすいです。常勤の准看護師は、時給換算すると1,236円であるため、時給だけを見るとパートの働き方も魅力的だといえるでしょう。
まとめ
准看護師の方の平均年収は417万1,700万円です。看護師やほかの産業の給料と比較すると低い傾向です。
ただし、准看護師は都道府県から認められた資格であり、患者さんのケアや医師や看護師の補助の業務などを担います。
医療スタッフの一員としてチーム医療に欠かせない存在です。常勤のほかに、パートやアルバイト、派遣など多様な働き方を実現できるため、医療に貢献したい方や子育てや介護中の方は、ぜひ准看護師への転職も検討してみてください。
参考サイト・文献

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。