看護師の業務内容とは?9つの業務内容と1日の仕事の流れを紹介

公開日:2025/03/07 更新日:2025/03/07
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「看護師ってどんな仕事をしているの?」「病院以外の職場ではどんな業務があるの?」

このように、看護師の業務内容について気になっている方も多いのではないでしょうか。

看護師の仕事は、働く職場や診療科によっても業務内容が異なるため、転職を考えている方はどのような内容なのかを把握することが大切です。

この記事では、看護師の方の基本的な業務内容や1日の仕事の流れを紹介します。

看護師の業務内容とは?

看護師の業務は「保健師助産師看護師法(通称:保助看法)」で以下のように定められています。

この法律で「看護師とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう」とされています。

引用:保健師助産師看護師法

看護師の業務は 「患者さまの日常生活のサポート」と「医師の診療補助」 が中心です。

この基本的な役割のもと、看護師の方はさまざまな業務をしています。

看護師の業務内容9つ

看護師の仕事は多岐にわたります。ここでは代表的な9つの業務を紹介します。

  • 日常生活のサポート
  • 医師の診療と処置の介助
  • バイタルサインの測定
  • 薬剤の管理と与薬
  • 医療処置の実施
  • ナースコール対応
  • 入院の対応
  • カルテへの記載
  • ご家族への説明と対応

それぞれくわしくみていきましょう。

日常生活のサポート

看護師の方は、患者さまが快適に過ごせるように、食事や排泄、入浴の介助などをおこないます。

とくに、入院患者さまは病気やケガなどによって自分で動くことが難しいことも多く、生活面で全面的なサポートが必要です。

小さな変化にも気づき、患者さまが安心して過ごせるような気配りが求められます。

医師の診療と処置の介助

診察や処置がスムーズに進むように、医師の指示のもとでサポートします。

具体的には、手術や検査の際には必要な器具を準備したり、患者さまの体位を調整したりします。

また、医師が判断しやすいように患者さまを観察した際の情報を提供することも大切な役割です。

バイタルサインの測定

バイタルサインは、患者さまの健康状態を把握するために重要な指標です。異常があれば、すぐに医師へ報告し、適切な治療につなげることも仕事内容のひとつです。

バイタルサインの測定には、単に数値を記録するだけでなく、患者さまの表情や呼吸の様子なども含めた判断が求められるでしょう。

薬剤の管理と与薬

患者さまが医師の指示どおりに薬を正しく服用できるよう、看護師が準備し、内服のサポートをします。 

看護師の方が管理する薬は、飲み薬だけでなく、注射や点滴の薬なども含まれます。

また、患者さまに服薬のタイミングや副作用について説明し、正しく服用できるような指導も大切な役割のひとつです。

医療処置の実施

医師の指示のもと、点滴や採血、傷の処置などをおこないます。

処置に伴う痛みや不安をできるだけ軽減できるよう、声をかけながら進めることも大切です。

診療科によって実施する医療処置が異なるため、経験を積みながらスキルを高めていく必要があります。

ナースコール対応

患者さまがナースコールで呼び出した際に対応し、ケアをおこないます。

「水を飲みたい」「体の向きを変えたい」といった日常的な要望から「息苦しい」「痛みが強い」といった緊急性の高い訴えまで、さまざまな内容に応じなければなりません。

入院の対応

患者さまが入院する際には、病棟の案内や手続きをサポートします。

入院までの患者さまの病状や生活環境を確認し、適切なケアを提供できるように準備します。

入院中治療や支援の方向性をチームで共有できるよう、看護計画を立てることも入院時の大切な業務です。

カルテへの記載

患者さまの状態や処置の内容をカルテに記録します。医師やほかのスタッフと情報を共有するためにも、正確な記載が求められます。

また、カルテは医療訴訟の際には重要な証拠のひとつです。

症状の変化や、患者さまの訴えへの対応も記録することで、適切なケアにつながるだけでなく、看護師を守ることにもつながるのです。

ご家族への説明と対応

患者さまのご家族へ病状や治療方針について説明します。

とくに入院中や退院後のサポートが必要な場合は、ご家族としっかり連携をとることが大切です。

患者さまの不安を和らげるだけでなく、ご家族にも安心してもらえるよう、丁寧な対応を心がけます。

看護師の1日の仕事の流れ

看護師の方の1日の流れは、勤務形態によって異なります。

  • 日勤看護師
  • 夜勤看護師

ここでは、2交代制の日勤と夜勤それぞれのスケジュールを紹介します。勤務の流れを知り、実際に働いた際のイメージをふくらませましょう。

日勤看護師の場合

日勤は、朝から夕方にかけて勤務するスケジュールです。

時間業務
8:30情報収集、夜勤看護師からの申し送り
9:00病室の巡回、バイタルサイン測定
10:00清潔ケア・排泄ケアなどの看護
12:00昼食と服薬の準備・介助
13:00交代で休憩
14:00病室の巡回・カンファレンス
15:00処置・点滴の管理
16:00看護記録
17:00夜勤看護師への申し送り
17:30業務終了

上記のスケジュール以外にも、緊急入院への対応やナースコールへの対応などをその都度おこないます。

ただし、このスケジュールは病院や施設によって異なるため、あくまでも一例としてください。

夜勤看護師の場合

夜勤は、夕方から翌朝までの勤務です。

時間業務
16:30情報収集、日勤看護師からの申し送り
17:00病室の巡回、バイタルサイン測定
18:00夕食と服薬の準備・介助
19:00口腔ケア処置
20:00交代で休憩
21:00病室の巡回・就寝前の準備・消灯
0:00交代で仮眠休憩・巡回・看護記録
7:00病室の巡回・起床の介助
8:00朝食と服薬の準備・介助
8:30日勤看護師への申し送り・業務終了

夜勤は長時間の勤務になるため、休憩を適切に取りながら働くことが大切です。

ただし、緊急対応や入院患者さまの状況によっては十分な休憩がとれないこともあるかもしれません。

臨機応変に対応できる柔軟性と、長時間の勤務に耐えられる体力が必要とされます。

関連記事:看護師の夜勤時間はどれくらい?夜勤のスケジュールやメリット・デメリット

看護師の業務内容の一覧【診療科目別】

診療科によって、看護師の方の業務内容は異なります。おもな7つの診療科の業務内容は、次のとおりです。

  • 内科系看護師の業務内容
  • 外科系看護師の業務内容
  • 精神科看護師の業務内容
  • 小児科看護師の業務内容
  • 産婦人科看護師の業務内容
  • 眼科看護師の業務内容
  • 皮膚科看護師の業務内容

ひとつずつ詳しく解説します。

内科系看護師の業務内容

内科では、慢性疾患や生活習慣病の患者さまのケアが中心です。病気と付き合いながら生活する患者さまのサポートが求められます。

  • 採血や採尿などの検査
  • 服薬管理と指導
  • 入浴や食事などの日常生活のケア

慢性疾患の患者さまが多く、重症化を防ぐため日々の変化を見逃さないことが大切です。

また、患者さまが適切に薬を服用できるようサポートします。糖尿病や高血圧など、自己管理が必要な疾患では、服薬の重要性の説明も大事な役割です。

外科系看護師の業務内容

外科の看護師の方の業務内容は、手術を受ける患者さまのサポートが中心です。手術の前後にケアをおこない、回復を促します。

  • 手術前の準備と説明
  • 手術後の創傷処置と管理
  • リハビリや日常生活への復帰支援

手術に向けて、検査や処置をおこないます。手術の流れを説明し、患者さまやご家族の不安に寄り添うことも大切です。

手術後は、傷口のケアやドレーン(体液を排出する管)の管理のほかに、傷の回復を促し、社会復帰に向けた支援もおこないます。

精神科看護師の業務内容

精神科では、患者さまの心のケアが中心です。

  • 精神状態の観察
  • 服薬管理と副作用の確認
  • コミュニケーションと作業療法の支援

精神科の薬は、副作用が強く出ることがあるため、患者さまが適切に服薬できているか確認し、副作用があれば医師に報告します。

また、不安や悩みを抱えている患者さまに寄り添うことも大切です。コミュニケーションをとりながら、退院後の生活を見据えて作業療法で生活訓練を支援することもあります。

小児科看護師の業務内容

小児科では、子どもを対象としたケアをおこないます。患者さまだけでなく、保護者への説明やサポートも大切な業務です。

  • 診察や処置の補助
  • 患者さまの心のケア
  • 保護者への説明と指導

子どもは診察や処置を怖がることが多いため、不安を和らげながら対応します。採血や点滴の際には、スムーズにおこなえるよう声かけや事前の説明に工夫が必要です。

また、保護者に対しては発熱時の対応や薬の飲ませ方などの指導をおこなうことが求められます。

産婦人科看護師の業務内容

産科では妊婦さんや新生児のケアをおこない、婦人科では一般病棟と同様のケアをおこないます。

  • 妊婦健診のサポート
  • 分娩時のサポート
  • 母乳指導と育児サポート

妊娠から出産、産後までの過程にいる患者さまを、助産師の方と協力しながらケアします。妊娠・出産・育児と、女性のライフステージに応じたケアが特徴です。

関連記事:産婦人科看護師とは?仕事内容や助産師との違い、求人の探し方を解説

眼科看護師の業務内容

眼科では、目の疾患や視力の低下に悩む患者さまが対象となります。

  • 視力検査や眼圧測定の補助
  • 点眼薬や処方薬の管理
  • 白内障や緑内障などの手術補助

目の病気の治療では、点眼薬が重要な治療のひとつです。そのため、患者さまが適切に点眼できるよう、理解度やADLに合わせた指導方法や点眼方法の工夫が求められます。

皮膚科看護師の業務内容

皮膚科では、アトピー性皮膚炎や湿疹、ニキビなどの病気に対応します。その他褥瘡やレーザー治療、手術の補助も皮膚科看護師の業務です。

  • スキンケア指導
  • 外用薬の塗布や軟膏処置
  • レーザー治療や皮膚手術の補助

皮膚の状態を確認しながら、薬の塗り方や日常のスキンケアを詳しく説明します。

また、美容皮膚科がある病院であればヒアルロン酸注入やイオン導入などの特殊な治療の補助があるのも皮膚科の特徴です。

看護師の業務内容の一覧【職場別】

看護師の業務内容は、働く職場の業務形態によって大きく異なるため、ここでは代表的な職場ごとの業務を紹介します。

  • 病棟看護師の業務内容
  • 外来看護師の業務内容
  • 訪問看護師の業務内容
  • クリニック看護師の業務内容

それぞれの特徴を知り、自分に合った職場を見つけましょう。

病棟看護師の業務内容

病棟看護師の方は、入院患者さまのケアを中心に、次のような業務をおこないます。

  • バイタルサインの測定と観察
  • 点滴・採血・医療処置
  • 日常生活のケア
  • 医師の診療補助と申し送り

長期間の治療やリハビリが必要な患者さまも多く、体調管理だけでなく精神面のサポートやご家族のケアも大切です。

また、夜勤をはじめとした交代勤務があるため、正確に申し送りをおこない情報を共有するチームワークも必要とされます。

外来看護師の業務内容

外来看護師の方は、通院で治療を受ける患者さまに以下のようなケアを実施します。

  • 診察の補助
  • 採血・点滴・検査の対応
  • 処置と患者さまへの指導
  • 救急対応

診察の補助や検査の案内、治療後のフォローが外来看護師の方のおもな業務です。診察中は、患者さまやご家族の不安を和らげる声かけをおこなうことで、診療がスムーズに進むこともあり、細やかな配慮が必要とされます。

また、患者さまが自宅で適切にケアできるよう、治療後の注意点を説明することも看護師の方の役割のひとつです。

関連記事:外来看護師に向いている人の特徴5選!役割ときついとされる理由を解説

訪問看護師の業務内容

訪問看護師の方は、患者さまのご自宅に訪問し、以下のような医療ケアや生活サポートをおこないます。

  • 全身状態の観察と体調管理
  • 医療処置や服薬管理
  • 日常生活のサポート
  • 精神的ケアと看取り支援

在宅療養を希望する人や、退院後のフォローが必要な人の支援が中心です。褥瘡の処置や人工呼吸器の管理などの医療ケアに加え、食事や排泄、入浴の補助をおこなうこともあります。

これらを訪問先で基本的にはひとりでおこない、地域の多職種と連携しながらケアすることが訪問看護師の方の特徴です。

訪問看護について詳しく知りたい方は、下記の記事をぜひ読んでみてください。

関連記事:【完全ガイド】訪問看護師とは?仕事内容と1日の流れを徹底解説

クリニック看護師の業務内容

クリニック看護師の方は、個人医院やクリニックで以下のような業務をおこないます。

  • 診察補助と検査対応
  • 医療処置
  • 患者さまへの説明と対応
  • 事務作業と電話対応

医師の診察をスムーズに進めるために、器具の準備や患者さまの誘導をおこないます。

採血や尿検査、心電図検査の対応も任されることが多く、幅広い業務に対応する必要があるのです。

関連記事:クリニック看護師がつらいと思う理由は?対処法から退職手順まで解説

看護師の仕事のやりがい

看護師は大変な仕事ですが、やりがいも多くあります。患者さまが回復し、元気な姿を見たときは大きな喜びです。

専門知識や技術を身につけながら成長でき、資格取得で活躍の幅も広がります。医師や多職種と連携し、チームで患者さまを支える達成感も大きな魅力です。

また、様々な経験や知識を通して自分自身も成長できることが、やりがいとなるのです。

看護師の業務内容を知って自分に合った職場を見つけよう

看護師の方の仕事は、患者さまのケアや医療サポートが中心です。

診療科や勤務形態、担当の患者さまによって業務内容が異なり、夜勤では体力や対応力も求められます。

職場によって働き方が変わるため、キャリアを考える際は自分に合った環境を選ぶことが大切です。

引用・参考文献

保健師助産師看護師法| e-Gov 法令検索

看護師|職業情報提供サイトjobtag|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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