看護師転職におすすめの転職先や看護師以外の職業を解説!コツを知って成功させよう
看護師の方で転職について悩む方は多いはずです。
というのも、厚生労働省によると看護師の方の58.9%は転職した経験があるとされているためです。
「看護師=病院で働く」イメージを持っている方がいるかもしれません。
近年では、働き方の多様化が進み、病院以外で働く看護師の方が増えているようです。なかには、看護師以外の職業で働く方もいます。
ただし、転職活動をうまく進めなければ転職したことを後悔したり、転職してすぐに退職したりするかもしれません。
そこでこの記事では、看護師の方におすすめの転職先や看護師以外の職業を解説します。転職の成功のコツを押さえて、より良い職場環境で働きましょう。
看護師の経験が活かせる病院以外のおすすめの転職先
まずは、看護師の経験が活かせる病院以外のおすすめの転職先を5つ解説します。
- 訪問看護ステーション
- 美容クリニックの看護師
- 保育園の看護師
- 介護施設
- 一般企業
病院以外の職場を知ることで、看護師としてスキルアップできるだけではなく、充実した働き方を実現できるでしょう。
訪問看護ステーション
病院以外の職場で、看護師の方の経験が活かせる訪問看護ステーションは、とくにおすすめです。
というのも、高齢化に対応するために病院での診療から在宅療養へシフトする施策が進められており、訪問看護師の需要が高まっているためです。
実際に、内閣府の調査によると、高齢化率は29.0%(2023年10月1日時点)です。在宅療養が進められるなかで、訪問看護ステーションの存在が欠かせません。ほかにも、訪問看護ステーションで働くことがおすすめの理由は以下の3つです。
- 利用者さまとじっくり向き合える
- ワークライフバランスを整えやすい
- 季節の移ろいを感じながら働ける
基本的に、看護師1人で利用者さまの自宅でケアをするため、じっくり向き合えます。利用者さまやその家族の方が、生活で困っていることや不安なことを解決するためにかかわれます。
訪問看護の場では、看護師の判断や対応が重要となるため、病院とは違ったやりがいを感じながら働けるでしょう。
また、訪問看護ステーションは、日曜、祝日が休みのところが多いです。夜勤がなく、オンコールで対応している事業所がほとんどであるため、生活リズムが整い、体調管理や予定を立てやすい特徴があります。
子育てや介護をされている方や、スキルアップのために通学する方もいます。
さらに、訪問看護は、各利用者さまのご自宅を、自転車や車などで移動して訪問します。
思いがけず、満開の桜を見ながらお花見気分で訪問するなど、季節の移ろいを感じながらリフレッシュして働くことができることも、訪問看護ステーションがおすすめの理由といえます。
美容クリニックの看護師
美容クリニックも看護師の経験が活かせる転職先のひとつです。美容クリニックの看護師がおすすめの理由は以下の通りです。
- 給与+インセンティブがあり年収の水準が高い
- 夜勤がなく、残業時間は短い
- 交通の便が良いため通勤しやすい
ほかにも、美容の知識を身につけられたり、接客のスキルアップにつながったりします。
美容クリニックは、脱毛やホクロ・シミの除去などの施術をおこなう「美容皮膚科」と豊胸手術や二重整形などの外科的な処置をおこなう「美容外科」の主に2つにわけられます。
いずれの場合でも、看護師の方が担当する業務は、診療の補助や備品・薬剤の管理などであり、病院やほかのクリニックと変わらないでしょう。
ただし、美容皮膚科では、看護師の方がレーザー照射や美容注射をおこなう場合があります。美容クリニックによっては、化粧品の販売やリピーターの獲得などノルマを課す場合もあるでしょう。
また、土日祝日や夜遅くまでの診療をしていることもあり、自費診療のクリニックでは接客マナーをしっかりと行う必要があります。
美容に関心がある方や、高い給与をもらいたい方にとって、美容クリニックはおすすめの転職先です。
保育園の看護師
保育園の看護師も以下3つの理由のため、おすすめの転職先のひとつといえます。
- 子どもと触れ合える
- 医療行為をおこなわない
- 規則的な勤務ができる
とくに、小児科で働いた経験がある方や子育ての経験がある方は、保育園で経験が活かせます。さらに、夜勤がないだけではなく、夏季休暇や年末年始に休暇があるところが多いため、充実したプライベートを過ごせるでしょう。
また、保育園の看護師の方は、子どもたちの体調管理や保育園の衛生管理をはじめ、保護者への保健指導や健康診断・歯科検診の補助をおこないます。ほかにも、アレルギーのある子どもへの対応や保育士のサポートをする場合もあります。
基本的に、保育園に看護師は1人であり孤独となりがちです。さらに、責任が大きく頼れる人がいないため、看護師の経験が浅い方には向かないかもしれません。
介護施設
介護施設の看護師は、以下3つの理由のためおすすめです。
- 身体的な負担が少ない
- 医療処置をする機会が少ない
- 利用者さまとじっくりかかわる
「介護施設で働く=身体的な負担が大きい」といった認識を持つ看護師の方は少なくありません。
ただし、介護施設では、入浴介助やトイレ介助などは介護士が担当することがほとんどです。看護師の方は、バイタルサインを測定し、利用者さまの健康管理の役割を担い、医療処置も病院と比べると少ないです。
もちろん、介護士と看護師が協力して介助をする場合がありますが、病院と比べると、身体的な負担は少ないといえるでしょう。
また、利用者さまの生活拠点となる介護施設では、長期にわたってじっくりとかかわることができます。
一般企業
近年、一般企業で働きたいと考える看護師の方が増えています。
というのも、以下3つのメリットがあるためです。
- 土日祝休みでワークライフバランスがとりやすい
- 医療行為をする機会がほとんどない
- 看護師1~2名体制であり人間関係に悩まされにくい
一般企業の看護師は、医務室や健康管理部門に常駐し、従業員のメンタルヘルスや健康管理、健康診断の補助などを担当します。病院で患者さまへ健康指導をおこなった経験が活かせます。
また、土日祝休みであり、夜勤もないためスケジュールを管理しやすく、ワークライフバランスがとりやすいのが特徴です。大企業や外資系の企業であれば、収入が高く充実した福利厚生もあるため待遇も良いでしょう。
一般的に、看護師の方は、人間関係に悩みストレスを抱える傾向があるといわれます。実際に、厚生労働省の調査によると、看護師の方が退職する理由で4番目に多いのが「人間関係が良くないから」とされています。
一般企業の看護師は1~2名体制であり、ほとんどほかの従業員とかかわる機会がないため、人間関係に悩まされにくいでしょう。
経験が活かせる看護師以外でおすすめの職業
厚生労働省の調査によると、看護業務から離れている方で、看護師以外で働きたいと思う理由は「看護業務から離れていたことによる不安」が最も多く、全体の22.3%を占めます。
再就職する際に、看護師以外の職業に就けると、この不安を軽減できるでしょう。ここでは、看護師の経験が活かせる看護師以外でおすすめの職業5つを解説します。
- 治験コーディネーター(CRC)
- 臨床開発モニター (CRA)
- 医療機器メーカーの営業
- 介護用品の営業
- 市区町村役場の保健師
それぞれの職業を詳しくみていきましょう。
1.治験コーディネーター(CRC)
薬の治験を実施する医療機関で新薬の開発をサポートするのが治験コーディネーターです。
- 被験者への説明
- 相談の対応
- 治験担当の医師への連絡
- 投薬と検査のスケジュール調整
治験コーディネーターは、治験にかかわるコーディネート業務全般を担います。このような業務内容であるため、医療の知識を持っている看護師が向いているのです。
実際に、求人情報で「看護師の有資格者を優遇」と書かれていることもあります。
治験コーディネーターは、デスクワークが中心であり、夜勤がなく身体的な負担が少ないこともメリットといえるでしょう。
2.臨床開発モニター (CRA)
臨床開発モニターは、新薬開発のモニタリングを担う仕事です。
- 医療機関への訪問
- 医療機関への電話連絡
- 症例報告書のチェック
治験が決められた手順に従って正しく進められているのかモニタリングするため、上記の業務をおこないます。治験をおこなう医師や治験コーディネーターが作成した書類もチェックしなければなりません。
看護師の経験を活かせる仕事であり、スキルアップすると年収1,000万円を狙えるでしょう。
臨床開発モニターとして働くと、新薬の開発に貢献できることや土日祝日休めるケースが多いのが魅力です。
3.医療機器メーカーの営業
医療機器メーカーの営業は、自社の医療機器を病院や施設に販売する仕事です。
- 製品の紹介
- 製品のデモンストレーション
- 操作方法の説明
医療従事者に、自社製品を安全に使ってもらうために、アフターフォローする場合もあります。看護師の方は、普段の業務で医療機器を扱うことが多いため、医療機関メーカーでは看護師の経験を活かせます。
ほかにも、医療現場のことを理解しており、医療関係者とのコミュニケーションに慣れていることもメリットのひとつといえるでしょう。
4.介護用品の営業
介護用品の営業は、自社製品を介護施設や介護サービスを利用する個人に販売する仕事です。
- 製品の紹介
- 製品のデモンストレーション
- 操作方法の説明
ときには、看護師の現場での経験を活かし、製品の開発に携わることもあります。たとえば、介護の現場で困っていることやあったら便利だと思うことを製品の開発に反映できるでしょう。
5.市区町村役場の保健師
市区町村役場の保健師は、自治体に所属し、あらゆる世代を対象に健康を守り、病気を予防する仕事です。
- 乳幼児健診・育児相談
- 生活習慣病予防の検診・保健指導
- がん対策
ほかにも、介護予防や認知症予防もおこないます。地域住民や関係機関と連携しながら、公衆衛生の知識を活かして地域の健康づくりを進めます。
市区町村役場の保健師は、公務員となるため、給与水準が高く、福利厚生が充実していることがメリットといえます。
ただし、看護師資格のほかに、「保健師」の資格取得が必要です。
看護師の就職先については以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:看護師の方に人気の就職先ランキングTOP12!これまでの経験が活かせる職場とは?
看護師の転職で後悔しないために!成功のコツ
看護師で転職を希望する方は多いです。
ただし、実際に転職したあとで転職を後悔するケースが少なくありません。転職を後悔しないためには、以下の5つのコツを押さえることが大切です。
- 条件を明確にする
- 情報収集をしっかり行う
- 複数の職場に応募する
- 職場見学をする
- 履歴書・職務経歴書にこだわる
看護師の方が転職するにはさまざまな事情があるかもしれません。こころの病を抱えたり、パワハラをされたりなどの事情でなければ、十分に準備してから転職活動を進めましょう。
看護師の転職で成功するためのポイントについては、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:看護師が転職を成功させるための10のポイントとは?年代別でも解説
看護師の転職で失敗したと感じる理由
看護師の方が転職を失敗したと感じる主な理由は以下の5つです。
- 人間関係が悪かった
- 給与や待遇が悪かった
- 医療や看護の質の低かった
- 実際の現場とイメージと違った
- 転職した理由が明らかでなかった
ほかにも、自身のスキルと職場が合わないと感じたり、面接で聞いていた雇用条件と違ったりなども転職で失敗したと感じる理由です。転職で成功するためには、これら失敗した理由を知っておき転職活動に活かすことが大切です。
関連記事:看護師が転職を後悔する理由7選!後悔しない転職実現のポイントを解説
転職で失敗したくない方は、経験豊富なキャリアアドバイザーからアドバイスがもらえる転職サイトの活用を検討しましょう。
看護師の転職サイトは使わないほうが良いといわれる理由
転職サイトを使うと、さまざまなメリットがあります。
ですが、使わないほうが良いと声があるのも事実です。実際に、使わないほうが良いといわれる理由は以下の通りです。
- 希望に合った求人を紹介されない
- キャリアアドバイザーの専門性が低い
- 連絡がしつこい
転職サイトは無料で使え、たくさんのサービスを受けられます。
ただし、なかには看護師の方に合わない転職サイトもあるかもしれません。その際は、ほかの転職サイトの活用を検討してはいかがでしょうか。
看護師の転職サイト使うべき6つ理由
ここでは、看護師の方が転職活動する際に、転職サイトを使うべき6つの理由を解説します。
- 転職に慣れたキャリアアドバイザーに相談できる
- 転職に役立つ情報を得られる
- 豊富な求人情報から検索できる
- 転職先の内部事情を教えてくれる
- 応募書類を添削してくれる
- 転職先との交渉を代行してくれる
転職サイトをうまく活用し、あなたにとって働きやすい職場を見つけましょう。
転職に慣れたキャリアアドバイザーに相談できる
転職サイトを活用するメリットは、転職に慣れたキャリアアドバイザーに相談できることです。
というのも、転職活動に慣れた看護師の方は少ないためです。先述した資料によると、看護師の方が転職を経験した回数は以下の通りです。
転職回数 | 割合 |
0回 | 39.4% |
1回 | 26.5% |
2回 | 16.0% |
3回 | 9.0% |
4回 | 3.9% |
5回 | 3.5% |
参照元:看護職員就業状況等実態調査結果|厚生労働省をもとに作成(無回答が1.7%)
看護師の方の40%くらいは、転職経験がないことがわかります。
転職サイトのキャリアアドバイザーであれば、何人も転職を支援した実績あるため、看護師の方にあったアドバイスをしてくれるでしょう。
転職に役立つ情報を得られる
転職に役立つ情報が得られることも、転職サイトを活用するメリットといえます。
たとえば、履歴書や職務経歴書の書き方や面接の対策をはじめ、転職活動の進め方などの情報を得られるでしょう。転職サイトのなかには、模擬面接で練習をし、キャリアに関する相談ができたりなどのサポートを受けられます。
勤務しながら転職活動している方や子育て中で忙しい方でも、転職サイトを使うと効率的に転職活動を進められます。
豊富な求人情報から検索できる
転職サイトを使うと、病院だけではなく、訪問看護ステーションやクリニック、介護施設などさまざまな求人情報を検索できます。
そのため、看護師の方に合った条件の求人を選べるでしょう。
たとえば、夜勤がない、休日が多い、残業は少なめなど細かい条件で探せます。ほかにも、外科病棟や外来、救急室、訪問看護などの希望の職場も探しやすいでしょう。
ですが、転職サイトによって特化している職種や地域は異なるため、自分に合った転職サイトを選ぶことが転職の成功には欠かせません。
転職先の内部事情を教えてくれる
転職活動で困ることのひとつは、内部事情がわからないことでしょう。
給与や福利厚生などは病院や施設のホームページでわかりますが、職場の雰囲気や人間関係、看護師の年齢層などは手に入れにくいです。
ただし、内部情報は、転職先で働き続けるためには重要な情報です。
キャリアアドバイザーは、実際に出向いて情報を収集し、ほかの看護師の方から情報を得たりします。さらには、キャリアアドバイザーに相談すると、間に入って求職者の代わりに詳細な情報を直接聞いてくれることもあります。
応募書類を添削してくれる
転職経験が豊富な看護師の方はあまりいないため、応募書類を書き慣れている方は少ないでしょう。
実際に「応募書類はどう書けば良いの?」「採用担当者に選ばれる応募書類にしたい」など、応募書類の書き方に悩みや不安を持った看護師の方は多いでしょう。
そこで、活用したいのが転職サイトの応募書類を添削するサービスです。オンラインでサービスを提供しているところもあるため、忙しい看護師の方でも活用できるでしょう。ただし、すべての転職サイトが添削のサービスを提供しているわけではありません。
応募書類に不安がある看護師の方は、添削サービスのある転職サイトを活用すると良いでしょう。
転職先との交渉を代行してくれる
転職先との交渉を代行してくれることも、転職サイトを使うメリットです。
面接の日程調整をしたり、休日数や配属先を交渉したりできます。勤務しながらの転職活動は大変です。さらに、転職活動は短期間で終わる場合もあれば、良い転職先が見つからず長期化する場合もあります。
そのため、転職先との交渉を代行してもらえると、転職活動の負担を軽減できるでしょう。
ほかに、給与の条件交渉も代行してくれる場合があります。自分では聞きにくいことを確認してくれるため、転職活動におけるストレスも軽くできるかもしれません。
看護師の転職サイトを有効活用して、転職を成功させよう!
看護師の方がほかの施設に転職したり、看護師以外の職業に就いたりすると、現在よりも良い職場環境で働けるかもしれません。
看護師の方の転職は、自分に合った職場を見つけ、充実したキャリアを築くために重要です。ストレスなく働けるきっかけとなるでしょう。
ただし、転職活動の経験が少ない看護師の方が多く、転職したことを後悔したり、失敗したと感じすぐに退職したりする恐れがあります。
転職活動をスムーズに進め、成功させるためには転職サイトの活用が重要です。転職サイトを活用すると、経験豊富なキャリアアドバイザーからアドバイスをもらえ、充実したサービスを活用できます。
もし訪問看護ステーションへの転職を検討している方は、ぜひ「Ns Pace Career」を利用してください。
「Ns Pace Career」は、訪問看護を中心とした地域医療特化型の転職サイトです。
あなたにあった転職先を見つけられ、転職が成功するでしょう。
参考サイト・文献
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。