訪問看護ステーション経営者の年収は?立ち上げ後の収入目安と成功するコツ

公開日:2024/10/07 更新日:2026/10/01
訪問看護ステーション経営者の年収は?立ち上げ後の収入目安と成功するコツ

「訪問看護ステーションを経営すると年収はいくらになるの?」「経営すると本当に儲かるの?」

このように考えている看護師も多いのではないでしょうか。訪問看護ステーションの経営は、利用者数や人員体制、地域性などによって年収が大きく変わります。一方で、開業資金の準備や看護師の採用、資金繰りなど経営者ならではの課題も少なくありません。

この記事では、訪問看護ステーション経営者の年収の目安や収益の仕組み、経営が難しいとされる理由、開業までの流れを解説します。訪問看護ステーションの開業や経営を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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訪問看護ステーション経営者の年収

日本看護協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」では、訪問看護ステーション経営者の平均年収は736万4,685円です。

ただし、この金額はあくまで平均値です。経営者の年収は給与ではなく、訪問看護ステーションの利益から得られるため、利用者数や経費、経営状況によって変わります。

そのため、年収を考える際は平均額だけでなく、どのような要因で利益が変わるのかを理解しておく必要があります。

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訪問看護ステーション経営者の年収が変わる5つの要因

訪問看護ステーション経営者の年収は、事業の利益によって決まります。訪問件数や利用者数の増加によって売上が伸びても、人件費や家賃などの経費が増えれば利益は減少します。ここでは、経営者の年収を左右する要因を見ていきましょう。

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利用者数

利用者数は、訪問看護ステーションの売上を左右する重要な要素です。

訪問件数が増えると、介護報酬や診療報酬による収入が増え、利益の向上につながります。一方で、利用者数が少ないと売上が伸びず、固定費や人件費の負担が大きくなり、年収が伸びにくくなるでしょう。

ただし、利用者数だけを増やせばよいわけではありません。スタッフ数とのバランスを考慮し、無理のない訪問件数を維持することが、安定した経営につながります。

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スタッフ数

スタッフ数や稼働状況も、経営者の年収に影響します。

スタッフが不足すると、新規の利用者さまの受け入れを制限せざるを得ず、売上の機会を逃す可能性があります。反対に、必要以上に採用すると人件費が増え、利益を圧迫する要因になりかねません。

実際に、わかたけ訪問看護ステーションさまは、子育て世代でも働きやすい勤務体制や教育体制を整えることでスタッフの定着につなげ、安定したサービス提供を実現しています。

スタッフが長く働ける環境づくりは、人材確保だけでなく、経営の安定にも重要な取り組みです。

関連記事: 訪問看護のやりがいと成長 行動力が導く働き方~わかたけ訪問看護ステーション 細谷さんにインタビュー~

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加算取得

加算の取得状況も、訪問看護ステーションの収益を左右します。

訪問看護では、サービス内容や体制に応じて、以下のようにさまざまな加算を算定できます。

  • 緊急時訪問看護加算
  • 看護体制強化加算
  • 複数名訪問加算
  • ターミナルケア加算

これらはほんの一例ですが、適切に加算を取得することで売上が増え、利益の向上につながります。ただし、加算を取得するには人員配置や研修受講、記録管理などの要件を満たさなければなりません。制度を理解し、適切に運用することが収益改善のポイントです。

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人件費

人件費は、訪問看護ステーションの経費の中でも大きな割合を占めます。

看護師やリハビリスタッフを採用すれば利用者を受け入れやすくなる一方、人件費が増えすぎると利益が減少します。そのため、スタッフ数と利用者数のバランスを考えながら運営することが大切です。

実際に、LIB訪問看護ステーションさまは、ICTを活用した記録業務の効率化や働きやすい職場づくりに取り組み、生産性の向上とスタッフ満足度の両立を図っています。人件費を単純に削減するのではなく、業務効率を高める工夫も利益を確保するポイントです。

関連記事:訪問看護の働き方と成長環境~LIB(リブ)訪問看護ステーション 上野山さんにインタビュー~

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営業力

訪問看護ステーションを経営するには、営業力も欠かせません。

利用者を安定して確保するには、病院やクリニック、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなどと信頼関係を築き、継続的に紹介を受けられる体制づくりが重要です。

また、紹介を受けるだけでなく、質の高いサービスを提供して地域での信頼を積み重ねることで、新たな紹介につながります。

営業方法について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

関連記事:訪問看護の営業方法とは?営業先・成功のコツ・信頼関係の築き方を解説

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訪問看護ステーション経営者の年収の違い

訪問看護ステーション経営者は、一般の訪問看護師や病院勤務の看護師より平均年収が高い傾向があります。一方で、給与ではなく事業利益が収入となるため、経営状況によって年収が変動しやすい点が違いです。

役職平均年収
訪問看護ステーションの経営者736万4,685円
訪問看護師508万7,248円
看護師(病院)529万9,796円
参考:2024年度 「看護職員の賃金に関する実態調査」 結果|日本看護協会

ここでは、訪問看護師や病院勤務の看護師の年収と比較しながら、その違いを解説します。

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訪問看護師の年収との違い

訪問看護ステーション経営者と訪問看護師では、収入の仕組みが異なります。

訪問看護師は毎月決まった給与や賞与を受け取る一方、経営者の年収は事業の利益によって決まります。そのため、経営が順調であれば訪問看護師より高い年収を目指せますが、利益が減ると、年収が大きく下がることも少なくありません。

訪問看護師の平均年収や給与相場について詳しく知りたい方は、「訪問看護師の年収」の記事をご覧ください。

関連記事:訪問看護師で年収1,000万円稼げる?近づける7つのポイントや稼げる職場

また、訪問看護ステーションの管理者は、管理業務やスタッフ育成などの責任を担うため、一般の訪問看護師より年収が高い傾向があります。しかし、経営者のように事業利益が直接収入へ反映される立場ではありません。

関連記事:訪問看護の管理者の年収は600万円!大変さとやめたいと感じる現状を紹介

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看護師の年収との違い

病院やクリニックで働く看護師は、勤務先の給与体系に応じて年収が決まるため、毎月の収入が比較的安定しています。

一方、訪問看護ステーション経営者は、事業の利益が年収に直結するため、経営が軌道に乗れば看護師より高い年収を得られる可能性がありますが、開業直後は利用者数が少なく、年収が勤務時代を下回ることも珍しくありません。

そのため、「年収アップが目的だから経営する」のではなく、事業計画や資金計画を立てたうえで、長期的な視点で経営を続けることが重要です。

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訪問看護を起業するまでの流れ

訪問看護ステーションを立ち上げて開設するまでのおおよその流れは、以下のとおりです。

 手順注意点
1事業計画書の作成・訪問看護ステーションを開設する方針と目的を決定
・資金調達の方法や収支の計画、職員の配置などを具体化
2法人設立・訪問看護ステーションを開業するためには法人化が必要
・法務局で「商業・法人登記申請」をおこなう
3事務所を契約・訪問看護の事務をおこなう事務所を契約
・事業に支障がない広さ、利用申し込みの受付や相談できるスペースがあることなどが条件
4スタッフの採用・保健師・看護師、または准看護師を常勤換算で2.5人以上配置
・指定申請を出す時点でスタッフ3人以上を採用(自身が看護師として働く場合は2人以上)
5都道府県の指定申請都道府県の申請書および添付書類を提出
・指定申請書
・訪問看護・介護予防訪問看護事業者の指定にかかわる事項
・申請者の登記事項証明書、または条例(法人以外の者が開設する病院・診療所である場合を除く)
・病院の使用許可証・診療所の使用許可証、または届出の写し(病院・診療所で実施する場合)
・スタッフの勤務体制、および勤務形態一覧表
・資格証の写し
・事業所の平面図
・施設の外観および内部の様子がわかる写真など
6設備や備品の準備事務所の運営に必要な設備・備品を調達
・事務机や椅子
・パソコン・タブレット
・プリンター・コピー機
・電話・FAX設備
・感染対策用品など
7事業を開始・指定申請が通り、通知書を受け取った後に開業
・医療機関や地域包括支援センターなどに営業・宣伝して利用者さまを確保

上記はあくまで一例です。提出する書類や条件などは訪問看護ステーションを開業する自治体によって異なるため、市区町村の窓口で確認しましょう。

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ここでは、訪問看護ステーションの経営で年収が伸びないケースを解説します。

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看護師が不足することで人員配置基準を満たせない

看護師を十分に確保できないと、新規利用者の受け入れを制限せざるを得ず、売上が伸びにくくなります。

また、人員配置基準を満たせなければ、事業運営そのものに影響を及ぼす可能性もあります。さらに、少人数で業務を回す状況が続くとスタッフの負担が増え、離職につながる恐れがあります。安定した経営には、採用だけでなく、働きやすい職場づくりによる定着率の向上も重要です。

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ほかの訪問看護ステーションとの競争が激しい

訪問看護を起業する際、ほかの訪問看護ステーションとの競争が激しいことは大きな課題です。

とくに、同じ地域に複数の訪問看護ステーションが存在する場合は、サービス内容や対応可能な領域、料金などで差別化を図る必要があります。

この競争を勝ち抜くためには、特定のニーズに応じたサービスを提供することが効果的です。たとえば、認知症ケアや在宅リハビリテーション、小児科など専門分野に特化したサービスにすることで、特定の利用者さまをターゲットできます。

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うまく資金繰りができない

訪問看護ステーションは、サービス提供から報酬が入金されるまで一定の期間があります。とくに、開業直後は利用者数が少ないと資金繰りが厳しくなりがちです。

また、設備投資や人件費が先行すると、利益が残りにくくなります。余裕を持った運転資金を確保し、助成金や融資制度も活用しながら経営を進めることが大切です。

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多職種や医療機関との連携が難しい

訪問看護では、医師やケアマネジャー、薬剤師、リハビリスタッフなどとの連携が利用者さまの紹介や継続利用につながります。

連携体制が十分でないと新規利用者の紹介につながりにくくなり、売上にも影響する恐れがあります。地域のカンファレンスへの参加や日頃からの情報共有を通じて信頼関係を築くことが、経営の安定と年収アップには重要です。

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訪問看護ステーション経営を始める前に知っておきたいこと

訪問看護ステーションの経営を始めるには、年収や収益性だけでなく、開設に必要な条件や資金について理解しておくことが重要です。

開業自体に特別な資格は必要ありませんが、指定を受けるには人員・設備・運営基準を満たす必要があります。また、管理者には原則として保健師・助産師・看護師の資格が求められるため、要件を満たす人材の確保が必要です。

さらに、開業時には事務所費や人件費、備品購入費などの初期費用が発生します。開設後すぐに利用者を確保できるとは限らないため、運転資金を含めた計画的な準備が大切です。

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訪問看護を開業する際に役立つ助成金

訪問看護を起業するときに、資金調達として活用できる助成金は有効な手段です。助成金は、事業の立ち上げ時の初期費用や設備投資などに充てることができます。代表的な助成金は次のとおりです。

  • 独立行政法人福祉医療機構の融資制度
  • 両立支援等助成金
  • 業務改善助成金
  • IT導入補助金
  • ICT補助金

訪問看護ステーションを起業する際には、さまざまな助成金を活用できる可能性があります。助成金をうまく活用することで起業時のコストを抑え、スムーズに事業をスタートできます。

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訪問看護ステーション経営者の年収に関するよくある質問

訪問看護ステーション経営者の年収に関するよくある質問にQ&Aの形式で回答します。

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訪問看護ステーションの経営者は1,000万円を目指せますか?

訪問看護ステーションの経営者は、事業規模や利用者数、利益率によっては年収1,000万円を目指すことも可能です。

ただし、開業すれば必ず高収入になるとは限りません。安定した収益を確保するには、利用者の獲得やスタッフの採用・定着、適切な経営管理が重要です。

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訪問看護ステーションを開業した直後から高年収は期待できますか?

訪問看護ステーションを開業した直後から高年収を得ることは難しいケースが多いです。

開業初期は事務所費や人件費などの固定費が発生する一方で、利用者数が十分に増えていないこともあります。そのため、売上が安定するまでの期間は運転資金を確保しておくことが重要です。

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訪問看護ステーションの立ち上げで失敗しないようにする方法はありますか?

訪問看護ステーションの立ち上げで失敗を防ぐには、事前に事業計画を明確にすることが重要です。

必要な人員配置や開業資金だけでなく、利用者をどのように獲得するか、スタッフが働き続けられる環境をどう整えるかまで考える必要があります。

また、開業後も収支状況を定期的に確認し、必要に応じて経営方針を見直すことが、安定した運営につながります。

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訪問看護ステーション経営で安定した収益を得るために

訪問看護ステーションの経営で安定した収益を得るには、開業前から十分な準備をおこない、継続的に事業を成長させる仕組みを整えることが大切です。

開業には事業計画の作成や法人設立、スタッフ採用など多くの準備が必要であり、人件費や事務所費、設備費などの初期費用も発生します。また、開業後すぐに利益を確保できるとは限らないため、利用者を安定して確保する営業活動やスタッフが定着する環境づくりが欠かせません。

いきなり開業することに不安がある場合は、まず訪問看護ステーションの管理者として経験を積み、運営や経営の流れを理解することも選択肢の1つです。

訪問看護業界に特化した求人サイトであるナスキャリ(NsPace Career)では、訪問看護ステーション管理者の求人も掲載されているため、将来的な独立に向けた経験を積める職場探しに活用できます。

<参考サイト・文献>

訪問看護|厚生労働省

2024年度 「看護職員の賃金に関する実態調査」 結果|日本看護協会

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準|e-GOV法令検索

指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 ナスキャリナビ編集部

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