精神科訪問看護の報告書とは?書き方と3つの注意点を記入例つきで解説

公開日:2026/08/03 更新日:2026/08/03
精神科訪問看護の報告書とは?書き方と3つの注意点を記入例つきで解説

「精神科訪問看護の報告書は何を書けば良いの?」「記載例を見ながら正しく作成したい」と感じている訪問看護師の方は多いのではないでしょうか。

精神科訪問看護の報告書は主治医への情報共有に欠かせない書類です。精神科特有の記載項目や書き方を正しく理解していないと、算定ミスや情報不足につながるリスクがあるため注意が必要です。

この記事では、精神科訪問看護の報告書の基本的な役割や書き方、作成時の注意点について記入例を提示して解説します。報告書の作成に必要な知識が整理され、自信を持って記載できるようになります。

事業所からスカウトがもらえる

精神科訪問看護の報告書とは?

精神科訪問看護の報告書とは、訪問看護ステーションが利用者さまの状態や提供したケアの内容を主治医に報告するために作成する書類です。訪問看護計画書と同じように、精神科訪問看護において作成が求められます。

  • 主治医に提出する義務がある
  • 月に1回の提出が目安
  • 訪問看護指示書によって報告書の記載内容も異なる                  

それぞれの内容を把握しておくことで、記載ミスや提出漏れを防ぎ、主治医との円滑な情報共有につながります。

事業所からスカウトがもらえる

主治医に提出する義務がある

精神科訪問看護の報告書は、主治医に提出することが義務づけられています。

厚生労働省の通知にもとづき、訪問看護ステーションは訪問看護報告書を作成し、主治医に提出しなければなりません。報告書は主治医が利用者さまの状態を把握し、訪問看護指示書の継続や変更を判断するための重要な根拠です。

提出漏れや記録不備は、指導・監査時の指摘や算定上の問題につながる可能性があるため、作成・提出する体制を整えておく必要があります。

事業所からスカウトがもらえる

月に1回の提出が目安

厚生労働省の通知では、訪問看護報告書は利用者ごとに作成し、主治医との情報共有に活用することとされています。報告書は月ごとの訪問内容や利用者の状態をまとめる様式となっており、実務では毎月作成・提出する運用が一般的です。

ただし、利用者さまの状態が大きく変化した場合や、主治医からの指示があった場合は、速やかに報告することが大切です。

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護指示書によって報告書の記載内容も異なる

精神科訪問看護の報告書は、交付されている訪問看護指示書の内容に応じて、記載する内容が一部異なります。

通常の精神科訪問看護指示書にもとづくサービスを提供している場合は、厚生労働省の「精神科訪問看護報告書(別紙様式4)」を使用することが一般的です。精神科特別訪問看護指示書による訪問を実施した場合は、その訪問内容や実施状況を報告書へ適切に反映する必要があります。

報告書を作成する際は、事前に訪問看護指示書の内容を確認し、指示内容に沿って記載しましょう。

関連記事:精神科訪問看護指示書のチェックポイントは?書ける医師と訪問時の注意点も解説

事業所からスカウトがもらえる

精神科訪問看護の報告書の書き方【記入例つき】

ここでは、厚生労働省の「精神科訪問看護報告書(別紙様式4)」をもとに、各項目の書き方と記入例を解説します。

  1. 氏名、生年月日、要介護認定の状況、住所
  2. 訪問日
  3. 病状の経過
  4. 看護の内容
  5. ご家族との関係
  6. 衛生材料等の使用量および使用状況、種類・量の変更
  7. 情報提供
  8. 特記すべき事項
  9. GAF

各項目の書き方と記入例を順に確認していきましょう。

精神科訪問看護報告書(別紙様式4)のダウンロードはこちら

事業所からスカウトがもらえる

1.氏名、生年月日、要介護認定の状況、住所

<記入例>
氏名:山田 花子 生年月日:昭和40年4月1日
要介護認定の状況:記入なし 住所:東京都〇〇区〇〇1-1-1

利用者さまの基本情報を正確に記載します。氏名や生年月日などの情報は、訪問看護指示書と一致していることを確認しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

2.訪問日

<記入例>
4月3日:○(看護師)
4月10日:◇(作業療法士)

保健師・看護師・准看護師による訪問日は○、作業療法士による訪問日は◇で囲みます。精神科特別訪問看護指示書にもとづく訪問日は△、1日に2回以上訪問した日は◎、長時間精神科訪問看護加算を算定した日は□で囲みます。

事業所からスカウトがもらえる

3.病状の経過

<記入例>
今月の訪問時のバイタルサインは、血圧120~130/60~70mmHg、脈拍60~70回/分、体温36.3~36.6℃で推移した。
幻聴の訴えは週1〜2回程度あったが、「声がしても気にしないようにしている」と話していた。睡眠は22:00~翌6:00までの8時間確保できており、食欲も良好であった。

利用者さまの精神症状や身体症状の変化を客観的に記載します。精神科訪問看護では、幻聴や妄想、睡眠状況など精神症状の経過を詳しく記載することが重要です。ただし、「元気そうだった」といった主観的な表現は避け、観察した事実を記載するように心がけましょう。

事業所からスカウトがもらえる

4.看護の内容

<記入例>
バイタルサインの測定、全身状態の観察、服薬の管理、精神状態の確認

実際に提供したケアや処置の内容を記載します。精神科訪問看護では、服薬管理の確認や精神症状の観察、バイタルサインの管理、生活支援などがおもな内容です。主治医が次の訪問看護指示を検討する際の根拠となります。

事業所からスカウトがもらえる

5.ご家族との関係

<記入例>
同居する母親が毎日の服薬確認を協力して実施している。母親は服薬の目的や症状悪化時の対応について理解しており、必要時には訪問看護師へ相談している。母親より「本人が最近外出するようになって安心した」との発言あり。

ご家族との関係性や介護負担の状況を記載します。精神科訪問看護では、ご家族のサポートが欠かせないため、関係性の変化やご家族の理解度なども報告書に盛り込んでおく必要があります。

事業所からスカウトがもらえる

6.衛生材料等の使用量および使用状況、種類・量の変更

<記入例>
皮膚保護材 10枚/月、固定テープ1本/月、仙骨部褥瘡の処置に使用

褥瘡や創傷の処置などで衛生材料を使用している場合に記入します。精神科訪問看護では衛生材料を使用しないケースもありますが、褥瘡や皮膚トラブルの処置が必要な場合は、使用した材料の種類や量、使用状況を記載しましょう。該当がない場合は、空欄または事業所の運用に従って記載します。

事業所からスカウトがもらえる

7.情報提供

<記入例>
訪問看護情報提供療養費に係る情報提供先:担当のケアマネジャー〇〇
情報提供日:4月25日

ほかの医療機関や介護サービス、関係機関への情報提供の内容を記載します。ケアマネジャーやデイケアスタッフなどとの連携内容も記録に残しておきましょう。

事業所からスカウトがもらえる

8.特記すべき事項

<記入例>
4月25日、「薬を飲むと眠くて仕事に支障が出る」との訴えあり。主治医へ電話で報告し、次回診察時に処方の見直しを検討することとなった。

上記の項目に記載できなかった重要事項を記入します。たとえば、服薬の自己中断が一時的にあった場合や、利用者さまから訴えがあり主治医に連絡した内容などが該当します。

事業所からスカウトがもらえる

9.GAF

<記入例>
GAF評価:61点 判定日:令和8年4月3日

GAF(Global Assessment of Functioning)は、利用者さまの精神症状と社会的機能を総合的に評価するスケールです。月の初日の訪問時に評価し、1〜100点のスコアと判定日を記載します。主治医が治療方針を検討するうえで欠かせない情報であり、記載漏れは書類不備や指導の対象となる可能性があるため注意しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

精神科訪問看護の報告書「病状の経過」と「看護の内容」の記載例

報告書の中でも迷いやすい「病状の経過」と「看護の内容」について、状況別の記載例をまとめました。

  • 病状の変化をきたす恐れがある場合の記載例
  • 正しく薬を飲めていない場合の記載例
  • ふらつきがあり転倒するリスクがある場合の記載例
  • ご家族の介護負担が大きい場合の記載例

それぞれの場面に応じたポイントを確認しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

病状の変化をきたす恐れがある場合の記載例

<症状の経過>
今月中旬より、表情が硬く発語量が減少してきている。「眠れない夜が続いている」との訴えがあり、不眠が3日以上続いている状態。幻聴の訴えが増加しており、「隣人が自分の悪口を言っている」という被害的な内容が出現している。ADLは自立しているが、食事量がやや減少している。
<看護の内容>
バイタルサインの測定、精神状態の確認、主治医へ電話で報告し相談

不眠や幻聴の増加など、急性増悪のサインが見られる場合は、変化の内容と時期を詳しく記入することが重要です。主治医が診察の前倒しや処方変更を判断できる情報を盛り込みましょう。

事業所からスカウトがもらえる

正しく薬を飲めていない場合の記載例

<症状の経過>
今月、薬の残数を確認したところ1週間分(7包)の残薬が確認された。本人に確認すると「飲み忘れることがある」「副作用が心配で飲まない日もあった」との発言あり。精神症状は現時点では変化はみられないが、服薬中断が続いた場合の再燃リスクが懸念される。
<看護の内容>
バイタルサインの測定、服薬管理、精神状態の確認

残薬の確認から服薬状況を把握した場合は、飲み忘れか意図的な中断かなどの理由を区別して記載することが大切です。再燃リスクへの言及も主治医への重要な情報となります。

事業所からスカウトがもらえる

ふらつきがあり転倒するリスクがある場合の記載例

<症状の経過>
今月から歩行時のふらつきが観察されるようになった。本人より「立ち上がるときにめまいがする」との訴えあり。先月から抗精神病薬増量後であり、副作用との関連も考慮しながら経過観察を行った。転倒リスクが高いと考えられ、経過観察を継続した。
<看護の内容>
バイタルサインの測定、ADL状況の確認、服薬管理、ベッド周囲環境の整備

薬の変更後にふらつきが出現した場合は、薬との関連を示す情報を記載することで、主治医が処方調整を検討しやすくなります。環境整備への介入も看護の内容として明記しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

ご家族の介護負担に関する記載例

<症状の経過>
利用者さまの精神症状は安定しているが、夜間に「眠れない」と母親を何度も起こすことが続いている。母親から「自分が倒れそう」と発言があり、介護負担の増大がうかがわれた。
<看護の内容>
服薬管理、母親の体調や気持ちの確認、レスパイトケアの活用を提案

利用者さまの症状が安定していても、ご家族の疲弊は在宅継続を左右する重要な情報です。ご家族の発言を記載しながら介護負担の状況を記載し、支援の必要性を主治医に伝えましょう。

事業所からスカウトがもらえる

精神科訪問看護の報告書を作成する際の3つの注意点

報告書の作成は義務であるだけでなく、利用者さまへの適切なケアを継続するための重要な業務です。

  • 2年間は保存しておく必要がある
  • 主観的な表現は記載しない
  • 医師が判断・指示できるように十分な情報量にする

作成時のルールを把握しておくことで修正の手間を省くことができ、スムーズな業務運営につながります。

事業所からスカウトがもらえる

2年間は保存しておく必要がある

厚生労働省の通知にもとづき、訪問看護ステーションには精神科訪問看護の報告書を含む記録の2年間保存が義務づけられています。

保存期間内に指導や監査が入った場合、報告書の提出を求められることがあります。適切に管理されていない場合は指導対象となることがあるため、事業所で管理ルールを決めておくことが重要です。法令や通知、保険制度、事業所の運用に従って保存してください。

事業所からスカウトがもらえる

主観的な表現は記載しない

報告書はあくまで客観的な事実を記載する書類であるため、訪問看護師の主観的な表現は避け、観察した内容を記入しましょう。

たとえば、「元気そうだった」「落ち着いていた」という表現は好ましくありません。「表情は穏やかで、会話のまとまりも良好であった」「幻聴の訴えはなく、落ち着いた様子で過ごしていた」というように、観察した事実を残してください。

本人の発言を引用する(「〜との発言あり」)、行動の変化を具体的に記述する(「外出頻度が週3回から週1回に減少した」)といった書き方が有効です。

事業所からスカウトがもらえる

医師が判断・指示できるように十分な情報量にする

報告書は主治医が治療方針を判断するための材料です。とくに、精神科訪問看護では、次の情報を漏らさず記載することが重要です。

  • 精神症状の変化(幻聴・妄想・気分の波・不安・意欲・睡眠・食欲)
  • 服薬の状況(飲めているか・副作用の訴えがあるか)
  • 日常生活動作の変化(外出・整容・食事など)
  • ご家族との関係性や状況
  • サービスとの連携状況

必要な情報を漏れなく記載する一方で、情報を並べるだけでは主治医に要点が伝わりにくくなります。「いつから、どのような変化があり、どのように対応したか」を具体的に記載し、今後の判断に必要な情報がひと目で分かるようにまとめましょう。

事業所からスカウトがもらえる

精神科訪問看護の報告書に関するよくある質問

精神科訪問看護の報告書に関してよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

事業所からスカウトがもらえる

Q1:報告書の内容は毎回同じで良いですか?

毎回同じ内容の記載は避けましょう。

報告書は当月の利用者さまの状態変化や提供したケアの内容を記録するものです。精神症状が安定している時期であっても、服薬状況や生活リズム、ご家族との関係は訪問ごとに確認し、反映した内容を記入することが求められます。

同じ内容での報告書を提出し続けると、実際に訪問してケアを提供しているかどうかが疑われる可能性もあります。訪問で観察した事実を丁寧に記録しておくことが大切です。

事業所からスカウトがもらえる

Q2:訪問看護計画書と報告書の違いは何ですか?

計画書は「これからのケアの方針」、報告書は「実際に提供したケアと利用者さまの状態」を記録するものです。

計画書は利用者さまやご家族も読む書類のため、わかりやすい言葉を使い、ご本人の強みや話し合って決めた目標を記入することが基本です。

一方、報告書は主治医に提出する書類のため、客観的な評価や具体的な精神症状(「外出時に幻聴が強くなる」「交友関係のトラブルにより自傷行為が増えた」など)を記録に残す必要があります。

関連記事:訪問看護計画書の書き方とポイントを例文付きで解説!

事業所からスカウトがもらえる

Q3:作業療法士が訪問した場合でも訪問看護師が報告書を記載しますか?

作業療法士が訪問した場合も、訪問看護報告書は訪問看護師が中心となって作成することが一般的です。

ただし、事業所の運用方針や都道府県の指導によって異なる場合があるため、管理者に確認しておくことが重要です。

作業療法士が訪問した際の内容(リハビリの内容・利用者さまの反応・ADLの変化など)は、作業療法士から情報収集したうえで反映させる必要があります。また、「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護の詳細」にも記載するため、内容に相違がないよう事業所内で情報共有の仕組みを整えておきましょう。

事業所からスカウトがもらえる

精神科訪問看護の報告書は伝わるようにすることが重要

精神科訪問看護の報告書は、主治医との情報共有を通じて利用者さまの治療とケアをつなぐ重要な書類です。「主治医に状態が正確に伝わるか」「次の指示判断に必要な情報が揃っているか」を意識して記載することが、質の高い報告書につながります。

GAFスコアの記載漏れや主観的な表現、情報不足は算定や治療判断に影響することがあるため、記載例や注意点を参考に、伝わる報告書の作成に取り組んでみてください。

日頃から記録を丁寧に残しておくことで、報告書の作成もスムーズになります。

報告書の書き方を含む精神科訪問看護の教育体制が整った職場で働きたい方は、訪問看護に特化した求人サイトナスキャリ(NsPace Career)をぜひご活用ください。職場の教育体制や精神科への対応状況など、情報を確認しながら自分に合った職場を探せます。

<参考サイト・文献>

○指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について|厚生労働省

訪問看護計画書等の記載要領等について|厚生労働省

GAF(機能の全体的評定)尺度|厚生労働省

看護記録に関する現行法令上の規定(抜粋)|厚生労働省

理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護の詳細|全国訪問看護事業協会

SNSシェア

  • LINEアイコン
  • facebookアイコン
  • Xアイコン
記事投稿者プロフィール画像 ナスキャリナビ 編集部

「ナスキャリナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「ナスキャリ」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連する記事

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像左 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左

ナスキャリとは

訪問看護・在宅看護に特化した
求人情報検索・応募のほか、
現役の訪問看護師や在宅経験者への無料相談や、
事業所への事前見学申し込みが可能です。

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像右 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左