退院支援計画書とは?書き方や記入例、作成の流れをわかりやすく解説

公開日:2026/09/25 更新日:2026/09/25
退院支援計画書とは?書き方や記入例、作成の流れをわかりやすく解説

「退院支援計画書に何を書けばいいか分からない」「作成を任されたけれど、どう作成すると相手に伝わるのか自信がない」

このような悩みを抱えている看護師の方はいらっしゃいませんか。

この記事では、記載項目や書き方のポイントについて、記入例を交えながら解説します。多職種に伝わる退院支援計画書を作成できるようにしましょう。

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退院支援計画書とは

退院支援計画書とは、退院に向けた支援内容を患者さま・ご家族・多職種で共有するための書類です。算定要件や対象者、混同されやすい退院サマリー・退院調整との違いを整理します。

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退院支援計画書の算定要件と対象者

入退院支援加算1・2の算定要件として、退院支援計画の作成に着手することが求められています。

入退院支援加算では、入院早期に患者さまの状況を把握し、退院支援を進めます。作成の目的は、患者さまが退院後も安心して生活できるよう、支援内容を患者さま・ご家族・多職種の間で共有し、同じ目標を持って関われるようにすることです。

 入退院支援加算1と2は、どちらも退院困難な要因を有する患者さまに対して、早期から退院支援を行った場合に算定されるものです。一方で、主に施設基準や支援体制、患者さま・ご家族との話し合いの要件などに違いがあります。

入退院支援加算1は、入退院支援部門を設置し、病棟ごとに専任の看護師や社会福祉士などを配置するなど、より手厚い退院支援体制が求められます。また、入院後早期に患者さまやご家族と話し合いを行い、退院後の生活を見据えた支援を進めます。

入退院支援加算2は、加算1とは施設基準や人員配置の要件が異なります。ただし、退院困難な要因を有する患者さまを抽出し、他職種と連携しながら退院支援計画を作成するという基本的な考え方は共通しています。

そのため、退院支援計画書を作成する際は、「加算1と2で書類の書き方が大きく変わる」というよりも、自施設がどちらの加算を届け出ているのかを確認し、それぞれの算定要件に沿って支援を進めることが大切です。

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退院支援計画書が必要となるケース

入退院支援加算の算定要件では、退院困難な要因として以下の項目が示されています。

ア.悪性腫瘍、認知症又は誤嚥性肺炎等の急性呼吸器感染症のいずれかであること
イ.緊急入院であること
ウ.要介護状態であるとの疑いがあるが要介護認定が未申請であること若しくは 要支援状態であるとの疑いがあるが要支援認定が未申請であることと又は現に 認定を受けていている要介護状態区分若しくは要支援状態区分以外の区分に該 当する疑いがあるが変更の申請がされていないこと(介護保険法施行令第2条 各号に規定する特定疾病を有する40歳以上65歳未満の者及び65歳以上の者に限る。)
エ.コミュニケーションに特別な技術が必要な障害を有する者
オ.強度行動障害の状態の者
カ.家族又は同居者から虐待を受けている又はその疑いがあること
キ.生活困窮者であること
ク.入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要であること(必要と推測されること。)
ケ.排泄に介助を要すること
コ.同居者の有無に関わらず、必要な養育又は介護を十分に提供できる状況にないこと
サ.退院後に医療処置(胃瘻等の経管栄養法を含む。)が必要なこと
シ.入退院を繰り返していること
ス.入院治療を行っても長期的な低栄養状態となることが見込まれること セ.家族に対する介助や介護等を日常的に行っている児童等であること
ソ.児童等の家族から、介助や介護等を日常的に受けていること
タ.患者の意思決定支援及び退院後の生活に向けた調整を行うに当たって、家族及び親族との連絡が困難であること
チ.その他患者の状況から判断してアからソまでに準ずると認められる場合
引用:令和8年度診療報酬改定6.入院(共通事項)

厚生労働省の様式(別紙様式6など)があり、項目に沿って作成することで必要な情報を漏れなく記載できます。

関連記事:退院支援とは?看護師の3つの役割や流れ、退院調整との違いをわかりやすく解説

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退院支援計画書と退院サマリー・退院調整との違い

退院支援計画書は、退院サマリーや退院調整と混同されがちですが、目的や作成時期などは異なります。それぞれの違いは次のとおりです。

項目退院支援計画書退院サマリー退院調整
目的退院支援の計画を共有入院経過を引き継ぐ社会資源やサービスを調整
作成時期入院早期退院時必要に応じて
対象者患者さま・ご家族・他職種医療機関・訪問看護・介護施設など医療・介護福祉サービス関係者

作成した退院支援計画は、患者さま・ご家族へ説明したうえで共有します。混同したまま作成すると、必要な情報が抜け落ちてしまうことがあるため注意しましょう。

関連記事:看護サマリーとは?必要な4つの理由と、施設に移る際や退院時の書き方の例文

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退院支援計画書を作成する流れ

退院支援計画書は、入院時のスクリーニングから退院まで、次の流れで進めます。それぞれの段階で何を行うのかを確認しましょう。

  1. 入院時に退院支援の必要性を評価する
  2. 退院困難な要因に該当する患者さまを抽出する
  3. 多職種で情報共有する
  4. 退院支援計画書を作成する
  5. 患者さまやご家族に説明して交付する
  6. 退院するまでに更新する

退院支援計画書は、一度作成して終わりではありません。患者さまの病状やADL、退院先、ご本人・ご家族の希望などの変化に応じて、内容を見直しながら活用します。継続的に更新することで、多職種が最新の情報を共有し、一貫した退院支援につなげられます。

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退院支援計画書の書き方のポイント

ここでは、各記載項目の書き方を解説したうえで、実際の記入例も紹介します。自施設の様式に合わせて参考にしてください。

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(患者氏名・病棟・入院日・計画書作成日など)

退院支援計画書の冒頭には、患者さまの氏名・病棟・入院日・計画書の作成日を記載します。

あわせて、算定要件上は「退院支援計画着手日」も別項目として記載が必要です。着手日は多職種で情報共有を始めた日、作成日は計画書として作成した日を指すため、同じ日にならないケースもあります。

退院支援計画書は、原則として入院後7日以内に作成に着手することが決められているため、入院日と計画着手日を記録することで、期限内に退院支援計画の作成に着手しているか確認できます。

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病名(他に考え得る病名)

病名欄には主な病名を記載します。退院支援に影響する合併症や既往歴などについては、自施設の様式や運用に応じて、必要な情報を共有しましょう。

たとえば、骨折で入院した患者さまに認知症の既往があれば、退院後の服薬管理や見守り体制を考えるうえで重要な情報になります。主病名だけで判断すると、退院後に必要な支援を見落としてしまう恐れがあるため、幅広く記載し、多職種で共有することが大切です。

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退院に関する患者以外の相談者

退院について患者さま本人以外に相談できる相手、いわゆるキーパーソンを記載する欄です。

同居家族がいない場合は、遠方に住む親族や後見人を相談者として記載することもあります。ただし、利用者さまによってはご家族の関係性が複雑なケースもあるため、相談しても問題ないか事前に確認しておきましょう。

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退院支援担当者

退院支援に関わる担当者の氏名と職種を記載します。病棟の管理者、病棟の支援担当者および入退院支援部門の担当者の3者を、それぞれ記入します。

施設によって記載欄の運用が異なる場合もあるので、自施設の様式・記載ルールを確認しましょう。

病棟看護師や退院支援看護師、MSWなどを明記しておくことで、患者さまやご家族が「誰に相談すればいいか分からない」という状況を防げます。

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退院困難な要因

退院困難な要因の欄には、退院後の生活に不安が予測される要素を記載します。

記載した内容は、その後の目標設定や支援内容に大きく関わるため、重要な項目です。

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退院に係る問題点・課題

退院困難な要因を踏まえて、どのような問題や課題があるのかを記載する欄です。たとえば、以下のように具体的に、かつ簡潔に書くことがポイントです。

  • 歩行が不安定で転倒リスクがある
  • 服薬管理が困難
  • 排泄がひとりではできない

抽象的な表現にとどめてしまうと、多職種で情報を共有した際に、支援内容の認識がずれてしまう可能性があるため注意しましょう。

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退院へ向けた目標設定・支援期間・支援概要

退院に向けた目標は、生活の姿がイメージできるように書くことが大切です。

たとえば、「安心して退院できる」ではなく、「ご家族と生活しながら、訪問看護を利用して服薬管理と創部観察を継続できる」のように、利用するサービスや達成したい状態まで書くと、多職種でゴールを共有しやすくなるでしょう。

支援期間の欄には、患者さまの状態や退院の見通しを踏まえ、想定される期間を記載します。患者さまやご家族も退院までの見通しを持てるようにするための目安として活用されています。

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予定される退院先

退院先の欄には、自宅や特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、回復期リハビリテーション病院など退院後に想定される場所を記載します。

退院先の候補が複数ある場合は、患者さま・ご家族の希望を確認しながら、それぞれの選択肢を残しておくこともあります。退院先によって必要な福祉サービスや医療サービスの内容も変わってくるため、早めに方向性を共有しておきましょう。

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退院後に利用が予想される福祉サービス等

退院後に利用が見込まれる福祉サービスとして、訪問介護、訪問入浴、福祉用具のレンタル、デイサービス、ショートステイなどを記載します。

介護保険の申請状況によっては、退院時点でまだ要介護認定が確定していないこともあるため、見込みの段階でも記載しておき情報提供につなげることが大切です。

また、退院後に必要となる保健・医療サービスとして、訪問看護やリハビリテーションなども記載します。

医療処置が必要な患者さまの場合、訪問看護の導入は重要な項目です。どのようなケアを、どのくらいの頻度で必要としているかまで記載しておくと引き継ぐ際にもスムーズにつながります。

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退院後に利用が予想される福祉サービスの担当者

各種、福祉サービスや医療サービスの担当者の項目です。

訪問看護師や介護福祉士、薬剤師などのサービス担当者を記載することで、患者さまやご家族へ、具体的にどんな人が関わるのかイメージをすることができるでしょう。

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退院支援計画書の書き方【記入例】

実際にどのように書くのか、3つのケースを例に紹介します。あくまで一例として、自施設の様式に合わせて参考にしてください。
※以下はあくまで架空の事例であり、実際の支援内容は患者さまの状態・希望・利用できる制度等によって異なります

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記入例1:独居の高齢者の例

独居の高齢患者さまを想定した記入例です。認知機能の低下や服薬管理の難しさといった退院困難な要因を踏まえ、「訪問看護と訪問介護を利用しながら、服薬管理と安否確認ができる体制で生活を送る」という目標についての記載イメージとして参考にしてください。

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記入例2:脳梗塞を発症した患者さまの例

脳梗塞により片麻痺が残る患者さまを想定した記入例です。転倒リスクや自宅の住環境といった退院困難な要因を踏まえ、「福祉用具を活用し、ゆっくり自宅内を移動できる」という目標の実際の記載イメージとして参考にしてください。

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記入例3:終末期のがん患者

がん終末期の患者さまを想定した記入例です。疼痛コントロールの必要性やご家族の不安といった退院困難な要因を踏まえ、「患者さま・ご家族の希望を踏まえ、訪問診療・訪問看護を利用しながら、自宅での療養を継続できる」という目標に向けてどのような支援を行うのか、記載イメージの参考にしてください。

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退院支援計画書を作成するときのポイント

ここでは、実際に活用される計画書にするために意識したいポイントを3つ紹介します。

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患者さま本人の意思を反映する

退院支援計画書は、医療者側の都合だけで作成するものではなく、患者さまの意思を反映させる必要があります。

ご家族の意向と本人の希望が食い違う場面では、どちらか一方の意見だけを聞くのではなく、両者の思いを整理したうえで、実現可能な計画にする視点が求められます。

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退院後の生活がイメージできる内容を書く

退院支援計画書は、読んだ人が退院後の生活を具体的にイメージできる内容にすることが重要です。

「見守りが必要」といった抽象的な表現ではなく、「日中はご家族が仕事で不在になるため、訪問介護で安否確認を行う」のように、多職種が同じイメージで動けるようにする必要があります。

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多職種が読んでも分かりやすい表現を心がける

退院支援計画書は、看護師だけでなくMSWやケアマネジャー、リハビリテーションのスタッフなどさまざまな職種が目を通す書類です。

略語や専門用語をそのまま使うと、他職種に伝わらない恐れがあります。誰が読んでも同じ意味に受け取れる、平易な言葉を選んで記載することを意識しましょう。専門用語を使う場合は、簡単な言い換えを添えると親切です。

関連記事:退院支援看護師の5つの役割とは?必要なスキルとMSWとの違いをわかりやすく解説

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退院支援計画書に関するよくある質問

退院支援計画書について現場でよく聞かれる質問にお答えします。

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Q1.退院支援計画書は何日以内に作成する必要がありますか?

退院支援計画の作成への着手は、入退院支援加算1・2とも原則として入院後7日以内です。なお、患者さま・ご家族との話し合いについては、加算の区分や入院料等によって要件が異なるため、自施設が届け出ている区分の最新の算定要件を確認しましょう。

患者さまの状態や情報収集の進み具合に応じて、内容を更新しながら整えていく書類だと捉えておくと良いでしょう。

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Q2.退院支援計画書の様式は全国共通ですか?

退院支援計画書の記載項目は、診療報酬上の基準である程度共通していますが、様式や書式は病院ごとに異なります。

厚生労働省の様式を使用している施設もあれば、独自のテンプレートを使用している施設もあります。新しい職場に移った際は、自施設の様式と記載ルールを確認しておくと、スムーズに業務に入れるでしょう。

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Q3.退院支援計画書は誰が作成するのですか?

退院支援計画書は、病棟看護師や退院支援看護師が中心となって作成しますが、他職種と連携しながら内容を詰めていくことがほとんどです。

病棟看護師が入院前や情報収集の際に得た情報をもとに下書きを作成し、退院支援看護師や医療ソーシャルワーカーが専門的な視点から内容を補足する、という分担で進める病院も多く見られます。作成後は関わる職種全員で内容を確認し合うと、認識のズレを防ぎやすくなります。

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退院支援計画書を活用して安心して退院できる支援につなげよう

退院支援計画書とは、退院に向けた支援内容を患者さま・ご家族・多職種で共有するための書類です。記載項目や作成のタイミングを押さえておくことで、次に作成する際に迷わず書けるようになります。

退院支援計画書の作成を通じて、患者さまの生活を具体的にイメージする視点は、訪問看護の現場でも役立ちます。在宅医療や訪問看護への関心が芽生えた方は、訪問看護専門の求人サイトナスキャリ(NsPace Career)で、自分に合った職場を探してみませんか。

<参考サイト>

令和8年度診療報酬改定 6.入院(共通事項)
退院支援計画書|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 ナスキャリナビ 編集部

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