看護師で採血ができないのはなぜ?上達の7つのコツと苦手な人向きの職場を紹介

公開日:2026/06/15 更新日:2026/06/15
看護師で採血ができないのはなぜ?上達の7つのコツと苦手な人向きの職場を紹介

「何度やっても採血がうまくできない」「失敗するたびに怖くなって手が震える」と悩んでいませんか。

採血の失敗が続くと、患者さまへの申し訳なさと先輩へ報告するプレッシャーが重なり、精神的に消耗してしまいがちです。しかし、採血が苦手な看護師も原因がわかれば上達できる可能性があります。

この記事では、採血ができない原因や上達のためのコツ、失敗したときの対処法、採血する機会が少ない職場などを解説します。「何から取り組めば良いか」が明らかになり、明日からの採血に落ち着いて臨めるようになるでしょう。

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看護師で採血ができないのは珍しいことではない

採血が苦手だと感じている看護師は少なくありません。

新人や2年目の看護師はもちろん、経験を重ねた看護師でも「細い血管の患者さまは緊張する」という声は現場でよく聞かれます。

採血は穿刺する部位を誤ると、正中神経障害や橈骨神経障害、シャント閉塞などを引き起こす可能性があり、実際に医療事故情報収集等事業でも採血のインシデントが報告されています。そのため、「失敗したら患者さまに重大な影響が出るかもしれない」と怖さを感じるのは自然なことです。

また、採血は患者さまにとって苦痛を伴う処置の一つです。「患者さまへの負担を少しでも軽くしたい」と考えると、看護師も緊張感を感じやすいでしょう。

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看護師が採血できないおもな原因

採血がうまくいかない原因は、技術的な問題と精神的な問題にわけられます。

  • 血管の見極めが苦手である
  • 針の角度や深さが安定していない
  • 緊張して手が震えやすい
  • 1回の失敗で苦手意識が強まりやすい

自分がどちらに当てはまるかを把握することが上達するために大切です。

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血管の見極めが苦手である

採血の失敗の多くは、針を刺す前の「どの血管を選ぶか」の段階に原因があります。

視覚だけで血管を探すと、見えていても刺しにくい血管を選んでしまうことがあります。

血管は目で見えるだけでなく、指で触れたときに「弾力がある」「太さがある」「動きにくい」などの条件を確認することが重要です。細くて逃げやすい血管や蛇行している血管を選んでしまうと、どれだけ針の刺し方が正確でも失敗につながりやすくなります。

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針の角度や深さが安定していない

血管を適切に選択しても、針を刺す角度や深さが正しくないと血液が針内へ逆流する『逆血』が得られず失敗する恐れがあります。

浅すぎると血管の手前で止まり、深すぎると血管を貫通してしまいます。また、刺入後に針先を動かしすぎることで血管を傷つけるケースも少なくありません。

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緊張して手が震えやすい

失敗への恐怖が緊張を生み、手が震えることで余計に失敗しやすくなるという悪循環に陥っているケースがあります。

看護師自身に「また失敗したらどうしよう」という不安が頭にある状態では、血管の触れ方も針の刺し方についても本来の実力を発揮できません。

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1回の失敗で苦手意識が強まりやすい

採血の失敗が1回あっただけで「自分は採血が苦手だ」「どうせうまくいかない」という意識が強くなり、採血に恐怖心を抱くケースがあります。

しかし、採血の失敗は経験の有無にかかわらず誰にでも起こりうるものです。大切なのは失敗した事実だけに目を向けるのではなく、「なぜうまくいかなかったのか」を振り返り、次に活かすことです。失敗を成長の機会と捉えることで、少しずつ自信を取り戻せるでしょう。

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看護師が採血できるようになるための具体的なコツ

採血の上達には、準備・技術・練習の視点から対処していくことが効果的です。

  • 患者さまに声をかけて緊張を和らげる
  • 刺入角度は20度以下を意識する
  • 患者さまと採血ホルダーを固定して採血する
  • 採血がうまい先輩の手技を観察する
  • 採血の機会が多い病棟へ異動を検討する
  • 院内の採血練習キットを活用する
  • 日本看護協会が主催する研修に参加する

できることから取り組んでみましょう。

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患者さまに声をかけて緊張を和らげる

「少しチクッとしますが、できるだけ早く終わらせますね」という一声は、患者さまの不安を和らげると同時に自分の気持ちを落ち着かせる効果があります。

また、患者さまがリラックスすることで身体のこわばりが落ち着き、採血しやすい状態になるのです。声かけは技術的な準備であると同時に、患者さまが気持ちを落ち着かせる手段でもあります。

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刺入角度は20度以下を意識する

採血の刺入角度は20度以下の角度を目安にすることで、十分に血管への刺入ができます。

患者さまの体型や血管の深さによって微調整は必要ですが、20度以下という角度を目安に覚えておくことが大切です。

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患者さまと採血ホルダーを固定して採血する

血管にうまく穿刺できない原因の1つは固定の甘さです。皮膚をしっかり引っ張って伸ばすことで血管の動きを抑えられます。

穿刺予定部位から3~5cmほど末梢側を親指で引っ張り、血管が動かない状態を作ってから針を刺しましょう。また、採血ホルダーはしっかり握り、腕全体を安定させた状態で刺入することが重要です。固定が甘いまま針を刺すと、わずかなズレで血管を外してしまいます。

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採血がうまい先輩の手技を観察する

採血のスキル習得には、先輩の手技を見て学ぶことが効率的です。採血が得意な先輩に「採血するところを見学させてください」とお願いして手技を観察し、自分との違いを見つけましょう。次の4つのポイントに絞って観察すると気づきやすくなります。

  • 血管を選ぶ方法
  • 皮膚の引っ張り方
  • 刺入角度
  • 針を刺した後の手の動き

観察後に「どうやって血管を選んでいますか」と質問することで、具体的なアドバイスをもらいやすくなります。

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採血の機会が多い病棟へ異動を検討する

採血の上達には反復練習が不可欠です。採血をする機会が多い内科病棟や外科病棟への異動を検討することも、上達する方法の一つです。

採血の機会が少ない病棟では、経験を積む前に「また失敗するかもしれない」という恐怖心を抱きがちです。一方、毎日多くの採血を実施することで、感覚をつかみやすくなります。

ただし、採血は患者さまに苦痛を与える手技であり、部位を誤れば合併症につながるかもしれません。場数を踏めばスキルアップできるという意識ではなく、解剖学的な知識を学んだうえで、先輩にフォローしてもらいながら実施する必要があります。安全な手技習得のためには指導体制が整っている環境を選ぶことが重要です。

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院内の採血練習キットを活用する

練習キットで練習することで、針を刺す動作の感覚を身体で覚えられます。

病院内に採血の練習用モデルが用意されている場合は、業務の合間や研修の時間を活用して繰り返し練習することで、刺入角度や固定の方法を身につけることができます。

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日本看護協会が主催する研修に参加する

日本看護協会をはじめ各都道府県の看護協会では、採血の研修が定期的に開催されています。

職場の先輩には聞きにくい基本的な疑問も、研修では安心して質問できるでしょう。同じ悩みを持つ看護師と交流できるため、孤立感の解消にもつながります。日本看護協会「研修ポータルサイト」で確認してみてください。

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看護師が採血を失敗してしまったときの対処法

失敗したときの対応を事前に決めておくことで、焦りを減らして冷静に対処できます。

  • 患者さまへ状況を説明し症状の有無を確認する
  • 無理に続けず先輩看護師に交代を依頼する
  • できないことを過度に責めない

失敗後の対応を適切に行うことが、患者さまの安心と自身の精神的負担の軽減につながります。

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患者さまへ状況を説明し症状の有無を確認する

採血がうまくいかなかった場合は、患者さまへ状況を説明したうえで、痛みや内出血、しびれなどの症状がないか確認しましょう。

「ご負担をおかけして申し訳ありません。腫れや違和感はありませんか」と具体的に声をかけることで、患者さまは気にかけてもらえていると感じやすくなります。

採血の失敗そのものだけでなく、その後の説明や対応も患者さまとの信頼関係に影響します。必要に応じて先輩看護師へ報告し、適切に対応することが大切です。

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無理に続けず先輩看護師に交代を依頼する

採血を失敗したら、自分で判断して先輩に交代を申し出ることは大切です。何回も連続して失敗するよりも患者さまの負担にならず、結果的には患者さまへ誠実な対応となるでしょう。

「お時間をとってしまい申し訳ありません。先輩に交代してもらってよろしいでしょうか」と患者さまに一声かけてから、先輩へ「○号室の採血を代わっていただけますか。2回失敗してしまいました」と伝えましょう。

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できないことを過度に責めない

失敗のたびに自分を責め続けると、採血への恐怖が強まり悪循環に陥ります。

なぜ失敗したかという原因分析は大切ですが、業務後の落ち着いたタイミングで冷静に振り返りましょう。

「今日は○○が原因だった。次は△△を意識しよう」と具体的な改善点を見つけることに集中すると、自己嫌悪に陥らずに前向きな気持ちを保てます。

また、同僚や先輩に自分の手技を見てもらい、アドバイスをもらうのもおすすめです。

関連記事:看護師に向き・不向きはあるの?悩んだときの考え方と対処法を紹介

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採血が苦手な看護師におすすめの職場

採血スキルの習得を目指しながら、自身の強みを活かせる職場選択も検討できます。採血の頻度が比較的少ない職場を4つ紹介します。

  • 精神科や耳鼻科の病棟
  • 訪問看護ステーション
  • 介護施設
  • 保育園

コミュニケーションやケアの質が評価される職場では、自分の強みを活かしやすくなります。

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精神科や耳鼻科の病棟

精神科や耳鼻科は、他の診療科と比べて採血の頻度が低い診療科です。

精神科では身体的な医療処置そのものが少なく、精神状態の観察や安全管理、服薬支援、多職種との連携などが重要な業務となります。耳鼻科では処置や検査介助がおもな業務となり、採血は少ないようです。

採血の失敗が続いて精神的な負担が大きくなる場合、診療科を変えることで自信を取り戻すきっかけになることがあります。

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訪問看護ステーション

訪問看護ステーションでは、病棟と比べて採血を行う機会が少ない場合があります。

訪問看護師は、利用者さまの健康状態の観察や医療処置、療養生活の支援などを行います。採血は主治医の指示に基づいて実施しますが、病院のように日常的に行うとは限りません。

ただし、利用者層や事業所の方針によって業務内容は異なります。診療所やクリニックが併設されている事業所では、採血を行う機会があります。

採血に苦手意識があっても、利用者さまへのケアやコミュニケーション、多職種との連携など、自身の強みを活かして活躍できる可能性があります。働き方の選択肢の一つとして検討してみるとよいでしょう。

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介護施設

特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護施設での採血は、外部の医療機関や訪問診療医が行うため、看護師が採血を担当する機会が少ないでしょう。

介護施設で働く看護師は、利用者さまの健康管理や服薬管理、医療的ケア、急変時の対応などを担います。施設によっては採血を実施することもありますが、病棟のように日常的に行うケースは多くありません。

利用者さまの生活を支える視点が重視される職場であるため、健康状態の観察やコミュニケーション、多職種との連携などの強みを活かして働きやすい環境といえるでしょう。

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保育園

保育園で働く看護師は、子どもたちの健康管理や保護者への保健指導を主な役割としています。

具体的には、子どもの健康観察や感染症対策、けがの応急処置、職員への保健指導などを行います。体調不良やけがによって医療機関での診察が必要と判断した場合は、保護者への連絡や受診の調整を行います。

保育園では採血を行うことは基本的になく、病院やクリニックとは異なる形で子どもの健康を支える仕事です。子どもの成長に関わりながら、予防や健康管理を中心とした看護に携わりたい看護師にとって選択肢の一つとなるでしょう。

関連記事:保育園看護師とは?給料や5つの仕事内容、求人のポイントを紹介

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看護師の採血についてのよくある質問

採血について現場の看護師からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

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Q1:採血をするとき患者さまに何度も手を握ったり開いたりしてもらった方が良いですか?

カリウム値を測定する場合は、カリウム値に影響する可能性があるため、何度も手を握ったり開いたりすること(パンピング)は避けましょう。

軽く手を握ると、血管の怒張が促進されるため、採血しやすくなる可能性があります。

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Q2:採血がうまくできなくてクレームになることはありますか?

複数回の失敗や対応の悪さが重なった場合、クレームにつながることがあります。

1回の失敗でクレームになるケースは多くありませんが、謝罪がない、説明がない、何度も失敗するといった状況が重なると患者さまの不満につながるでしょう。

失敗後に、状況の説明と症状の確認を行うことや、失敗したら先輩に交代を依頼することが、クレームを防ぐための基本的な対応です。

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Q3:採血ができないとクリニックで働けないですか?

採血ができないからといってクリニックで働けないわけではありません。ですが、診療科によっては採血が頻繁に発生する場合があります。

内科や消化器科、糖尿病内科などのクリニックでは多くの採血がおこなわれます。一方、眼科や耳鼻科、皮膚科のクリニックでは採血の頻度が低いようです。

クリニックへの転職を検討する際は、診療科の業務内容をホームページや求人票で確認しておきましょう。

関連記事:看護師が知っておくべきクリニックと病院の違い!どちらがいいのか特徴の違いも解説

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Q4:大学病院の看護師は採血ができないのですか?

大学病院では採血室運用を行う施設もありますが、病棟看護師が採血を担当する施設もあり、運用は病院や部署によって異なります。

看護技術の一つとして、採血をどの程度行う必要があるか気になる方は、採用面談や異動の際に確認しておきましょう。

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採血はコツを知ると上達できるスキル!苦手なときは訪問看護への転職も一手

採血の苦手意識は、原因を特定して正しいアプローチで練習を重ねることで改善できる可能性があります。技術的な問題なのか、心理的な要因なのかを見極め、今日からできることに取り組んでみましょう。

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<参考サイト・文献>

標準採血法ガイドラインに基づく正しい採血法|臨床検査医学会

検査 No.109: 採血時の検体容器間違い|医療事故情報収集等事業

研修ポータルサイト|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

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