感染管理認定看護師とは?資格を取得する方法や試験の難易度、給料事情などを解説

公開日:2026/03/09 更新日:2026/03/09
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「看護師長から感染管理認定看護師を取るように言われたけど、私に務まるかな?」「キャリアアップしたいけど、給料や生活はどう変わるの?」

そんな悩みをお持ちではありませんか。

中堅看護師になると、将来を見据えて資格取得を考える人も増えます。

しかし、学校に通うハードルの高さや、取得後のリアルな実情が見えず、なかなか一歩を踏み出せない方も多いはず。

この記事では、感染管理認定看護師の役割や資格を取得する方法、試験の合格率など気になるポイントを網羅しました。自分が資格を目指すべきかどうかが明確になり、納得感を持ってキャリアプランを描けるようになるでしょう。

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感染管理認定看護師とは?

感染管理認定看護師とは、感染に対する専門的な知識とスキルを持つ看護師のことです。ここでは、役割や院内での立ち位置を解説します。

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感染管理認定看護師の役割と現状

感染管理認定看護師は、患者さまやスタッフを感染から守る感染管理のスペシャリストです。

具体的には、最新の知見を用いて標準予防策を徹底するように指導したり、感染発生時に迅速に対応したりします。

また、2021年から特定行為研修を組み込んだB課程のカリキュラムがスタートしました。日本看護協会の調査によると、2025年12月現在、認定看護師(B課程)登録者は6,539名です。そのうち感染管理認定看護師は1,269名となっており、取得者が多い分野の1つとなっています。

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院内での立ち位置

感染管理認定看護師は、院内では感染対策の司令塔という立ち位置です。医師や薬剤師などで構成される感染制御チームの中心としての役割を求められます。

たとえば、病棟で感染症の発生が疑われた場合、感染経路の調査や動線の見直しをおこないます。状況に応じてゾーニングの調整や面会制限を提案し、感染拡大を最小限に抑える判断も担います。

専門性を発揮しながら多職種と連携し、病院の安全体制を統括する存在です。

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感染管理認定看護師になるには?5ステップで確認

感染管理認定看護師の資格取得には、計画的な準備が必要です。

  1. 受験資格を確認する
  2. 教育機関を探し入学試験を受ける
  3. 教育課程を修了する
  4. 認定審査に合格する
  5. 登録する

それぞれの工程に着実に取り組むことで、専門家としてのキャリアを進められるでしょう。

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1.受験資格を確認する

まずは、感染管理認定看護師の受験資格を確認する必要があります。

  • 看護師として5年以上の実務経験
  • うち3年以上の感染管理にかかわる実務経験

この受験資格を満たすことで、認定看護師の教育機関を受験できます。

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2.教育機関を探し入学試験を受ける

自分に適した教育機関を選び、入学試験を受けます。日本看護協会が公開した2025年12月時点のデータによると、全国で16校(定員276名)が開講しています。

ただし、感染管理分野は、毎年すべての教育機関が開講しているとは限らないため、日本看護協会の公式ホームページで情報を確認しましょう。また、入学試験は、筆記試験(マークシート方式・小論文)と面接試験でおこなわれます。

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3.教育課程を修了する

教育機関に入学後、約1年間かけて次のようなカリキュラムを履修します。

科目時間(合計801時間)
共通科目380
専門科目(認定看護分野専門科目)195
専門科目(特定行為研修区分別科目)61
統合演習15
臨地実習150
参考:認定看護師教育基準カリキュラム|日本看護協会

講義だけでなく演習や実習も含まれるため、学習量は多くなります。

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4.認定審査に合格する

教育課程修了後、日本看護協会が実施する認定審査に合格する必要があります。筆記試験(マークシート方式・四肢択一)であり、40問150点満点です。

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5.登録する

試験合格後、認定料を納めて「B課程認定看護師名簿」に登録されることで手続きが完了します。これにより、感染管理認定看護師として正式に活動できるようになります。

関連記事:認定看護師になるには?条件や取得までの流れ、資格取得によるメリットも解説

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感染管理認定看護師の試験の合格率と難易度

認定試験の合格率は例年高い水準にあるといわれています。実際に、第33回(2025年)感染管理分野の認定看護師審査については、一部の教育機関で合格率100%と公表されています。

ただし、教育機関での厳しいカリキュラムを修了した人だけが受験していることを考えると、難易度の低い資格とはいえません。

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感染管理認定看護師の実情

理想を持って目指す資格だからこそ、実情を知っておくことが大切です。

  • 通える学校は限られている
  • 資格取得には100万円以上かかる
  • 働きながら通うのは難しい
  • 5年ごとの更新制度がある

時間や費用の負担に加え、取得後も学び続ける責任が伴います。リアルな側面を把握し、職場の協力やご家族の理解を得ておくことが、後悔しないキャリア選択には必要です。

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通える学校は限られている

教育機関への通学の選択肢は限定的です。

  • 東京都:日本看護協会看護研修学校
  • 福島県:公益財団法人星総合病院
  • 京都府:京都橘大学看護教育研修センター
  • 福岡県:福岡国際医療福祉大学

他分野では開講数が0〜4校程度と少ない場合もありますが、感染管理分野は16校と比較的多く開講されています。しかし、居住地の近くにない場合や学校によってカリキュラムが異なる場合もあるため、ライフスタイルや職場の支援体制に合うか検討が必要です。ホテル滞在や遠距離の通学を余儀なくされることもあります。

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資格取得には100万円以上かかる

認定看護師の教育機関に通うためには費用がかかります。日本看護協会看護研修学校を例に紹介します。

項目費用
入学検定料5万円
入学金5万円(会員価格)
授業料99万7,000円(会員価格)
参考:2026年度認定看護師教育課程特定行為研修を組み込んでいる教育課程(B課程)募集要項|日本看護協会

100万円を超える費用がかかるため、ご家族の理解や職場の支援制度の活用が必要です。就業規則を確認したり、看護師長や人事担当者に尋ねたりしてみましょう。

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働きながら通うのは難しい

教育課程には約1年にわたる講義や実習が含まれるため、フルタイムで働きながらの通学は難しいでしょう。受講生の多くは、病院の出張扱いや進学休職という形で一旦仕事を離れ、学業に専念します。

また、病院によって支援内容には違いがあり、授業料や交通費など全額支援してくれるところもあれば、出張扱いにはなるものの学費は実費という場合もあります。

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5年ごとの更新制度がある

資格を維持するためには、5年ごとの審査による更新が必要です。

具体的には、学会参加や論文執筆、活動実績をポイント化して提出します。現場の体験談として、教育機関に通っていたときのように出張扱いにはならないため、継続が想像以上に大変という声もあります。

これまでの通常業務に加えて、感染管理認定看護師としての役割をこなして、フルタイムで働きながら論文をまとめたり、学会に出席したりするのは気力と体力が不可欠です。

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感染管理認定看護師の給料事情

専門性を高めた結果、給料という形で報われるのかは切実な問題です。毎月の資格手当の相場や昇進に伴う年収の推移などお金のリアルをまとめました。

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資格手当の相場

日本看護協会の調査によると、認定看護師に対する資格手当の相場は、月額で平均8,530円です。

私が取材した感染管理認定看護師からは「業務が山ほど増えたのに給料があまり変わらない」「院内の感染管理を任されているのに手当が少ない」といった意見もありました。

また、手当を支給していない病院が58.8%(2020年度の調査)という現状であるため、金銭的なリターンだけを目的とするのではなく、自己研鑽やキャリアへの投資と捉える視点が必要です。

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昇進・評価への影響

感染管理認定看護師の資格を取得すると、手当以上に期待できるのが昇進・昇給による長期的な収入アップです。専門性が評価されることで、看護主任や看護師長、あるいは専従看護師といった重要ポストに就きやすくなります。

ある看護師長からは、「これだけの専門性を持ち、病院全体を支える貢献度を考えると、役職を与えないのはおかしい」という声もあがっています。組織における感染管理認定看護師の影響力は大きいといえるでしょう。

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感染管理認定看護師の仕事内容

感染管理認定看護師の仕事内容は幅広く、現場の実践から病院の仕組みづくり、さらには経営にかかわるデータ分析まで、多岐にわたります。

  • 感染対策ラウンド
  • サーベイランスとデータ管理
  • 全職員を対象とした研修
  • 感染管理のマニュアル作成
  • 地域の医療機関との情報交換
  • 病棟へのコンサルテーション

専門知識を活かして多職種と連携し、日々、質の高いケアに貢献しているのです。

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感染対策ラウンド

感染管理認定看護師の仕事は、定期的な院内ラウンドをおこない、感染対策の実施状況をリアルタイムで把握することです。現場でマニュアルが守られているか、改善すべき点はないかなど目視で確認します。

実際の現場では、医師や薬剤師、検査技師とともに各病棟を巡回し、看護師の動きを見ながら手指衛生のタイミングや個人防護具の着脱方法をチェックして、不備があれば指導することもあります。

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サーベイランスとデータ管理

感染管理認定看護師は、サーベイランス(感染症の発生状況を継続的に監視・分析すること)を実施して、感染症の発生状況を客観的に評価します。

院内感染の原因の調査や多剤耐性菌の監視もおこないます。また、手術部位感染の発生率を月ごとに集計し、原因を究明することも仕事の1つです。

データをもとにしたアプローチにより、根拠のある感染防止策を構築します。

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全職員を対象とした研修

感染管理認定看護師は、看護師だけではなく、リハビリスタッフや看護助手、事務職など全職員の知識を底上げするための研修を企画し運営します。

医療機関では院内感染対策として定期的な職員研修の実施が求められており、実務上は年2回以上の開催が一般的です。具体的には、感染管理認定看護師がその中心となって、手指衛生や針刺し事故防止、インフルエンザ・ノロウイルス対策などのテーマで研修を開催しています。

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感染管理のマニュアル作成

感染管理認定看護師は、感染管理マニュアルを作成・更新します。

たとえば、新型コロナウイルス感染症といった感染症の発生時に、隔離手順や防護具の優先順位をわかりやすく伝えます。同じ対応ができる指針を示すことで、ケアの質を均一に保っているのです。

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病棟へのコンサルテーション

感染管理認定看護師は、コンサルテーション業務の役割も担います。

「この傷の状態ならどの予防策が必要か」といった現場の困りごとを迅速に解決することで、スタッフが自信を持ってケアに当たれるよう支えます。

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地域の医療機関との情報交換

感染管理認定看護師は、地域の医療機関と連携して情報共有をおこないます。感染症は地域一帯で広がるため、施設間での情報交換が拡大防止に不可欠です。

また、地域のカンファレンスに参加し、他院でのアウトブレイク事例や対策の工夫を学び、自施設に還元します。

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感染管理認定看護師に向いている人・向いていない人

個人の性格や目指す看護観によって感染管理認定看護師が合う・合わないは、はっきりとわかれます。感染管理で能力をうまく発揮できるタイプかどうか、確認してみましょう。

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向いている人の特徴

感染管理認定看護師に向いているのは、客観的なデータにもとづいて、粘り強く組織に働きかけられる人です。感染管理は数値や根拠で示す必要があり、全職員が納得できるようにする調整力が求められます。

たとえば、統計データを分析しながら、「忙しくて対策を徹底できない」という現場の声にも耳を傾け、実行可能な改善策を提案できる姿勢が求められます。一方的にルールを指導するのではなく、現場と対話を重ねながら仕組みを整えていける人が適しています。

病院をより良くしたいという広い視野と、粘り強さを持つ人が輝ける職種です。

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向いていない人の特徴

ベッドサイドでのケアを優先したい人は、理想と現実のギャップを感じやすいかもしれません。感染管理認定看護師のおもな役割は管理や指導、仕組み作りであるため、患者さまと接する時間は現場スタッフよりも少なくなる傾向にあります。

また、人への注意やルール徹底が苦手な場合、板挟みのストレスを強く感じる可能性があります。

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感染管理認定看護師についてよくある質問

感染管理認定看護師を目指す方が抱く代表的な3つの疑問に対し、現在の最新情報をもとに回答します。

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Q1:感染管理認定看護師は2026年に終了するって本当ですか?

感染管理認定看護師のA課程が2026年度をもって終了しますが、B課程に切り替わるため資格そのものがなくなるわけではありません。これから資格の取得を目指す方は、特定行為を含むB課程で取得することになります。

関連記事:認定看護師制度はなくなるの?新制度への移行と資格を目指す人が知っておくべきこと

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Q2:感染管理認定看護師の資格を取ると特定行為ができるようになりますか?

B課程では特定行為研修が組み込まれているため、修了後は手順書にもとづき特定行為を実施できるようになります。

具体的には、脱水時の点滴調整や人工呼吸器の設定変更などに対応できます。

ただし、38種類ある特定行為のすべてに対応できるようになるわけではありません。実施できるのは、あくまで教育機関で選択し、修了した特定行為に限られます。また、ほかの特定行為についても、資格を取得した後に改めて必要な研修を修了することで、順次実施できるようになります。

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Q3:子育て中でも感染管理認定看護師を目指せますか?

ご家族の理解と、勤務先の進学支援制度が整っていれば、感染管理認定看護師を目指せる可能性があります。通学期間中の育児負担を誰が担うか、病院が休職や学費をどうサポートしてくれるかなど、詳しく計画を立てる必要があります。

実際に、ママさん看護師で資格を取得した例はあるため、まずはパートナーや職場と話し合い、協力体制を整えられるか検討してみましょう。

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感染管理認定看護師を目指すならキャリア視点で考えよう

感染管理認定看護師は、簡単に取得できる資格ではありません。

しかし、高度な専門性は病院の安全を守ることに役立ち、専門職としてスタッフから頼られる存在になれるため、やりがいを実感できるはずです。

感染管理の専門性は、病院だけでなく訪問看護や地域医療でも活かせます。キャリアの選択肢を広げたい方は、訪問看護の働き方も検討してみてください。

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教育体制が整った職場もご紹介しているので、理想のキャリアを実現する第一歩としてぜひ活用してみてください。

<参考サイト・文献>

【目次】 認定看護師【B課程】 都道府県別登録者数(日本地図版) 2025年12月現在|日本看護協会

認定看護師|日本看護協会

認定看護師教育機関別の開講状況・定員数一覧|日本看護協会

認定看護師教育基準カリキュラム|日本看護協会

2026年度認定看護師教育課程特定行為研修を組み込んでいる教育課程(B課程)募集要項|日本看護協会

「2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書|日本看護協会

院内感染の法規について|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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