皮膚・排泄ケア認定看護師になるには?取得する流れと実務で活かすポイントを解説

公開日:2026/02/27 更新日:2026/02/27
記事サムネイル画像

皮膚・排泄ケア認定看護師は、褥瘡の管理やストーマケア、失禁に伴う皮膚トラブルなどに対応するスペシャリストです。別名、WOCナース(Wound:創傷、Ostomy:ストーマ、Continence:失禁)と呼ばれています。

超高齢社会においてニーズが高い資格ですが、「どうすれば資格取得できるのか」「認定看護師の制度が変わると聞いたけれど本当?」と疑問を持つ看護師は少なくありません。

この記事では、皮膚・排泄ケア認定看護師になるための流れや、2026年度以降の制度の変化、実務での役割を解説します。

難易度や費用、給料や資格手当の実態を事前に知ることで、後悔しないキャリア選択ができます。

事業所からスカウトがもらえる

皮膚・排泄ケア認定看護師になるには?資格取得までの5ステップ

皮膚・排泄ケア認定看護師になるには、日本看護協会が定める一定の実務経験を積み、専門の教育課程を修了しなければなりません。次の5ステップで資格を取得できます。

  1. 資格条件を確認する
  2. 教育機関の入学試験に合格して入学する
  3. 教育機関を修了する
  4. 認定審査に合格する
  5. 認定看護師の名簿への登録を申請する

2026年度でA課程の教育は終了し、特定行為研修を含むB課程に移行します。皮膚・排泄ケア認定看護師を目指すには、最短でも6年目以降が目安です。ただし、実際には、皮膚・排泄ケア領域での十分な症例経験や所属施設の推薦が必要となる傾向があります。

事業所からスカウトがもらえる

1.資格条件を確認する

皮膚・排泄ケア認定看護師になるためには、まずは次の基本条件を満たす必要があります。

  • 日本の看護師免許を有すること
  • 通算5年以上の臨床経験があること(うち3年以上は皮膚・排泄ケア領域での経験があること)

専門外来で勤務する必要はありませんが、ケアを行う臨床現場に所属していることが望ましいとされています。

事業所からスカウトがもらえる

2.教育機関の入学試験に合格して入学する

資格条件を満たしたら、日本看護協会が認定する教育機関の入学試験を受けます。試験内容は筆記(専門知識)、小論文、面接などが一般的です。

日本看護協会が公表している認定看護師教育機関一覧(2025年12月)では、皮膚・排泄ケア認定看護師の教育機関は、東京都、石川県、静岡県、京都府の合計4校104名のみです。しっかりとした事前の対策が欠かせません。

事業所からスカウトがもらえる

3.教育機関を修了する

入学後は、6か月〜1年の教育課程を履修します。合計808時間のカリキュラムで、内訳は次のとおりです。

  • 共有科目:380時間
  • 専門科目:263時間
  • 統合演習:15時間
  • 臨地実習(皮膚・排泄ケア分野):150時間

講義や演習に加えて、病院で指導を受けながらアセスメントやケアを身につけます。

事業所からスカウトがもらえる

4.認定審査に合格する

教育課程を修了すると、毎年1回の「認定看護師認定審査」の受験資格が得られます。審査方法は筆記試験(マークシート方式・四肢択一)であり、40問、150点満点です。

認定看護師になるためには、この審査に合格する必要があります。

事業所からスカウトがもらえる

5.認定看護師の名簿への登録を申請する

審査に合格後、日本看護協会へ登録申請をして、認定証が交付されることで正式に「皮膚・排泄ケア認定看護師」として活動できます。

関連記事:認定看護師になるには?条件や取得までの流れ、資格取得によるメリットも解説

事業所からスカウトがもらえる

皮膚・排泄ケア認定看護師の資格取得前に知っておきたいポイント

皮膚・排泄ケア認定看護師は専門性が高く、現場からの信頼も厚い資格ですが、取得を目指す前に、費用・倍率・更新制度などの現実的な条件も理解しておきましょう。

  • 倍率は高めで難易度は低くない
  • 資格を取得するまでに時間と費用がかかる
  • 5年ごとに更新が必要である

入学試験と研修中の学習量に難しさを感じる方は少なくありません。100万円を超える自己負担や半年以上の無給期間を想定し、長期的なキャリア設計を立てる必要があります。

事業所からスカウトがもらえる

倍率は高めで難易度は低くない

認定審査の合格率は高いといわれていますが、皮膚・排泄ケア認定看護師の教育機関の数が限られているため、入学試験の倍率が数倍になることも珍しくありません。

実際に、石川県公立大学のデータによると、71名の応募に対して、30名が合格(倍率は約2.4倍)という結果でした。

事業所からスカウトがもらえる

資格を取得するまでに時間と費用がかかる

皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取得するまでに、時間と費用がかかるのも事実です。

教育機関のカリキュラムの総時間は約808時間です。また、入学金や授業料、受験料などで合計100万円を超えることもあり、期間中は講義や実習に専念する必要があるため、休職や出張扱いでの受講となることが一般的です。

病院では、給与補償や奨学金などの支援制度が用意されている場合もあるため、事前に職場へ相談しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

5年ごとに更新が必要である

認定看護師は「取ったら終わり」ではなく、5年ごとに一定の実績と研修受講などを報告し、更新審査を受ける必要があります。最新の知見をアップデートし続ける姿勢が求められます。

事業所からスカウトがもらえる

皮膚・排泄ケア認定看護師のおもな業務

皮膚・排泄ケア認定看護師は、創傷・ストーマ・失禁の3領域を専門とし、患者さまへのケアだけでなく、院内の看護師への指導も担います。

  • 創傷や皮膚の管理
  • ストーマケア
  • 失禁ケア
  • チームスタッフへの指導や教育

トラブルの原因をアセスメントし、治癒や予防に向けてケアするのが役割です。現場の看護師の指導や教育も担うなど高度な実践力が求められます。

事業所からスカウトがもらえる

創傷や皮膚の管理

皮膚・排泄ケア認定看護師は、褥瘡や創傷に対し、創面の状態(色調・滲出液・壊死組織の有無)をアセスメントし、被覆材や外用剤を選択します。

除圧やポジショニング、スキンケア方法の見直しを含めて介入し、再発予防まで視野に入れたケアを行います。「なぜ治らないのか」を分析し、治癒環境を整えるのが認定看護師の強みです。

事業所からスカウトがもらえる

ストーマケア

皮膚・排泄ケア認定看護師は、術前のサイトマーキングから術後の装具選定、皮膚トラブル予防まで一貫してサポートします。

患者さまが退院後も自立して管理できるよう、セルフケア指導や心理的サポートを行い、生活の質の向上を目指します。身体的ケアだけでなく、ボディイメージの変化に伴う心理的な支援も重要です。

事業所からスカウトがもらえる

失禁ケア

単におむつを交換するのではなく、失禁の原因を分析し、排泄誘導のタイミングをチームに提案するのも皮膚・排泄ケア認定看護師の業務です。便失禁による皮膚トラブルが生じている場合は、次のように多職種へ提言します。

  • バリア機能を補完するクリームの塗布
  • 便の状態を調整するための食事形態の調整
  • 緩下剤の投与量の調整

自立支援をとおして、患者さまの尊厳とQOLを守る役割も担います。

事業所からスカウトがもらえる

チームスタッフへの指導や教育

皮膚・排泄ケア認定看護師には、病棟看護師への指導や褥瘡回診の実施、マニュアル整備などを行い、組織のケアの質を高める業務もあります。

たとえば、褥瘡回診で受け持ち看護師へ「なぜこの処置が必要なのか」「どういった皮膚トラブルのリスクがあるのか」という根拠を指導するのです。また、現場の看護師からケアの方法についての相談があれば、病棟に行って患者さまの状況を確認したうえで、ケア方法を検討します。

最新ガイドラインにもとづいたスキンケアのマニュアル作成や、体圧分散マットレスの選定基準のシステム構築に携わるなど、皮膚・排泄ケア認定看護師が活躍する場は多岐にわたります。

事業所からスカウトがもらえる

皮膚・排泄ケア認定看護師になるメリットとデメリット

皮膚・排泄ケア認定看護師にはメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、さまざまな視点で資格取得を検討することが重要です。

事業所からスカウトがもらえる

メリット

皮膚・排泄ケア認定看護師になるメリットは、専門的な知見にもとづき、医師と協働しながら治療方針にかかわれる点です。褥瘡回診やストーマ外来、院内のコンサルテーションなどで中心的な役割を担い、看護師としての専門性を高められます。

特定行為研修を含むB課程を修了すれば、医師が作成した手順書のもと壊死組織の除去や創傷に対する陰圧閉鎖療法などを実施でき、迅速なケア提供が可能です。

資格手当や転職時の評価など市場価値の向上も期待できます。

事業所からスカウトがもらえる

デメリット

皮膚・排泄ケア認定看護師になるデメリットは、経済的・時間的な負担が大きいことです。

具体的には、資格の取得までに概ね80〜120万円程度(学校により異なる)の学費や生活費がかかり、6か月~1年の研修期間中は休職や無給となるケースも多くあります。

また、日本看護協会の調査によると認定看護師の資格手当は、平均8,530円とされています。学費や離職期間中の収入減を考えると、金銭的リターンだけを目的に取得する資格とはいえないのが現実です。

現場では専門家として多部署から頼られる反面、委員会活動やスタッフ教育などの役割が重なり、業務の負担が増えてしまう側面もあります。

経済的な負担は小さくありませんが、専門性を高めたい人にとっては大きなやりがいにつながる資格です。
金銭的リターンだけでなく「どんな看護師になりたいか」で判断することが重要です。

事業所からスカウトがもらえる

皮膚・排泄ケア認定看護師以外の役立つ資格

認定看護師の取得には高いハードルがありますが、皮膚・排泄ケアの専門性を高める方法はほかにもあります。

事業所からスカウトがもらえる

臨床スキンケア看護師

受験資格・看護師で臨床経験が3年以上
・日本創傷・オストミー・失禁管理学会正会員
・日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会(過去 5 年以内)に、1回以上参加もしくは第34回学術集会に事前参加登録(入金含め)
費用受講料:1万円
資格取得までの流れ次の2つを受けたら修了証が発行される
・オンデマンドの講義
・症例検討会(グループディスカッション)
参照:2025 年度版臨床スキンケア看護師認定制度資格制度ハンドブック|日本創傷・オストミー・失禁管理学会

臨床スキンケア看護師は、日本創傷・オストミー・失禁管理学会が認定した資格です。皮膚・排泄ケア認定看護師のような長期の離職を必要とせず、オンデマンドの講義と症例検討会を受けると取得できるため、働きながら専門性を深めたい方におすすめです。

事業所からスカウトがもらえる

褥瘡認定師

受験資格・看護師で臨床経験が4年以上
・4年以上引き続いて本会正会員
・4年以上褥瘡の予防、医療に従事
・本会公認の地方会が主催する教育セミナーまたは本会が運営する教育セミナーe-ラーニングを受講
費用認定審査料:1万円
資格取得までの流れ予防記録(5症例)、医療記録(5症例)を含む書類を提出し審査
参照:褥瘡認定師|日本褥瘡学会

褥瘡認定師は、日本褥瘡学会が認定する褥瘡の予防・管理に特化した専門資格です。

看護師だけでなく医師や薬剤師、管理栄養士なども取得する多職種向けの資格であるため、チーム医療における共通言語を持ち、さまざまな視点で褥瘡治療に貢献できるのが強みです。

褥瘡の発生メカニズムや最新の栄養療法、外用剤の選択などを担うための知識を習得でき、病院や施設内での褥瘡対策のリーダーとして重宝されます。

事業所からスカウトがもらえる

皮膚・排泄ケア認定看護師についてのよくある質問

皮膚・排泄ケア認定看護師を目指すにあたって、多くの看護師が抱く疑問をQ&A形式でまとめました。

事業所からスカウトがもらえる

Q1:皮膚・排泄ケア認定看護師は2026年に終了するって本当ですか?

皮膚・排泄ケア認定看護師の資格はなくなりません。

ただし、A課程での教育課程が2026年度をもって終了します。認定看護師制度は特定行為研修を組み込んだB課程への移行が進んでいます。これから資格取得を目指す場合は、B課程を受講することになります。

事業所からスカウトがもらえる

Q2:病棟勤務しながら皮膚・排泄ケア認定看護師の資格取得は可能ですか?

病棟勤務と両立するのは難しいケースが多いですが、勤務調整や支援制度を活用すれば可能な場合もあります。

資格取得を目指す方の多くは、休職や出張として専念しています。教育課程は6か月~1年にわたるカリキュラムであり、臨地実習も義務づけられています。

夜勤をこなしながら通うことは体力・学習時間の両面で限界があるため、勤務先の資格取得支援制度を活用し、通学するのが一般的です。

事業所からスカウトがもらえる

Q3:皮膚・排泄ケア認定看護師以外に認定看護師はどのような種類がありますか?

皮膚・排泄ケア認定看護師のほかに、B課程において19の分野に再編されています。

たとえば、感染管理や緩和ケア、クリティカルケアなど特定の専門性に特化した分野が揃っています。認定看護師の種類については、下記の記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:認定看護師の種類一覧とは?19分野の一覧と難易度を詳しく解説

事業所からスカウトがもらえる

Q4:皮膚・排泄ケア認定看護師の給与はどのくらい?

日本看護協会の調査によると、皮膚・排泄ケア認定看護師の平均給与は42万7,995円です。

ただし、この給与は夜勤や管理職手当の有無によって変わってくるため、あくまでも目安としてください。

事業所からスカウトがもらえる

皮膚・排泄ケア認定看護師は皮膚にかかわるケアに携わる看護師のこと!

皮膚・排泄ケア認定看護師は、患者さまの生活の質向上に貢献できる資格です。

創傷やストーマ、失禁ケアを通じて、身体面だけでなく心理面や生活面まで支える役割を担います。

また、看護師への教育も担い、現場のケアの質を底上げするリーダーとしての役割もあるため、今後の医療現場でますます重宝されるでしょう。

さらに、こうした専門性は、病院だけでなく、在宅医療の現場でも強く求められています。生活環境の中で褥瘡やストーマ管理を支える訪問看護では、限られた資源の中で最適なケアを判断するWOCの視点が大きな強みになります。

「もっと専門性を活かして、患者さまの生活に寄り添いたい」と感じているなら、在宅というフィールドも検討するのも選択肢です。

訪問看護に特化した求人サイトNsPaceCareerでは、皮膚・排泄ケアの経験を活かせる事業所を多数紹介しています。ぜひ、一度ご覧ください。

<参考サイト・文献>

特定看護分野の実務研修内容の基準|日本看護協会

認定看護師教育機関別の開講状況・定員数一覧(特定行為研修を組み込んでいる教育機関:B課程認定看護師教育機関)|日本看護協会

認定看護師教育基準カリキュラムの概要|日本看護協会

認定看護師|日本看護協会

令和5年度業務実績報告書|石川県公立大学法人

認定看護師教育基準カリキュラム|日本看護協会

「2022年度専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書|日本看護協会

2025 年度版臨床スキンケア看護師認定制度資格制度ハンドブック|日本創傷・オストミー・失禁管理学会

褥瘡認定師|日本褥瘡学会

SNSシェア

  • LINEアイコン
  • facebookアイコン
  • Xアイコン
記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連する記事

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像左 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左

NsPaceCareerとは

訪問看護・在宅看護に特化した
求人情報検索・応募のほか、
現役の訪問看護師や在宅経験者への無料相談や、
事業所への事前見学申し込みが可能です。

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像右 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左