看護師のチーム医療における役割とは?多職種連携で求められる5つの視点

公開日:2026/02/19 更新日:2026/02/19
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現代の医療現場では、医師・看護師・リハビリスタッフなどが連携する「チーム医療」が欠かせません。

その中で看護師は、患者さまの情報をまとめ、多職種の調整役を担います。

一方で、「なぜか自分ばかりが忙しい」と感じる場面や、業務が看護師に集中しているように思える状況に、疲弊している方も少なくありません。

この記事では、チーム医療における看護師の役割と、多職種と円滑に連携するためのポイントを解説します。現場での無理な抱え込みを減らし、看護師の専門性を発揮しやすくなるヒントが見つかるはずです。

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チーム医療とは?看護師が求められる意味

チーム医療は、患者さまの治療だけでなく、退院後の生活まで見据えた支援を行ううえで欠かせない考え方です。さまざまな職種が専門性を発揮して連携することで、質の高い医療が提供できます。

厚生労働省「チーム医療の推進について(2010)」では、チーム医療を「医療スタッフがそれぞれの専門性を発揮しながら、目的と情報を共有し、連携・補完し合い、患者に最適な医療を提供すること」と定義されています。

この中で看護師が求められるのは、24時間患者さまのそばにいる立場として、医師や多職種が見落としやすい生活の変化や思いを把握し、チームに伝える役割です。

関連記事:チーム医療で大切なこと5つ!看護師に必要な役割やうまくいかないときの対処法

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チーム医療における看護師の5つの役割

チーム医療において、看護師にはどのような行動が求められるのか、5つの視点で整理し、現場での立ち回りを明らかにします。

  1. 患者さまの情報を集約する役割
  2. 患者さまやご家族の思いをチームに伝える役割
  3. 多職種間のズレを調整するリーダーシップをとる役割
  4. 安全管理やリスクを最初に察知する役割
  5. 退院や在宅を見据えて次の場につなぐ役割

これらの役割を意識することで、日々の業務で多職種とのコミュニケーションも円滑になるでしょう。

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1.患者さまの情報を集約する役割

看護師は、検査データや専門職の評価だけでは見えない生活の変化を含めて情報を統合し、チームの判断材料を整える役割を担っています。医師の診断、薬剤師の服薬指導、リハビリの進行状況などの情報は看護師の元に集まります。

具体例として、医師が数値上は改善傾向と判断し、リハビリスタッフが「負荷を上げてはどうだろうか」と提案しても、看護師が夜間の喘鳴や食事量の低下を把握していれば、心不全増悪の可能性や循環動態の再評価を促せます。

患者さまの情報を集約し、チームの意思決定の精度を高めることが看護師の役割です。

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2.患者さまやご家族の思いをチームに伝える役割

看護師には、医療者には言えない患者さまの本音を汲み取り、治療方針に反映させる代弁者の役割があります。清拭や検温中のリラックスした時間にこそ、診察の場では緊張して言えない本音を引き出せるのです。

医師には「大丈夫です」と答えた患者さまが、清拭中に「実は傷跡が悪くなるんじゃないかと心配」と涙を流すことがあります。

精神的なストレスをリハビリスタッフや医療ソーシャルワーカーに共有することで、歩行訓練ではなく「外出への自信を取り戻す支援」へとチームの目標を具体的にできるでしょう。

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3.多職種間のズレを調整するリーダーシップをとる役割

看護師には専門職間の意見の相違を患者さまの生活という軸で調整し、チームの進むべき方向を整える役割が求められています。各職種が専門性を追求するあまり、患者さまの状態と目標がズレることがあるからです。

リハビリスタッフが「活動量を増やして筋力をつけたい」と意欲的な一方で、看護師が「痛みがあり十分眠れていない」と把握しているケースです。

看護師は、リハビリスタッフへ前夜の状況を共有し、「痛みのコントロールを優先し、ベッド上での可動域訓練に留めませんか」と提案します。

各職種の専門性と患者さまの体調のバランスを看護師が調整することもあります。

関連記事:多職種連携における看護師の3つの役割!具体例や大切なことを解説

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4.安全管理やリスクを最初に察知する役割

看護師は、治療やリハビリが「患者さまの負担になりすぎていないか」を見極め、安全を守ることが重要になります。

具体的には、リハビリスタッフが歩行訓練のステップアップを計画しても、看護師が「朝食摂取量の減少」や「睡眠薬によるフラつき」を察知し、情報を共有することで転倒リスクを回避できます。

このように看護師は、24時間の観察を通じてリスクをアセスメントし、多職種の介入が患者さまの負担になりすぎないよう調整して、事故を防いでいるのです。

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5.退院や在宅を見据えて次の場につなぐ役割

看護師にはチーム医療で、退院後の生活を見据えて医療と在宅・地域をつなぐ役割があります。医療的な管理と生活の両方を理解している立場だからこそ、看護師は医師やケアマネジャーとの連携の中心となり、スムーズな移行を支援できます。

たとえば、「この角度で介助するとむせにくい」「内服はカレンダー形式でないと忘れる」といった工夫を共有することが退院後の患者さまの生活を守るために大切です。

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多職種連携を円滑にするために看護師が意識したい視点

多職種連携がうまくいかない原因の多くは、「相手の立場を想像できていないこと」にあります。

たとえば、医師は診察時間が限られているため、患者さまの病態や生活の変化をすべて把握することは困難です。そのため、看護師は「何が判断材料になるか」を意識して情報を整理し、短時間で伝える視点が求められます。

また、リハビリスタッフにとって重要なのは、訓練室でできた動作が病棟や生活の場でも再現できているかどうかです。看護師が「どの動作でつまずいているか」「どんな介助が必要か」を具体的に共有することで、実生活に即したリハビリにつながります。

看護師が相手の立場を意識して伝えるだけでも、連携は円滑になりやすくなります。

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チーム医療における看護師の役割|現場での具体例

チーム医療における看護師の立ち回りは、患者さまの病気や生活状況によって変わります。現場でどのように専門性を発揮すべきか、3つのシチュエーションで解説します。

  • 急性期病棟でのチーム医療と看護師の役割
  • 回復期・慢性期におけるチーム医療での看護師の役割
  • チームカンファレンスで看護師が果たす役割

看護師が求められる動きを理解することで、周囲と連携しやすくなります。それぞれの場面でのポイントを確認しましょう。

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急性期病棟でのチーム医療と看護師の役割

急性期病棟では、病態が短時間で変化する患者さまへの対応が必要です。

看護師は、医師や臨床工学技士と情報を共有して、ME機器の管理や薬剤状況を把握し、患者さまの状態変化を整理して伝える役割を担います。

急変時には、バイタルサインや観察所見を迅速に医師へ報告します。同時に、ご家族への声かけや説明のサポート、処置が行えるようベッドサイド環境を整えるなど、複数の役割を担います。

情報調整と環境整備は、チーム医療が機能するうえで欠かせない看護師のかかわりです。

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回復期・慢性期におけるチーム医療での看護師の役割

回復期・慢性期では、生活の構築が支援の中心となるため、看護師はリハビリスタッフや管理栄養士と連携し、訓練室での動作や指導内容が、病棟で継続できるようにサポートします。

たとえば、言語聴覚士が評価した食事形態をもとに、病棟での食事介助時のむせ込みや摂取量を観察し、その結果を管理栄養士へ共有します。

多職種の専門的な介入を、患者さまの生活に定着させることが、回復期・慢性期の看護師の重要な役割です。

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チームカンファレンスで看護師が果たす役割

チームカンファレンスでは、看護師が患者さまの思いや生活背景をチームに伝える役割を担います。

専門職がそれぞれの視点から意見を出す中で、看護師は患者さまの普段の様子を共有し、議論を整理することが重要です。

たとえば、医学的には最善とされる治療方針に対し、患者さまが「家族に迷惑をかけたくない」と葛藤している場合、その思いをチームに伝えます。

患者さまにとって何が大切なのかという視点を共有することで、本人が納得できる意思決定につながる支援が可能になります。

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看護師が「チーム医療がうまくいかない」と感じる理由

看護師が理想的な連携を目指していても、現場でストレスやジレンマを感じる場面も少なくありません。

なぜ「うまくいかない」と感じるのか、そのおもな原因を掘り下げます。

  • 役割分担があいまいで「とりあえず看護師」になっている
  • 看護師が意見を出しても評価されにくい
  • 情報共有の仕組みが整っていない

これらの要因が重なると、看護師は調整業務に追われるばかりで、本来の業務ができない状況になりがちです。課題を言語化し共有することが、より良いチーム医療への第一歩になります。

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役割分担があいまいで「とりあえず看護師」になっている

多職種との役割分担がはっきりしない現場では、雑務や連絡調整が看護師に集中しがちです。

具体的には、ご家族への連絡や予約管理などの調整業務は、役割分担が明確でないと特定の職種に偏りやすくなります。

実際に、日本医労連「看護師の入退職」に関する実態調査(2023)によると、十分な看護ができない理由として「看護業務以外のその他の業務が多すぎる」と回答している看護師は47.5%になっています。

役割があいまいなままでは、看護業務が後回しになり、チーム医療の質が低下する要因になる恐れがあります。

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看護師が意見を出しても評価されにくい

チーム内で意見を出しやすい環境が整っていないと、専門職それぞれの視点が十分に活かされないことがあります。

たとえば、患者さまの痛みを報告しても「様子を見ましょう」と流されたり、カンファレンスが形式的で看護師の発言機会が少なかったりする場合です。

こうした経験が続くと、「どうせ伝えても変わらない」という感覚が生まれ、発言そのものを控えるようになってしまいます。

その結果、現場で得られている重要な情報が共有されず、連携の質が低下してしまう可能性があります。

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情報共有の仕組みが整っていない

忙しい医療現場では、職種間で十分に話し合う時間を確保することが難しい場合もあります。その中で、情報共有のツールやルールが整っていないと、連携にズレが生じがちです。

たとえば、電子カルテの記載方法が職種ごとに統一されておらず、重要な方針変更が共有されないまま業務が進んでしまうケースです。

必要な情報がリアルタイムで共有されない環境では、多職種連携は機能しにくく、チーム医療の効果も十分に発揮されません。

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看護師がチーム医療で消耗せずに役割を果たすためのポイント

チーム医療の要である看護師は、気遣いや調整業務で精神的に消耗しやすい立場にあります。自身を守りながら、専門職として対等に役割を果たすためのコツを解説します。

  • 観察した事実を言語化して伝える
  • 多職種の視点を理解する
  • 我慢せずに意見を出す姿勢を持つ

自らの専門性を適切に主張することが、結果的にチーム医療を円滑にします。

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観察した事実を言語化して伝える

自分のアセスメントに自信が持てないと、多職種への報告をためらってしまいがちです。消耗を防ぐためのポイントは、「感覚的な表現」ではなく、観察した事実を伝えることです。

たとえば、「状態が悪いです」と伝える代わりに、「呼吸数が24回に増加し、補助呼吸筋の使用が見られています」と、数字や観察所見を言葉にします。

事実にもとづいた報告は、医師や多職種に伝わりやすく、不要な確認や誤解によるやり取りを減らすため、コミュニケーションに伴うストレスの軽減にもつながります。

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多職種の視点を理解する

多職種に対して「なぜ動いてくれないのだろう」と感じるときは、相手の専門性や優先順位を知ることで見え方が変わる場合があります。

たとえば、リハビリスタッフは「動作の獲得」「機能回復」を重視していると理解できると、「リハビリ後の疲労感が強いため、現在の負荷について相談したい」と伝えることで、建設的に話せるようになります。

相手の立場を踏まえたかかわりは、無用な対立を避け、自身の心理的な負担を減らすことにもつながるのです。

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我慢せずに意見を出す姿勢を持つ

「看護師が口出しするべきではない」と感じて意見を控えると、患者さまの違和感やリスクを見逃す可能性があります。

チームの方針に違和感を覚えた場合は、「患者さまは先ほどこのように話されていましたが、その点についてはどう考えますか」と、患者さまを主語にして問いかけてみましょう。

感情ではなく視点を共有する形で伝えることで、対立を避けながら議論を深められます。

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チーム医療における看護師の役割についてのよくある質問

チーム医療の中で自分の役割に悩む看護師から、よく寄せられる質問をまとめました。現場での迷いを解消するヒントにしてください。

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Q1:新人・若手看護師でもチーム医療で役割を果たせますか?

新人や若手看護師でもチーム医療で役割を果たせます。新人の気づきがチームと患者さまを救うことがあります。

「昨日より表情が暗い」「食事を残すようになった」という変化をチームに共有するだけで、医師や多職種が方針を修正するための重要なヒントになります。

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Q2:チーム医療で看護師が負担を感じやすい理由は何ですか?

チーム医療で看護師が負担を感じやすい理由の1つは、情報の窓口になりやすい点です。

ほかの職種が担える業務まで看護師が引き受けてしまいがちであるため、役割分担を明らかにする仕組み作りが必要です。

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Q3:チーム医療を重視する職場は、どう見極めればいいですか?

チーム医療を重視する職場かどうかは、理念よりも実態を見ることが大切です。具体的には、次のポイントを確認しましょう。

  • カンファレンスが定期的に開催されているか
  • 多職種が実際に発言できているか
  • 看護師の意見が方針に反映されているか

認定看護師や専門看護師が活躍している職場も判断材料になります。

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チーム医療における看護師の役割を安心して果たせる職場はある!

チーム医療は、多様な職種がお互いの専門性を尊重し合い、患者さまにとっての最善のケアをするための仕組みです。今の職場で看護師が「自分ばかり負担が大きい」と感じるなら、チームの仕組みが課題の可能性があります。

とくに訪問看護の現場では、多職種連携がケアの質を大きく左右します。

NsPaceCareerでは、チーム医療が機能している職場を紹介しています。

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<参考サイト・文献>

チーム医療の推進について|厚生労働省

「看護師の入退職」に関する実態調査|日本医労連

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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