看護師は確定申告が必要?4つのケースとやり方、今からできることを解説

「看護師も確定申告が必要なの?」「副業をしているけれど、税金の手続きが難しそうで不安」と感じている方もいるのではないでしょうか。
日々の業務に追われていて、税金の手続きまで頭が回らない看護師も多いでしょう。しかし、知識がないまま確定申告を放置していると、思わぬペナルティを受ける可能性があります。
この記事では、看護師が確定申告をすべきケースや不要なケース、実際のやり方を解説します。自分の状況を確認できるため、安心して対応できるようになります。
看護師が確定申告をしなければならない4つのケース
看護師は1つの勤務先のみから給与を得ている場合は、基本的には確定申告は不要です。ただし、次のケースに当てはまる場合は、病院での年末調整だけではすべての税金計算が完結しないため確定申告が必要です。
- 夜勤バイトやダブルワークで年間20万円を超える収入がある場合
- フリーランス看護師の場合
- 勤務先で年末調整を実施していない場合
- 住宅ローン控除や医療費控除、ふるさと納税を受けたい場合
自分が確定申告の手続きの対象になるかを知り、申告漏れを防ぎましょう。
夜勤バイトやダブルワークで年間20万円を超える収入がある場合
夜勤バイトやダブルワークなど副業での給与が年間20万円を超える場合、確定申告が義務付けられています。
たとえば、本業の病院勤務とは別に、休日に訪問入浴のバイトをして月3万円稼いでいる場合、年間で36万円の収入となるため、確定申告が必要です。単発や短期間のバイトでも積み重なれば対象になるため、給与明細を保管して年間の合計額を把握しておきましょう。
フリーランス看護師の場合
特定の病院と雇用契約を結ばずに、個人事業主として働く看護師も確定申告をしなければなりません。病院勤めのように年末調整がおこなわれないため、自分で1年間の所得と税額を計算して報告する必要があります。
健診バイトやツアーナースなど、単発の仕事を組み合わせて生計を立てているケースが当てはまります。
勤務先で年末調整を実施していない場合
勤務先で年末調整を受けられなかった人は、自分で確定申告をして税額を確定させます。
年収2,000万円を超える人は、勤務先が1か所でも年末調整の対象外となるため、確定申告することになります。また、年の途中で退職し、その年の12月時点で再就職していない場合も、年末調整を受けられないため確定申告の対象です。
住宅ローン控除や医療費控除、ふるさと納税を受けたい場合
税金の還付や負担軽減を受けるためには、確定申告が必要な控除もあります。年末調整では対応できない控除や、初年度に申告が必要な制度があるためです。
具体的には、住宅を購入した1年目の住宅ローン控除や、年間10万円を超える医療費を支払った場合の医療費控除などが該当します。なお、ふるさと納税は、「ワンストップ特例制度」を適用することで、確定申告が不要になります。
申告を忘れると戻ってくるはずのお金が受け取れない可能性があるため、忘れずに手続きしましょう。
看護師で確定申告が必要ない場合
確定申告の義務がないケースは次のとおりです。
- 副業の収入が20万円以下
- 住宅ローン控除の適用が2年目以降
- ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用
ただし、これらに該当しても、医療費控除による還付を受ける場合や住民税の申告が必要な場合もあります。
確定申告の義務がない場合でも、申告は可能です。判断に迷うときは、居住地の税務署や国税庁のホームページで確認すると安心です。
関連記事:看護師も副業できる?おすすめの副業8選と副業をする際の注意点を解説
確定申告をしないと看護師はどうなる?
確定申告をせずに放置すると、次のような金銭的なペナルティを受けるリスクがあります。
- 税務署から指摘され加算税・延滞税のリスクがある
- 還付金を受け取れない可能性がある
「知らなかった」では済まされないため、期限内に手続きを完了させましょう。
税務署から指摘され加算税・延滞税のリスクがある
期限を過ぎてから申告漏れを指摘されると、本来の税金に加えて追加の支払いを求められます。加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があるのです。
数年後に税務署の調査が入り、過去にさかのぼって数十万円の追徴課税を請求される事例もあります。国税庁によると加算税や延滞税は、納付すべき本税の額をもとに計算され、額が大きくなるほど納税額が増えるため要注意です。
期限内に正しく申告していれば払わずに済んだお金を失わないよう、誠実に対応しましょう。
還付金を受け取れない可能性がある
払いすぎた税金を取り戻す申告をしないと、お金は手元に戻ってきません。医療費控除や住宅ローン控除は、申告書を提出して適用される制度です。
たとえば、入院で多額の医療費がかかった年に申告を忘れたり、家族で医薬品の購入で1万2,000円を超えた際にセルフメディケーションの適用を受けなかったりするケースがあります。
還付申告は5年前までさかのぼれますが、早めに手続きをして受け取りましょう。
看護師の確定申告のやり方
看護師の確定申告は、一般的な方法と変わりはありません。
- 必要書類を準備する
- 確定申告書を作成する
- 申告書を提出する
- 納税・還付を確認する
確定申告をする期間は、例年2月16日から3月15日までです。申告が遅れると、延滞税や加算税が発生する可能性があるため、スケジュールを確認して早めに準備を進めましょう。
1.必要書類を準備する
申告書を作成する前に、収入や控除を証明する書類を集めましょう。具体的には、次の書類を用意してください。
| 源泉徴収票 | 勤務先から発行される所得・税額を証明する書類 |
| マイナンバーカード | なければマイナンバー通知カードと本人確認書類で代用 |
| 控除についての書類 | 医療費の領収書や住宅ローンなどの証明書 |
| 副業収入の証明書 | 副業で収入がある場合 |
書類が不足していると手続きが中断してしまうため、早めに取り寄せて整理しておくことをおすすめします。
2.確定申告書を作成する
確定申告の書類を作成する方法は、おもに次の2つがあります。
- 税務署の窓口や国税庁のホームページからダウンロードして手書きする
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」からオンライン(e-Tax)で作成する
e-Taxを利用する際、スマホの場合は「マイナンバー読み取り対応の機能」が、パソコンやタブレットの場合は「マイナンバーカード読取対応のスマホ又はICカードリーダライタ」が必要です。
3.申告書を提出する
作成したデータや書類を税務署へ提出します。自分のライフスタイルに合わせて、提出方法を選べるようになっています。
- e-Taxで送信する
- 郵送または税務署の窓口に申告書を提出する
e-Taxを使うと、場所に関係なく申請できるため、忙しい看護師におすすめの方法です。
4.納税・還付を確認する
確定申告の結果、税金を追加で払うか、戻ってくるかを確認して手続きを完了させます。申告書の提出だけでは納税が完了していないため、忘れずに処理する必要があります。
納税が必要な場合は、振替納税やクレジットカード納付などで期限内に支払いを済ませてください。還付金がある場合は、指定した銀行口座に振り込まれるのを待ちましょう。
看護師が確定申告で不安を減らすために今からできること
直前になって慌てないよう、日頃から準備しておくと安心です。
- 会計ソフトを活用する
- 地域の税相談会に参加する
- 収入と経費をわけてお金を管理する
- 税理士に依頼することを検討する
ここでは、自分の負担を減らし、確定申告を楽に進めるための対策を紹介します。
会計ソフトを活用する
会計ソフトを使えば、簿記の知識がなくても収入や経費を管理できます。銀行口座やクレジットカードと連携して、自動で明細を取り込める機能を備えた会計ソフトもあります。
また、クラウド型の会計ソフトの場合は、スマホアプリを使ってすきま時間に経費を登録可能です。手書きで帳簿をつける手間がなくなるため、確定申告の時期に慌てなくて済むでしょう。
地域の税相談会に参加する
自治体や税務署が開催する無料相談会を利用して、疑問を解消しておきましょう。専門家に確認することで、自分のケースに合った判断ができます。
確定申告の時期が近づくと、市役所や税務署などで税理士による相談コーナーが設置されるため活用してみてください。
収入と経費をわけてお金を管理する
仕事用とプライベート用のお金を区別して管理することで、計算ミスを防げます。通帳や財布を一緒にしていると、どれが経費かわからなくなりがちです。
副業をしている看護師は、副業専用の銀行口座を作り、報酬の入金や経費の支払いをその口座に集約しましょう。明細を見るだけで収支がひと目でわかり、申告時の集計作業が楽になります。
税理士に依頼することを検討する
複雑な処理が必要な場合や時間が取れない場合は、専門家にお願いするのも1つの方法です。費用はかかりますが、正確な申告ができるうえに、節税のアドバイスをもらえるメリットがあります。
事業規模が大きくなったり、本業が忙しくて自分で管理するのが難しくなってきたりしたら、一度相談してみると良いでしょう。
看護師の確定申告についてのよくある質問
確定申告の時期が近づくと、自分の働き方で手続きが必要なのか迷う看護師は少なくありません。多くの看護師が疑問に感じやすい代表的な4つの質問に回答します。疑問を解消し、不安なく年度末を迎えられるように準備しましょう。
Q1:看護師は副業の単発バイトでも確定申告は必要ですか?
1日だけの単発バイトであっても、年間の収入が20万円を超えれば確定申告が必要です。複数の派遣会社から給与をもらっている場合、それぞれの源泉徴収票を集めて合算してください。
Q2:夜勤専従でも確定申告は必要ですか?
夜勤専従で1か所の病院のみで雇用されている場合は、年末調整で対応するケースがほとんどであるため、確定申告は不要なことが多い傾向にあります。
しかし、複数の病院を掛け持ちしている場合や、フリーランスとして契約している場合は確定申告が必要です。
Q3:確定申告はいつから準備すればいいですか?
確定申告の期間は、通常2月16日から3月15日です。
しかし、必要書類の発行に時間がかかる場合があるため、早めに準備を始めると余裕を持って進められるでしょう。
12月頃に源泉徴収票や控除証明書が手元に届き始めます。書類が揃い次第、入力作業へ進めるよう、早めに環境を整えておくと安心です。
Q4:看護師が確定申告をしてもダブルワークはバレませんか?
確定申告の際に住民税の納付方法を「自分で納付」にすれば、本業にバレるリスクが低くなります。副業分の住民税通知が自宅に届き、自分で納付できるからです。
ただし、自治体によっては普通徴収が選択できない場合や、手続きミスで通知が職場に届く可能性があります。そもそも、副業していることを申告せずに働くことは就業規則違反となる可能性があり、倫理的な問題にもなりかねません。
まずは、就業規則で副業禁止であるかどうかを確認してから、ダブルワークを検討しましょう。
関連記事:看護師の方の副業がバレた時の対応や、副業をバレないようにする方法とは?
看護師は確定申告がスムーズにできるように早めに準備を進めよう!
確定申告は難しそうに見えますが、仕組みを理解すれば過度に恐れる必要はありません。
正しい知識を持って対応することで、税金のトラブルを防ぎ、還付を受け取れる可能性があります。不安なときは国税庁のホームページで確認したり、専門家を頼ったりする方法もあります。
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<参考サイト・文献>
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
