看護師ママの働き方ガイド|子育てと両立できる4つの選択肢とおすすめの職場

「子どもとの時間を大切にしたいけれど、看護師としてのキャリアも諦めたくない」
育休復帰後や、子どもが成長する過程で、このように悩む看護師ママは少なくありません。頑張りたい気持ちがあるからこそ、仕事と子育て、どちらも中途半端に感じて、自己嫌悪になりがちです。
この記事では、看護師ママが無理なく働くことができる選択肢と、両立しやすい職場を解説します。今のモヤモヤを解消し、看護師ママと家族に合った働き方を見つけるヒントにしてください。
看護師ママが働き方に悩みやすい理由
看護師ママの多くが仕事と子育ての両立という壁にぶつかるのは、医療現場特有の労働環境が原因です。厚生労働省の調査によると、子育てを理由に退職する看護師は30代で14.5%、40代で16.1%であり、続けたくても続けられない現実があります。
- 夜勤や不規則な勤務で子育てと両立できない
- 子どもの急な体調不良に対応しづらい
- 将来のキャリアや収入への不安がある
これらの悩みは、看護師に原因があるのではなく、働き方とライフステージのミスマッチが原因であることがほとんどです。まずは悩みを言語化し、選択肢を知ることが大切です。
夜勤や不規則な勤務で子育てと両立できない
病棟勤務の基本となる交代制勤務は、子育て世帯にとって大きな負担になります。
夜勤がある場合、パートナーや実家の協力が前提となり、ワンオペ育児では継続が困難です。また、日勤であっても定時で帰られるとは限らず、子どものお迎えや家事に追われ、疲れを感じやすくなります。
子どもの急な体調不良に対応しづらい
保育園や学校からの急な呼び出しに対して、すぐに対応できないことは多くの看護師ママが直面する悩みです。
受け持ち患者さまがいる、代替要員がいない状況では、早退や欠勤に罪悪感を覚えがちです。子育てへの理解が乏しい職場だと、休むたびに肩身の狭い思いをし、「もう限界かもしれない」と感じる原因になります。
将来のキャリアや収入への不安がある
子育てのために時短勤務やパートへ切り替えると、「キャリアから外れた」と感じる看護師ママもいるでしょう。また、夜勤手当がなくなることによる収入減は、家計にも直結します。
「今は我慢の時期」と割り切っても、フルタイムで働く同期を見て不安に感じてしまうのです。
関連記事:看護師は子育てと仕事を両立できない?5つの理由と働きやすい職場を紹介
看護師ママに多い働き方の選択肢
看護師ママの働き方は、「正社員かパートか」ではありません。自分と家族に合った雇用形態を選ぶことが可能です。
- 正職員(フルタイム):収入を重視したいママ
- 正職員(時短勤務):子どもとの時間を優先したいママ
- 非常勤職員・パート:ブランクが不安なママ
- 派遣:様子を見ながら働きたいママ
将来を見据えながら、家事育児の負担や経済面とのバランスを考え、納得できる選択肢を探しましょう。
正職員(フルタイム):収入を重視したいママ
賞与や各種手当があり、経済的に安定しやすい働き方です。教育費や住宅ローンなど、将来の支出を考えると安心感があります。
家族のサポート体制が整っている場合に向いており、キャリアアップを目指す方にも適しています。
正職員(時短勤務):子どもとの時間を優先したいママ
正社員としての雇用を維持しながら、勤務時間を短縮できます。
多くの病院で導入されている「短時間勤務制度」を利用すると、1日の労働時間が原則6時間となります。実際に、9~16時までの勤務にして保育園に送迎している看護師ママは多く、朝と夕方の忙しい状況を改善できるため、精神的な余裕が生まれるのです。
収入は減るものの、将来的なフルタイム復帰を見据えた現実的な選択肢です。
非常勤職員・パート:ブランクが不安なママ
「週3日の日勤のみ」「午前中だけ」など勤務日数や時間を調整しやすく、家庭優先で働ける点が魅力です。
復職直後や体力面に不安がある場合にも適しています。
派遣:様子を見ながら働きたいママ
契約期間や条件が明確で、残業が少ない働き方です。職場環境を見極めながら、次のステップを考えたい方に向いています。
実際に、2〜3か月の期間限定で働き、子どもの生活リズムや職場の雰囲気を確認しながら、正社員になるのか、パートで働くのかなど、次の働き方を検討している看護師ママもいます。
看護師ママにおすすめの5つの職場
夜勤のある病棟以外にも、看護師の資格を活かせる場はあります。看護師ママが無理なく働ける職場を見てみましょう。
- 訪問看護ステーション
- クリニック
- 病棟外来
- 介護施設
- 一般企業
日勤中心、土日休みの職場を選ぶことで、家庭との両立がスムーズになります。
訪問看護ステーション
多くの事業所でオンコール対応が求められるものの、日勤メインでスケジュール管理がしやすく、利用者さまとじっくり向き合える点が特徴の職場です。
直行直帰が可能な事業所もあり、子育て中の看護師ママからの支持が高まっています。
クリニック
基本的に予約制や診療時間が決まっているため、残業が少ない傾向にあります。
小児科クリニックなら自身の子育て経験も活かせます。また、日曜・祝日が休みで、お盆や年末年始の休暇も確保しやすい点がメリットです。
病棟外来
夜勤を避けつつ、病院勤務を続けたい看護師ママに適しています。救急外来でなければ、残業も少なく、病院の福利厚生を受けられるメリットもあります。
介護施設
病院に比べて、介護施設では医療行為が限定的で、比較的落ち着いた環境で働けます。長期的に利用者さまとかかわれることにやりがいを感じる看護師ママも多いでしょう。
一般企業
産業看護師や治験関連職など、土日休みで働ける職場です。求人数は少ないものの、規則正しい生活を重視したい看護師ママに向いています。
子どもが小さいときの看護師ママの働き方例
子どもの成長段階によって、看護師ママの働き方は変わります。育児の負担や必要なサポートが変化するため、その時期にあった働き方を選ぶことが大切です。
- 未就学児がいる看護師ママ
- 小学生の子どもがいる看護師ママ
- 中学生以降の子どもがいる看護師ママ
将来の負担にならないよう、子どもの年齢に応じた働き方の実例を見ていきましょう。自分と似た境遇のケースを知ることで、今後の見通しが立てやすくなります。
未就学児がいる看護師ママ
| 1歳の息子を院内保育所に預けて病棟に復帰しました。当初は夜勤もこなすつもりでしたが、現実は想像以上に過酷でした。保育園からの呼び出しが続き、その度に看護師長に頭を下げて早退する日々。「私、何のために働いているんだろう」と涙したこともあります。夫に相談して時短勤務に切り替えたことで、収入は減りましたが、心に余裕ができました。 |
未就学児の時期は、急な発熱や体調不良で欠勤や早退が避けられません。短時間勤務のほかに、病児保育の確保や看護休暇制度の活用などを検討することで、精神的な負担は軽減できます。
小学生の子どもがいる看護師ママ
| 小学校入学と同時に、いわゆる「小1の壁」に直面。登校時間や学童の終了時間が病棟勤務と合わず、夏休み中の昼食準備や宿題管理も負担に。そこで訪問看護へ転職しました。現在は、オンコール免除、土日休みであるため、行事にも無理なく参加できています。臨床経験を活かせるので専門性が落ちる不安もなく、今の私にはベストな選択でした。 |
学童の閉所時間や長期休暇中の居場所の確保が課題となる時期です。心理的なケアが必要な場面も増えるため、残業の少ない職場や訪問看護ステーションへの転身が有力な候補となります。
中学生以降の子どもがいる看護師ママ
| 子どもが中学生になり、手がかからなくなったタイミングで夜勤を再開しました。教育費がかさむ時期であるため、夜勤手当による収入アップは助けになっています。一方で、思春期特有の悩みや高校受験のサポートなど、精神的なケアは以前より重要だと感じています。週末は休みを取り、子どもと対話する時間を確保しつつ、仕事では看護主任を任されるようになり、看護師としての自信を取り戻せました。 |
子どもの自立が進むことで、本格的なキャリア再開を考えやすい時期です。夜勤回数を調整したり、管理職を目指したりと、収入とやりがいの両立を図る看護師ママも増えます。
看護師ママが無理しない働き方のポイント
仕事と子育ての両立を成功させるために、1人で悩む必要はありません。家族や周囲の協力を得ることが、長く働き続ける秘訣です。
- 家族の協力を得る
- 職場の子育てへの理解度を確認する
- 夜勤を免除・回数調整などを相談する
- 時短勤務を活用する
- 院内保育(託児所)を利用する
これらのポイントを意識して環境を整えることは、専門職として責任を持って働くための準備です。自分を大切にすることが、結果として家族の安心につながります。
家族の協力を得る
完璧なママを目指さず、家事と子育てをチームで取り組む意識が不可欠です。看護師の仕事は精神的・身体的にハードであり、すべての家事を1人でこなすと長続きしません。
パートナーと役割分担を明確にして、食洗機やロボット掃除機などの時短家電の導入を検討してみましょう。外食や惣菜も取り入れることで家事の負担を軽減できます。
職場の子育てへの理解度を確認する
子育てを支援する制度の有無だけでなく、「実際に制度が使われているか」の確認が重要です。
面接時に「子育て中の看護師が何名いるか」「子どもの熱で休む際のフォロー体制はどうか」を質問してみましょう。看護師ママが多い職場は、支え合っているところが多くなる傾向があります。
夜勤を免除・回数調整などを相談する
育児介護休業法では、未就学児の子どもを育てる看護師が請求した場合、深夜業(22〜5時)をさせてはならないと定められています。
「今は難しいが、将来的には戻りたい」という意思を伝えたうえで、期間限定の免除や回数調整を相談することで、現実的な落としどころを見つけやすくなります。
関連記事:看護師は子育て中でも夜勤をするの?両立する方法4つと免除制度を解説
時短勤務を活用する
時短勤務は、積極的に利用すべき制度です。「ほかのスタッフに申し訳ない」という気持ちを抱きがちですが、その分、勤務時間に業務をこなせば十分に貢献できます。
時短勤務によって生まれた1〜2時間で夕食の準備を済ませ、子どもとゆっくり会話する時間が、結果として仕事の質を高めることにつながります。
院内保育(託児所)を利用する
病院にある保育施設は、看護師ママの強い味方です。
病院のスタッフの働き方に合わせた預かり体制であるため「残業でお迎えに間に合わない」という不安がなく、万が一の体調不良時もすぐに様子を見に行ける安心感があります。
夜間対応している院内保育であれば、夜勤再開のハードルも下げられるでしょう。
看護師ママが転職を考えるタイミング
「まだ頑張れる」と自分に言い聞かせることも大切ですが、限界を超えてしまう前に立ち止まる勇気も必要です。今の働き方が適切かどうか、次のサインを見逃さないようにしましょう。
- 心身の不調を感じ始めたとき
- 家庭にしわ寄せが出ているとき
- 今後の働き方がイメージできず後悔すると感じたとき
これらの状況に当てはまるなら、環境を変えるべきタイミングかもしれません。今の職場に執着しすぎず、自分らしく働ける場所を探すことは、心の余裕につながります。
心身の不調を感じ始めたとき
朝起きるのがつらい、涙が止まらない、慢性的な頭痛があるなどのサインは、身体が限界を知らせている証拠です。
「みんな頑張っているから」と無理を重ねると、回復に時間がかかる可能性があります。まずは自分を大切にすることが、家族を守ることになります。
家庭にしわ寄せが出ているとき
子どもが不安定になっている、パートナーとのケンカが絶えないなど、仕事の影響が家庭に及んでいる場合は要注意です。
家族の笑顔が減っていると感じたときこそ、働き方の優先順位を見直すタイミングだといえるでしょう。
今後の働き方がイメージできず後悔すると感じたとき
「今の生活を5年、10年と続けて、私は納得できるだろうか」と疑問を抱いたなら、それが変化を考えるサインです。
「もっと子どもに寄り添えばよかった」と後悔する前に、今のスキルを活かせる別の道を探ってみてください。
看護師ママの働き方についてよくある質問
看護師ママがこれからのキャリアを考える際、共通して抱きやすい不安にお答えします。
Q1:看護師ママでも正社員で働けますか?
看護師ママでも正社員として働くことは可能です。
ただし、時短勤務の正社員や日勤常勤の正社員など、自分に合った「正社員の形」を選ぶことが大切です。子育て支援に力を入れている病院を選べば、福利厚生を活用しながら、無理なく働き続けられるでしょう。
Q2:夜勤なしでも収入は確保できますか?
夜勤手当に頼らなくても、一定の収入を維持する方法はあります。
訪問看護や自由診療のクリニックなど比較的給与水準の高い職場を選ぶことや、派遣で高時給の案件を活用することで、夜勤なしでも安定した収入を目指せます。
Q3:ブランクがあっても復職できますか?
ブランクがあっても復帰できます。
看護師不足の今、ブランクがある方を歓迎し、研修やフォロー体制を整えている職場もあります。復職支援セミナーを開催している病院や、教育体制の整った施設を選ぶことで、不安を感じずに再スタートできるでしょう。
Q4:子育て中に転職すると不利になりますか?
子育て経験は看護師としての強みになります。
転職理由を「不満」ではなく、「今の自分に合った環境で、長く貢献したい」という前向きな動機として伝えることで、評価につながるケースは少なくありません。
看護師ママが自分に合った働き方を見つけるために
「看護師としてちゃんと働きたい」という意識と、「子どもを大事にしたい」という愛情の両方を持っている方は、素敵な看護師ママです。
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<参考サイト・文献>
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
