患者の不安を取り除く看護とは?重要な3つの理由や今すぐ使える声かけ例を解説

公開日:2026/01/20 更新日:2026/01/20
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「患者さまにどう声をかければ安心してもらえるの?」「先輩みたいに自然に対応できない」と、患者さまへの対応に悩む看護師は少なくありません。

手術や検査を控えた患者さまは、周囲からは見えなくても、想像以上に孤独で恐怖を抱えています。恐怖に寄り添い、安心感を与えることは、看護師に求められる重要な役割です。不安を取り除くケアは、身体的な回復を早めたり、患者さまとの信頼関係を深めたりするでしょう。

この記事では、患者さまの不安の正体やケアが大切な理由を解説します。患者さまの表情を和らげ、前向きな療養生活を支えるためのヒントを伝えます。

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患者はどのような不安を感じるのか|看護師が知っておくべき前提知識

患者さまが不安を感じる場面は多岐にわたります。非日常的な環境や、自分の身体が思い通りにならない状況がストレスを生むためです。実際には、次のような場面で不安が強くなります。

  • 入院したとき
  • 検査や手術の前
  • 処置や手術が終わった後
  • 医師から病状の説明があったとき
  • 寂しいとき

看護師は、患者さまが抱える恐怖を「特別なこと」ではなく「自然な反応」と捉える必要があります。患者さまの心理状態を推察しながら、静かに寄り添いましょう。

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患者の不安を取り除く看護が重要な3つの理由

患者さまの不安を和らげるケアは、医療の現場で欠かせない要素です。精神的な安定は、治療への向き合い方や回復のスピードに大きく影響します。

  • 不安は不眠・痛み・治療拒否につながる
  • 安心感が治療意欲や回復力に影響する
  • 看護師は患者にとって身近な存在である

心が落ち着くと、患者さまはポジティブに療養生活を送れるようになります。身体の回復を助けるだけでなく、信頼関係の構築にも直結します。

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不安は不眠・痛み・治療拒否につながる

不安は気持ちの問題だけで終わりません。過度な不安は、動悸や息切れ、肩こりなど身体的な症状を悪化させます。緊張状態が続くと、自律神経が乱れ、眠れなくなったり痛みに敏感になったりすることもあります。

たとえば、手術への恐怖が強い患者さまは、術後の痛みも強く感じてしまいます。眠れない状態が続くと体力が消耗し、治療に対して消極的な態度になってしまうかもしれません。

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安心感が治療意欲や回復力に影響する

患者さまが安心感を持つと、治療に対して意欲的な姿勢になれます。医師や看護師を信頼し「自分も頑張ろう」という気持ちが高まるのです。

実際に、リハビリテーションを嫌がっていた患者さまが、病状への不安を解消できたことで積極的に歩行練習に取り組む姿が見られることがあります。

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看護師は患者にとって身近な存在である

看護師は24時間体制でベッドサイドにいるため、患者さまにとって身近で、本音を漏らしやすい存在です。医師には遠慮していえない疑問や、家族を心配させたくないがゆえの弱音を受け止める役割があります。

具体的には、回診の合間にふと漏らした「ちょっとしんどいんだけど…」「夜、不安でなかなか眠れなくて…」といった言葉は、患者さまが発する重要なサインです。

身近な存在である看護師が何気ない一言を拾い上げ、適切にケアすることは、患者さまにとって大きな支えとなります。

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患者の不安を取り除くために看護師ができる基本姿勢

患者さまが本音を話せるようになるには、まず看護師が「この人なら受け止めてくれる」と感じさせる雰囲気を作ることが不可欠です。心を開きやすい環境を整えるため、次の3点を実践しましょう。

  • 話を遮らず、最後まで聴く
  • 否定せず「感じている不安」を受け止める
  • 安心させようと無理に励まない

解決策を急いで提示するのではなく、沈黙さえも共有するゆとりを持ちましょう。

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話を遮らず、最後まで聴く

患者さまの話を途中で止めず、最後まで聴くことが信頼関係を築くためには欠かせません。

患者さまは、自分の思いをすべて出し切ることで、カタルシス効果が得られ、心が軽くなるためです。忙しい業務中であっても、一度足を止めて耳を傾けてみてください。

具体的には、ナースコールで呼ばれた際にも「すいません、忙しいので」と流さず、腰をおろして視線を合わせ、相づちを打つだけでも、伝わり方は変わります。しっかり聴いてもらえたという実感が、患者さまの不安を取り除くことにつながるのです。

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否定せず「感じている不安」を受け止める

患者さまが抱く不安に対して、客観的な正しさを求める必要はありません。「今、そう感じている」という事実をありのままに受け止めることが大切です。

患者さまの訴えに「そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ」と否定するのではなく、「怖いと感じていらっしゃるのですね」と共感しましょう。日本看護協会が定める「看護職の倫理綱領」でも、看護職は、健康問題によって不安を抱える患者・家族をありのままに受容し、見守り、支える存在であると示されています。自分の感情を肯定されると、患者さまは守られていると心から落ち着けます。

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安心させようと無理に励まない

安易な励ましは、かえって患者さまを追い詰めてしまう恐れがあります。「頑張ってください」という言葉が、すでに限界まで努力している患者さまには負担に感じます。

とくに、重篤な状態や終末期の場面では、ポジティブな言葉が患者さまにとってはストレスになりがちです。無理にコミュニケーションを取ろうとせず、ただ静かにそばにいたり、背中に手を当てたりといった寄り添う姿勢を大切にしましょう。

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患者の不安を和らげる看護師の声かけの具体例

場面に合わせた適切な言葉選びは、患者さまの緊張を解きほぐします。具体的なシーンをイメージして対話に臨みましょう。

  • 処置・検査前の声かけ
  • 入院初期の声かけ
  • 不安を言葉にできない患者への声かけ

患者さまの状況に応じた一言を添えると、孤立感を防げます。専門用語を避け、患者さまの理解度や表情に合わせた言葉を選んでください。

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処置・検査前の声かけ

<実際の声かけ例>

  • 「今から10分ほどを予定しています」
  • 「もしつらかったら、遠慮なく教えてくださいね」
  • 「よければ、一緒にゆっくり深呼吸してみましょうか。少し楽になることがありますよ」

処置や検査の前は、具体的な手順と「何のためにするのか」を伝えることが心の安定につながります。見通しが立たない状態では、「何をされるかわからない」という思いが強まり、恐怖心を増幅しやすくなります。

たとえば、採血の際に終わりの目安を伝えるだけで、患者さまは痛みに耐える準備ができます。針を刺す前、終わった直後など、節目ごとに短い声かけを重ねることを意識しましょう。

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入院初期の声かけ

<実際の声かけ例>

  • 「わからないことがあれば、いつでも呼んでください」
  • 「夜中もスタッフが近くにいますので、何かあればすぐ声をかけてくださいね」
  • 「まずはゆっくり身体を休めることを考えましょう」

入院直後は環境の変化に対する戸惑いを解消する言葉を選びましょう。生活のルールや周囲の状況を把握できないことが不安を招きます。

ナースコールの使い方を伝え、「呼んでもいいのだ」と思ってもらうことが重要です。

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不安を言葉にできない患者への声かけ

<実際の声かけ例>

  • 「今日はいつもより静かに過ごされているようですが、体調はいかがですか」
  • 「もし夜に眠れなかったり、不安になったりするときは、いつでもお話しくださいね」
  • 「寒さや体勢など、少しでも気になることがあれば教えてください」

自分の気持ちをうまく表現できない患者さまには、こちらから変化を察知して声をかけましょう。表情やしぐさから、心の揺れを読み取ることが求められます。

カーテンを閉め切っている患者さまにそっと声をかけることで、溜め込んでいた涙が溢れ出す場合もあります。無理強いせず、見守っていることを伝えることが安心感につながります。

関連記事:看護師の声掛け例13選!患者さまの不安を和らげるためのポイント

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患者の不安を強めてしまう看護師のNG対応

看護師の良かれと思った行動が、逆効果になる場面もあります。患者さまの視点に立ち、自分の振る舞いを振り返ってみましょう。

  • 「大丈夫ですよ」と根拠なく伝える
  • 忙しさが態度に出る
  • 患者の気持ちを軽く扱う言葉で話す

無意識の言動が患者さまを傷つけ、心を閉ざさせてしまう原因になりがちです。誠実な姿勢で向き合い、言葉に責任を持ってケアしてください。

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「大丈夫ですよ」と根拠なく伝える

根拠のない「大丈夫」は、患者さまの不安を無視した無責任な言葉になりかねません。病状や結果に悩む方にとって、不信感の種となる恐れがあります。

実際に、手術の結果を心配する方に「絶対うまくいきますよ」「問題ないですよ」と話すのは禁忌です。「不安に思うのは自然なことですよ。無事に終わって病室に帰ってくるのを待っていますね」と伝えましょう。

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忙しさが態度に出る

バタバタと走り回ったり、イライラした表情で接したりすると、患者さまは遠慮してしまいがちです。声をかけることで看護師の仕事の邪魔をしてしまうのではないかと罪悪感を抱かせます。

たとえば、早口で対応することは、早く切り上げたい気持ちが透けて見えます。たとえ短時間であっても、向き合う瞬間はじっくり話を聞くように努めましょう。ゆとりのある態度は、それだけで患者さまを落ち着かせる効果があります。

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患者の気持ちを軽く扱う言葉で話す

「みんな同じですよ」「もっと大変な人もいます」といった別の患者さまとの比較は、患者さまの苦しみを否定する行為です。

たとえば、術後の痛みを訴える方に「同じ日に手術を受けた患者さまはもう歩いていますよ」と伝えるのは、プライドを傷つけ患者さまを孤立させます。患者さまの尊厳を守る言葉遣いを心がけましょう。

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看護師が患者の不安に向き合えないときの考え方

看護師は忙しい業務の中で、患者さまの重い不安を受け止めるのがつらくなることもあります。自分の心を守るための視点も必要です。

  • すべての不安を取り除く必要はない
  • 不安に「寄り添う」だけでもケアになる
  • 看護師が1人で抱え込まない

患者さまの不安をゼロにしようと意気込むと、達成できなかったときに自分が無力に感じてしまいます。解決を目指すのではなく、苦しみを共有するだけで十分なケアです。

また、自分だけで解決しようとせず、チームや先輩に相談して患者さまにとってより良いケアを提供しようとする姿勢が大切です。

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患者の不安を取り除く看護についてのよくある質問

患者さまへの精神的なケアに正解はなく、現場で迷いを感じる看護師は多くいます。よくある質問を確認して、明日からのケアをよりスムーズにするヒントを見つけましょう。

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Q1:不安を話にくそうな患者にはどうかかわると良いですか?

沈黙を大切にして、無理に聞き出そうとせずそばにいてください。

視線の動きや手の震えなど言葉以外のサインに注目し、共感の姿勢を示すことが有効です。

「何かあればいつでもナースコールで呼んでくださいね」「いつでも見守っていますよ」と、心が落ち着くような声かけを続けると信頼関係を築くことができ、自然と本音を話してくれるようになるでしょう。

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Q2:看護師が忙しくても不安に対応するコツはありますか?

「今は5分しか時間がありませんが、しっかりお話を聴きます」と、あらかじめ時間を提示する方法を試してみてください。

あらかじめ終わりがわかっていることで、濃密な対話が可能になります。

また、処置やケアをしながらではなく、一旦手を止めて患者さまの目を見ることを意識しましょう。少しの時間でも、真摯に向き合う姿勢があれば患者さまは心が安らぐものです。

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Q3:新人看護師でも不安を和らげられますか?

知識や経験が少なくても、一生懸命に話を聴く姿勢は患者さまに伝わります。

適切な助言ができなくても、「おつらいですね」「大変でしたね」と共感し、必要であれば先輩や医師へつなぐことも患者さまの不安を軽減できる大切な役割です。

完璧な対応を目指すよりも、誠実に目の前の患者さまと向き合うことを大切にしてください。あなたの姿勢そのものが、患者さまの安らぎにつながります。

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患者の不安に寄り添うことは、看護師自身を守ることにもつながる

患者さまの不安に寄り添うケアは、精神的な支援に留まりません。患者さまとの信頼関係が深まると、意思疎通がスムーズになり、より良いケアが実施できるようになります。

日々の声かけを工夫し、患者さまと共に歩む看護を実践していきましょう。今の現場で培った「心に寄り添うスキル」は、病棟だけでなく、どのような環境でも武器になります。現在の経験をもとに、自分らしく専門性を発揮できる場所を探してみてください。

患者さま一人ひとりの生活に深くかかわり、じっくりと寄り添いたいと考えているなら、訪問看護という選択肢もあります。訪問看護に特化した求人サイトNsPaceCareerを活用してみてください。豊富な求人数や転職活動に役立つコンテンツがあるため、自分のペースで仕事を探せます。

<参考サイト・文献>

No.5 身体症状に着目したストレス反応|厚生労働省

2傾聴の効果|厚生労働省

患者・家族との信頼関係と倫理|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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