看護と介護の違いは5つ!役割・連携を良くするための方法をわかりやすく解説

公開日:2026/01/19 更新日:2026/01/19
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看護師と介護職(介護士)が協力して働く現場では、「チームで助け合うこと」が大切だと頭ではわかっていても、心のどこかで違和感を抱えながら働いている看護師は少なくありません。

「気づけば介護業務ばかりしている」「これって本当に看護師の役割なの?」

そう感じても、忙しさや慢性的な人手不足を前に、声を上げることをためらってしまう――そんな現実が多くの現場にあります。

こうしたモヤモヤの背景には、看護と介護の役割や専門性の違いが、現場で十分に共有されていないことがあります。違いがあいまいなまま働き続けることで、知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまうのです。

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看護と介護の違い5つ

看護と介護には、業務内容や必要な資格などの違いがあります。ただし、現場では、具体的にどの業務が看護師、介護職で行うかは明確な線引きがない現状です。特に、看護師は介護職の業務も担えるケースがあります。例として、食事や排泄介助は看護師も療養上の世話の一つとして行っています。

 看護介護
仕事内容診療の補助、療養上の世話生活支援(食事・入浴・排泄など)
対象者あらゆる疾患の方高齢者や障がい者
職種医療従事者福祉従事者
資格看護師、准看護師介護福祉士、介護職員初任者研修
給与比較的高め資格や夜勤回数による差あり
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仕事内容の違い

看護と介護では、実施できる業務の範囲が異なります。

看護師は医師の指示のもとで点滴や注射、創傷処置などの医療行為をおこなえます。一方で、介護職は原則として医師の指示を要する医療行為は行えませんが、一定の研修と体制のもとで喀痰吸引や経管栄養を実施できる場合があります。

ただし、現場ではこの違いが見えにくく、「同じことをしているように見える」場面が多いのも事実です。そのため、看護師が「この仕事は看護なのか、介護なのか」と自分の役割に迷ってしまうことがあります。

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対象者の違い

看護師は、主に病院やクリニックなどで患者さまを対象とし、病気の治療や療養が必要な方にかかわります。対して介護職は、主に特別養護老人ホームや介護老人保健施設など高齢者や障がいを持ち、生活に支援が必要な方(本記事では介護・施設文脈では『利用者さま』と表記します)をサポートします。

ただし、介護施設や慢性期の現場に勤務する看護師は、生活支援にかかわらなければなりません。厚生労働省の調査によると、看護師の7.1%が介護保険施設で働いていることが明らかになっており、看護師も介護施設で高齢者や障がい者を対象にケアを提供することがあります。対象が重なるからこそ、役割の混乱が起きやすいのです。

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職種の違い

看護師は医療職、介護職は福祉職という違いがあります。

看護師は診療の補助や療養上の世話を担い、医師や薬剤師などと連携して動きます。介護職は、社会福祉の観点からケアマネジャーや社会福祉士と協力して自立支援をおこなう場面が多い傾向です。

分野は異なりますが、どちらも人の命と生活を支える点に変わりはありません。

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必要な資格の違い

看護師は国家資格を持ち、医療行為を担う責任があります。

一方、介護職は無資格からスタートできる場合もありますが、「介護職員初任者研修」「介護福祉士」などの専門資格を通してスキルを積み上げていきます。

資格によって給与や待遇に差が生まれる場合も少なくありません。

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給与の違い

一般的に、看護師の給与水準は介護職より高い傾向にあります。医療行為にともなう責任の重さや、夜勤手当の額などが影響しているためです。実際に、厚生労働省の調査によると、看護師の給与は36万3,500円である一方で、介護職(介護職員)の給与は33万8,200円です。看護師・介護職ともに勤務形態や夜勤の有無によって給与差が大きいことが示されています。あくまで平均値であり、個々の職場条件によって異なる点には注意が必要です。

ただし、介護職も夜勤の回数や処遇改善加算の有無、管理職への昇進によって高収入を得るケースはあります。資格手当や基本給の設定に差があることを知っておきましょう。

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看護と介護の現場でよくあるすれ違い

看護師と介護職、異なる専門職が同じ現場で働くと、意見の食い違いやトラブルが起きることがあります。視点や優先順位が違うために、相手の行動を理解できない場面が出てくるからです。

  • 役割の線引きがあいまい
  • 忙しさによるコミュニケーション不足
  • 立場の違いによる価値観のズレ

現場の雰囲気を悪くしないために、どのような原因ですれ違いが起きるのかを知っておきましょう。原因がわかれば、対処できるようになります。

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役割の線引きがあいまい

業務範囲が重なる部分で、どちらが担当すべきか迷うケースがあります。とくに、食事介助や排泄介助、入浴後のケアなどは看護と介護の両方がかかわる業務です。

たとえば、看護師が「おむつ交換は介護職の仕事」と思い込んでいると、手が空いているのに手伝わないことに対し、介護職は不満を抱くかもしれません。

明らかなルールがない施設では、その場の判断に任された結果、トラブルになりがちです。

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忙しさによるコミュニケーション不足

業務に追われていると、情報の伝達がおろそかになります。ゆっくり話す時間が取れず、申し送りが簡潔になることも少なくありません。

実際に、利用者さまの体調変化を伝えたつもりでも、相手には重要性が伝わっていない場合があります。「伝えた」「聞いていない」という水掛け論は、信頼関係を損なう原因となります。

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立場の違いによる価値観のズレ

医療的な正しさとQOL向上の間で、意見が対立することがあります。

看護師はリスク管理や疾患の悪化防止を重視しますが、介護職は利用者さまのその人らしい暮らしや意欲を尊重する傾向にあるためです。

具体例として、誤嚥のリスクがある利用者さまの食事場面が挙げられます。看護師が「肺炎のリスクを避けるために絶食やとろみ食が必要」と判断する一方で、介護職は「口から食べる喜びを優先したい」と考えるかもしれません。

どちらも利用者さまの幸せを願っての意見ですが、優先順位の置き方が異なるためにすれ違いが生じやすくなります。

関連記事:看護師なのに介護ばかりと感じる理由とは?よくある職場と後悔しない選択肢

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看護と介護の連携を良くするために大切なこと

良好な関係を築くには、お互いに相手の職種へのリスペクトが欠かせません。ここでは、今から実践できる連携のポイントを紹介します。

  • お互いの専門性を理解する
  • 情報共有のタイミングと方法を統一する
  • 「お願い」ではなく「協働」の意識を持つ

一方的に指示を出すのではなく、相談し合う関係性を目指しましょう。利用者さまのためにも、心地よい職場環境作りに努めることが大切です。

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お互いの専門性を理解する

相手の仕事内容や得意分野を知ることから始めましょう。介護職は生活支援のプロであり、利用者さまの変化に早く気づく視点を持っています。看護師はその情報を、処置やケアに役立てます。

実際に、利用者さまの食事量が減った理由を介護職に聞けば、好みの変化や入れ歯の不具合など、生活視点での気づきが得られるでしょう。介護職の観察力を取り入れることで、より質の高い看護計画を立てられます。

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情報共有のタイミングと方法を統一する

情報共有のミスを防ぐために、報告のルールはしっかりと決めましょう。緊急度に応じた伝え方や、記録の書き方を統一するとスムーズに情報伝達ができます。

急ぎでない内容はノートに記載し、緊急時は口頭で伝えたうえで記録するなど、具体的な取り決めが必要です。情報が正しく伝われば、利用者さまへの対応も統一できます。

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「お願い」ではなく「協働」の意識を持つ

業務を依頼する際は、指示ではなく協力をお願いする姿勢を示すことが大切です。上下関係ではなく、対等なパートナーとして接する意識を持ちましょう。

「これやっておいて」と投げるのではなく、「今手が離せないので、手伝ってもらえませんか」と伝えれば、相手も快く引き受けてくれます。互いに助け合う風土ができれば、業務の負担も軽減できるはずです。

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看護師と介護職がいる現場で働くメリット・やりがい

看護師と介護職が連携する現場で働くメリット・やりがいは、次のとおりです。

  • 利用者さまを長期的に支えられる
  • 医療と生活の両方の視点を学べる
  • キャリアの選択肢が増える

看護師だけでは解決できない課題もチームで乗り越えられます。互いの強みを知ることで、柔軟な視点で利用者さまにケアができるでしょう。

関連記事:介護施設の看護師の仕事内容6つ!やりがいや求人を探すコツを紹介

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看護と介護についてのよくある質問

看護と介護の境界線や、キャリアの方向性について悩む方は少なくありません。現場でよく聞かれる疑問を解消し、自分に合った働き方を見つけるヒントにしてください。

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Q1:看護師と介護職、どちらが大変ですか?

看護師と介護職は担っている役割や業務内容が異なるため、一概にどちらが大変とは言えません。大変さの「質」がそれぞれ違うと考える方が現実に近いでしょう。

看護師は、利用者さまの状態変化を見逃さず、命に関わる判断を求められる場面が多く、精神的なプレッシャーを感じやすい職種です。一方、介護職は入浴介助や移乗、体位変換など、日常的に身体を使う業務が多く、体力的な負担が大きくなりがちです。

どちらの職種も、利用者さまの安全と生活を守るという重要な責任を担っています。立場や専門性の違いによる大変さを理解し合うことが、より良い連携につながる第一歩といえるでしょう。

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Q2:看護師が介護施設で働くメリットはありますか?

看護師が介護施設で働くメリットは、利用者さまにじっくりケアができる点です。

また、働き方として施設によっては夜勤がない、またはオンコール対応のみの場合もあり、生活リズムを整えやすい点も魅力です。医療行為が少ない分、ブランクがある看護師でも復職しやすい環境といえます。

生活を支える視点を養えるため、看護観を広げ学びが深まるでしょう。

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Q3:介護職から看護師を目指せますか?

介護職としての経験を活かして、看護師を目指すことは可能です。実際に、働きながら看護学校に通い、資格を取得する人は少なくありません。

ただし、介護職の資格や実務経験があっても、看護師免許を取得するための「科目免除制度」はないようです。そのため、一般の学生と同じように看護師の養成機関(専門学校や大学など)に入学し、所定のカリキュラムを修了する必要があります。

一方で、介護現場で培ったコミュニケーション能力や生活支援の技術は、看護の実習や臨床現場でも役に立ちます。利用者さまの生活に密着した視点を持っていることは、看護師としての強みになるはずです。

また、奨学金制度や教育訓練給付制度を利用すれば、経済的な負担を減らして進学できるでしょう。

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看護と介護は「支え合う関係」だからこそ価値がある

看護と介護は担う役割や視点こそ異なりますが、目指しているゴールは同じです。

それは、利用者さまが安心して、その人らしい生活を続けられるよう支えること。互いの専門性を理解し合うことで、より質の高いケアにつながります。

現場ですれ違いを感じたときは、「どちらが正しいか」ではなく、「相手は何を大切にしているのか」という視点で考えてみてください。支え合う関係を築ければ、チームケアのやりがいや楽しさを実感できるはずです。

もし「今の職場では理想のチームケアが難しい」と感じているなら、働く環境を見直すことも選択肢のひとつです。

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<参考サイト・文献>

令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省

令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省

看護職になるには|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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