看護用語・略語一覧!現場で使う略語を場面別に解説【新人看護師向け】

公開日:2025/12/02 更新日:2025/12/02
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「カルテに書いてある略語の意味がわからない」「先輩の申し送りで出てくる略語が理解できない」

新人看護師が最初につまずくポイントのひとつが“略語”です。

医療現場では、申し送りや記録の効率化のために多くの略語が使われています。略語の意味を理解していないと、患者さまの情報を正確に把握できず、業務に支障が出ることもあります。

この記事では「現場で本当に使う略語」を場面別に一覧でまとめました。まずは一覧を確認し、そのあとで「覚え方のコツ」や「注意点」を解説します。

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現場でよく使う看護用語・略語一覧【場面別6選】

ここでは、新人看護師が覚えておくと役立つ用語や略語を6つの場面にわけて紹介します。ただし、いずれの用語・単語も、施設によっては不適切と判断され、電子カルテへの記載が認められてない場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

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1.看護記録・バイタルサインについての用語・略語

以下は、毎日のバイタル測定や記録で必ず目にする略語です。

略語由来意味
VSVital Signsバイタルサイン
BTBody Temperature体温
HRHeart Rate心拍数
BPBlood Pressure血圧
RRRespiratory Rate呼吸数
SpO₂Saturation of Peripheral Oxygen経皮的動脈血酸素飽和度
WtWeight体重
I/O(イン/アウト)Intake/Output水分摂取量と排泄量
BSBlood Sugar血糖値

バイタルサインは患者さまの状態把握に欠かせません。毎日繰り返し目にするため、最初に覚えたい略語です。

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2.検査・血液データについての用語・略語

採血結果や検査関連の用語・略語を紹介します。

略語由来意味
WBCWhite Blood Cell白血球数
RBCRed Blood Cell赤血球数
HbHemoglobinヘモグロビン
HtHematocritヘマトクリット値
PltPlatelet血小板数
CRPC-Reactive ProteinC反応性タンパク(炎症マーカー)
NaNatriumナトリウム
KKaliumカリウム
BUNBlood Urea Nitrogen血中尿素窒素
CrCreatinineクレアチニン
ECG/EKGElectrocardiogram心電図
X-PX-ray Photographyレントゲン
CTComputed Tomographyコンピューター断層撮影
MRIMagnetic Resonance Imaging磁気共鳴画像
BF(ブロンコ)Broncho Fiberscopy気管支ファイバースコープ検査

検査データは、治療方針の決定に直結する重要情報です。頻繁に目にする項目を中心に覚えておきましょう。

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3.処置・ケアに関する用語・略語

日常的な看護ケアや処置で使う用語・略語を紹介します。

略語由来意味
ADLActivities of Daily Living日常生活動作
BDBed Bathベッドバス・清拭
体交体位交換
離床ベッドから離れること
ギャッジアップGatch upベッドの背上げ
サクションSuction吸引
KOTKot(独)大便
GEGlycerin Enemaグリセリン浣腸

これらは看護師同士の会話や申し送りでよく使われるため、正確に理解しておきましょう。

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4.薬剤・治療に関する用語・略語

投薬や治療にかかわる用語・略語は、薬剤の投与方法や治療内容を示す際に使われます。

略語由来意味
POPer Os(ラテン語)経口投与・内服
IVIntravenous injection点滴静脈注射
CVCentral Venous中心静脈
DIVDrip Intravenous点滴静注
i.m.Intramuscular injection筋肉注射
s.c.Subcutaneous injection皮下注射
TPNTotal Parenteral Nutrition中心静脈栄養
HSHour of Sleep就寝時
O2Oxygen酸素
Chemo(ケモ)Chemotherapy化学療法
ラジRadiation放射線療法

薬剤投与の場面で略語の誤解は重大事故につながります。略語の理解に自信がないときは、必ず確認しましょう。

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5.申し送り・カンファレンスで使う用語・略語

申し送りやカンファレンスなど、チーム内での報告場面で使われる用語・略語です。現場特有の言い回しも含まれます。

略語由来意味
ICInformed Consentインフォームドコンセント(説明と同意)
DNARDo Not Attempt Resuscitation心肺蘇生(胸骨圧迫・除細動など)をおこなわない
オペ出し手術室への患者搬送
ENT(エント)Entlassen(独)退院(※耳鼻科の略称 ENT と混同しやすいため施設により使用が分かれる)
リハRehabilitationリハビリテーション
ステるSterben(独)亡くなる(俗語)
ワゴるVagal reflex迷走神経反射を起こす(俗語)
タキるTachycardia頻脈になる(俗語)

「ステる」「ワゴる」「タキる」といった言葉は、電子カルテには記載しないものの、一部の現場で口頭で使われることがあります。患者さまの尊厳に配慮して、正式な場では使用されません。

戸惑うことがないよう、意味を理解しておきましょう。

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6.部署・職種・医療制度に関する用語・略語

医療施設や部署、多職種連携で使われる用語や略語もあります。チーム医療を進めるうえで役立つため、把握しておきましょう。

略語由来意味
ICUIntensive Care Unit集中治療室
HCUHigh Care Unit高度治療室
CCUCoronary Care Unit冠疾患集中治療室
SCUStroke Care Unit脳卒中ケアユニット
NICUNeonatal Intensive Care Unit新生児集中治療室
GCUGrowing Care Unit新生児回復治療室
EREmergency Room救急外来
PNSPartnership Nursing System看護師2人がペアを組み業務をおこなう看護方式
NSTNutrition Support Team栄養サポートチーム
PTPhysical Therapist理学療法士
OTOccupational Therapist作業療法士
STSpeech Therapist言語聴覚士
CEClinical Engineer臨床工学技士
MSWMedical Social Worker医療ソーシャルワーカー

医療現場では、さまざまな職種や部署が連携して患者さまをサポートしています。それぞれの略語を知っておくことで、カンファレンスや多職種との連絡がスムーズになります。

関連記事:医療職が使う略語一覧|現場で使う用語を新人看護師向けに6つの場面別に解説

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新人看護師が看護用語・略語を覚える3つのステップ

用語や略語を一度にすべて覚えようとすると、負担が大きくなります。ここでは、効率的に略語を覚えるための3つのステップを紹介します。

  1. 日常業務で使う略語から覚える
  2. 配属部署で頻繁に使う用語・略語を優先する
  3. 緊急時や専門的な略語は経験を積みながら覚える

それぞれみていきましょう。

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ステップ1:日常業務で使う略語から覚える

まずは、毎日の業務で使う「BP」「HR」「RR」などの略語から覚えましょう。

日常業務に関連する用語は、繰り返し使うことで、自然と覚えられます。「SpO₂が少し下がっている」「夜勤帯のI/Oバランスを確認する」のように実際に使ってみることで、記憶に残りやすくなります。

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ステップ2:配属部署で頻繁に使う用語・略語を優先する

配属された部署によって、よく使う用語や略語は異なります。

たとえば、循環器病棟なら心機能に、外科病棟なら術後管理に関連した言葉が登場します。

先輩看護師がよく使う略語をメモして、優先的に学習しましょう。申し送りやカンファレンスで聞き取れなかったものがあれば、その場でメモを取り、あとから意味を確認する習慣をつけることで、効率よく身につきます。

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ステップ3:緊急時や専門的な略語は経験を積みながら覚える

使用頻度の低い専門的な用語や略語もあります。

たとえば、ECMO(体外式膜型人工肺)、CHDF(持続的血液濾過透析)など、専門性の高い治療や処置で使われる略語が挙げられます。これらは無理に覚えようとせず、実際に必要になったタイミングで理解を深めていけば問題ありません。

わからない用語や略語があったときは、その都度調べたり先輩に聞いたりして、着実に知識を増やしていきましょう。

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看護用語・略語を使うときの注意点

略語は便利な一方で、使い方を間違えると誤解や事故につながる可能性があります。安全に略語を使うために、次の注意点を把握しておきましょう。

  • 口頭で略語を使う際は伝達ミスに注意する
  • 病院・施設によって用語や略語が異なる場合がある
  • 正式な記録では略さない方が良いことを知っておく

それぞれ解説します。

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口頭で略語を使う際は伝達ミスに注意する

略語を口頭で伝える際は、伝達ミスに注意が必要です。日本医療機能評価機構の報告によると、口頭での情報伝達の間違いにより医療事故が発生した事例があります。

口頭で略語を伝える際は、復唱しましょう。「IVしてください」との指示があれば「静脈注射ですね」と確認することで、聞き間違いを防ぎやすくなります。

また、似たような略語もあります。「IC」は「インフォームドコンセント」の略語ですが「集中治療室」を指す「ICU」と聞き間違える場面もあるかもしれません。不明な点はそのままにせず、確認する習慣をつけましょう。

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病院・施設によって用語や略語が異なる場合がある

同じ略語でも、職場によって意味が異なることがあります。

たとえば、血糖値を示す場合「BS」を使わずに「BG」や「Glu(グルコース)」と記録する施設もあります。

「前の職場ではこう使っていた」という思い込みが誤解やミスにつながることもあるため、転職時には、その施設のルールを確認しましょう。

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正式な記録では略さない方が良いことを知っておく

略語を使って良い場面と避けるべき場面があります。申し送りやスタッフ同士の会話では略語を使うことが多くても、電子カルテへの記録やレポート、インシデントの報告書などではわかりやすく正式名称で記載しましょう。

日本看護協会が定める看護業務基準でも、看護実践の記録は「客観的で、どのような看護の場においても情報共有しやすい形」とすることが求められています。

また、患者さまやご家族とのコミュニケーションでは、医療用語や略語を避けた方が伝わりやすくなります。「ケモを始めます」ではなく「化学療法を始めます」のように、相手が理解できる言葉で伝えましょう。

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看護用語・略語を効率的に覚える方法

略語を効率的に覚えるためには、押さえておきたいコツがあります。ここでは、実践で使える3つのコツを紹介します。

  • 場面ごとにグループわけして覚える
  • 実際の業務で使いながら定着させる
  • わからない略語はその場で確認する習慣をつける

自分に合った方法を取り入れてみてください。

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場面ごとにグループわけして覚える

「バイタルサイン関連の用語・略語」「処置関連の用語・略語」など、場面別にまとめると記憶しやすくなります。

たとえば、バイタルサイン測定のときは「BP、HR、RR、BT、SpO₂」を流れで覚え、検査データを見るときは「WBC、RBC、Hb、Plt、CRP」をセットで確認するといったイメージです。

関連する略語をセットで覚えることで、実際の業務での応用力も高まります。

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実際の業務で使いながら定着させる

教科書や参考書を見て暗記するより、申し送りや記録で実際に使う方が定着します。覚えた略語は積極的に使いましょう。

先輩看護師の申し送りを聞き、どのような場面でどの略語が使われているかを観察することも効果的です。「このような場面でこの略語を使うのか」と気づくことで、自分でも使えるようになります。

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わからない略語はその場で確認する習慣をつける

知らない略語や医療用語があったら、すぐに調べたり先輩看護師に聞いたりする姿勢を大切にしましょう。

メモ帳に略語リストを作り、いつでも見返せるようにしておくと便利です。

関連記事:新人看護師の5つの悩みと対処法!辞めたい気持ちを乗り越えて成長するコツ

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看護用語・略語についてのよくある質問

ここでは、看護用語や略語についてのよくある質問に回答します。

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Q1:略語の読み方がわからないときはどうすれば良いですか?

アルファベットの略語は、そのままカタカナで読んでみましょう。たとえば、IVは「アイブイ」、i.m.は「アイエム」と読みます。

なお、同じ略語でも、職場によって読み方が異なる場合もあります。不安なときは先輩看護師に確認し、職場での読み方に合わせましょう。

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Q2:略語と正式名称、どちらで覚えるべきですか?

略語と正式名称は、一緒に覚えることが理想です。セットで覚えることで略語の意味が定着し、患者さまやご家族への説明時にも言い換えやすくなります。

ただし「MRI」「CT」「ICU」など、略語が一般的になっている用語は、正式名称を知らなくても業務に支障はないでしょう。日常的に使う略語の意味を理解することを優先してください。

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Q3:略語を覚えるのにどれくらい時間がかかりますか?

略語に慣れるまでにかかる時間は人により異なりますが、日々の業務で使用する略語は短期間で覚えられることが多いでしょう。

バイタルサインや日常的な処置に関する略語であれば、1〜2ヶ月程度で自然と身につきます。部署特有の略語や専門的な用語は、毎日の業務で少しずつ知識を増やすことが大切です。

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看護用語・略語は場面別に覚えて実践で身につけよう

医療現場で使われる用語・略語は多岐にわたります。日常業務で使う基本的な略語や、配属部署でよく使う用語を優先的に学習していきましょう。

用語・略語は、日々の業務を通じて理解していくものです。焦らずに、少しずつ知識を広げていってください。

また、現場の業務に慣れてくると、看護師としての視野が広がります。病棟での経験を活かして、訪問看護など新しいフィールドに挑戦する看護師もいます。訪問看護に興味がある方は、訪問看護専門の求人サイト「NsPace Career」で情報をチェックしてみてください。

<参考文献・サイト>

共有すべき医療事故情報「口頭での情報伝達の間違いが生じた事例」(第13回報告書)について|医療事故情報収集等事業 第 22 回報告書

看護業務基準 2021年改訂版|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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