看護師のリーダーシップのレポート例文5選!書き方のコツと評価されるポイント

公開日:2025/12/02 更新日:2025/12/02
記事サムネイル画像

看護師にとって、リーダーシップは昇進やキャリアアップのために欠かせないスキルです。

しかし、レポートを書く際、「自分のどんな行動がリーダーシップなのか?」「どう理論と結びつければ良いか?」と悩む看護師の方も少なくありません。

この記事では、リーダーシップのレポートを書くための目標設定や求められる内容、例文を紹介します。レポートの書き方のコツを掴んでリーダーシップを最大限に伝え、評価につなげましょう。

事業所からスカウトがもらえる

看護師のリーダーシップのレポートとは?

看護師のリーダーシップレポートとは、日々の業務を通して発揮した指導力・調整力・問題解決能力を客観的に振り返り、次の成長目標につなげるための記録です。
自分の行動を理論や根拠と結びつけることで、専門職としての判断力を明確に示す役割もあります。

事業所からスカウトがもらえる

看護師がリーダーシップのレポートを書く目標

リーダーシップのレポートを書く主な目標は、次の2つに整理できます。

  • 自己の振り返り(セルフアセスメント):どのような状況で、どんな意図をもって行動し、その結果チームや患者さまにどのような影響を与えたのかを振り返ります。
    これにより、自身の看護観の整理や、次の行動計画の明確化につながります。
  • スキルの証明(評価者へのアピール):日々の経験を言語化することで、自分が持つ指導力・調整力・影響力を評価者に具体的に伝えることができます。
    昇進やキャリアアップを目指すうえで、専門性にもとづいた行動の根拠を示す資料として有効です。

レポート作成は、看護師の経験を専門的な知識と結びつけ、「看護師としてどのように成長しているか」を示す重要なプロセスです。適切にまとめることで、キャリアの可能性を広げる強力なツールとなります。

事業所からスカウトがもらえる

リーダーシップのレポートで求められる内容

リーダーシップレポートで評価者が最も重視するのは、状況をどう捉え、なぜその行動を選択したのかという“思考のプロセス”です。

以下の4つの要素を明確に示すことで、あなたのリーダーシップが具体的かつ説得力をもって伝わります。

評価される要素ポイント
事例の具体性誰に、いつ、どこで、何を、どのように働きかけたかを記述する
判断の根拠なぜその指示や行動を選んだのかという、判断の根拠を明確にする 
理論との結びつき経験をリーダーシップ理論と結びつけ、知識の裏づけを示す
結果と影響チームや患者さまにどのような変化・成果があったかを記述する

これらの要素を意識して記述することで、レポートは単なる経験談ではなく、「専門職としての指導力・判断力・問題解決能力」を客観的に証明する文書になります。

関連記事:看護師のリーダーシップとは?リーダーの役割と必要なスキル

事業所からスカウトがもらえる

看護師のリーダーシップについてのレポート例文

看護師のリーダーシップの経験をレポートに落とし込む際の参考となる例文を紹介します。第3者がレポートを読んで、すぐに理解するようにするためには「状況、行動、根拠、結果」の順に書く必要があります。

事業所からスカウトがもらえる

例文1:チーム医療で多職種連携をリードした事例

状況嚥下機能が低下した患者さまの食事形態について、医師、栄養士、リハビリスタッフ間で方針が一致せず、対応が遅れていた。
行動リハビリスタッフへ嚥下評価を依頼し、多職種による合同カンファレンスを招集。各職種の情報を整理し、患者さまの状態に基づいた目標を共有した。
根拠患者さまの安全確保とQOLの維持が最優先であるため、職種間の認識のズレを早期に解消する必要があると判断した。
結果食事形態は現状維持としつつ、ケアにおける注意点を全スタッフで共有。1週間後に再評価する方針となり、チームの方針が統一された。

この事例では、看護師が「調整役(コーディネーター)」としてのリーダーシップを発揮し、多職種間の機能不全を改善しています。
患者さまの安全を軸に意思統一を行い、チーム全体を目標達成へ導いた点が高く評価されるポイントです。

事業所からスカウトがもらえる

例文2:急変対応で優先順位を判断しスタッフに指示を出した事例

状況夜勤帯、新人看護師が心停止の患者さまを発見し、現場が動揺していた。
行動動揺するスタッフに対して、私は「Aさんは胸骨圧迫を開始して」「Bさんは除細動器を準備して」と役割を明確に伝え、行動の優先順位を即座に指示した。
根拠急変時は、明確な指示によって混乱を最小限に抑えることが重要である。また、蘇生処置の開始と応援要請を最優先とするプロトコルにも基づき、適切な役割分担を行った。
結果スタッフの動きが統一され、初期対応が完了した。新人看護師からは「明確な指示のおかげで迷わず動けた」とのフィードバックがあり、リーダーとしての指示の効果を実感できた。

急変場面では、即時の判断力と役割を明確に示す指示力がチーム機能を維持する鍵となります。

この事例では、プロトコルに基づいた行動と、冷静な役割分担がチームの統率に大きく寄与しており、リーダーシップの良い実例と言えます。

事業所からスカウトがもらえる

例文3:患者さまのクレームにうまく対応した事例

状況検査の待ち時間が長引いたことで、患者さまが待合室で強い不安と不満を訴えており、周囲の患者さまにも影響が広がりかねない状況だった。
行動まず個室に誘導し、プライバシーを確保したうえで、気持ちに寄り添いながら傾聴した。
その後、検査部門に状況を確認し、前の患者さまの容態変化が原因で待ち時間が延びていることを丁寧に説明し、謝罪した。
根拠苦情対応ではまず感情の収束が重要であり、公衆の場で感情的なやり取りが続くことは望ましくない。また、訴えの内容を正確に把握したうえで誠実な情報提供を行うことが、信頼関係の再構築につながると判断した。
結果患者さまは落ち着きを取り戻し、待ち時間について理解を示した。今回の事例は、組織全体で待ち時間対応を見直す機会にもつながった。

クレーム対応は、危機管理と信頼回復の両方を求められる高度なリーダーシップ領域です。

この事例では、倫理的配慮と状況コントロールにより問題拡大を防ぎ、さらに組織改善にもつなげた点が評価されます。

事業所からスカウトがもらえる

例文4:カンファレンスの場面でスタッフの意見をまとめた事例

状況終末期ケアのカンファレンスで、若手とベテランの間で倫理観に基づく意見の対立が生じ、議論が収束しない状況だった。
行動一度議論を中断し、「患者さまの意向」と「私たちが提供できるケア」という二つの視点で意見を出し合うよう促した。
さらに、全員が均等に発言できるよう進行を調整した。
根拠意見対立は、目指すべき目標の捉え方のズレ判断したため。建設的な議論には、共通のゴールの再認識が不可欠と考えた。
結果各メンバーの意見を整理でき、チーム全員が納得できるケア方針を導くことができた。
その過程で、チーム内の相互理解も深まった。

この事例は、感情的な対立を放置せず、視点の再設定とファシリテーションによって議論を建設的な方向へ導いた好例です。

目標を共有し、メンバー同士の理解を深められるよう働きかけることは、看護師に求められる重要なリーダーシップ能力の一つです。

事業所からスカウトがもらえる

例文5:研修の資料作成を指導した事例

状況後輩が、院内研修の資料作成を任されたが、専門用語が多く理解しにくい内容となり、どのように改善すべきか悩んでいた。
行動すぐに内容を修正するのではなく、まず研修の目的と参加者の理解レベルを再確認するよう促した。
そのうえで、資料作成を①構成の確認 → ②内容の整理 → ③専門用語の調整 と段階的に進めるようアドバイスした。
根拠目的を明確にすることで、後輩の自己学習と問題解決能力を育てることが、長期的なリーダー育成につながると判断した。答えを与えるのではなく、自分で考えるプロセスを獲得してもらうことを重視した。
結果後輩は資料の流れを整理し、内容を改善できた。しかし、研修後の参加者から「専門用語が難しかった」という意見があり、一般の方を対象とする研修では、より平易な表現が必要であるという課題が残った。

この事例では、後輩の自主性を尊重し、目的思考で資料を改善できるよう支援した点がリーダーシップとして評価されます。
一方で、対象者が一般の方であることを踏まえた“専門用語の平文化”が十分でなかった点が課題として明確であり、今後の成長課題として適切に整理されています。

事業所からスカウトがもらえる

看護師がリーダーシップのレポートを書くときの課題

管理職に評価されるレポートを作成するためには、多くの看護師が共通して抱えやすい課題を理解しておくことが重要です。
代表的な課題は次の3つです。

  • 抽象的な表現になりやすい
  • 自分の行動をうまく言葉にできない
  • リーダーシップ理論と現場経験を結びつけにくい

まずはこれらの課題を把握することが、説得力と根拠のあるレポートを作成する第一歩となります。

事業所からスカウトがもらえる

抽象的な表現になりやすい

レポートを書く際には、「頑張った」「一生懸命やった」など、抽象的な表現が多くなりがちです。評価者が求めているのは、「何が、どの程度、どう変化したか」という客観的な事実にもとづいた記述です。

行動の過程だけでなく、その行動が患者さまやチームにどのような影響を与え、その結果どうなったかが見えてこないと、行動の成果は十分に伝わりません。

事業所からスカウトがもらえる

自分の行動をうまく言葉にできない

看護師は日々の業務で多くの判断を「無意識のうちに」行っています。

そのため、自分の行動にどんな意図や根拠があったかを言語化するのが難しいと感じる人が多い傾向にあります。

これは、経験が豊富な人ほど陥りやすい課題でもあります。

評価者に伝わるレポートを作成するためには、

「なぜその行動を選んだのか」

という思考プロセスを整理し、言葉で説明することが不可欠です。

事業所からスカウトがもらえる

リーダーシップの理論と現場経験を結びつけにくい

リーダーシップレポートでは、経験した行動をPM理論やSL理論などの

リーダーシップ理論と関連づけて説明することが求められます。

これは、単なる経験則の報告ではなく、専門知識に基づいた判断であることを示すためです。

しかし、実際には「現場での行動をどの理論に当てはめれば良いのか分からない」と悩む看護師も多く、理論と実践を結びつける作業に難しさを感じがちです。

事業所からスカウトがもらえる

看護師のリーダーシップについてのレポートを書くコツ

レポートの課題を克服し、評価者にリーダーシップを的確に伝えるためのコツを紹介します。次のコツを意識することで、より説得力のあるレポートが作成できます。

  • 事例を「状況、行動、根拠、結果」の順に整理する
  • 第3者が読んでも理解できるように具体的に書く
  • 看護の視点(安全・連携・倫理)を盛り込む
  • リーダーシップ理論を用いて書く
  • 「できたこと」だけではなく課題も書く

これらのポイントを押さえることで、あなたの看護観や専門職としての思考過程が伝わり、
キャリアアップにつながる質の高いレポートを作成できるでしょう。

事業所からスカウトがもらえる

事例を「状況、行動、根拠、結果」の順に整理する

リーダーシップレポートは、「状況 → 行動 → 根拠 → 結果」の順に整理して書くことで、評価者があなたの思考プロセスを正確に理解できます。
行動の「結果」だけを書くと、たまたま成功したように見えてしまい、リーダーシップとしての妥当性が伝わりません。

たとえば、
「患者さまの急変時にスタッフへ指示を出した」という行動だけでなく、
「夜勤帯で人員が限られ、新人看護師が動揺していた状況」や
「急変時はプロトコルに沿った指示が必要と判断した根拠」
まで示すことで、判断の専門性が明確になります。

このフレームを活用することで、レポートの説得力と客観性が大きく向上します。

事業所からスカウトがもらえる

第3者が読んでも理解できるように具体的に書く

リーダーシップのレポートでは、具体的に書いて、読み手に伝わるようにすることが、高い評価を得るために重要です。抽象的な表現では、看護師の意図や能力が正しく伝わりません。

たとえば、「スタッフに指導した」ではなく、「新人看護師に対し、点滴準備のダブルチェック手順を口頭で説明し、その場で確認した」というように、対象・内容・方法を具体的に記述します。

この具体性こそが、リーダーシップを意図的に発揮したことを裏づけ、評価者からの信頼を得ることになります。

事業所からスカウトがもらえる

看護の視点(安全・連携・倫理)を盛り込む

レポートでは、あなたのリーダーシップが質の高い看護につながっていることを示す必要があります。

特に以下の3つの視点は、看護師に求められる重要な要素です。

  • 患者さまの安全確保
  • 多職種間の連携強化
  • 倫理的な配慮

たとえば、多職種連携の事例で「嚥下調整食3に変更した」という結果を書くときは、
「その結果、誤嚥リスクが低下し、患者さまの安全性が高まった」という視点を付け加えると、
看護実践の質を高めるリーダーシップであることが伝わります。

日本看護協会「看護実践能力」でも安全の確保は必須項目とされており、これらの視点を盛り込むことで、専門職としての指導力が強調されます。

事業所からスカウトがもらえる

リーダーシップ理論を用いて書く

レポート作成では、経験を単なる“体験談”で終わらせず、リーダーシップ理論と結びつけることが重要です。

これは、経験に基づくだけでなく、知識と根拠をもって判断したことを評価者へ示すためです。

たとえば、後輩の意見を尊重し、彼らの能力発揮を支援した行動に対して、「これはサーバントリーダーシップを活用した行動である」と記載することで、行動の背景にある理論が明確になります。

経験と理論の紐づけができていることは、昇進・昇格に必要な専門性を示す根拠となり、
評価者からの信頼も高まります。

事業所からスカウトがもらえる

「できたこと」だけではなく課題も書く

レポートでは、成功した点だけでなく、今後の課題や改善点を具体的に示すことが重要です。

これは、単なる事例紹介ではなく、自己を振り返りながら成長していく姿勢があることを評価者に伝えるためです。

たとえば、事例を振り返って

「次回はより的確に判断できるよう、コミュニケーションスキルを高めたい」

といった具体的な改善目標を記述します。

このように、現状に満足せず、将来の管理職・指導者としての役割を意識していることを示すことで、

レポート全体の評価は格段に向上します。

関連記事:看護師向け研修報告書テンプレート!書き方例と4つのポイントを解説

事業所からスカウトがもらえる

看護師のリーダーシップのレポートについてのよくある質問

看護師のリーダーシップのレポートについて、よくある質問に回答します。

事業所からスカウトがもらえる

Q1:リーダーの経験が少なくてもレポートは書けますか?

リーダーシップの経験が少なくてもレポートを書くことは可能です。
日々の業務の中には、リーダーシップにつながる行動が多く含まれているためです。

  • 後輩への指導
  • 患者さまへの指導
  • 多職種への提案
  • 危機管理への働きかけ

役職の有無にかかわらず、「チームや状況に影響を与えた経験」を整理しましょう。リーダーの経験が少ない状況でレポートを書くためには、「誰かの行動を促したり、状況を良い方向に変えたりした経験」を見つけ出すことが大切です。

事業所からスカウトがもらえる

Q2:リーダーシップ理論は必ず書く必要がありますか?

リーダーシップ理論を書くことは必須ではありません。

ただし、看護師の行動や経験と理論と結びつけることで、専門的な知識をもとにしていることを評価者に示せます。

特に、昇進・昇格を目指すレポートでは、理論の裏づけがあることで説得力が増し、評価がより高くなる傾向があります。

事業所からスカウトがもらえる

Q3:患者情報の扱いはどこまで書いても良いですか?

患者さまの情報を記載する際は、個人が特定されないことが絶対条件です。

・氏名

・イニシャル

・病室番号

・家族構成が推測できる情報

これらは記載しないでください。

レポート提出前に指導者や上司へ確認し、個人情報保護の観点で問題がないかチェックを受けることも大切です。

事業所からスカウトがもらえる

看護師のリーダーシップのレポートは具体的に書いて評価を上げよう!

リーダーシップのレポートは、看護師の経験を論理的な知識としてまとめる機会です。

「状況 → 行動 → 根拠 → 結果」のフレームや例文を参考に、
あなたのリーダーシップを最大限に伝えられるレポートを作成しましょう。

あなたのキャリアを次のステップに進めるために、訪問看護の分野でリーダーシップを発揮したい方は、訪問看護に特化した求人サイトNsPaceCareerを活用してみませんか。現役の訪問看護師への相談でキャリアの悩みを解決して、自分に希望に合った職場を見つけましょう。

<参考サイト・文献>

吉田,PM理論に基づく新しいリーダーシップ・トレーニング,九州大学・集団力学研究所.

犬塚,SL 理論の妥当性の再検証―コサイン曲線を用いた包括的検証法の提案―, 経営行動科学第31巻第 1・2号,2019,17-32.

看護実践能力|日本看護協会

サーバントリーダーシップとは|日本サーバント・リーダーシップ協会

SNSシェア

  • LINEアイコン
  • facebookアイコン
  • Xアイコン
記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連する記事

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像左 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左

NsPaceCareerとは

訪問看護・在宅看護に特化した
求人情報検索・応募のほか、
現役の訪問看護師や在宅経験者への無料相談や、
事業所への事前見学申し込みが可能です。

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像右 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左