整形外科の看護師の仕事内容とは?向いている人と求人を探すコツを紹介

公開日:2025/10/28 更新日:2025/10/28
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「整形外科の看護師は、どのようなスキルが必要?」「整形外科病棟は体力的にきついのかな?」

整形外科は、骨や関節、筋肉など運動器を扱う診療科であり、患者さまの日常に必要な生活動作の回復と社会復帰にかかわる、やりがいのある分野です。

この記事を読むと、整形外科の仕事内容や年収事情のほかに、きつさとやりがいの両方を理解でき、整形外科に向いているかどうかがわかります。整形外科への転職を検討している方は、入職後のミスマッチを防げるでしょう。

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整形外科の看護師の仕事内容

整形外科では、外傷や変性疾患を抱える患者さまのケアをおこないます。看護師の仕事は、手術やリハビリテーションを安全に進めるための多岐にわたるサポートが中心です。

  • 術前・術後の管理
  • 疼痛管理とケア
  • リハビリテーションのサポート
  • 入院生活の支援
  • ギプスや装具の管理

これらの業務は、患者さまがこれまでの生活に戻れるようにするための重要な役割です。それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。

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術前・術後の管理

手術設備がある整形外科の看護師のおもな役割は、手術を受ける患者さまの術前・術後の管理です。

術前管理では、術後の合併症予防のために、深部静脈血栓症の予防について患者さまに指導したり、術後の疼痛緩和・リハビリテーションの計画を共有したりします。また、術後管理では、患部の固定や観察が重要です。創部の出血やチアノーゼなど細かく観察し、異常の早期発見に努めます。

さらに、患者さまは不安を抱えがちであるため、話を傾聴して不安を取り除くことも看護師には求められます。

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疼痛管理とケア

整形外科では、手術の影響や骨折などにより、患者さまは痛みを抱えているため、看護師は痛みをアセスメントし、和らげる役割を担います。

NRS(numerical rating scale)やVAS(visual analogue scale)などのスケールで痛みの程度を確認し、鎮痛剤を投与したり、体位変換や安楽なポジショニングに変えたりするケアも重要な仕事です。

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リハビリテーションのサポート

整形外科では、手術や治療と並行してリハビリテーションもおこないます。看護師は、理学療法士や作業療法士と連携し、リハビリテーションが安全にできるように次のようにサポートします。

  • リハビリテーション前後のバイタルサインの確認
  • 車椅子や松葉杖の正しい使い方の指導
  • リハビリテーションへの意欲を維持するための精神的サポート

これらのサポートを通じて、患者さまの機能回復と自立に向けた取り組みを多方面から支えます。

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入院生活の支援

患者さまの入院生活を支援することも、整形外科の看護師の仕事です。というのも、骨折したり、人工関節置換術の手術を受けたりした患者さまは、一時的に身体の動きが制限されるからです。

看護師は術後の肢位制限を守りつつ、体位変換や排泄介助、清潔ケアをおこない、安全に入院生活を送れるように支援します。また、患者さまができることを活かし、自立に向けたサポートを意識してケアすることも、早期の回復と社会復帰を支えるためには重要です。

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ギプスや装具の管理

整形外科の治療には、ギプスやシーネといった各種装具が用いられます。看護師は、これらが正しく装着されているか、また、これらの装具による合併症が起こっていないかも確認します。

とくに、ギプス装着中は、締めつけによる皮ふの損傷や血流障害が起こりやすいため、皮膚の発赤、末梢のチアノーゼ、感覚麻痺がないかを注意深く観察します。装具の着脱や清潔保持も大切な業務です。

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整形外科の看護師の平均年収

整形外科の看護師の平均年収は519万7,000円と推測されます。

これは厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」における看護師全体の平均年収(519万7,000円)を参考にしたものであり、整形外科単科での公的な統計は存在しないため、あくまで概算です。
勤務先の規模や地域、夜勤の有無などにより実際の年収は大きく異なります。

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整形外科の看護師のスケジュール

整形外科病棟の看護師の日勤と夜勤の流れを紹介します。リハビリテーションや手術の予定によって、スケジュールは変わりやすいのが特徴です。

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日勤の流れ

まずは、日勤の流れを見ていきましょう。

時間業務内容
8:00出勤、情報収集
8:30申し送り(夜勤から日勤へ)
9:00手術出し、バイタルサイン測定、点滴・内服薬の投与、術後の創部観察
10:00リハビリテーション室への搬送、清潔ケア
12:00昼食の配膳・下膳、食事介助、口腔ケア
12:30休憩
13:30手術の迎え、清潔ケア
15:00カンファレンス
16:00記録、翌日の準備、夜勤者への申し送り
17:00退勤

日勤は、手術出しやリハビリテーション室への搬送など、患者さまの移動にかかわる業務が多くなります。また、術後の創部観察や疼痛管理が中心となるため、処置やケアの優先順位を意識する必要があります。

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夜勤の流れ

次に、夜勤の流れを見ていきましょう。

時間業務内容
17:00出勤、情報収集
17:30申し送り(日勤から夜勤へ)
18:00夕食の配膳・下膳、食事介助、口腔ケア
19:00内服薬の投与、体位変換、バイタルサイン測定
21:00消灯前の見回り、夜間点滴の準備・開始
22:00消灯
24:00巡視、記録、仮眠
2:00巡視、バイタルサイン測定
6:00起床介助、バイタルサイン測定、採血
8:00朝食の配膳・下膳、食事介助、口腔ケア
8:30申し送り(夜勤から日勤へ)
9:00退勤

夜勤は、消灯前までは患者さまの体位変換や排泄介助など、身体的なケアが多くなりがちです。また、消灯後は転倒・転落リスクが高まるため、巡視を強化して安全管理に努めなければなりません。

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整形外科の看護師のメリットとデメリット

整形外科の看護師として働くメリットとデメリットを理解することで、転職後のミスマッチを防げます。

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メリット

整形外科で働くメリットは、次のとおりです。

  • 患者さまの回復過程を実感できる
  • 専門知識をさまざまな分野で活用できる
  • 急変が比較的少ない

骨折や手術後の患者さまの回復は、比較的目に見えて経過を実感できる場面も多く、「車椅子だった患者さまが歩けるようになる」といった変化を支えられることに、やりがいを感じる看護師も多いです。

また、運動器の解剖生理学、ギプス・装具の管理、疼痛緩和の知識は、高齢化社会において介護施設や訪問看護など、多様な場面で役立つため、キャリアの幅が広がるでしょう。

関連記事:看護師に人気の科5選!大変な科や人気の科に転職するための方法を解説

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デメリット

整形外科の看護師にはメリットがある一方で、デメリットと感じる点もあります。

  • 体力的な負担が大きい
  • 処置をする機会が多い
  • 知識が偏りがち

整形外科の患者さまは自分で動けないため、移乗介助や体位変換などの業務が多く、看護師は腰痛や肩痛など身体的な負担を感じやすいのも事実です。また、創部のドレッシング交換やドレーン管理、ギプス固定など外科的な処置が多く、慣れるまで手間取ることがあります。

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整形外科の看護師に向いている人

整形外科の看護師として活躍できるのは、次のような資質のある人です。

  • 患者さまの自立をサポートしたい人
  • 運動器についての専門知識を深めたい人
  • コミュニケーション能力がある人

それぞれを詳しく見ていきましょう。

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患者さまの自立をサポートしたい人

整形外科の看護師の役割は、患者さまが病気やケガから回復し、自宅や社会に復帰できるようにすることです。

そのため、患者さまのリハビリテーションへの意欲を引き出し、精神的なサポートをおこない自立を応援できる人が求められます。

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運動器についての専門知識を深めたい人

整形外科の看護師は、骨や筋肉といった運動器の専門知識を深めたい人におすすめです。整形外科のケアでは、骨や筋肉、神経の解剖生理学についての知識が不可欠だからです。

たとえば「骨折した部位によって起こる神経麻痺」「人工関節の脱臼を防ぐための安静肢位」など、知識を学ぶ意欲がある人に向いています。

専門性の高い知識は、患者さまの異常の早期発見や、合併症予防に直結する重要なスキルとなります。

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コミュニケーション能力がある人

整形外科の看護師には、多職種とスムーズに連携できるコミュニケーション能力が求められます。整形外科では、医師や理学療法士、作業療法士など多くの専門職によるチーム医療で治療やケアを進めていくからです。

とくに、リハビリテーションの専門職と連携を取り、患者さまの回復目標を共有し、ケアにつなげられる人が求められます。

また、整形外科の患者さまは小児から高齢者までと年齢層が幅広いため、それぞれに応じたコミュニケーションスキルが求められます。

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整形外科の看護師の求人を探すコツ

整形外科で働く場合、勤務形態や病院の機能によって仕事内容が異なります。次のコツを参考に、自分に合った職場を見つけましょう。

  • 病棟・外来・手術室のどの勤務形態かを確認する
  • リハビリテーション病院や整形専門のクリニックもチェックする
  • 教育体制のある職場を選ぶ
  • 夜勤の有無や残業時間を事前に確認しておく
  • 看護師以外のリハビリテーション専門職の人数を確認する

これらのポイントを確認することで、期待するスキルを身につけられるか、体力的な負担は問題ないか、などを事前に判断できます。

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病棟・外来・手術室のどの勤務形態かを確認する

「整形外科の看護師」といっても、働く場所で業務内容は異なります。

  • 病棟:術前や術後管理、入院生活のサポート、清潔ケア
  • 外来:医師の診察介助、日常生活における注意点の説明
  • 手術室:器械出し、外回り

夜勤や体力的な負担を減らしたいなら外来、専門的な知識と経験を積みたいなら病棟や手術室を選ぶなど、目的を明確にしましょう。

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リハビリテーション病院や整形専門のクリニックもチェックする

整形外科で働きたい場合、回復期リハビリテーション病院や整形外科専門のクリニックも選択肢に入れましょう。

回復期リハビリテーション病棟では、患者さまの回復にじっくりと寄り添うケアが中心になります。クリニックでは、診察の介助や処置が中心となり、生活リズムが安定しやすいメリットがあります。

関連記事:クリニック看護師の仕事内容4つ!診療科別の仕事内容とメリットを紹介

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教育体制のある職場を選ぶ

整形外科で働くのが初めての場合やブランクがある場合は、職場の教育体制が整っているかを確認しましょう。

解剖生理やギプス固定、術後管理についての研修が定期的に開催されている病院では、専門知識を学べる環境が整っています。現場に使えるスキルを学べるため、スムーズに仕事を進められます。

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夜勤の有無や残業時間を事前に確認しておく

整形外科では、勤務する日に手術や緊急入院が多いと、残業が増える傾向にあります。求人情報では、「1ヶ月あたりの平均残業時間」や「夜勤回数」などを事前に確認しておきましょう。

体力的な負担が気になる場合は、日勤のみの求人や短時間勤務で働ける職場を選ぶなど、勤務形態を十分に検討することが大切です。

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看護師以外のリハビリテーション専門職の人数を確認する

理学療法士や作業療法士といった専門職の人数が多い職場は、リハビリテーションに力を入れており、多職種連携がスムーズである可能性があります。

看護師自身もリハビリテーションの知識を深めやすく、より質の高い回復支援が実践できます。

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整形外科の看護師についてのよくある質問

整形外科の看護師を目指す方が抱きやすい疑問に回答します。

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Q1:整形外科の看護師は未経験でも働けますか?

未経験でも整形外科の看護師として働けます。なぜなら、多くの病院では研修制度が整っており、先輩看護師が現場で丁寧に指導してくれるからです。

ただし、整形外科ではギプス管理や術後の疼痛管理など専門的な知識やスキルが必要になるため、入職後に学び続けていくことが不可欠です。

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Q2:整形外科の看護師は忙しいですか?

整形外科では、自力で動けない患者さまを対象にすることが多く、移乗や体位変換、排泄介助といった身体的なケアの機会が増えるため、看護師は忙しくなりがちです。

とくに、骨折や脊椎損傷の患者さまは自力では動けず、介助量の多い患者さまが多いため、移乗介助や体位変換などの身体的ケアが増え、看護師にとって体力的な負担を感じやすい傾向があります。

業務の忙しさはありますが、手術をおこなっていない病棟であれば、急変対応のプレッシャーは比較的少ないため、その点をメリットと感じる看護師も多い傾向です。

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Q3:整形外科で役立つ資格やスキルはありますか?

整形外科で役立つ資格やスキルは次のとおりです。

  • 日本運動器看護学会認定運動器看護師
  • 回復期リハビリテーション看護師
  • 骨粗鬆症マネージャー
  • フットケア指導士

これらの専門資格は必須ではありませんが、取得することで患者さまのケアの質向上につながります。また、整形外科の看護師には、リハビリテーションの専門職と共通の用語で会話できる知識も必要です。

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整形外科の看護師は患者さまの回復をサポートできるやりがいのある仕事!

整形外科の看護師は、移乗介助や体位変換といった身体的な負担はありますが、患者さまが回復し、退院していく姿を間近で見られるやりがいのある仕事です。

「リハビリテーションに力を入れたい」「夜勤のないクリニックで働きたい」など、あなたの希望に合った職場を見つけることが、長く働き続けるためには不可欠です。

NsPaceCareerでは、整形外科での経験を活かせる訪問看護の求人を多数扱っています。利用者さまの生活の場でのリハビリテーション支援に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

<参考サイト・文献>

令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

学会認定運動器看護師制度とは|JSMN 日本運動器看護学会

回復期リハビリテーション看護師|回復期リハビリテーション病棟協会

骨粗鬆症マネージャー制度|日本骨粗鬆症学会

フットケア指導士|日本フットケア・足病医学会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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