眼科の看護師とは?仕事内容と必要な資格、求人を探す5つのコツを解説

「眼科の看護師ってどんな仕事?キャリアに活かせる?」と悩んでいませんか?
眼科は夜勤が少ない傾向があるため、ワークライフバランスを重視したい看護師に人気の診療科です。しかし、専門性の高さやクリニックと病院での役割の違いなど、事前に知っておくべきことがあります。
この記事では、眼科の看護師の仕事内容や年収、メリット・デメリットを解説します。眼科で働く看護師の仕事がわかり、理想の働き方であるかを判断できるでしょう。
眼科の看護師とは
眼科の看護師とは、眼の病気やケガ、視力の問題がある患者さまをケアする専門職です。ここでは、眼科の看護師の役割や必要な資格を紹介します。
役割
眼科の看護師の役割は、おもに次の4つです。
- 検査の介助
- 診療の補助
- 手術のサポート
- 患者さまへの生活指導
眼科では、医師や視能訓練士など多職種との連携が欠かせません。看護師は、これらの専門職と協力しながら、患者さまが不安なく治療を受けられるようにサポートすることが大切な役割です。
必要な資格
眼科の看護師になるためには、看護師資格以外に特別な資格は必要ありません。ただし、眼科では視力検査・眼圧検査など、眼科特有の専門的なスキルが求められます。
眼科の看護師の仕事内容
眼科で働く看護師の仕事内容は、施設の体制や診療内容によって大きく変わります。
なかでも、視能訓練士が在籍しているかどうか、また手術を行っているかどうかによって、担当する業務の範囲が異なります。
以下の3つのケースに分けて、仕事内容の違いを具体的に見ていきましょう。
- 視能訓練士が在籍している場合
- 視能訓練士が在籍していない場合
- 手術を行う場合
視能訓練士が在籍している場合
視能訓練士が在籍している医療機関では、看護師は次の業務をおこないます。
- 医師の診察補助
- 患者さまへの説明
- 採血や点滴などの医療行為
- 器具の洗浄と消毒
視力や視野の測定といった視機能検査は、おもに視能訓練士が担当します。そのため、看護師はサポート業務に回る可能性があります。
視能訓練士が在籍していない場合
視能訓練士が在籍していない医療機関では、看護師が医師の診察補助や患者さまへの説明に加えて、検査の一部を担います。
- 視力検査・眼圧測定・視野検査などの検査業務
- メガネやコンタクトを合わせる業務
これらの検査には、特別な資格は必要ありません。ただし、取り扱う機器は特殊であり、正確に検査を行うためには知識を深める必要があります。
手術を行う場合
白内障や緑内障などの手術を行う病院やクリニックに勤めている場合、看護師は手術の介助や器械出しも担当します。
術前の患者さまの体調チェックや、術後の安静を促すケアも大切な仕事です。

眼科の看護師の年収
眼科の看護師の年収は、勤務先や働き方によって大きく変わります。
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師全体の平均年収は519万7,000円です。一方で、眼科クリニックは夜勤やオンコールが少ない傾向にあるため、夜勤手当がつかず、年収がやや下がるケースもあります。
実際の求人では、月給24万円〜30万円前後、年収で420〜480万円程度の募集も見られます。
求人票を確認する際は、夜勤手当の有無・賞与の支給額などもチェックしておきましょう。
関連記事:看護師のリアルな年収とは?年代・職場・地域・性別・雇用形態別に紹介
眼科の看護師のメリット・デメリット
眼科の看護師は、ワークライフバランスの取りやすさがある一方で、デメリットもあります。
夜勤が少なく、ルーティン業務が中心というイメージから「楽な科目」と捉えられがちですが、実際には高度な検査機器の操作や眼に関する専門知識の習得が求められます。
また、急変対応の経験を積みにくいため、「スキルの幅が狭まる」と感じる人もいる点には注意が必要です。
自身のキャリアプランに照らして、眼科が本当に適した職場かどうかを見極めましょう。
メリット
眼科で働く看護師のメリットは、次のとおりです。
- 夜勤が少ない
- 専門性が高い
- ワークライフバランス
これらのメリットがあるため、眼科は安定した働き方を実現したい看護師にとって人気の高い診療科です。自分の目標とするキャリアやライフスタイルに合わせて、メリットを活かせる働き方を選びましょう。
デメリット
眼科で働く看護師のデメリットは、次のとおりです。
- 急変対応が少なくスキル幅が狭い
- 給料がやや低め
全身管理や急変対応といった幅広い看護経験を積みたい看護師にとっては、物足りなさや将来的な不安を感じるかもしれません。また、これまでの看護スキルを活かしづらく、転職する際に不利になる可能性があります。
ただし、眼科特有のスキルに集中し、スペシャリストとしての道を目指す方法もあります。
眼科の看護師に向いている人の特徴
眼科の看護師の仕事は、次のスキルがある人に特に向いています。
- コミュニケーション能力が高い人
- 多職種と連携が取れる人
- 医療機器の操作に慣れている人
- ワークライフバランスを大切にしたい人
- ルーティンワークで働きたい人
自分の性格や働き方の希望と照らし合わせてみてください。
コミュニケーション能力が高い人
コミュニケーション能力が高い人は、眼科で活躍できる可能性が高いです。なぜなら、患者さまの不安を和らげ、治療への協力を得る必要があるからです。眼科の患者さまは、視力の低下や失明への不安を抱えています。
そのため、言葉だけでなく、表情や態度で安心感を与え、不安な気持ちを和らげられる看護師が活躍できるでしょう。
多職種と連携が取れる人
眼科の看護師は、次の職種と連携するため、自分の役割を理解し、チームの一員としてスムーズに情報共有できる能力が必要です。
- 医師
- 視能訓練士
- 医療事務
患者さまの視機能の重要な情報を、正確に共有できるスキルが求められます。
医療機器の操作に慣れている人
医療機器の操作に抵抗がない人や、新しい機器の操作方法を覚えることに前向きな人は、仕事にスムーズに馴染めるでしょう。眼科では、視力測定器や眼圧計、眼底カメラなど専門的な医療機器を多く使用するからです。
検査データは診断に直結するため、機械を丁寧に、正確に操作できる人が向いています。
ワークライフバランスを大切にしたい人
ワークライフバランスを大切にしたい人にとって、眼科は理想的な職場になりえます。外来中心のクリニックでは残業が少なく、夜勤もない、もしくは少ない傾向にあるからです。
具体的には、子育て中の看護師が日勤のみの勤務で、子どもの保育園の送り迎えや夕食の準備に間に合う時間帯に帰宅できます。仕事の疲れを家庭に持ち越すことなく、長期的に看護師として活躍できるでしょう。
ルーティンワークで働きたい人
ルーティンワークで働くことを好む人は、眼科の業務に適性があります。視力検査や点眼処置など決まった流れの業務が中心になるからです。
落ち着いて決められた業務をこなしたい人にとっては、働きやすい環境です。
ただし、手術を行う病院やクリニックでは、白内障の手術は10~20分くらいが目安となるため、手術件数によっては患者さまの対応に追われる恐れがあります。
眼科の看護師がキャリアアップする方法
眼科の看護師がキャリアアップを目指す場合、大きく2つの方向性があります。
- 専門性を高める:視能訓練士や認定看護師などの資格取得を目指す。ただし、視能訓練士は養成校への入学が必要です。看護師からすぐに取得できる資格ではないため、進学を検討する必要があります。
- 管理職としての成長:看護主任や看護師長としてマネジメント業務に携わり、多職種連携や新人教育の中心となる役割を担う道です。
どちらの道でも、眼科での経験年数や専門的な知識・技術の蓄積が大切です。
眼科の看護師の求人を探すコツ
眼科の看護師として理想の職場を見つけるには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。
- 病院とクリニックの違いを理解して選ぶ
- 夜勤や勤務形態をチェックする
- 未経験歓迎かどうかを確認する
- 手術件数や診療内容を調べる
- 求人サイトを活用する
これらのコツを実践すれば、自分の希望に合った職場を効率良く見つけられます。働き方やキャリアプランをイメージし、それに合う情報を事前に集めることが成功につながります。
病院とクリニックの違いを理解して選ぶ
眼科の病院とクリニックでは、仕事内容や働き方に違いがあります。
- クリニック:外来中心で専門的な検査を担当する機会が多い
- 病院:外来に加えて病棟や手術室での業務があり夜勤や緊急対応がある
自分の希望する働き方に応じて、どちらの施設で働くのかを決めることで、転職後のミスマッチを防ぎ、長く働ける職場を見つけられるでしょう。
関連記事:クリニック看護師の仕事内容4つ!診療科別の仕事内容とメリットを紹介
夜勤や勤務形態をチェックする
夜勤やオンコールの有無は、眼科への転職でチェックすべき項目です。これらの勤務形態はワークライフバランスに影響し、安定した生活を送れるかを左右するからです。
たとえば、病院の病棟勤務では夜勤がある場合があり、オンコール対応が求められるクリニックもあります。求人票の「勤務形態」欄を確認し「夜勤なし」「オンコールなし」と記載があることをチェックすることで、自分のライフスタイルに合った働き方を選べます。
未経験歓迎かどうかを確認する
求人票に「未経験歓迎」の記載があるか、入職後の研修体制が整っているかを確認しましょう。眼科は専門性が高く、未経験での転職に不安を感じる看護師は少なくありません。
教育体制がしっかりしている職場であれば、スムーズに眼科の看護師としてのスキルを身につけられるでしょう。
手術件数や診療内容を調べる
働く眼科の手術件数や専門とする診療内容(網膜硝子体手術やレーザー治療など)を調べることも大切です。
手術の経験を積みたい場合は手術件数の多い病院を、最新の医療機器に触れたい場合は、その分野に力を入れているクリニックを選ぶと良いでしょう。
求人サイトを活用する
看護師専門の求人サイトは、効率的な転職活動に役立ちます。眼科の求人が多く集まっており、働きたい地域や希望する条件で絞り込みやすいからです。
たとえば「眼科」「日勤のみ」「残業少なめ」といった複数の条件で求人検索し、自分の希望に合った情報を短時間で見つけられます。これにより、無駄な時間をかけずに転職先を決められます。
眼科の看護師についてのよくある質問
眼科への転職を考える看護師が抱きやすい、よくある疑問にお答えします。
Q1:眼科の看護師には採血のスキルが必要ですか?
クリニック勤務の場合は、採血のスキルは必要ないケースが多い傾向にあります。眼科の診察や検査に採血が必要な機会が少ないからです。
ただし、総合病院の眼科病棟や糖尿病内科を併設しているクリニック、手術を行う場合は、採血のスキルを求められることがあります。採血が苦手で避けたい場合は、クリニックの求人を中心に探すと良いでしょう。
Q2:眼科未経験でも採用されますか?
眼科未経験でも採用される機会は十分にあります。
眼科専門の知識は入職後の研修で学ぶことが可能であり、基本的な看護技術(採血・点滴や全身管理の経験)を身につけている看護師は歓迎されやすい傾向にあるからです。
たとえば、クリニックや中小の病院では、即戦力よりも、人柄や基本的な看護経験を重視して採用するケースが多く見られます。
そのため、眼科に興味があるなら、未経験であることを気にせず求人へ積極的に応募してみましょう。
Q3:眼科の看護師がつらいと感じる理由は何ですか?
眼科の看護師が「つらい」と感じるおもな理由は、専門知識の習得の難しさです。眼科特有の解剖生理や、専門的な検査機器の操作を習得する際に大変さを感じる看護師が少なくありません。
たとえば、網膜や視神経などについての専門的な知識を覚えることに苦労する場合もあります。また、ルーティンワークに物足りなさを感じることもあります。
眼科の看護師の仕事内容を知って理想の働き方を実現しよう
眼科は、夜勤が少なく、ワークライフバランスを重視したい看護師に人気があります。
眼科への転職を成功させるためには、希望する働き方を明らかにしたうえで、病院とクリニックの違いを理解して求人を探すことが大切です。
看護師の経験を活かして、新しい分野で活躍したいと考えている方はいませんか。
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<参考サイト・文献>
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
