看護師免許の更新は必要?どこで更新すべきか、働いていない場合の対応も解説

「看護師免許って更新が必要なの?」「ブランクがあるけど、免許が失効していないか心配」
このように不安を感じている看護師の方はいらっしゃいませんか。
この記事では、看護師免許の更新が必要なタイミングや手続きの方法などをわかりやすく解説します。看護師免許の更新についてよくある質問もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
看護師免許の定期的な更新は必要ない
看護師免許は、運転免許のような定期的な更新制度はありません。ただし、氏名や本籍地に変更があった場合は、所定の訂正手続きが必要です。看護師の仕事を続けている方、離れている方でも、行政処分の対象とならなければ、免許が失効することはないので安心してください。
ただし、定期的に免許を更新しなければならないと誤解している方もいるようです。これは、保健師助産師看護師法で定められた「業務従事者届の提出」と混同しているためと考えられます。
看護師免許の更新が必要なタイミング
看護師免許証の記載事項に変更があったときには「看護師籍の訂正と免許証書換え申請」の手続きが必要です。次のタイミングで申請するように保健師助産師看護師法(第三条)に明記されています。
- 氏名が変わったとき
- 本籍地が変わったとき
看護師免許の情報と現状が異なっていると、転職時や各種手続きの際に困る可能性があります。
結婚や離婚などで氏名が変わったとき
結婚や離婚、養子縁組などで氏名が変わったときは、戸籍が変更された日の翌日から起算して30日以内に「看護師籍の訂正と免許証書換え申請」の手続きが必要です。30日を過ぎても申請はできますが、遅延理由書をあわせて提出しなければなりません。
旧姓の免許証を利用したい場合は、申請書の標題と中段にある「免許証書換え交付」の文字を二重線で消すことで書換えの希望がないことを示すことができます。この場合でも、看護師籍の訂正の手続きは必要であるため忘れずに申請しましょう。
本籍地の都道府県が変わったとき
本籍地の都道府県が変わったときも「看護師籍の訂正と免許証書換え申請」の手続きを行います。氏名変更と同じく、戸籍変更の日の翌日から30日以内が期限です。
引っ越しで住所が変わっただけで本籍地に変更がない場合は、看護師免許の手続きは必要ありません。
看護師免許を更新する際の必要書類と手続きの流れ
看護師免許の氏名や本籍地の変更手続きは、保健所(一部は県庁)で行えます。看護師として働いている方は「勤務先を管轄している保健所」、働いていない方は「居住地を管轄している保健所」で手続きをします。
必要書類が足りていなかったり、手続きの流れを間違えたりすると、二度手間になってしまうため、しっかりと確認して、スムーズに手続きを進めましょう。
必要書類
氏名や本籍地の変更手続きに必要な書類は、おもに次のとおりです。
| 必要書類 | ポイント |
| 籍(名簿)訂正・ 免許証書換え交付申請書 | ・厚生労働省のホームページから所定の用紙をダウンロードして記載 ・保健所にある用紙に記載 |
| 戸籍抄本または戸籍謄本 | ・発行から6か月以内のもの ・コピーは不可 ・旧姓の併記を希望する場合は変更経過が確認できるものを添付 |
| 看護師免許証 | ・コピーは不可 ・表面が外側になるように中央で2つ折りにして添付 |
| 収入印紙 | 1,000円分を申請書の収入印紙欄に添付 |
看護師免許は、転職時にほかの手続きで必要になるケースもあるため、保健所に提出する前にコピーを取っておくと安心です。
手続きの流れ
看護師免許の変更手続きは、次の流れで進めてください。まず必要な書類をそろえることから始めましょう。
- 必要書類を準備する
- 保健所に提出する
- 審査を待つ
- 新しい免許証を受け取る
変更手続きをした場合、新しい看護師免許が届くまで通常2〜4ヶ月程度かかる場合があります。自治体や申請時期によって異なるため、早めの手続きをおすすめします。
その期間中は、「登録済証明書(登録事項証明書)」を発行することで、新しい免許証が届くまでの間、正式な資格証明書として使用することができます。申請方法や発行手数料は自治体によって異なるため、事前に確認しましょう。
関連記事:【2025年度最新版】看護師免許の申請方法!必要書類・記入例・注意点まで完全ガイド
働いていなくても看護師免許の更新は不要
看護師として働いていない場合でも、免許が失効することはありません。ただし、氏名や本籍地に変更があった場合は、就業の有無にかかわらず、30日以内に訂正手続きが必要です。
ここでは、以下の3点について詳しく解説します。
- 免許は失効しない
- ブランクのある看護師におすすめの研修
- ブランクのある看護師におすすめの職場
再就職を目指す際には、研修や復職支援セミナーを活用することで、自信を持って現場に戻る準備ができるでしょう。
免許は失効しない
看護師免許は、一度取得すれば生涯有効です。看護師の仕事を辞めたり、出産や育児で10年間看護師の仕事から離れていたりする場合でも、看護師免許証が使えなくなることはありません。
ただし、次のケースに該当する場合は、行政処分の対象となり、免許が失効する可能性があります。
- 罰金以上の刑に処せられた者
- 看護師業務で犯罪または不正の行為があった者
- 心身の障害により看護師の業務を適正に行えない者
- 麻薬・大麻若しくはあへんによる中毒者
- 看護師として品位を損するような行為があった者
具体的な行政処分の対象となるケースについては厚生労働省の基準を参照してください。
これらのケースを除き、免許証の情報に変更がなければ、そのまま使えます。
ブランクのある看護師におすすめの研修
ブランクのある看護師には、ナースセンターや自治体が実施している復職支援セミナーや研修の受講がおすすめです。
これらの研修では、最新の医療知識や採血・点滴などの基本的な手技を確認できるため、自信をもって復職できるでしょう。
ブランクのある看護師におすすめの職場
ブランクのある看護師には、教育体制が整っている職場や比較的落ち着いた環境の職場がおすすめです。
- 病院:教育体制が整っていると教育担当者がつき段階的に業務を習得できる
- クリニック:夜勤がなく患者さまの状態が安定している
- 訪問看護ステーション:利用者さま一人ひとりとじっくり向き合う時間があり、ブランクがあっても始めやすい
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看護師免許の更新と誤解される「業務従事者届」とは?2年ごとに提出が必要
看護師免許の「更新」と間違われやすいのが「業務従事者届」です。
これは、看護師免許の効力とは無関係に、就業実態を2年に一度行政に届け出る制度です。免許そのものの更新ではありませんが、提出が義務づけられており、未提出が続くと行政からの指導対象となる場合もあります。
国が日本の看護職員の人数や、毎年12月31日時点での就業状況を把握し、今後の医療政策を考えるための手続きです。提出期間は、2年ごとの年の翌年1月15日までです。2022年からは、オンラインでの届け出も可能になり、手続きがしやすくなりました。
ただし、それぞれの看護師が手続きをする必要はなく、医療機関ごとに取りまとめて提出するケースがほとんどです。
看護師免許の更新についてのよくある質問
看護師免許の手続きについての疑問を解消して、安心して仕事に専念してください。手続きのタイミングや場所について、よくある質問に答えます。
Q1:結婚して氏名が変わったときに看護師免許を更新しなかったらどうなりますか?
結婚して氏名が変わったとき、看護師免許の訂正手続きをしなかった場合でも、直ちに法律違反や失効になるわけではありません。
ただし、転職時などで氏名と免許証の記載が一致しないと、証明手続きに支障をきたす可能性があるため、早めの手続きが推奨されます。
Q2:看護師免許の更新は職場でできますか?
看護師免許の更新(訂正申請)は、職場の病院や施設ではできません。原則として、職場を管轄する保健所で行います。
Q3:看護師免許の更新はオンラインでできますか?
2025年10月現在、看護師免許の訂正申請(氏名や本籍地の変更など)はオンラインでは対応しておらず、窓口または郵送での手続きとなります。
今後オンライン化される可能性もあるため、厚生労働省の情報を随時確認することをおすすめします。
Q4:看護師免許を紛失したら再交付にどのくらいかかりますか?
看護師免許を紛失して再交付を申請した場合、新しい免許証が手元に届くまでには2~3ヶ月かかります。
紛失に気づいたら、速やかに就業地の保健所(一部県庁)で再交付の手続きをしてください。再交付申請には、収入印紙3,100円分(自治体により異なる場合あり)**が必要です。新しい免許証が届くまでには、通常2〜4ヶ月程度かかることもあります。申請先の保健所または都道府県にて詳細を確認してください。
関連記事:看護師免許の再発行手続きガイド!必要な手続きと期間をわかりやすく解説
Q5:住所が変わったときは看護師免許の更新が必要ですか?
住所が変わっただけでは、看護師免許の更新(訂正申請)は必要ありません。
手続きが必要になるのは、氏名が変わったとき、または本籍地の都道府県が変わったときです。引越しで住所が変わっても、本籍地が変わらなければ手続きの必要はありません。
看護師免許の更新は基本的には不要!必要なときに正しく手続きを進めよう
看護師免許は基本的に更新の必要がなく、一度取得すれば生涯有効です。
しかし、結婚や離婚で氏名が変わったとき、または本籍地の都道府県が変わったときは、30日以内に保健所で訂正の手続きが必要です。
働いていない場合でも免許が失効することはないので、安心して復職の準備を進めましょう。
<参考サイト・文献>
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
